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2023-02

冬を走る・13

【冬を走る・13】2年間延期となっていた青梅マラソン大会が開催されました。私も久々に現地へ足を運びました(20数年ぶり?)。かつてはどの大会においても感じた、「まるで地元の方々が総出で大会運営をしている」。そんなアットホーム的な雰囲気が、今も色濃く残っている伝統ある青梅マラソン大会でした。

また、実施される種目もハーフマラソンではなく「30k」と、今ではたいへん珍しい距離です。もちろん、かつては全国に30kの大会が数多くありましたが、ハーフマラソンが普及してきたのと引き換えに、その距離を掲げた大会はほとんどみなくなりました。

ここで、レースとしてのハーフマラソンと30kの違いを少し考えてみます(トップ選手の例で)。距離的には、マラソンの半分がハーフマラソン。よりマラソンに近い距離が30k。まずは見たままの違いになります。

しかし、ハーフマラソンの場合、スタートから記録を意識し、単独走になったとしてもハイペースで突っ込んでいく選手を見かけます。また、後半失速してきてもゴールまでは持ちこたえることができる距離とも言えます(最初から独走でも記録を狙える)。

一方、30kの場合、最初から突っ込んでいく選手もいますが、後先考えずにガンガンいく選手は極端に少なくなります。要は「このペースで最後まで持つのか?」と、距離に対しての不安が頭をよぎるのでしょう(最初からの独走では記録を狙いにくい)。

また、走る時間で考えると、ハーフマラソンは1時間弱、マラソンは2時間弱です。つまり、1時間弱なら積極的な気持ちになるが、2時間弱になると慎重になる。そして、30kは1時間30分弱と、その中間になります。つまり、慎重な気持ちに傾いていく分岐点とも言えるのでしょうか。

近年のマラソンは、その慎重な気持ちを払拭させる意味も含め、ペースメーカーが30k前後までレースをけん引して記録を狙わせます。しかし、30kレースはペースメーカーがほぼいません。したがって、スタート直後から選手間の駆け引きがはじまり、記録は二の次になる傾向が強いと感じます。

先日の青梅マラソン大会も最初から最後まで選手間の駆け引きがあり、逆に見応えのあるレースとなりました。かつて、30kはマラソンへの登竜門と言われていました。ところが、ハーフマラソンが普及してきた近年において、その30kレースは激減しました。しかし、マラソン経験者が駆け引きを学ぶためのレースとして捉えるなら、逆に30kレースの価値を見直すべきかもしれません……。

冬を走る・12

【冬を走る・12】1月後半から本格的なマラソンシーズンに入っていますが、多くの方がこの時期のマラソン大会に一度は出場したと思います。中にはほぼ週末ごとにマラソンを走った方もいたことでしょう。

また、ここでマラソンを1本走ったあと、一旦仕切り直して3月上旬からのマラソン大会に備える方も多いと思います。実は、富津合同マラソン練習会のメンバーたちもこのパターンで調整している方が多い。

このブログでもマラソンの連戦については、「それぞれのトレーニング方法などによって可もなく不可もなく」と言ったような話をしました。そもそも週末ごとにマラソンを走ることを単に連戦と呼ぶのか?あるいは、ひと月ごとにマラソンを走ることも連戦と呼ぶのか?少なくとも連戦と呼んでいる正確な定義は存在しません。

つまり、連戦か否かは個々の主観で決めることであり、走っている本人が苦痛を感じていなければ、週末ごとにマラソンを走っても連戦とは言えないのでしょう……。

さて、ここまでくどい話になりましたが、実はマラソンを連続で走っていると、肉体面より精神面のスタミナが枯渇してくるケースが多いと感じます。いわゆる「燃え尽きる」と言った表現になるでしょうか。

一般的にマラソンはスタートした後、ゴールが近づくにしたがって体はきつくなっていきます。また、走っている距離と時間がとても長いのですが、その分ペースはゆとりがあるので、様々なことを頭の中で考えたり感じたりするゆとりがあります(いわゆる無我夢中や無心になりにくい)。

そのため、特に30k以降の苦しみや苦痛は記憶にも刻まれやすく、最終的には肉体面以上に精神的なダメージの方が蓄積されていくと考えます。そして、マラソンの経験を積むほど、マラソンがうまく走れてくる半面、後半の苦しみや苦痛の記憶も確実に蓄積され、ある時点でオーバーフローするケースもあります。

そうなると、マラソンに挑戦しようとする意欲も減退し、走ることも厳しい状況に陥っていく可能性も高まります。もしも、そのような感覚を持ったなら、3月のマラソンを回避し、一度リフレッシュするのが良いと思います(月並みですが)。

そして、いつも走っているマラソン大会を今回は応援側にまわり、仲間の力走を応援することは、最高の気分転換にもなることでしょう……。

冬を走る・11

【冬を走る・11】今年も伝統の別大マラソン大会が開催されました。そして、今年もブラインドマラソン部門も実施いただきました。まずは、大会関係者の皆様に厚く御礼申し上げます。

また、今年はコロナ禍による制約はほぼなくなり、いつもの活気ある姿に戻りました。そんな状況を祝福するかのように、大会当日のコンディションは懸念されていた風もほぼ無風で、最高のコンディションとなりました。

ちょうど1週間前の大阪国際女子マラソン大会は、後半の寒風に多くの選手たちは失速していましたが、今大会はその風の影響が最小限に抑えられたこともあり、上位選手を筆頭に好記録が続出していました。

もちろん、富津合同練習会で切磋琢磨してきた仲間たちも同大会には多数出場しました。特に、「2時間35分から2時間40分」を目標タイムに走り込んできた方々が多数エントリーし、個人的にも楽しみにしてきました。

さて、1週間前の大阪国際女子マラソン大会に出場した方々も同様でしたが、走力が近い者同士、切磋琢磨しながら走り込んでいくのは、最も効率のよいトレーニング方法のひとつです。これは、別大マラソン大会においても同様です。

そして、大会当日もその切磋琢磨した仲間同士で集団を形成できれば理想的です。しかし、別大マラソン大会に関しては、2時間30分突破を目標にしたランナーたちの集団が比較的大きくなる傾向が強く、2時間35分前後を目指す集団はあまり目立ちません……。

ところが、今大会に関しては、2時間35分前後の記録を目標にした集団は富津合同練習会のメンバーを中心に形成され、比較的大きな集団となっていました。また、その集団は30k以降も大きく崩れることなく、ゴールまで集団を形成しながら粘り倒していきました。

どの選手も課題だった30k以降は、いつものように仲間と競り合うことで、最小限の失速に食い止め、富津合同練習会のメンバーたちは自己新記録ラッシュとなりました。実は、今回のように日ごろから切磋琢磨している仲間たちと、まるで練習会のように実際のレースを走れることはなかなか実現しませんでしたが、今大会はその想いが届きました。

来年の別大マラソン大会では今大会と同じメンバーが更に上の記録を、今回と同じようなレース展開で戦えるよう、富津合同練習会で更に切磋琢磨してほしいと願っております……。

冬を走る・10

【冬を走る・10】先日の1月29日は大阪国際女子マラソン大会が開催され、富津合同練習会で切磋琢磨してきた仲間たちも多数出場しました。また、同大会の参加資格は、マラソンなら「3時間7分以内」と、出場すること自体も難しい大会のひとつですが、今年から関門も厳しくなりました。

具体的には、スタートして最初の6k地点が26分以内に引き上げられました。詳細は割愛しますが、6kの関門通過ペースでゴールすると、3時間2分台となり、参加資格以上のハードルが大会当日に設定されることになったのです。

かくいう私も大会当日は現地にて応援しましたが、コンディションも公式発表以上に冷たい風が強く吹き、特にレース終盤になるほど女性ランナーたちの体力と気力を奪っていったのも確かです。このように、前述した厳しくなった関門とも重なり、少なくとも富津合同練習会のメンバーたちは大苦戦しました。

また、今大会の完走率は80%を下回っていました(安田の計算)。もちろん、過去の公式データを詳細に確認していませんが、完走率だけの数字で判断すると、今回は相当厳しい条件がそろった大会だったとも言えます。

そんな中、果敢に記録へ挑戦したにも関わらず、ゴールタイムが目標タイムと大きく乖離したり、途中棄権に終わった方も多かったと推察します。しかし、今大会に関しては、その厳しい諸条件も加味した上で不必要な落ち込みをしないことが大切です。

実は、レース後の振り返りをすると、悪かった点ばかり列記する方が多いと感じます。そのため、そもそも悪かった点と言うよりも、自身で克服していくこと自体が難しい課題だったりするため、常に同じことを繰り返す要因になっている方が多いとも感じます。

今回のマラソンは、不本意ながら後半失速したり、途中棄権に終わったとしても、自分自身の「良かった点(健闘した点)」にフォーカスし、次回以降に活かしていく姿勢は必須です。繰り返しになりますが、満足な結果が残せなかった方ほど、不必要に落ち込まないで下さい……。

さて、今週末は伝統の別府大分毎日マラソン大会が開催されます。出場される皆様方の快走を心より祈念いたします。

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