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秋の走り込み・9

【秋の走り込み・9】先日の「さいたま国際マラソン大会」を皮切りに本格的なマラソンシーズンの到来となりました。特に、11月最後の日曜日は全国各地で大きなマラソン大会が重なります。

私が主宰する富津合同マラソン練習会に参加している市民ランナー方の多くも、その日に開催されるマラソン大会を目指して走り込んでいます。したがって、これからは最後の調整期にも入っていきます。

何度もこのブログにも記載していますが、調整の基本は「休養」です。つまり、「迷ったら休養」です。と、言いながら最後の距離走もそれぞれの設定タイムで走ります。具体的には、距離を短くし、設定タイムを少し上げていきます。

ところが、ちょうど走り込みの疲労も出てくる時期とも重なってくるので、距離を短くしているにも関わらず、ペースが上がらないケースも出てきます。特に、マラソン大会2週間から3週間前あたりは、疲労もピークになる方も多く、逆に後半ペースダウンすることもあります。

実は、このようなパターンになることは予め予想できるので、自分自身の走りとタイムに動揺したり焦らないことが大切です。しかし、一旦気持ちの中に動揺や焦りを感じると、それは行動につながり易くなります。そして、これから休養しなければいけない最終調整期にも関わらず、再び長い距離走を実施したり、スピード練習を突然実施したりと、本当に墓穴を掘る結果に陥るケースも多いのです。

もちろん、予定どおりの設定タイムで実施できた方は焦る必要もありませんが、逆に設定タイム以上にペースアップし、調子のピークを外す結果になることもあるので、やはり慎重に走ることがポイントになります。

何れにしろ、目標のマラソン大会に向けて1ヵ月を切った調整期は、目に見えない走り込みの疲労も絡んできます。だからこそ、目先の走りやタイムに一喜一憂せず、計画どおりに練習量を調整していく強い意志も不可欠なのです。

調整期の「迷ったら休養」も、実は「強い心」が必要です。そして、最終調整期は自分自身を信じる力も試されます。

秋の走り込み・8

【秋の走り込み・8】11月2日(木)から4泊5日の日程で、日本ブラインドマラソン協会主催の強化合宿を千葉県富津市富津公園において実施しました。また、合宿のトレーニング計画は、ちょうど1ヵ月前の10月上旬に実施した強化合宿とほぼ同じです。

前回の合宿は、気温が30度前後まで上昇し、秋とは思えない厳しいコンディションの中での強化合宿となったため、どの選手も暑さに苦しみました。あれから1ヵ月が経過し、ようやくマラソンに向けた走り込みに相応しい気候に落ち着いてきました。

また、前回のブログで記載したとおり、涼しくなったからと言って、いたずらに距離走の設定タイムを上げることなく、主観的強度で「ゆとり(適正設定タイムの範囲で)」を重視した設定タイムで、走り込みを実施しました。どの選手も前回は暑さの中、決められた距離を走り切るのがやっとな感じでしたが、今回は逆に、どの選手もゆとりを持って距離走を走り切っていました。

あらためて、このゆとりを持って走り切ることは重要なポイントになります。それは、同じ内容の強化合宿を連続で実施した目的でもあるからです。つまり、そもそもゆとりある設定タイムで距離走を実施しているにも関わらず、何かの要因で逆にゆとりがほとんどない場合、どの選手も焦ります。そして多くの場合、その焦りから次の距離走では設定タイムを落とすのでなく、逆に上げようとする意識につながるケースが多いと感じます。

その結果、コンディションが良くなったとしても設定タイムを上げた分、逆につぶれるケースも多く、更にその次も同様に設定タイムだけを上げていき、負の連鎖にはまっていくランナーを多く見てきました。

目標のマラソン大会に向け、焦りから何とか後れを取り戻そうとする気持ちは痛いほど伝わってきますが、単に設定タイムを上げることで、帳尻を合わることに成功した事例を目にしたことは、ほとんどありません。(私の経験上)

また、この時期は本人が自覚していなくても、春にスピード強化をしたことや、夏に走り込みをしたことの成果が目に見えるようになってきます。そのため、いたずらに設定タイムを上げたり、軽い気持ちで各種レースに出場したりすると、思いがけない好記録をマークする人も多く見かけます。

しかし、ここで調子に乗って、距離走の設定タイムを上げ過ぎたり、各種レースを走り過ぎたりすると、これまで蓄えてきた力を出し切ってしまう結果となり、狙ったマラソン前に調子を落としてしまうケースは意外に多く、避けた方が良いパターンでもあるのです。

これらの事例からもマラソンの場合、「ゆとりを持つ(適正設定タイムの範囲で)」と言うのは、逆に「我慢をする」と言うことにもつながります。特にこの時期は、マラソンに向けたメンタル面を強化する意味でも「ゆとりを持つ(適正設定タイムの範囲で)」ことを意識してほしいと考えます。

秋の走り込み・5

【秋の走り込み・5】距離走の設定タイムについては前回記載したとおり、マラソンの目標タイムに対して「82%~95%の間」が適切と、話しをしました。今回もこの設定タイムについて考えていきます。

さて、先日の10月6日から4泊5日の日程で、日本ブラインドマラソン協会主催の強化合宿を千葉県富津市富津公園において実施しました。今回の合宿から12月のマラソンを目指した本格的な走り込み合宿になります。

具体的な実施内容は、初日、中日、最終日の3回、距離走を実施しました。また、それぞれの距離は、初日と最終日は26k、中日はメインの40kとしました。最初に今回の強化合宿に参加した強化指定選手たちのマラソン目標タイム別にグループを概ね3つに分け、それぞれの設定タイムを決めます。

目安として、Aグループを2時間30分以内、Bグループを2時間45分以内、Cグループを3時間20分以内(女子選手)とし、具体的な設定タイムを決めました。上記した数値に当てはめると、グループ別の設定タイムは次のようになります。

■Aグループ(2時間30分以内):4分12秒/k~3分44秒/k。■Bグループ(2時間45分以内):4分37秒/k~4分06秒/k。■Cグループ(3時間20分以内):5分36秒/k~4分59秒/k。

これを参考に、グループ別の26k走と40k走の設定タイムは次のようになります。

■Aグループ:26k走=3分55秒±5秒/k、40k走=4分00秒/k。■Bグループ:26k走=4分15秒±5秒/k、40k走=4分30秒/k。■Cグループ:26k走=5分00秒/k、40k走=5分10秒/k。

特に、女子選手のCグループについては、9月までのトラックシーズンで自己記録更新を達成した選手が多かったこともあり、他のグループより設定タイムを速めの方にしました。案の定、初日の26k走は、Cグループ全選手が設定タイムより更に速いタイムでゴールしました。

ところが、40k走を実施した8日は、気温が事実上30度をこえ、季節外れの夏日となりました。そのため、設定タイムを速めにしたCグループは、特に厳しい距離走となりました。

このように、10月に入っても暑い日があり、距離走の設定タイムを決める判断が難しくなる日が多々あります。しかし、設定タイムに幅を持たせてあるのはそのためでもあります。今回の合宿では、あらためて設定タイムとコンディションの関係を再確認する機会になりました…。

秋の走り込み・4

【秋の走り込み・4】今年も10月に突入し、本格的なマラソンや駅伝シーズンの到来です。そして、マラソンに向けた本格的な走り込み期にも入り、トレーニングの主役がスピード系から「スタミナ系(距離走)」に移っていきます。

前置きが長くなりましたが、今回から距離走について考えていきます。

さて、先日の10月1日(日)から私が主宰する富津合同マラソン練習会においても「40k走」を開始しました。と、言いながら10月前半は気温が高い日もあり、長い距離を走るには厳しい日も多々あります。

案の定、10月1日も晴れて気温も30度近くに達し、距離走を実施するには厳しいコンディションでした。特に、ここ数年は温暖化の影響もあってか、10月に入っても気温の高い日が多くなりました。しかし、11月以降のマラソンを目標にしている方々にとって、走り込みを開始する時期であることは、今も昔も変わりません。

そこではじめに、10月に実施する距離走のポイントについて考えていきます。

まずは、距離走の設定タイムについてですが、実はこれと言った定義のようなものはなく、過去の先輩ランナーたちが積み重ねてきた経験値に頼るところが多いところです。そのため、設定タイムの捉え方も様々で、速めに走るランナー、遅めに走るランナー、マラソンの目標タイムと遜色ない設定で走るランナーと、まさに個々のスタイルとノウハウです。(実業団選手や学生選手も同じです)

したがって、具体的な設定タイムを示し、これが正解と話しを進めていくのは難しいことです。まずはこの点をご理解頂ければと思います。

では、あらためて距離走の設定タイムについて考えていきますが、難しい説明は抜きにして具体的な数値で示したいと思います。

■距離走の設定タイム(30k以上)= マラソンの目標タイム ×(82%~95%)の間

具体例で話すと、サブスリー(2時間59分59秒)を目標に距離走を実施する場合の設定タイムは、「4分29秒~5分02秒/k」となります。つまり、最高にペースを上げた時で4分29秒/k、逆にペースを最も落とした時で5分02秒/k。サブスリーを目標にしているランナーは、この間の設定タイムで距離走を積み重ねていくことが効果的となります。

少なくとも私の経験上では上記の数値になります。

秋の走り込み・3

【秋の走り込み・3】9月16日(土)からの3連休を活用し、今年最後の長野県菅平高原合宿を実施しました。特に今回は台風の影響が懸念されましたが、何とか予定どおりに合宿を終えることができました。参加された皆様、お疲れ様でした。

さて、今回の合宿は距離走を実施することが最大の目的で、具体的には「40k」を走り切ることでした。今更ながら9月は残暑が厳しく、私が拠点にしている千葉県富津市富津公園においても気温が30度をこえる日が多く、秋のマラソンに向けた走り込みと言っても、実際は暑さの影響でうまく走り込めない日が多々あるのも現状です。

そこで、数年前から「9月中に1回は40kを走ろう!」と、この3連休を活用した合宿を涼しい菅平高原で実施しているのです。今回は上記したとおり、合宿期間中に台風が直撃する可能性もあったので、かなり心配しましたが、幸い大きな影響を受けることはありませんでした。

また、どの合宿においても、距離走のグループを設定タイム別に分けます。そして、今回の合宿においては、「5分45秒/k」のグループもはじめて40kまで距離をのばし、ほぼ全員が無事に走り切ることができました。もちろん、ベテランのペーサーに先導してもらいながらの距離走です。

どの練習会でもいわゆる「ペーサー」と呼ばれるランナーが設定タイムどおりに先導していきます。経験上の話になりますが、特に「5分00秒/k」より遅くなるペースに関しては、ペーサーの正確な走りがより求められると感じます。

今回の合宿においても、「5分00秒/k」と「5分45秒/k」の2グループに関しては、ベテランのペーサーが精密機械のような正確さで先導しました。その結果、それぞれのグループで走った方は、ほぼ全員が設定どおりのタイムで40kを走り切ることができました。

特に長い距離を走る距離走の場合、計画通りの設定距離と設定タイムで確実に走り切ることが重要です。そして、その積み重ねが目標のマラソンへとつながっていきます。

同時に、どんな設定タイムで距離走を実施していくかについては、目標のマラソンタイム別にある程度決まっており、そのノウハウもあります。この点に関してはあらためて掘り下げていきます。

秋の走り込み・2

【秋の走り込み・2】今回からマラソンを目指すトレーニングの要となる「距離走」について考えていきたいと思います。

特に、9月に入ると各地で距離走をメインにした練習会が開催されますが、長い距離を単独で積み重ねていくのは精神的にも厳しい面が多々あるので、このような練習会は積極的に活用してほしいですね。

かくいう私も千葉県富津市富津公園において「富津合同マラソン練習会」を主宰しており、今月からマラソンを意識した内容にシフトしていきます。皆様をお待ちしております!

さて、そんな中、先日の9月9日(金)から2泊3日の日程で、同地において日本ブラインドマラソン協会主催の強化合宿を実施しましたので、まずはその内容を振り返ります。

視覚障がいマラソンの選手たちが目指している年内のマラソン大会は、12月に開催される「防府読売マラソン」がメインとなります。同大会は視覚障がいマラソン女子の日本選手権を兼ねており、まずはこの大会で自己記録更新を目標に走り込んでいきます。また、男子選手の中には、同月開催の「福岡国際マラソン」に出場する選手もいます。

今回の強化合宿からは、12月のマラソンを意識した最初の強化合宿となりますが、9月23日と24日に福島県福島市においてジャパンパラ陸上競技大会も開催されます。同大会は今年最後のトラックレースにもなり、強化指定選手たちも参戦するので、それに向けた最後の強化合宿にもなりました。

■合宿初日):午後/3kトライアル。■合宿2日目):午前/距離走(20k~30k)、午後/調整ジョグ+1kトライアル。■合宿3日目):午前/3kトライアル。

今年度は特に、「スピード強化」を重点課題のひとつとして取組んできたので、今月のジャパンパラ陸上大会は、その成果を見極める最重要大会となります。もちろん、選手たちに対しても常に意識付けをしてきたので、どの選手も例年になくスピード強化に挑みました。

上記した先日の合宿においても、3kや1kで自己記録を叩き出す選手も多く、ジャパンパラ陸上大会での自己記録更新はもちろん、日本記録更新も十分に期待できるゾーンに入っています。

あらためて、今月から本格的なマラソンの走り込み期に入って行きますが、まずはジャパンパラ陸上大会においてスピード強化の成果を手にし、マラソンシーズンに向けても良い流れを引き寄せてほしいと思います。

秋の走り込み

【秋の走り込み】今年も9月に突入し、いよいよ本格的な秋からのマラソンシーズンが近づいてきました。もちろん、季節に関係なく年間を通じてマラソンに挑戦している方々にとっては、特に意識することではないかもしれませんが…。

さて、9月は残暑が厳しい日もありますが、これからは気温も下がっていくので、マラソンに向けた本格的な走り込みには最適な季節へと移っていきます。具体的には30k以上の長い距離を走り込んでいくトレーニングが主流となっていきます。

いわゆる「距離走」と言われるトレーニングです。このトレーニングについては、どの程度の距離をどんなペースで走るかは個々の走力や考え方によって変わりますが、マラソンを目指していく上で欠かすことのできない重要なトレーニングであることは、誰もが認めている点でもあります。

特に、仕事の合間をぬって走り込みをしている市民ランナーの皆様にとってこの距離走は、積極的に実施して頂きたいトレーニングと考えます。一方、箱根駅伝を目指す学生選手や実業団選手の中には、この距離走をそれほど実施していないにも関わらず、マラソンで好タイムをマークした選手たちもいます。

そんな選手たちの成功体験を読んだり聞いたりして、「距離走はそれほど必要ではない」と、考える市民ランナーの方も意外といます。もちろん、その考え方を真っ向から否定しませんが、まずは学生選手や実業団選手たちとの違いを考える必要があります。

多くの学生選手や実業団選手は、年間を通じて1日に早朝と本練習の2回は最低走ります。また、ジョギングと言ってもかなりのペースで走るので、1時間程度のジョギングでも15k前後の距離になります。そのため、休養的な日に早朝と本練習で1時間ずつのジョギングでも、1日の走行距離は30k前後になります。

つまり、マラソンを目指していなくても月間走行距離は少なく見ても700k以上には到達します。更に、これをほぼ1年間継続しているので、マラソンを走り切れる走力は十分に培われていると推測できます。従って、本格的な距離走をしていなくてもマラソンを走れてしまう選手がいるのです。(特に初マラソン、更にその記録が生涯ベストとなるケース)

ところが、逆に市民ランナーの多くは、平日の朝と夕方にそれぞれ1時間以上走る時間や環境を確保することは難しく、慢性的な走り込み不足が定着しています。実は、学生選手や実業団選手以上に、週末や休日を活用した距離走は重要になると考えます。

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