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2011-11

市民マラソン大会

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先週の11月23日(水・祝)は、「福知山マラソン大会」が京都で開催され、栃木県では、「大田原マラソン大会」も開催されました。更に、11月27日(日)は茨城県において、「つくばマラソン大会」、山梨県では「河口湖マラソン大会」と、参加人数が1万人をこえる大規模市民マラソン大会も目白押しとなりました。

私がコーチする選手(市民ランナー)もそれぞれの目標に向かって、上記大会すべてに出走しました。コーチの立場とすれば、どの大会も応援にかけつけたいところでしたが・・・。今回は、23日の「福知山マラソン大会」と、27日の「つくばマラソン大会」に赴き、1万人のランナーがかけぬける迫力と感動を感じてきました。

特に、23日の「福知山マラソン大会」については、盲人マラソン日本選手権大会を毎年かねております。そして、今回は来年開催される「ロンドンパラリンピック」に向け、代表推薦選手を選考する重要な大会でもありました。

この大会で私は、ドーピング担当役員の立場でJADA(日本アンチ・ドーピング機構)から派遣された担当者と共にゴール後のドーピング検査に立ち会いました。今更説明するまでもありませんが、ドーピング検査は既に世界の常識と義務になっており、公式の大会なら必ず実施します。

また、意外な感じもしますが、ドーピングに対する認識は、一般の健常者スポーツより障害者スポーツの方が、より浸透していると感じます。もちろん、盲人マラソン協会としても強化合宿等を通じて必ずこのドーピングについての勉強会等を実施するようにしており、常にドーピングに対する知識や意識を高める努力を継続しております。

さて、今大会ではそのドーピング検査の対象となる部門に出場した視覚障害者選手は8名でしたが、どの選手も最後まで力を出し切り、強化合宿等の成果を十分に発揮してくれました。そのため、どの選手をロンドンパラリンピック日本代表推薦選手として選考するかは力が拮抗しており、選考は極めて難しくなりそうです・・・。

続く27日の「つくばマラソン大会」は、絶好のコンディションにも恵まれ、自己記録更新や目標記録を達成したランナーも多かった様子で、ゴール直後に仲間と涙を流しながら抱き合って喜んでいるシーンを数多く見受けました。もちろん、私がコーチしている選手(市民ランナー)も大幅に自己記録を更新することができました。特に、51歳の男性市民ランナーの方が、これまでの自己記録を約10分短縮し、「3時間突破(サブスリー)」でのゴールシーンは、この一年間で最も感動的なゴールのひとつとなりました。

来月以降も全国各地で市民マラソン大会が数多く開催されます。そして、これからもたくさんの感動シーンと出会えるよう、地道な練習会を確実に継続していこうと、一層強く感じた一週間でした・・・。

第3回横浜国際女子マラソン大会

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11月20日(日)、「第3回横浜国際女子マラソン大会」が開催されました。この大会はご存知のとおり女性ランナー限定の大会です。また、この大会は大会主催者側が設定している参加標準記録を決められた期間内に突破したランナーだけにしか参加資格を与えません。

至極当然のことですが、このように説明すると、とても厳しい大会のように感じます。実際に、私がコーチしている市民ランナーの中にも参加標準記録をあと数秒で逃してしまった人もおり、涙を流しながら悔しがっている姿を目の当たりにしたこともあります。また、逆にその標準記録突破を目標に掲げ、「一度は国際女子マラソン大会を走りたい」と、自分自身のモチベーションをキープしていく原動力にしている人もたくさんいます。

既にこのブログでも何度か記載してきましたが、「空前のランニングブーム」と、呼ばれています。その火付け役となった「東京マラソン」のように、制限時間をどんどん緩和している大会も多くなり、逆に誰でも気楽にマラソンを走れる時代となりました。

マラソンに関係している一人として、このことは大いに歓迎することでもあり、「単なるブームで終わらないでほしい」と、願っているところでもあります。しかし、一方で制限時間をどんどん緩和している影響もあってか、レジャー感覚でマラソンに挑戦いている人も多くなっていると感じます。もちろん、マラソンの楽しみ方や走ることの目的が多様化していくことはマラソンを普及させる視点からは大いにプラスです。

しかし、国際女子マラソン大会に出場する人数や3時間00分00秒を突破(サブスリー)する女性市民ランナーの数は、ランニング人口が増加している割には意外と増えていないと感じるのは私だけでしょうか・・・。

そして、更に追い打ちをかけるように、「第3回横浜国際女子マラソン大会」の参加標準記録が大幅に引き上がりました。具体的には、「3時間15分以内」が、一気に「3時間0分以内」までアップしたのです。その結果、スタートラインについた女性ランナーは、102名と大会史上最も少なくなり、更に完走できたのはたったの48名と、何ともさみしい大会に・・・。

参加人数や完走者の数が、オリンピック代表選考に影響を与えることはありません。しかし、一流選手たちと同じ土俵に立ち、一緒に走れる喜びや感動は市民ランナーにとって大きな意味があると考えます。そして、昨年までの参加標準記録である「3時間15分00秒」は、地道なトレーニングの継続で誰にでもチャンスのあるタイムと、個人的には思います。※私の経験上

もちろん、私がコーチする女性市民ランナーの中には、3時間40分以上だったマラソンの記録でも、「国際女子マラソン出場(3時間15分以内)」を目標に地道なトレーニングの継続をし、参加標準記録を手にした人も多くいます。そして、それを自信にその数年後には「3時間突破(サブスリー)」を達成し、更に大きく飛躍したケースも・・・。

このように多くの女性市民ランナーにとって、マラソンの「3時間15分」は特別な意味を持っていると感じます。

と、言いながら来年以降の参加標準記録を知る由もありませんが、何とか元の「3時間15分」に戻ってほしいと願っている一人です。

期分け・28

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今回も前回からの続きで、「40k走をどんなペースで走るのか?」を考えていきます。そして、今回は具体的な数値をあげていきます。

はじめに、皆さんが狙っているマラソンの目標タイムをしっかりと、「○時間○○分」と明確にしておきます。

実は、この点を明確にしておくことはとても重要です。そして同時に、マラソンの目標タイムは常に自分自身にとって余裕のあるペースである点も重要です。前回、「ゆっくり長くのペースより速く、目標のマラソンペースより遅いペースの範囲」と話しましたが、厳密にはマラソンの目標タイム自体が常に余裕のあるペースとなります。

したがって、40k走のペースがマラソンの目標タイムより速くなったとしても人によっては、かなり余裕のあるペースとなります。もちろん、余裕があったとしてもマラソンの目標タイムを上回るような速いペースでの走り込みはご法度です。

以上の点をふまえ、40k走のペースを考えてみます。※毎度のことですが、誰にでもあてはまるとは限りませんので、あらかじめご了承願います。

◆40k走の設定ペース=マラソンの目標タイム÷ 40k=1kあたりの設定ペース。

具体例として、マラソンの目標タイムが3時間突破(サブスリー)の場合は、「3時間0分0秒÷ 40k=4分30秒/k」となります。そして、4分30秒/kのペースで40k走を実施する強度は、マラソンの目標タイム(100%)に対し、約95%の強度となります。

まさに、これがひとつの目安となりますが、「95%の強度は強すぎる」と思うランナーは多いと思います。しかし、上記したとおり、マラソンの目標タイム自体が余裕を持ったペースになるので、95%でもかなり余裕を持てるのでご安心を・・・。

また、40k走の設定タイムが「3時間0分0秒」に対し、マラソンの目標タイムが「2時間49分59秒」の場合、強度は「約90%」となります。私の経験上、この強度が、「90%~95%前後までの範囲」なら最も効率よくスピード持久力を養成していくことが期待できます。もちろん、更に強度を落とした80%~90%程度でも問題ありません。この点は、各自の走力等に応じて臨機応変に対応して下さい。

そして、この計算で導いた設定タイムに対して余裕がでてきたとしても、どんどん設定ペースをアップしていくことは様々な角度からおすすめできません。そこでこの場合、ラスト5k前後からビルドアップするようにし、負荷を調整していくようにしましょう。

つづく。

期分け・27

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前回は、40k走を実施するタイミングについて考えましたが、今回はその40k走を、「どんなペース(設定ペース)で走るのか?」を考えていきます。

実はこの設定ペースについては、「スピード持久力養成期」の核心に迫る部分です。そして、ほとんどのランナーが「最も知りたいこと」の上位にランクされていると考えますが、いかがでしょうか?

では、さっそく設定ペースについてですが、はじめに、その反対に位置する効果的ではない設定ペースについて記載しておきます。もちろん、これから記載することが絶対とは言えませんので、あらかじめご了承願います。

◆さけたい設定ペース1).目標のマラソンペース(A)より速い設定ペース(S)=A<S。◆さけたい設定ペース2).ゆっくり長くのペース(B)より遅い設定ペース(S)=B>S。

以上をまとめると、設定ペース(S)は、「ゆっくり長くのペース(B)より速く、目標のマラソンペース(A)より遅いペースの範囲=B<S<A」となります。

このように記載すると、「そんなことは誰でも知っている」とほとんどのランナーが言います。しかし、多くのランナーが実践できていない部分でもあります。そして、走り込みの量を増加させてもマラソンの記録が思ったほど短縮できないランナーの大きな原因でもあります。

具体例として、目標のマラソンペースを攻略しようと、そのペースより速い設定ペースで40k走を実施し、怪我や故障をしてしまった・・・。また、ゆとりを持ったペースで40k以上の距離を走り続けてみたが、結局はLSDのようになってしまった・・・。

皆さんは、いかがでしょうか?

特に、マラソンで3時間から4時間前後の記録を狙える走力が身についてきたランナーの多くがぶつかる壁となります。実例としては、4時間突破(サブフォー)や3時間突破(サブスリー)を、もう少しで達成できないランナーの多くが、上記した「さけたい設定ペース」に当てはまっているケースが多いと感じます。つまり、この設定ペースについては、ある程度の体力や走力が身につき、マラソンを本気で攻略したいと考えだしたときに必ず悩んでぶつかる壁とも言えます。

つづく。

期分け・26

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今回は、40k走を実施するタイミングや回数について考えていきます。

最初にもう一度、「スピード持久力養成期」の期間を確認しておくと、9月中旬から10月下旬です。次にその期間の中で週末が何回あるかを予め確認します。もちろん、その年によって若干のズレはありますが、2011年の場合、9月17日(土)から10月30日(日)までの期間となります。したがって、週末(土&日曜日)は7回となります。※この期を11月上旬まで引っ張る場合もあります。

すなわち、40k走を実施できるのは最大で7回となります。しかし、前回も記載したとおり、7週連続で40k走を実施することは無謀です。また、ここ数年は温暖化の影響もあり、9月の残暑はかなり厳しくなっているのが現実です。そのため、少なくとも首都圏エリアで、9月に40k走を実施することは、暑さによる様々なリスクが伴います。また逆に、11月に入ると走り込みの疲労も蓄積してきます。そんな体調で更に40k走を実施すると、疲労が慢性化し、11月下旬のマラソンに調子を合わせることが難しくなります。

以上のことから40k走を実施する期間として10月が最も適していると考えられますが、皆さんはいかがでしょうか?

実は、10月に走り込みを実施する流れは多くのランナーたちが実践しており、私自身の経験からも走り込みに最も適した月と言えます。そこで、今年の10月を例に40k走を実施する週末を具体的に考えてみます。

今年の10月は、日曜日が5回ありました。すなわち、最大で5回の40k走を実施することが可能でした。なかには5週連続で40k走を走破したランナーもいたかもしれません。しかし、やはり5週連続は身体への負担が大きく故障や怪我、そして疲労の蓄積から風邪をひくリスクが高まります。そこで、10月に40k走を実施する場合のパターンを週単位で考えると次のようになります。

◆パターン1).40k走→×→40k走→×→40k走(隔週に実施し、計3回)。◆パターン2).40k走→40k走→×→40k走→40k走(真ん中の週を外して、計4回)。◆パターン3).40k走→40k走→×→×→40k走(真ん中の週と次の週を外して、計3回)。

他にも40k走を実施するパターンは考えられますが、上記3つにまとめてみました。「パターン1」は、隔週にすることで身体への過度な負荷を軽減することが可能となり、安定した流れを確保し易くなります。「パターン2」は、2週連続を2回実施することで、より強度の高い流れとなって効果も期待できますが、逆に怪我や故障のリスクも高くなります。「パターン3」は、2週連続で実施した後、2週連続であける流れですが、ここに短い距離のロードレースを取り入れることも可能となり、スピード的要素を加えることができます。

このように、それぞれのパターンに一長一短あります。そして同時に、各ランナーの走力や走歴に大きく左右される点でもあり、大いに悩む点でもあります。参考までに私が携わってきた市民ランナーたちの多くは、「パターン1」か「パターン3」に近いパターンで40k走を実施しているランナーが多く、目標の記録や成績を残しています。

つづく。

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