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2019-05

5月は暑い?

【5月は暑い?】この1週間も全国各地で記録的な暑さとなりましたが、5月は身体が暑熱順化されていないので、この時期の各種マラソン大会も暑さとの戦いになります。

そして、一般的な陸上競技として捉えたとき、この5月はロードよりトラックに主戦場が移り、大学や実業団の各種記録会や競技会の多くがこの時期に開催されます。また、最近は市民ランナーの方々もトラックで実施される各種記録会に積極的に参加している姿も増えてきました。

さて、いわゆる陸上競技場といわれているトラックは1周が400mで、走路の素材はウレタン系や合成ゴム系になっているのが一般的です。そのため、走路は反発があって走り易く、100m毎のラップタイムを確認しながら正確に走れる点がロードレースと大きく異なる点でもあります。

一方で気温が30度をこえてくるこれからの季節は、トラックの表面温度が60度をこえることもあり、とても記録を狙えるコンディションではなくなったりもします。まさに先日の日曜日は30度をこえた地域が多く、その中で実施されたトラックでの各種競技会や記録会は過酷を極めたと思います。

特に、市民ランナーの方々は屋内で冷房の効いた場所で仕事をしている方も多く、日々のランニングも早朝や日が沈んだ夜に走る方が多いので、暑くなるこれからの季節は要注意です。

しかし、トラックは上記したように正確な距離を正確なラップで走ることが可能なので、スピード強化など各種トレーニングには最適な環境です。ところが、気温が高くなってくるこれからの季節、長距離種目のトラックレースは逆に危険が伴う点も忘れないようにすることが大切です。

トラックの記録会で5000mを走る場合も、「マラソンと比較するとたいした距離ではない」と思ってスタートすると、3000m以降はマラソンでも経験したことのないほどの苦しみを味わうことになり、完走することすら難しくなったりもします。

これからトラックでの記録会や競技会に出場を予定している市民ランナーの皆様は、当日の天候や気温・湿度、更にスタート時間を必ず確認し、ときには勇気ある撤退(DNS)も決断するようにしましょう。

記録

【記録】先日の5月18日(土)から2日間の日程で東日本実業団陸上選手権大会が埼玉県熊谷市において開催されました。そして、今年も同大会において視覚障がい男女の1500mと5000mを実施していただきました。もちろん、WPA公認です。

まずは、視覚障がい種目実施にご尽力いただいた大会関係者の皆様に厚く御礼申し上げます。

さて、来年はいよいよ東京パラリンピックが開催されますが、日本代表に選考されるためにはWPAから指定された参加標準記録を突破することが必須です。また、単に参加標準記録突破だけでなく、種目ごとのWPA世界ランキング上位にランクされていないと選考されません。

詳細は割愛しますが、パラリンピック出場を目指す選手たちにとって、国内でWPA公認記録を狙える機会は圧倒的に少なく、今大会は数少ない貴重なチャンスとなります。

一方で、これから夏に向かっていく季節は、長距離種目にとっては気温も湿度も過酷を極めてくるコンディションとなっていきます。したがって、5月開催の同大会は、長距離種目にとっては記録を狙えるギリギリの季節とも言えます。

また、今回は大会側のご理解とご協力で、視覚障がい男子5000mのスタート時間を早朝9時00分に繰り上げていただいた結果、下記のような好記録ラッシュとなりました。同時に、T11男子5000mは和田選手と唐澤選手がWPA世界ランキングの1位と2位に躍進することにもなりました。(2019年5月19日現在)

この後、6月から本格的な夏の強化合宿を実施していきますが、更なる記録更新に向け、選手とともに精進していきます。

◆視覚障がい男子5000m結果
1位/堀越信司(T12)/15分33秒38(大会新)
2位/和田伸也(T11)/15分42秒88(大会新、T11アジア新、T11日本新、自己新)
3位/唐澤剣也(T11)/15分44秒28(大会新、T11アジア新、T11日本新、自己新)
4位/高井俊治(T13)/15分44秒29(大会新、T13アジア新、自己新)
5位/谷口真大(T11)/16分19秒90
6位/山下慎治(T12)/17分23秒38
7位/米岡 聡(T11)/17分48秒69(自己新)
8位/立木勇弥(T13)/18分45秒69

最終調整は?

【最終調整は?】5月中旬に入り、初夏を思わせるような日も増えてきました。同時に、暑さに慣れていない時期でもあるので、天候が晴れると週末のレースは暑さとの戦いにもなります。レース中はもちろん、日ごろの水分補給や暑さ対策は常に意識していきましょう。

さて、気温も高くなってくる時期なので、レースはハーフマラソンより短い距離やトラックでの記録会などにシフトしている方も多いと思います。いわゆるスピード養成期として、積極的に短い距離のレースを走り、マラソンに不可欠なスピード養成を実施する時期とするのです。

既に4月からトラックでの記録会など、短い距離のレースを何本か走った方もいると思いますが、自己記録は更新できたでしょうか。私が指導している市民ランナーの方々においても、走る度に自己記録を更新している方と、思うように走り切れていない方とがいます。

もちろん、マラソン同様、自己記録を更新することは簡単なことではないので、うまく走れないといって悲観する必要はありません。大切なことは怪我や故障なく、積極的にレースを走っていくことです。

と、言いながらトラックや短い距離のレースへ向けた調整は意外と難しいのも事実です。難しい要因は多々ありますが、よく見かけるのは調整段階で「追い込み過ぎてしまう」ことです。

つまり、短いレースでは最初からトップスピードで走っていくので、調整も全力以上の力を出してしまうのです。同様に、レース1週間前にも関わらず、疲労回復を目的としたジョグもマラソン時のように長く実施する方も意外と多く、結果的には筋肉に疲労を残した状態でスタートしてしまうと思われます。

マラソンは走る距離や時間が長いので、スタート直後に身体が重いと感じてもレース中に何とか修正しながらゴールすることが可能です。一方、10k前後の短いレースはスタート時に身体や脚が重たいと感じてしまうと、あとはゴールまでズルズルと後退してしまいます。

このように最終調整をより慎重に実施する必要があるのは、実はマラソンより短い距離のレースなのです。更に、短いレースはダメージも少ないので、単にスピード養成だけでなく、何度もレースに出場しながら自らの調整方法を確立させる絶好の機会になります。そして、そのノウハウは本命のマラソン調整に活かされるのはいうまでもありません。

GW合宿

【GW合宿】5月1日から5日までの日程で、長野県菅平高原合宿を実施してきました。毎年のことですが、標高が千メートル以上なので、朝晩の冷え込みはまだまだ厳しい時期でもあります。と、言いながら今年も多くの実業団選手や学生選手たちも合宿を実施していました。

また、GW中は夏休み期間と違い、トラックが比較的空いているので、トレーニングはトラックメインで実施します。内容的にはペース走やインターバルと、至ってシンプルなトレーニングに終始しますが、それも毎年のことになります。

前述したとおり、菅平高原は標高千メートル以上の準高地であり、トラック以外は平地部分がほとんどありません。したがって、単にジョギングをしていても身体にはそれなりに負荷がかかります。

また、実業団選手たちのように長期滞在することはできませんが、短期滞在でも効果を期待できるとも言われているので、相応の時間とお金をかけて菅平高原まで足を運ぶ価値は十分にあります。

さて、実際にトレーニングを実施すると、準高地と言ってもその標高に順応できる人と難しい人が必ずいます。そのため、うまく順応できない人は、ゆっくり走るのも辛そうに見えます。

私の経験上の話しになりますが、準高地と言っても追い込み過ぎないトレーニング計画で、合宿参加者全員で確実に消化できる練習を実施した方が、合宿後のレース結果に結びついているのは間違いありません。

今年もこれから秋までの間、何度も菅平高原合宿を計画していますが、ゆとりあるトレーニング計画を忘れないようにしていきます。

<GW合宿(5月3日~5日)・トレーニング実績>
■3日午後/ペース走(16000m)。■4日早朝/各自ジョグ、4日午前/タイムトライアル(2000m+1000m+400m)、4日午後/100分クロカン走。■5日早朝/各自ジョグ、5日午前/インターバル(200m✕20本。)

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