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2009-04

トレーニング計画・12

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既に大型連休に突入している方々も多いかと思いますが、今回はGW中のトレーニングについてです。

毎年のことですが、この連休を利用して仲間たちと合宿を実施したり、集中的に合同練習会を実施したりと、日ごろまとまった時間を確保しにくい市民ランナーの方々にとっては、絶好のトレーニング期間になることは間違いありません。同時に、ゆっくりと話をする機会の少ない仲間たちとの親睦を深めたり、ランニングに関する情報交換をしたりと、トレーニング以外の輪も積極的に広めて下さい。

・・・と、前置きが長くなりましたが、連休中に各地で開催される各種レースを活用した例をお話していきます。はじめに、至極当然のことですが、この連休中のレース申込等は、既に終わっております(汗)。そのため、今回の連休中にレース申込をしていない方は、今後の参考にして頂ければと思います。

さて、何度か同じような話をこのブログでも記載していますが、この時期は比較的短めのレースをピックアップすることをおすすめします。特にマラソンを中心に走ってきた方は違う刺激と体感を積極的に取り入れることで、ランニングに対するモチベーションを高めたり、マンネリ化防止にも役立つからです。

そこで、具体例として私が指導している選手たちが、実際に予定している連休中の出場レースを下記にまとめました。また、一連の流れを追えるよう、このブログに記載した、「マラソンシーズン総括」で、ピックアップした女子選手たちのレース出場予定です。※もちろん選手と言っても、市民ランナーです。

●● 2008年4月29日〜5月6日出場レース(3時間20分以内女子選手)
No 女子選手名 4/29 5/2 5/4 5/5 5/6 マラソン自己記録
1 M ・ K A 2時間55分21秒
2 M ・ S A 2時間54分07秒
3 M ・ T A 2時間48分54秒
4 A ・ K A 2時間49分24秒
5 M ・ K O 2時間38分51秒
6 S ・ S A 3時間14分55秒
7 M ・ Y A 2時間54分19秒
8 M ・ S I 2時間49分21秒
9 K ・ I S 3時間19分25秒
10 Y ・ M I 3時間7分27秒
◎=駅伝/10k以下、○=トラック/5千以下、●=ロード/10k以下、→=出場無

以上のように、多い選手で3レース。最低でもひとつは走るように設定しています。また、距離的には、10k以下に抑え、「駅伝・トラック・ロードレース」と、意図的に変化をつけるようにもしています。もちろん、仕事の都合上やマラソンの疲労が抜けきれていない選手については、レースを回避して別計画でトレーニングを指示しています。

先に記載したとおり、GW中のレースについては、どちらかと言えば、マラソンと対極にあるような短い距離のレースを積極的に走り、マラソンと違う刺激や体感を経験することが目的となります。目先の記録や結果にこだわらず、積極的な走りをしてほしいと思います。

実は、この連休中のレースで経験した刺激や体感は、このあと8月あたりまで開催される、トラックレースや10k以下のロードレース大会への布石にもなります。それは、この連休中にマラソンと違った刺激を体感しておくことで、8月あたりまでの各種レースで自己記録を目指した流れにし易くなるからです。そしてそのことは、スピードの絶対値を引き上げることにつながり、最終的には秋からのマラソンに向けたスピード強化にも影響していきます。※専門的な話は割愛します。

つづく。

かすみがうらマラソン

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先日の19日(日)は、雲ひとつない絶好の行楽日和となり、気温も20度を超えました。そんな中、茨城県・かすみがうらマラソン大会が開催され、2万4千名以上の方々がエントリーしました(完走は2万数百名/大会最多)。

また、かすみがうらマラソン大会は、国際盲人マラソン大会も兼ねており、私も全盲の福原選手のサポートで参加しました。その盲人マラソンの部へのエントリー数も180数名と、視覚障害者ランナーの参加者も確実に増加しております。

更に同大会では、大会当日に伴走者の工面が難しい視覚障害者ランナーの方々に対しても、箱根駅伝常連大学の現役学生ランナー達からの力強いサポートもあり、様々なレベルの視覚障害者ランナー達の伴走要望にもこたえております。もちろんゴール後、完走賞に点字シールを添付するなど、各種ボランティアの方々もすっかり定着し、様々な方からのご理解ご協力を得ている素晴らしい大会です。

私がこのかすみがうらマラソン大会に伴走者として初めて参加したのは、1997年の大会でした。その当時は、全国的にも視覚障害者ランナーと伴走者が伴走ロープ(絆)を握り合って走る姿をほとんど見かけることもなく、この大会でも沿道で応援している方々から、「ひもを持って走っているよ!」と、どちらかと言えば奇異の目で見られることもありました・・・。

現在は、「伴走」と書かれたビブスもすっかり定着し、逆に派手なコスチュームで伴走ロープ(絆)を握り合って、楽しく走る姿も全国各地で目にするようになりました。同時に、視覚障害者ランナーをサポートする練習会や伴走講習会も盛んに行われるようになり、「絆」の輪はますます広がり、確実に定着してきております。

その中心的役割を果たしてきた、かすみがうらマラソン大会も来年は20回記念大会となります。同大会のますますのご発展を祈念すると共に、引き続き視覚障害者マラソンの発展と普及にも絶大なるご理解ご協力をお願い申し上げます。

◆「安田享平のランニングライフ」と、このブログがスタートして、ちょうど1年が経過しました。おかげ様で、週1回の更新を何とか継続することができました(汗)。今後はどこでネタが尽き、このブログを更新できなくなるかも?・・・しれませんが、引き続きお付き合い頂ければ幸いです(笑)。また、このブログに際し、いつもお世話になっている、(株)アサヒコーポレーション様をはじめ、皆様方に対し厚く御礼申し上げます。これからもよろしくお願いします。

マラソンシーズン総括

新年度もスタートしましたが、今回は2008年11月から2009年3月までのマラソンシーズンを振返ってみます。

はじめに、「マラソンシーズンを振返る」と言っても、私がコーチしている選手達についてです。もちろん皆様方それぞれが、マラソンシーズンに対する時期やマラソンを走る回数等の捉え方や考え方は違って当然のことなので、これから話すことが全てではありません。この点は、誤解の無いようにお願いします。

次に、私がコーチする選手の中から昨年の11月から先月までの間、マラソンをメインに取組んできた選手の記録や結果を○×方式でまとめてみました。しかし、走力の違いやマラソン歴のバラツキも大きく、ある程度正確な傾向を得るために、次の条件を満たした選手のみに関してピックアップしました。※選手と言っても、もちろん全員が市民ランナーです。

◆条件1).安田がコーチして少なくとも1年以上継続している(安田式トレーニングを理解している)。◆条件2).年間を通じて安定した練習の流れをキープしている(故障や怪我が少ない)。◆条件3).過去にフルマラソンを10回以上は完走している(経験が豊富である)。◆条件4).2008年9月からマラソン練習を開始し11月までの間、坦々と走り込みに集中できる(生活リズムや精神的にも安定している)。◆条件5).男子選手なら2時間50分以内、女子選手なら3時間20分以内の走力を持っている。・・・以上、5点の条件を満たしている選手をピックアップし、その選手の結果を下記の表にまとめました。※女性ランナーばかりになってしまったのは、特に意図はなく偶然です(笑)。

●● 200811〜2009年3(3時間20以内女子選手 ●●
No 選手名 11 12 1月 2月 3月 マラソン自己記録
1 M ・ K A 2時間5521
2 M ・ S A 2時間5407
3 M ・ T A 2時間4854
4 A ・ K A 2時間4924
5 M ・ K O 2時間3851
6 S ・ S A × 3時間1455
7 M ・ Y A × 2時間5419
8 M ・ S I × 2時間4921
9 K ・ I S × × 3時間1925
10 Y ・ M I × × 3時間727
  ◎=自己、○=目標タイム達成、×=目標タイム、→=出場

上記の一覧表を見て、どのように感じるでしょうか?・・・結果や記録を分析していく方法は様々で、一方的な見方にならないようにすることが重要と考えます。・・・と言いながら、私も偉そうにコメントできるほど、専門的な知識を持っている訳ではありませんが、コーチとして幾つか気のついた点を挙げます。

◆分析1).5ヶ月で2回もしくは、3回のマラソンを出走し、全ての選手が2回目のマラソンは好走した。◆分析2).3回のマラソンを出走した選手全員が、3回目のマラソンを失敗した。・・・以上のように大きく2点に集約されます。まさに見たまんまですね(笑)。しかし、過去に5ヶ月間で3本のマラソンを走り、パーフェクトな結果を残したケースもあります。また、11月に1本目を走り、3ヶ月あけて失敗したケースもあります・・・。

マラソンは、単に積み上げてきたトレーニングの内容だけでなく、当日の天候や本人の体調等に大きく左右される競技です。そして更に、本人の精神的部分(メンタル面)の微妙な変化によっても、結果が大きく左右される特性もあります。つまり、成功した時は、精神的に高揚できるようなことがあったかどうか・・・。また、逆に失敗した時は、仕事や家庭等で何かトラブルがあったかどうか・・・。更には、必要以上にプレッシャーを感じたりしていなかったかどうか・・・。

単に、見かけの良し悪しだけでなく、狙ったマラソンに向けた気持ちの変化も一緒に分析していくことはとても重要です。皆さんも昨年度出走したマラソンを振返り、どんな気持ちで走り込み、どんな気持ちでスタート地点に立ったのかも思い返し、今後の貴重な財産にしてほしいと思います。

トレーニング計画・11

少し間が空きましたが・・・、久々にトレーニング計画についてです。

さて、ここまで1週間をひとつのスパンとしたトレーニングについて、話をしてきました。それは最初に1週間の中で最も頑張る日(以下ポイント練習)を決め、その日を中心に1週間の流れを考えていく方法です。そして、今回は最重要ポイント練習を日曜日とし、その日を軸に1週間の強弱(メリハリ)をつけていきました。

その流れをまとめると、◆月曜日:休養(完全休養=弱)、火曜日:軽めのジョギング(調子を引上げる=弱)、水曜日:インターバル or ペース走(ポイント練習=強)、木曜日:軽めのジョギング(疲労回復=弱)、金曜日:積極的休養(水泳やウォーキング=弱)、土曜日:軽めのジョギング(調子を引上げる=弱)、日曜日:レース or ロング走(ポイント練習=強)。更に、1週間の強弱だけをピックアップすると、◆月曜日:弱⇒火曜日:弱⇒水曜日:強⇒木曜日:弱⇒金曜日:弱⇒土曜日:弱⇒日曜日:強。

このように、最初にしっかりとしたトレーニング強弱の流れをおさえ、それに沿ったトレーニング内容を考えていくことがポイントとなります。

もちろん、初心者の方が最初からインターバルやペース走等を実施することは、故障や怪我のリスクが高まるのでおすすめできません。しかし、強弱をつけた流れをおさえ、トレーニング計画を考えていくのは、どんなレベルの方でも同じです。

例として、◆初心者向け計画/月曜日:休養(弱)、火曜日:30分以下のジョギング(弱)、水曜日:60分前後のジョギング(強)、木曜日:30分以下のジョギング(弱)、金曜日:休養(弱)、土曜日:30分以下のジョギング(弱)、日曜日:90分から120分前後のジョギング&ウォーキング(強)。

そして、更に注意する点として、様々な媒体から情報収集をし、良い所どりの練習をしないことです。例えば、あるコーチからインターバルトレーニングが有効と言われ、インターネットからロングジョグが重要であることを知り、更に専門誌では30k走が必要と書かれていた・・・。その結果、月曜日から日曜日まで息つく間もないくらいハードな練習となり・・・、故障や怪我が激増するケースです。

また、そのようなケースに陥っている本人は逆に、「これだけ頑張っているのに結果が出ない」と、悩む方も意外と多いのですが、いかがでしょうか?・・・そして更に悩んだ末、ポイント練習の強度と量をアップしていき、負の連鎖に陥っていく方も多く、そのようなケースも見受けられます。

実はトレーニング計画を立案する上で、記録や成果に固執するあまり、それが焦りにつながることが最も危険なことで、怪我や故障を防止することこそが第一なのです。そのためには、強弱(メリハリ)をつけた流れにし、強度や量も余裕を持ったトレーニング計画にすることは重要な要素となります。

特に、年度はじめのこの時期は、決意も新たに意欲も湧いてきます。しかし、怪我や故障を防止するのと、トレーニングを無理なく継続していくためには、思い立った内容の7割から8割程度におさえる勇気も必要で、継続していく上での目安ともなります(経験上)。

一か八かのトレーニング計画でなく、年間を通じて故障や怪我を防止し、ランニングに対するモチベーションを持ち続けられるトレーニング計画を意識していきましょう。

つづく。

新年度スタート!

今日から平成21年度のスタートです!新たな気持ちで頑張って行きましょう!!

また、季節もこれからどんどん暖かくなっていきます(暑くなってくる)。まさに絶好の行楽日和と言ったところでしょうか。もちろんマラソンも・・・と、言いたいところですが、これからは気温と湿度がどんどん高くなり、紫外線も強くなっていきます。おまけに身体が暑さに慣れていません。

つまり、残念ながらマラソンをはじめ、長距離走にとっては、厳しいコンディションになっていくのです。そして、これから8月あたりまでの季候は、ランナーにとって自然の猛威にさらされる最も過酷で危険な季節に突入すると言っても良いでしょう。

・・・と、脅すつもりは毛頭ありませんが、ランニングにとって最も危険なコンディションのひとつが、気温と湿度が高くなることなのです。だからこそ給水をはじめ、正しい暑さ対策を確実に実施しながら楽しいランニングライフを継続してほしいと思います。

また、気温や湿度が高くなってくるこれからの季節に、無理を押してフルマラソンに挑戦する必要もありません。それは、あまりにも過酷なコンディション下で無理をすると、身体に残ったダメージが尾を引き、秋以降のマラソンシーズンまで影響するケースも少なくないからです。

そのため、8月あたりまでの時期は、逆に比較的短い距離のレースをピックアップし、出場することをおすすめします(可能なら10k以下)。特に、マラソンを中心に走ってきた方にとっては、違ったスピード感や爽快感を体感できるはずです(苦しみも)。

そして、この時期に短い距離のレースを走ることで、マラソンと違う刺激も筋肉に入り、スピード強化にもつながります。もちろん短い距離のレースを走ったからと言って、直ぐにマラソンの自己記録更新につながる訳ではありませんが・・・。

しかし、マラソンを走ったことによって蓄積された肉体的疲労や精神的な疲労をリフレッシュし、もう一度モチベーションを高めたり、マンネリ化を防止するにはとても有効的です。それは、長くランニングと付き合っていく上で、とても重要なことです。

このように、春先は短い距離のレースでスピード強化・・・、夏は走り込み・・・、秋から冬はマラソン・・・と、季節の変わり目等をうまく活用し、トレーニング内容に変化をつける方法を一般的に、「期分け」と言います。

皆さんも、新年度がスタートしたこの時期に、昨年度までのトレーニングの流れや出場したレースについて振り返り、平成21年度の年間計画を考えてみましょう!

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