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2023-09

2023秋を走る・4

【2023秋を走る・4】厳しい残暑が続いておりますが、ようやく朝晩は涼しく感じる日が増えてきたでしょうか。そんなコンディション下でしたが、富津公園での強化合宿は年間計画に沿って、たんたんと消化しております。

そして、今回の強化合宿は23日から実施しましたが、前回の今月2日から実施した強化合宿とほぼ同じトレーニング内容にしました。実は、前回の強化合宿時は厳しい残暑に見舞われ、主力選手たちもギブアップするような状況でした。もちろん、今回の強化合宿もそれなりに厳しいコンディションでしたが、どの選手も計画どおりに走り込むことができました。

また、9月も後半に差し掛かってくると、ここ富津公園には箱根駅伝を目指す学生選手や実業団選手たちの姿も多くなってきます。先日は、箱根駅伝予選会突破を目指しているD大学とN大学がポイント練習を実施していました。どの選手もどのチームもケガや故障なく、万全の体調で予選会に挑んでほしいと願っております。

引き続き、厳しい残暑が続くような予報なので、距離走などの設定タイムを夏の走り込み同様、考慮していく必要がありそうです。そして、次の目標となる大会は、12月の防府読売マラソンです。厳しいコンディション下での走り込みが続きそうですが、選手個々の体調重視で走り込んでいきます。

さて、9月24日に開催されたベルリンマラソンで女子の世界記録が誕生しました。その記録は「2時間11分51秒」。まさに驚異的と言えるでしょう。しかし、女子10000mの世界記録が「29分1秒」である点や、シューズの進化などを考慮すると、個人的な主観になりますが、「2時間12分00秒から2時間10分30秒」あたりの記録が誕生する予感はありました。

また、女子5000mの世界記録が「14分00秒」に更新された点や、女子ハーフマラソンの世界記録も「62分51秒」である点も考慮すると、「2時間10分以内」の可能性は濃厚と言えるでしょうか。もはや、日本男子選手のトップクラスに入っていきそうな勢いです。

今回の女子選手はもちろん、男子のキプチョゲ選手などの驚異的な走りと記録を拝見していると、すでに科学や努力で追いつくことはできないのでは……。これまで「短距離は素質、長距離は努力」と言っていましたが、実は「短距離は努力、長距離は素質」なのかもしれません……。

2023秋を走る・3

【2023秋を走る・3】先日の3連休を活用し、今年最後の長野県菅平合宿を実施しました。今年は記録的な猛暑と、厳しい残暑も続いていますが、菅平高原も例年にない厳しい残暑が続いていました。

そんなコンディション下での合宿でしたが、今回もメインのトレーニングは距離走でした。その距離走ですが、ここ数年は起伏の激しいコースで実施することが多くなりました。しかし、同コースは木陰も多いので、今年のような厳しい残暑の中においては、逆に良い選択でした。

その起伏コースですが、片道2kを往復するコース設定で、10往復すると40kです。また、同コースでの距離走も回数を重ねてきたので、どの選手も起伏に沿ったペース配分をつかめており、それぞれが目標の設定タイムで走り切れていました。

さて、実業団選手や学生選手をはじめ、多くのランナーたちが大なり小なり合宿を実施しています。もちろん、合宿地やそこで走るコースなどはそれぞれです。しかし、毎年違う場所を転々としているチームや個人は少ないように感じます。

同様に、宿泊施設や実施時期などについても、毎年コロコロ変えているチームや個人は少ないように感じます。かくいう私も毎年同じ時期に同じ場所で合宿を実施しております。では、それはなぜなんでしょうか?

自問自答になりますが、やはりその環境に慣れている点が第一でしょうか。特に、数泊の短期合宿が多い関係で、合宿地に移動したら直ちに走れる環境の方が、時間も有効に使えます。2つ目は、同じ時期に同じ場所で走りこむことで、過去のデータと比較できる点でしょう。

ところが、菅平高原のように少し特殊な環境下においては、体が順応できず、うまく走れない選手もいます。そんなとき、同じようなトラブルに見舞われても、平地に戻ればしっかり走れている選手のデータや経験を見聞することで、逆に自信が持てたりもします。

一方、毎年同じような流れを繰り返すことで、いわゆるマンネリ化と言われる現象に陥る可能性もあります。この点は、確かにそう言える点もあり、否定することはできません。また、どのチームや個人がどこで合宿をしているなどの情報は、SNSなどを通じて簡単に知ることができるようになりました。

その結果、うまく成功した選手の話はSNS上で直ぐに知ることができます。ところが、逆にうまくいかず、苦労している情報などは意外と少ないのも確かで、都合の良い情報ばかりが目につきます。もちろん、これはこれで困ったものと考えますが……。

なんだかまとまらない話になりましたが、厳しい残暑はまだまだ続きそうなので、暑さ対策も引き続き忘れないように……

※今回で800回目の更新になりました!

2023秋を走る・2

【2023秋を走る・2】相変わらず厳しい残暑が続いております。そんな中、いつもの千葉県富津市富津公園において強化合宿を実施しました。また、これも例年どおり、9月の強化合宿から本格的なマラソントレーニングに移行していきます。

そして、これも例年どおり、強化合宿のメイン練習は距離走(長い距離を走る練習)です。また、今回の強化合宿は厳しい残暑も考慮しました。ところが、最初の距離走を、主力選手たちも含め多くの選手が、最後まで走りきることができない厳しい状況に陥りました。

もちろん、暑さの厳しい夏の強化合宿においては、途中で中止する選手もいますが、今回のようにほとんどの選手が途中で足を止めたケースは記憶にありません。確かに走行中は、選手たちの発汗量がいつもより多い(汗が気化しない)とは感じていましたが……。

距離走当日、スタート時の天候は晴。気温は手元で30度以上と厳しい暑さでしたが、これまでの経験からそれほど気にする気温ではありません。ところが、手元の湿度は80%前後でした。私の経験上の話になりますが、湿度は雨天などにならない限り、80%を超えることはほとんどありません(朝方などは除く)。まさに高温多湿でした。

では、この高温多湿という言葉はよく見聞しますが、あらためてどのような条件を指すのでしょうか。調べてみると、明確な数値は決まっていないようで、各分野によってその数値は異なるようです。一般的には「気温が28度以上で湿度が60%以上の状態(これも様々)」を指すようです。

さらに経験上の話になりますが、暑熱純化や暑熱対策を実施している強化指定選手に関しては、湿度が70%前後までのコンディション下なら気温が30度前後でも何とか走り切れます(もちろん個人差がある)。

とろこが、今回のように天候が晴で気温が30度以上。そして、さらに湿度が70%以上と、こんな過酷な条件(3つがそろう)で距離走を実施した経験は、実はほとんど無かった……。幸い、翌日以降の練習は計画どおりに実施することができましたが……。

例年の9月なら涼しくなっていき、体調も調子も上がっていくのですが、今年は継続して「高温多湿」にも警戒していく必要がありそうです。

2023秋を走る・1

【2023秋を走る・1】厳しい残暑が続いておりますが、そろそろ本格的なマラソントレーニングに移行していく季節に入ってきました。千葉県富津市富津公園を拠点に実施している富津合同練習会においても、9月から秋のマラソンシーズンを意識した走り込みに入りました。

そして、今月の3日からその練習会をスタートしたのですが、午前9時の気温は32度に到達。そのため、当初予定していた距離を短縮して実施しましたが、それでもかなり過酷な練習会となりました。

さて、天気の長期予報を見ると、今年は9月以降も気温が30度をこえる日が続きそうな感じです。したがって、目標のマラソンに備えた距離走(長い距離を走る練習)は、安全面や健康面などから見てもリスクが高まります。

もちろん、炎天下での距離走は様々な危険が伴うので、無理な走り込みは回避する必要があります。一方、マラソンに必要なスタミナ(持久力)を養成するには、つまるところ長距離を走るか、長時間走る以外に効果的な方法は見当たらないと感じます(私の経験上)。

例として、40k走を悪コンディションのため、30kに短縮することはあっても、10kまで短くすることはほとんどありません。同様に、数ヶ月先のマラソンを目標にした場合、走り込み期の距離走を20k以下に抑えることもありません(完走を目標にしているランナーは別)。

また、1回の距離走を20k以下に抑えた走り込みで、一定レベル以上のパフォーマンスを維持しているマラソン選手を、私は見たことはありません(初マラソンは除く)。要は、競技の特性上、スタミナ養成はマラソン攻略の大きなカギを握っているのは確かで、やはり「長い距離を走る」か「長い時間を走る」かの二択がメインになるでしょうか。

このように考えると、このまま30度を超える気温が続くと、逆にマラソントレーニングの軸となる距離走(30k以上)にも悪影響を与える可能性は高くなるでしょう。すでに世の中は「温暖化対策」といわれて久しいですが、マラソントレーニングにも「温暖化対策」を盛り込んだ画期的なトレーニング方法(走らなくても良い方法など)が登場すれば良いのですが……。

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