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2008-12

年末年始

2008年も残すところあと数日・・・。今年もまさに、「あっ!」と言う間の1年でした(笑)。皆さんはどんな1年だったでしょうか?

さて、既に年末年始の長期休暇に入っている方々も多いかと思います。そして、ランニング三昧な日々を送るには絶好の連休・・・と、言いたいところですが、現実は大掃除や大晦日、元旦、初詣・・・とビッグイベントが目白押しとなる期間でもあります。おまけに元旦から駅伝中継が、これでもかと長時間に渡ってテレビ放映されます(笑)。

実は、ほとんどの市民ランナーの方々にとって、1年間で最も長期休暇を取得できる時期であるにも関わらず、1年間でランニングを阻害する要因が最も多い時期でもあります。少し極端な話になりますが、年末年始に限っては、「ランニングができない」と最初に覚悟を決め、「走れなくて当然」と肝に銘じることも必要になります。

・・・と言いながら本当に全く走らない訳にはいきません(笑)。特に1月末から3月にかけて開催される各地のマラソンを目指している方々にとっては、この年末年始は走り込みを実施しなければいけない重要な時期でもあるからです。(市民ランナーの方々で、年明けの1月から3月のマラソンで目標どおりの走りができなかった原因を突き詰めていくと、この年末年始にほとんど走ることができなかったことに行き着くケースが多いのも事実です。また、暴飲暴食の影響で体型も変化し、戻せない方々も・・・。)

しかし、最初からランニング三昧の計画を立ててしまうと、先に述べたような多くの阻害要因から計画倒れになるケースが多くなってしまいます。だからこそ最初に、走れなくても当然と覚悟を決め、その中から何ができるかを考え、できることを確実に実行することが大切になるのです。

具体例として、毎日2時間走ろうと決めたにも関わらず、実際は1日60分走るのがやっとだったとします。この場合、自分で立てた計画を実行できなかったことに対する精神的なダメージの方が大きくなります。特に、1年で最も決意新たにする次期であるにも関わらず元旦から、「今年もダメか・・・」とマイナス思考に陥り易くなってしまいます。皆さんの中にもそんな経験をお持ちの方は?

しかし、逆に何とか早朝の短い時間を確保し、30分のランニングを確実に実行することができたとします。そして、たまたま更に30分多く走ることができたとすれば60分となります。そんな時はとてもやる気に満ちてきます。いかがでしょうか?先ほどのケースとは全く逆になり、ランニングに対してもモチベーションが上がるのではないでしょうか?

このように年末年始は、自分自身が自由にできる時間帯をしっかりと把握し、その中で何ができるかを考え実行することを第一にしてほしいと思います。もちろん、そのためには家族や周りとの調整も必要になってきます。しかし、そういったことを考え、周りとの調整をすることは、マラソンを走りきるためにも必要不可欠な能力となります。

同時に、自分を取り巻いている周りの人たちに対し、「あの人の生活は走ることが中心だから・・・」と逆に思わせ、あきらめさせてしまうことも時には必要です。その結果、自分自身が好きなランニングを継続していく上で、必ずプラスに働いていくからです。(家族はもちろんですが、職場の方々へのそう言ったメッセージも時には、有給休暇等を取得する上で話し易くなることもあります。)

貴重な年末年始だからこそ単純に走りこむことだけでなく、好きなランニングを継続していくためにも周りからの理解を取り付けたり、自分自身の生活習慣や生活リズムを改めたりする絶好の機会にしてほしいと思います。

ランニングブーム・6

12月21日(土)から一泊二日の日程で、RUNWEB年末合宿を実施しました。場所は千葉県長柄町にある「生命の森(日本エアロビクスセンター)」です。今回の合宿は初参加の方が多く、遠くは青森県や滋賀県からご足労頂いた方もいました。

今回のように走力や年齢性別等を問わず、走ることが好きな方ならどなた様でも参加可能とうたって参加者を募ると、本当に様々な方からお申し込み頂きます。年齢は20歳代の女性から60歳代前後の男性や女性・・・、仕事もサラリーマンの方や自営業の方・・・、走力もサブスリーの方もいれば走歴数ヵ月の方もいます。

しかし、これだけ様々な方が一堂に会しても特に問題もなく、とても充実した時間を全員で共有することができます。まさにランニングの魅力と奥深さを感じます。皆さんはいかがでしょうか?

さて、「継続は力なり」と言います。もちろんランニングについても同様で、特に単純動作を繰り返すランニングだからこそ日々の継続は必要不可欠となります。ところが、球技のように道具を使いこなしたり、ダンスのように特殊な動きや技術を必要としないランニングを毎日継続していくことは、頭で考えるほど簡単ではありません。

それは、誰でも簡単にはじめることができる手軽さ故に、すぐに飽きてしまうからです。何度も話していますが、空前のランニングブームと言われております。しかし現状は、はじめてランニングに興味を持ったり、はじめて走り始める方々がどんどん増えている状況でもあります。逆に言うとこの方々が半年、1年・・・数年とランニングを生活の一部にしていけるかどうかが、今後のランニングブームを左右する大きなポイントになるとも言えます。

そのためには、ランニングの中から楽しさを見出す必要があります。それは、ランニングも含め物事は楽しくなければ継続できないからです。幸い先に述べたようにランニングは、様々な方が一堂に会して楽しめる数少ないスポーツでもあり、共に走れば誰でも仲間になれる良い面を持ち合わせています。

同時に各地で開催されている各種ランニング講習会、合同合宿や合同練習会等をうまく活用することで、更に仲間の輪を広げることも可能です。そのためには、多少の勇気が必要かもしれません。しかし、どんな方でも新しい環境に飛び込んでいくことは不安なものです。また、「私だけがいつも継続できない・・・」と思いがちですが、誰もが同じ悩みを持っているのも事実です。つまりたった一人で悩んだり苦しんだりする必要は全くないのです。

だからこそランニングを通じて共に汗を流し、大いに語り合える仲間をたくさん作り、心身共に健康で活力ある生活につなげて行ってほしいと思います。

トレーニング計画・8

水曜日のアフターファイブに実施する練習として、前回まではインターバルトレーニングについて考えてきました。どんな練習でもそうですが、特にインターバルトレーニングについては、疾走する距離やリカバリー(休息)の組合せパターンが非常に多く、各自の走力や狙っているレースの距離等に対し、適切な強度と負荷になっているかどうかが重要なポイントとなります。

・・・と言いながら、実業団選手(プロ)や箱根を目指す学生選手達でさえ、常に適切な強度と負荷を保ったインターバルトレーニングを継続していくことは至難の業です。その点をしっかりと理解し、設定タイムやリカバリーに対し義務的にならず、その日の体調やモチベーションを最優先に、無理なく継続してほしいと思います。

さて、今回から水曜日のアフターファイブに実施するもうひとつの練習方法である、「ペース走(レースペースに近い)」について考えていきます。はじめに、日曜日に実施する距離走と今回のペース走とは、いったいどんな風に違うのでしょうか?そんな疑問を持っている方も多いかと思いますが、いかがでしょうか?

実は、はっきりとした定義のようなものは難しく、一般的に言うと概ね20k以上の距離をある一定のペースで走ることを距離走と表現することが多いように感じます。また、ペース走は距離走と同じようにある一定のペースで一定の距離を走るのですが、そのペースは距離走より速く、距離も20k程度までのケースが一般的です。

ペース走をもう少し具体的に言うと距離走の時より設定タイムも速くなり、至極当然ですが会話をしながら走り続けることは難しくなります(笑)。逆にインターバルトレーニングのように心拍数が一気に上がり疲労困ぱいで動けなくなるようなこともありません。つまり、ペースを一定に保って長時間走り続けられるギリギリのペースになります。※専門的には、乳酸が発生しているものの体内にはほとんど蓄積されない状態で、有酸素運動と無酸素運動の境目に近いペースと言われています(AT値/ATペース)。

簡単にまとめると、日曜日の距離走はかなりのゆとりを持ったペースを指し、マラソンの距離をしっかりと走りきるための脚とスタミナを養成することが主な目的となります。一方、水曜日のペース走はマラソンの目標タイムに対し、そのペースをできるだけ余裕を持って楽に走れるようにしていくことが目的となります。※専門的に言うと、ペースを上げても乳酸が蓄積しない地点のレベルを上げること(AT値を上げる)。

よって、水曜日のアフターファイブに実施するペース走は、単純に一定のペースで走ることが目的でなく、ある程度の余裕を持って走れるスピードの限界値(AT値)を引上げることが目的となります。その結果、ペースアップしても疲労が蓄積しにくい身体となり、実際のマラソンレースでは、目標の設定ペースでも楽に走れるようになります。※もちろん個人差も大きく、全員が一律同じ結果になりませんので予めご了承下さい。

次回からは、もう少し具体的な走行距離や設定ペースについて考えていきます。

つづく。

心をつなぐ

本格的なマラソン&駅伝シーズンの到来です。既に全国各地で各種マラソン大会が開催されており、これから年末年始にかけテレビ中継も増えてきます。特に、その中においてもすっかりお馴染みとなった正月の箱根駅伝は、長時間中継にも関わらずたいへんな盛り上がりを見せ、駅伝ファンを釘付けにしています。そして、その影響もあってか全国各地で市民マラソン大会同様に各種駅伝大会も盛んに開催されるようになってきております。

そこで今回は、その駅伝の魅力について少し考えてみます。

最初によく人生をマラソンに例える話を耳にします。それは全員が一斉にスタートし、他人と競い合ったり、自分のペースを守ったりしながらゴールを目指す姿は、人生そのものに似ているからでもあります。ところが、マラソンは途中であきらめたり、リタイヤすることができます。実は私も過去に数回、途中リタイヤの経験があります(涙)。

しかし、駅伝は原則として途中で投げ出すことはできません。それは、懸命に頑張ってきた仲間から受継いだタスキを、自分を待っている次の仲間に必ず渡さなくてはいけないからです。つまり、ゴールに向かって走ることに、「タスキをつなぐ責任」が加わるのです。

実はこのようにレース途中、自分の意思で自由にリタイヤできるマラソンより、自分の意思とは関係なくタスキを絶対に次の走者につなぐ責任が伴う駅伝こそが、より人生に近いと言えないでしょうか?

実際に駅伝中継を拝見していると、何人ものライバルたちをゴボウ抜きし、一躍ヒーローになる選手がいます。一方、体調不良等の影響なのか、期待された走りとは程遠い内容にタスキを渡したあと、その場で倒れ泣き崩れている姿が画面にうつし出されることも多々あります。そして、その一喜一憂している選手たちの姿や思いは、私たちの心まで確実に届きます。それは私たちの人生と重なる部分が多いからではないでしょうか?

また、どんな駅伝大会でもチームメートからの期待、家族や仲間たちからの応援・・・等々、タスキを受け取るまでの重圧やプレッシャーはマラソンとの比ではありません。更に、トップでくるのか?競り合ってくるのか?・・・どんな状況でタスキを受け取るのかを自分の意思で決めることはできません。つまり様々な状況を想定し、どんなレースの流れになったとしても、しっかりと自分自身の走りに徹することのできる強い精神力も要求されます。・・・と、そんな駅伝は、まさに人生そのものと感じてしまいます。

そしてこれから、中学生から社会人まで様々な駅伝大会が目白押しとなります。もちろんテレビ中継もたくさんあります。そんな状況の中、選手たちには周囲からの期待や重圧がどんどんかかってきますが、選手たちは頑張らないはずはありません。しかし、上記で述べたように結果の明暗がはっきりするのも駅伝です。だからそこ応援する皆様には、結果の良し悪しに関係なく全力を尽した選手たちを暖かく迎え、ねぎらってほしいと思います。

選手たちはどんな結果であろうと、その駅伝で経験したことを心と身体に刻み、必ず自分自身の人生に活かしていくのだから・・・。

トレーニング計画・7

前回に引続きインターバルトレーニングの話です。今回は適切な設定タイムとリカバリー(休息)についてです。では、最初に何を目安に設定タイムを決めれば良いのでしょうか?

実はこの点をあまり明確にせず、ただ何となく走るかたがほとんどかと思いますが・・・、いかがでしょうか?そして、とにかく苦しければ効果があると思っているかたも結構いますが・・・、いかがでしょうか?

と言いながら、各人のレベルに合った適切な設定タイムを決めるのはベテランのかたでも難しく、追込み過ぎたら故障し、軽過ぎたら効果が薄いと絶妙です。そこで、ひとつの目安として、10kのベストタイムから1割程度速くしたタイムを設定タイムの目安にすることをおすすめします(心拍数等を目安にする方法もありますが、今回は割愛します)。

例として10kを40分で走るかたなら、1割速い36分がベースとなります。これを200mから400mあたりに換算したタイムがインターバルトレーニングの設定タイムとなります。具体的には、◆200m=40秒から43秒前後、◆300m=64秒から67秒前後、◆400m=86秒から90秒前後、・・・となります(もちろん個人差がありますので予めご了承下さい)。

次にリカバリー(休息)です。実はインターバルトレーニングの最も重要なポイントはこのリカバリーなのです。いくら設定タイムを速くしたとしても、このリカバリーをしっかりと管理できていなければインターバルトレーニングの効果は期待できません。そのくらいリカバリーが重要であることを、まずは頭に入れておいてほしいと思います。

そのリカバリーですが、疾走する設定タイムと同じ時間のリカバリーが最初の目安となります(1対1が基本)。上記の設定タイムで言うと、◆200=40秒から50秒、◆300m=60秒から70秒、◆400m=80秒から90秒、・・・となります。また、リカバリーをジョギングでつないでいくケースが一般的ですが、市民ランナーのかたの場合、その方法だと正確な休息時間を管理することが難しくなるケースが多々あります。そこで走り終えた地点で休息し、その地点から次をスタートする方法をおすすめします(リカバリーの時間を管理し易く、一定に保てて効果的)。

そして、いよいよインターバルトレーニングをスタートした時、最初から適切な強度と負荷になれば良いのですが、ほとんどのかたが楽に感じたり、辛く感じたりします。そこで必ず設定タイムやリカバリーの微調整が必要不可欠となり、ここが大切なポイントのひとつとなります。

まずは辛く感じた場合です。実はこの辛いと感じる地点が、トータル距離の7割から8割程度の地点なら逆に適切な強度と負荷と言えるので、この場合なら最後の数本を我慢して頑張って下さい(笑)。しかし、その手前から設定タイムを維持することが困難な場合は、やはり設定タイムが速過ぎる傾向にあると言えます。この場合は、設定タイムを2秒ずつ落とし調整します。特に、400mより短い距離では、たった2秒の変化でも身体で体感することができますので、是非ともこの体感を経験してほしいところでもあります(ペース感覚を身に付ける練習にもなります)。

次に楽に感じた時ですが、この場合は設定タイムではなく、リカバリーの時間を短くしていきます。具体的には10秒単位で短くしていき、トータル距離の7割から8割程度あたりから辛くなってくるように調整していきます。

・・・と、言葉で言うと簡単ですが、実際に走ると設定タイムをキープすることもかなり難しいことです。そこで慣れるまでは、トータル距離の7割から8割程度の地点までは設定タイムを落とし気味に走り、余裕を持つようにします。そして、最後の数本は残った力を一気に吐き出す気持ちで頑張ります。これによりラストスパートのタイミングと走り方も体得していくことができます。また、翌日の疲労具合も都度確認し、翌週のインターバルトレーニングに活かしていくようにしましょう。

つづく。

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