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2016-05

マラソンのスピードについて・6

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【マラソンのスピードについて・6】今回はポイント2についてです。

インターバルトレーニングの疾走するスピードについてになります。前回も少し触れましたが、インターバルトレーニングは時間対効果が最も高いトレーニングのひとつです。したがって、身体へのダメージも相当なものになります。そのため、怪我や故障のリスクも格段に高くなります。

ところが、疾走する距離を短く区切って走るので、特にスピードのあるランナーは、逆にかなりのスピードを出せることになります。しかし、上記したとおり、身体へのダメージが思っている以上に大きいため、実際のレースでは記録に結びつかないケースが意外と多いのです。

それは、インターバルトレーニングは疾走距離が短い上、トレーニング後の達成感も高いので、予定以上に追い込みすぎてしまうからです。同時に、時間対効果が高いので、時間の確保が難しい市民ランナーほど、週に何度もインターバルトレーニングを取り入れようとする傾向もあります。その結果、目標のレースに向け、調整がうまくいかず悩んでいるランナーも多く見受けます。

そこで、疾走する距離に関係なく、まずは5kのタイムを目安にします。具体例として、5kを20分で走るランナーの場合、1kは4分00秒、400mは1分36秒となります。そして、実際にそのペースで走ると、体感的には少しゆとりを感じるはずです。

つまり、その少しゆとりのあるペースがポイントになります。また、心拍数を目安にスピードを管理する方法もありますが、まずは正確な距離を正確な設定タイムで疾走し、その体感から強度の見極めをしていくのが良いと思います。

マラソンのスピードについて・5

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【マラソンのスピードについて・5】前回、スピードトレーニングについて3つの方法をあげました。今回からそれぞれについて掘り下げて行きます。

はじめは、インターバルトレーニングについてです。まさに、誰もが知っている最も代表的なトレーニングではないでしょうか。一方で、苦しい割には結果が伴わないトレーニングと思っているランナーも多いと感じますが、いかがでしょうか。

そんなインターバルトレーニングを効果的に実施するため、いくつかポイントをあげてみます。

■ポイント1).疾走するトータル距離は、5kを目安とする。例として、1kなら5本、400mなら12本程度。

■ポイント2).疾走するスピードは、5kのタイムを目安とし、それを基準とする。例として、5kが20分のランナーなら、1kのインターバルでの目安とするタイムは4分。

■ポイント3).疾走した後、次までの休息を一定にする。例として、200mを1分でつなぐとか、単に1分の休息にして、休息時間も最後まで一定に保つ。

以上の3つについては至極当然のことですが、実は驚くほどこの3つが守られていません。そのため、苦しい割には成果が見えなてこないと、悩んでいるランナーが多いと感じます。

そこでもう少し各ポイントについて掘り下げて考えてみます。

ポイント1については、月間走行距離から導くと、より具体的になります。インターバルトレーニングのような苦しいトレーニングは、月間走行距離の5%前後が適切と言われています。これは、私の経験からも概ね合っていると感じます。

市民ランナーを例にすると、月間走行距離が300kに到達しているベテランランナーの場合、300kの5%は15kになります。これを4週で割ると、1週間あたり約4kです。つまり、週に1回のインターバルトレーニングで1kを疾走する場合の本数は3本から4本が適切となります。

もちろん、月間走行距離がこれより少なければ、更に本数は減ります。逆に月間走行距離が多いランナーは5kを超えた分、他の日にもう一度スピードトレーニングを実施しても大丈夫か否かの目安になります。

つまり、やみくもに何本も疾走することは、必要以上にダメージを残すことになります。特に、スピードトレーニングは、やり遂げた達成感が強い反面、身体へのダメージは思っている以上に大きいのも確かです。そのため、レースに向けて調整していく段階での疾走距離や本数は、何よりも重要なポイントになります。

マラソンのスピードについて・4

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【マラソンのスピードについて・4】少し前置きが長くなりましたが、今回からマラソンに必要なスピードの基礎となる5k(10kまで)のタイムを短縮するための具体的なトレーニング方法について考えていきます。

さて、皆さんはスピードトレーニングと聞くと、どんなトレーニング方法を思い出すでしょうか。おそらく多くの方が思い出すトレーニングは下記の記載する方法であり、実際に多くのランナーが実践しているトレーニング方法だと思います。

■トレーニング方法・1).インターバルトレーニング;短い距離なら200m前後から長い距離だと5000mあたりまでの距離をある一定のペースで疾走し、一定の休息を挟みながら決めた本数を走るトレーニング。

■トレーニング方法・2).レペティショントレーニング;疾走する本数を少なくし、1本毎を全力に近いタイムで疾走し、十分な休息を取りながら決めた本数を走るトレーニング。

■トレーニング方法・3).ペース走;実際のレースペースよりゆとりを持った一定のペースで、実際のレースより長めの距離を走るトレーニング。

他にも様々なトレーニング方法がありますが、トラックでのスピード強化を目的としたトレーニング方法は、概ね上記3つに集約されるでしょうか。もちろん、近所に陸上競技場がない方でも、公園や河川敷にあるジョギングコースやクロスカントリーコースのような場所でも同様のトレーニングは可能です。

そして、上記した内容はオリンピックを目指すエリートランナーだけでなく、既に多くの市民ランナー方も実践しているトレーニング方法でもあり、はじめて耳にするトレーニング方法ではないと思いますが、いかがでしょうか。

ところが、同じようなトレーニング内容を実践しているにも関わらず、思ったような記録短縮をできずにいるランナーが多いのも事実です。では、その理由や原因はどこにあるのでしょうか?

次回からは、それらを念頭に置きながらそれぞれのトレーニング方法を掘り下げていきます。

マラソンのスピードについて・3

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【マラソンのスピードについて・3】5月3日(火)から5月7日(土)の日程で長野県菅平高原において、日本盲人マラソン強化合宿を実施しました。今回の目的は、マラソンに向けたスピード強化と位置づけ、次のようなトレーニング内容を計画しました。

■5月3日(火)
・午後;3000m+2000m+1000m ※設定タイムは各自で
■5月4日(水)
・午前;20k走
・午後;200m×20本(1分40秒/サイクル)
■5月5日(木)
・午前;3000m+2000m+1000m ※設定タイムは各自で
・午後;フリー
■5月6日(金)
・午前;フリー
・午後:200m×20本(1分40秒/サイクル)
■5月7日(土)
・午前;3000m+2000m+1000m ※設定タイムは各自で
・午後;解散

この合宿でのポイントは、「3000m+2000m+1000m」を1日置きに3回実施する点です。また、菅平高原は標高も千メートル以上あり、平地のようにスピードが上がりません。各選手がどのように体調を整えて最後までどのように走り込むかも注目しました。

そして、参加した全選手が欲を出しすぎず、なおかつポイント練習を計画どおりにと、注視していましたが…、自分自身の調子や体調をうまくつかめていない選手も見受けられました。

一方で、2月の別大マラソン後に調子を崩した選手たちの回復具合も確認することができました。特に、今年の9月はいよいよリオ・パラリンピックが開催されます。それに向け、計画的なトレーニングを継続しながら強化していきます。

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