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2023-10

2023秋を走る・8

【2023秋を走る・8】10月21日土曜日から強化合宿をいつもの千葉県富津市富津公園で実施しました。気候もようやく秋らしくなり、マラソントレーニングに最適なコンディションとなってきました。

さて、先日の15日はMGCが開催されましたが、同時開催で東京レガシーハーフマラソン大会も実施されました。同大会には日本ブラインドマラソン協会の強化指定選手たちも出場しましたが、MGC同様に雨と気温低下のため、記録は低調でした。

そんな中、8月の北海道マラソンで自己新記録をマークした若手男子選手が、今回のハーフマラソンにおいても自己記録を更新。同選手は、北海道マラソン後もたんたんと走り込みを継続しており、トラック種目においても自己新記録を達成していました。

また、昨年の同大会で辛い経験をした東京パラマラソン金メダリストの道下選手も、今回は堂々の世界新記録でリベンジしていました。彼女は目標の大会に調子を合わせる能力が高いだけでなく、当日のコンディションをその日のレースプランに落とし込み、目標の設定ペースを当日の適正ペースに変える能力が誰よりも高いと感じます。

そして、今回の強化合宿でしたが、上記した両選手は疲労が残る中でもしっかりと合宿計画を消化していました。逆に、東京レガシーハーフマラソン大会で力を発揮できなかった選手たちも、今合宿はそのレースとは別人のような良い動きをしていました。

至極当然のことですが、どんな選手にも好不調の波は必ずあります。そして、好調の波を目標の大会にぶつけるため、日々のトレーニングを継続しています。もちろん、そんなことは誰でも理解していますが、これが本当に難しく、多くの選手が好調でない方の波とぶつかります。

また、その大会にうまく合わせた選手でも、その好調の波を連続して次の大会にも合わせることができるか否かになると、さらに少数となります。その主な理由のひとつとしては、長距離やマラソンは自分自身のコンディションの良し悪しより、当日の天候に最も左右される特性があるからでしょうか。

あらためて、ようやく涼しいコンディションになってきました。そんな中、今年の記録的な猛暑と残暑を乗り越えてきた経験を、ここからどのように活かしていけるか否かが、本格的なマラソンシーズンでの飛躍へつながるポイントのひとつになっていくことでしょう……。

2023秋を走る・7

【2023秋を走る・7】パリ五輪マラソン日本代表選手を決める「MGC」が、10月15日に開催されました。また、同大会のコースは国立競技場を発着点とし、2021年9月5日に東京パラマラソンを実施したコースをアレンジしたものです。

そして、MGC当日はまさかの雨。特に今年は記録的な猛暑が続き、10月に入った今も25度を超える日が続いていたので、多くの選手や関係者は暑さ対策のことを考えていたと思います。かくいう私も暑さのことばかりイメージしていました……。

しかも、スタート後はさらに雨が激しくなり、気温も下がっていく予報で、そのとおりの厳しいコンディションになりました。まずは、そんな中でも最後まで粘り強いレースを見せてくれた全ての選手に「ありがとう」と「お疲れ様」をおくります。

さて、冒頭でも触れた、2021年9月5日に実施された東京パラマラソン当日の天候も実は雨でした。もちろん、残暑も厳しく連日30度を超える中、当日まで暑さ対策を万全に整えていました。具体的には、氷で冷やしたスペシャルドリンクを保管するためのクーラーボックスや保冷剤入りの帽子。さらに、それらを手渡しするための給水スタッフ配置など……。

ところが、東京パラマラソン当日の天候は雨。そして、気温は20度。誰もが想定していなかったコンディションとなったのです。まさに「まさか」のできごとでした。そして、今回のMGCも多くの選手や関係者は「まさか」の雨と、思ったことでしょう。

よく結婚式に出席すると、祝辞の中で「人生には3つの坂がある」話をする人がいます。1つは「上り坂」。2つ目は「下り坂」。そして、3つ目が「まさか」です。今回のMGCは、この3つの坂が見事にそろったマラソンでした。実はマラソンは、この「まさか」が起こりやすい競技とも言えます(私の経験上)。

したがって、この「まさか」をどこまでイメージしながら日々のトレーニングを積んできたか否かも、勝敗に大きく影響するのは確かです。また、「まさか」に遭遇したとき、どんな気持ちでいるかも大切です。いわゆる「落ち着いて冷静に」とかでしょうか。

ところが、その「まさか」に遭遇すると、多くの選手は冷静さを失ってしまうものです。しかし、逆に開き直れる選手が強さを発揮するのも確かです。つまり、追い込まれたときの「度胸とハッタリ」。そして、それを実行できるか否か……。

今回、パリ五輪マラソン日本代表のキップを手にした選手(と川内選手)は、そんな精神力の強さも他を圧倒していたのでしょう(見た目のタイム差以上に)。

2023秋を走る・6

【2023秋を走る・6】ここにきて一気に涼しくなってきましたが、いよいよ本格的な秋の「駅伝・マラソンシーズン」の到来です。そして、そのシーズン到来を告げる「出雲全日本大学駅伝」が、9日に開催されました。

また、同大会を皮切りにほぼ週末ごとに、全国各地でメジャーな駅伝大会やマラソン大会が開催され、同時にテレビ中継もされます。ファンの一人としては待ちに待ったシーズンの到来になります。もちろん、テレビ中継されるような大会に出場される選手の皆様は、たいへんなプレッシャーを感じながら力走していることと推察します。

そして、全国中継されるような大会で優勝や区間賞などの快走をすると、その名は一気に広まり、多くの人たちから称賛もされます。その一方、当日の調子や体調が悪く、思うような力を出せなかった選手たちがいるのも確かで、その姿を映像などで拝見するのはやはり辛く悲しい気持ちになります……。

とは言うものの、駅伝やマラソンは見た瞬間の順位や記録が全てなので、道中はどうであれ、最後は一番でゴールすれば勝ちのスポーツです(多くのスポーツもそうですが)。また、球技のような複雑なルールも無く、シンプルに速さや順位だけを競い合う点が最大の魅力でもあります。

したがって、誰でもいつでもチャレンジできるスポーツとも言えます。ところが、駅伝もマラソンも一人で何キロも走るので、スタートからゴールまで何も考えず、100m競争のように全力(無心)で走り通すことは体力面から見てもかなり難しい。つまり、どのレベルにおいてもある程度「ゆとりあるペース(無心ではない)」で走り続けることが、レース攻略の重要なポイントになるからです。

そして、そのゆとりのひとつは「今日のペースは速い」「前にいる選手には勝てない」。あるいは「給水を取り損なってしまった!やばい!」など、レース中にあれこれ考える点でしょうか。ところが、そのレース中に考えるゆとりが、逆のマイナス面に左右するケースは意外に多く、その時どんな思いで走っているかは、勝負や記録に大きく影響します。

今週の土曜日は、第100回記念大会への出場権をかけた「箱根駅伝予選会」。翌日の日曜日は、パリ五輪マラソン日本代表をかけた「MGC」が開催されます。もちろん、出場する選手たちは、誰よりもハードなトレーニングを重ねてきたに違いありません。

しかし、その勝敗を左右するのは意外にも「レース中に何を考えながら走るのか?」。最終的には、これが結果にも大きな影響を与えるかもしれません……。

2023秋を走る・5

【2023秋を走る・5】ようやく秋らしくなってきたようで、朝晩は多少肌寒く感じる日も増えてきました。そんな季節の変わり目を感じてきた先日の日曜日。4年振りに「高島平ハーフマラソン大会」が、東京都板橋区で開催されました。

もちろん、この大会には富津合同練習会で走り込んでいる仲間たちも多数出場しました。また、この大会に出場するようになってからすでに20年近くが経ち、我々にとってはマラソンを目指す上で、欠かすことのできない大会のひとつになっています。

そして、大会当日の天候は曇り、気温は26度(手元の温度計)。しかし、湿度が80%を超えており、想像以上に過酷なコンディションとなりました。特に、今回から新設されたハーフマラソンの部は、過酷を極めていました。

箱根駅伝を目指す学生選手を中心に、多くのトップランナーもハーフマラソンに挑んでいましたが、後半に入ると大きく失速しているランナーが目につきました。やはり湿度が高い影響なのか、どの選手も汗が気化せず、全身に水をかぶったような状況に陥っていたからでしょうか。

また、ハーフマラソン後にスタートした10kの部も同様な状況でした。実業団選手が多数出場していたにもかかわらず、優勝した選手を筆頭に上位選手のほとんどが、後半の5kは大きく失速していました。あらためて、湿度が高い中でのレースは危険で、パフォーマンスに直結すると感じた次第です。

さて、今大会から2週間後は、いよいよMGCが開催されます。出場されるどの選手にもパリ五輪キップを手にするチャンスがあります。特に、今回の高島平ハーフマラソン大会のように、天候が曇りでも湿度が80%を超えるようなコンディションになったとしたなら……。

振り返ると、今年は春先から気温が高く、マラソントレーニングを継続していくには極めて厳しいコンディションが続きました。もちろん、海外での合宿を継続してきた選手も多かったと推察できますが、どの選手も最後は国内で調整する必要があります。そして、そのタイミングと体が順化できるか否かの判断を見極めることが、最も難しい点であることはいつの時代も変わりません。

MGCに出場される選手たちにとっては、本当に最後の調整に入りました。毎度のことですが、どの選手も万全の調子で挑めることを祈っております……。

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