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2020-02

代替案

【代替案】コロナウィルスの影響で3月開催予定のマラソン大会が軒並み中止や縮小になっておりますが、多くのランナーがその影響を受けました。特に、3月開催のマラソン大会はいわゆるマラソンシーズン最後の月にあたり、どのランナーもマラソン大会への思いは強かったと思います。

もちろん、富津合同マラソン練習会で切磋琢磨してきた市民ランナーのほとんどがその影響を受け、的が無くなった状態となりました。たらればの話はよくありませんが、3月開催のマラソン大会を走れば、自己記録更新の可能性が高い方が多かったので、コーチの立場としても残念です。

また、スライドさせようとした大会も中止になったり、開催中止を選択する可能性が高いので、今時点においては本当に的が無くなった状態です。しかし、大会参加が無くなっても日々のトレーニングを自粛するわけにはいきません。

ここまで故障や不調を抱えながら無理に調整してきたランナーなら大会中止を逆によい機会ととらえ、思い切った休養にあてることは賢明な判断といえますが、順調に調整してきたランナーに対しては、そうはいきません。

なぜなら、好調なランナーに的が無くなったので休養させると、その先々の調子にも悪影響が出てくるからです。詳細は割愛しますが、かわりとなる的を考える必要があります。具体的には代替案のひとつとして、タイムトライアルが最適でしょうか。

記録は公認扱いにはなりませんが、ここまでのトレーニング成果を、タイムトライアルを通じて確認しておくことは大切です。具体的な方法としては、ペース走や距離走などでいつも走っているコースやスピードトレーニングを実施しているいつものトラックなどを使い、出場予定だった大会と同じ日に、同じスタート時間に合わせて実施するのが目安になります。

大会のような緊張感やライバルがいない分、自己記録更新を狙うことは難しいと思いますが、過去のトレーニングを含めた自己の「コースレコード」は狙えます。また、そこがひとつの目標となるでしょうか。

4月以降もどんな影響がでるかは予断を許さない状況ですが、逆に大会という的が無くなったときの代替案を考え、実践してみるよい機会にしてほしいと思います。

伴走者・2

【伴走者・2】先週のJISSにおける測定合宿終了からそのまま千葉県富津市に移動し、強化合宿を連続で実施しました。もちろん、東洋大学様と帝京大学様からも連続で伴走サポートをいただきました。また、富津合宿後半は同じ千葉県内にある国際武道大学様の選手にも加わっていただきました。

今回の合宿はガイドロープを必要とする視覚障がい選手が少なかったこともあり、伴走者が不要な弱視選手たちのペースメーカー役も担っていただきました。伴走者を不要とする弱視選手たちのマラソンタイムは2時間25分台と、一般ランナーの準エリートと呼ばれるレベルをもこえつつあります。

そのため、1000mのインターバル走を実施すると、最初から3分切のペースで決めた本数をキッチリと走り切ります。そんなレベルに到達しているので、普通の市民ランナーにペースメーカーをお願いするのは難しくなってきています。

しかし、先週の測定合宿から今週の富津合宿の間、学生選手たちが弱視選手たちもしっかりとサポートしてくれたので、とても引き締まった内容のトレーニングを積むことができました。

また、前を走っている学生選手たちのフォームはとても軽やかで、無駄がありません。一方、弱視選手たちのフォームは重厚な印象を受けます。もちろん、箱根駅伝を目指す学生選手との比較になるので無理もありませんが、様々な気付きも与えてくれました。

そして何より、箱根駅伝とパラリンピックとでは置かれている環境も違いますが、こうやって一緒になれば直ぐに切磋琢磨できるのです。あらためて、「マラソン(ランニング)は素晴らしい!」と感じる合宿でした。

さて、ご存知のとおり、コロナウィルスの影響で全国のマラソン大会が自粛するニュースが急増してきました。実は、3月1日に千葉県富津市で開催予定の千葉県民マラソン大会も、開催を中止する旨の連絡が大会事務局から届きました。

この大会はブラインド選手たちも毎年参加しており、今回も合宿でのスピード強化を試す絶好の機会ととらえていたのでとても残念です。同じように、学生選手たちが目標としている大会にも影響が出てくる可能性があります。

しかし、こんな時だからこそ声を掛け合って、一緒に切磋琢磨しながら更に走り込んでいきたいと思います。引き続き、よろしくお願いします!

伴走者

【伴走者】今週は東京都北区にある国立スポーツセンターにおいて強化指定選手たちの各種測定を実施しています。既に何度も実施しているので、過去のデータなどとの比較もできるようになってきました。

詳細は割愛しますが、今回の測定では多くの選手が過去最高の数値となっており、個々のトレーニングが順調に推移している点を確認することができました。また、測定時間以外はトラックをメインとしたトレーニングも実施し、こちらも順調に消化しております。

そして、今回の測定合宿も東洋大学様と帝京大学様から学生選手による伴走サポートをいただきました。そのおかげで今回も質の高いトレーニングをしっかりと積むことができました。あらためて、ご協力に感謝申し上げます。

毎度のことですが、伴走協力をいただいているどの大学選手たちも明るく礼儀正しいので、強化合宿の雰囲気も良い方向に引き締まります。もちろん、ブラインド選手たちも甘えることができない状況になり、常に緊張感を持ったトレーニングを継続できることにつながっています。

同時に、学生選手たちはトレーニングだけでなく、合宿中はブラインド選手と同部屋で日常生活のサポートもお願いすることになります。しかし、どの強化合宿や遠征においても、こちらが細かいことを指示しなくてもブラインド選手たちをしっかりとサポートしてくれるので、本当に助かります。

そんな学生選手たちの姿を目にすると、各大学における日々のご指導は競技以外もしっかりと行き届いていると、あらためて感銘をうける次第です。また、学生選手たちは若いといいながらも箱根駅伝をはじめ各大会における注目度は異常なほど高いので、相当なプレッシャーの中で日々のトレーニングを積み重ねているはずです。

しかし、そんな素振りはみじんも見せず、積極的に伴走サポートする学生選手たちは、我々にとっては既に欠かすことのできないチームメートといえます。あらためて、東京パラに向け更なるご支援ご協力をお願い申し上げます。

別大マラソン

【別大マラソン】私が初めて別大マラソンに出場したのは19才。当時は23才以下ハーフマラソンの部があり、その部門に出場したのが最初です。(国内でハーフマラソンの部を実施したのはこの大会が最初だと思います。)

あれから30数年が経過しましたが、この間に市民ランナーや女性ランナーたちも参加できる大会へと進化しました。そして、第65回大会(2016年)から視覚障がい部門を新たに設置いただき、日本視覚障がい男子マラソン選手権も兼ねる大会となりました。

特に、第69回大会の今回は、東京パラの視覚障がいマラソン代表推薦選手選考会として開催していただきました。具体的には男女とも第3推薦選手を選考します。既に男女とも第2推薦選手まで決まっているので、残す推薦枠はひとつです。

もちろん、推薦されるには単に順位だけでなく記録も加味されます。したがって、出場選手たちはライバルとの勝負だけでなく、記録との勝負も含まれることになります。果たして結果は、男女とも上位5位以内でみると、男子は3選手が自己記録を更新。女子は4選手が自己記録を更新しました。

特に、女子は優勝した道下選手がT12クラスの世界新記録。4位の井内選手がT11クラスの世界新記録と、すばらしい記録を残してくれました。今回の結果は各選手の地道な努力はもちろん、ともに走ったガイドランナーやサポートいただいた皆様の結晶です。

しかし、東京パラ出場への道のりはここからになります。今大会で優勝した男子の堀越選手と女子の道下選手をのぞく、第2・第3推薦以下の選手たちは4月にロンドンで開催されるWPAワールドカップマラソンで東京パラ出場枠獲得を目指し、世界と戦います。

そのため、今大会から2ヵ月弱でもう一度調子のピークをつくる必要があり、今回の結果にひたっている間はありません。東京パラ出場への道のりは半ばですが、今大会同様のパフォーマンスを4月にも発揮できるよう、微力ながらしっかりとサポートしていきます。

引き続き、皆様の絶大なるご声援をお願い申し上げます。

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