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2017-12

年末年始

【年末年始】早いもので今年もあと数日となりました。毎年のことですが、この1年を振り返り、満足できるランニングライフを送ることができたでしょうか。そして、これも毎年のことですが、この時期は誰もが今年を反省し、来年の更なる飛躍を心に誓うと思います。

さて、この1年もランニングに関する様々な情報が飛び交い、様々な出来事がありました。しかし、今年も元旦のニューイヤー駅伝、箱根駅伝にはじまり、先日の全国高校駅伝までと、判で押したような1年の流れはほとんど変わりませんでしたが、この1年間も十分に楽しむことができました。

2018年の1年間も判で押したような流れで進んでいくのは、間違いないと思いますが、新たなドラマを数多く目にすることも間違いないことでしょう。もちろん、それぞれがそれぞれの目標に向かって、それぞれの計画に沿ったそれぞれのトレーニングを積んでいくことは必須になりますが。

と、前置きが長くなりましたが、残り少ない今年も恒例の年末富津練習会を実施します。特に、多くの市民ランナーの皆様方にとって、年末年始はまとまった休日を取得できる貴重な時期でもあります。家族や知人との団らんも大切ですが、1月末から2月に開催されるマラソンを目標にしている方々にとっては、走り込みを実施する重要な時期とも重なります。

家族等の理解を得ながらの走り込みは本当にたいへんなことですが、是非とも時間を確保し、走り込みを実施してほしいと思います。同時に、冒頭に記載した1年の振り返りも実施してほしい点です。特に、「良かった点」を洗い出し、来年以降も自信を持って継続していける点を確認しておくことは大切なことと考えます。

<年末富津練習会(富津公園第一無料駐車場集合)>
・12月29日(金)13時30分スタート:35k走(12時30分~受付)
・12月31日(日)9時00分スタート:35k走(8時00分~受付)

連戦について・2

【連戦について・2】12月17日(日)、山口県防府市において「防府読売マラソン大会」が開催されました。既にご存知のとおり、公務員ランナーの川内優輝選手が優勝。その川内選手は、2週間前に開催された福岡国際マラソン選手権大会にも出場しており、この時は惜しくも9位でした。

私は、福岡国際マラソン選手権大会も、防府読売マラソン大会も現地まで選手に帯同したので、川内選手の走りはどちらも直接拝見することができました。もちろん、川内選手にとっては、いつものように短期連戦でしたが、どちらのマラソンも2時間10分台の記録で走り、抜群の安定感を見せていました。

特に、今回の防府読売マラソン大会における川内選手は、見た目でも明らかに身体が絞れており、ランニングフォームもキレのある軽快なピッチを刻んでいました。「たった2週間でここまで修正できるのか」と、素直に驚きましたが、実際のレースも30k過ぎから独走に持ち込み、他を圧倒する横綱レースでした。アッパレです。

さて、防府読売マラソン大会は、IPC公認視覚障がいマラソンの部も設置頂いており、特に女子の部については、日本視覚障がい女子マラソン選手権を兼ねている大会です。その女子の部は道下選手が、2時間56分14秒の世界新記録で優勝。

男子の部は、熊谷選手が優勝。その熊谷選手は川内選手と同じく、2週間前の福岡国際マラソン選手権大会を走ってからの出場でした。実は、道下選手も1ヵ月前の11月5日と12日に、2週連続でマラソンを走っています。

もちろん、熊谷選手が短期間でマラソンを走った目的と、道下選手が11月に2週連続でマラソンを走った目的は違います。しかし、両選手ともマラソンの短期連戦を実施した点は同じで、それぞれがそれぞれの目的どおりに走れていました。

熊谷選手は、2020東京パラを見据え、「実戦を通じてマラソンの戦術を頭と身体で体得する」ことを目的に、ある程度連戦していく方向に舵を切りました。一方の道下選手は、今回の防府読売マラソン大会で「世界記録を更新する」ため、走り込みの一環として11月に2週連続でマラソンを走りました。

至極当然のことですが、マラソンの短期連戦は肉体的にも精神的にも負担が大きいのは明らかなので、連戦する目的を明確にした上で実行に移すことが必須条件になります。

連戦について

【連戦について】10月以降、秋から冬の本格的なマラソンシーズンがはじまり、早くも12月に突入しました。この間、国内メジャーマラソン大会も開催され、市民ランナーの皆様方も多数参加したと思います。また、10月以降、既に2本、3本とマラソンを走った方も多いと思いますが、いかがでしょうか。

さて、マラソンシーズンがはじまると必ず聞かれることがあります。それは、「フルマラソンは年間に何本走ったら良いでしょうか?」。結論から言うと、「毎週ごとに走ることはすすめませんが、たくさん走ることを否定もできません」。

運動生理学的な話しを統括すると、回復期間や準備期間等を加味すると、フルマラソンは年間2本から3本程度が理想的と言われています。つまり、10月から12月で1本、1月から3月で1本程度走るのが身体への負担も少なく理想的と、言うことでしょうか。

ところが、公務員ランナー川内優輝選手の活躍により、その常識を当てはめるのが難しいとも言えるようになりました。実際に、市民ランナーの皆様方の中にもある程度、マラソンの本数を走った方が、調子も上がっていく方がいるのも事実です。

即ち、身体の回復期間やマラソンに対するモチベーションの持ち方は個々に大きな違いがあり、それを理論的に説明することは意外に難しいことだと思います。

と、言いながら狙ったマラソン大会で目標の記録を達成するためには、その大会に向けたトレーニング計画は必須であり、その間に複数のマラソンを走るのであるなら、それぞれの目的や設定タイムを吟味する必要はあります。

つまり、「数打てば当たる的な発想」で何度もマラソンを走り、自己新記録を達成できた方もいますが、一方で走る度に失敗し、最後はマラソンに挑戦すること自体を諦めた方も、実際にたくさん見てきました。

では、この違いはどこにあるのでしょうか?

次回以降、たくさん走って成功しているランナーと、失敗しているランナーの違い等について考えていきたいと思います。

第71回福岡国際マラソン

【第71回福岡国際マラソン】12月3日に開催された福岡国際マラソン選手権大会は、国内の期待される選手たちが多数参戦し、久々に活気あるレースとなりました。そして、結果も期待どおりに大迫選手が日本歴代5位の好記録をマークしました。

さて、その伝統ある大会に今年も日本ブラインドマラソン協会の強化指定選手が3名エントリーしました。しかし、その内2名の選手が体調不良のため、無念の欠場と途中リタイヤする厳しい状況となりました。

平和台陸上競技場で選手のゴールを待っている身としては、とても不安な気持ちに包まれていましたが、コーチとしてレース中は何もできません。そんな中、予定どおりのラップをキッチリと刻んでいた、弱視の熊谷選手(伴走無)の快走を祈る思いでした。

果たして、競技場の時計が2時間25分を過ぎたころ、続々と競技場に戻ってくる選手たちの中で唯一ラストスパートを利かせた選手が目に入ってきました。何とそれが熊谷選手でした。残り300mから更に猛スパートをかけ、前を走る選手を次々にゴボウ抜きし、まるで短距離選手のようなフィニッシュでゴール。

記録は、自己記録を大幅に更新する「2時間27分35秒」。もちろん、熊谷選手自身にとっても初の2時間30分突破です。また、この記録は今年のIPC世界ランキング1位に輝く好記録でもありました。

ようやく強化合宿をはじめ日々の走り込みが成果となった瞬間でもありました。コーチの私が言うことではありませんが、熊谷選手ほど走り込んでいる選手をあまり目にしたことがありません。特に強化合宿においては、1日の走行距離が50kから70kになるのは普通で、量も質も確実に消化できる選手です。

今大会は、悲願の2時間30分突破を目標にスタートしましたが、練習量に裏打ちされた安定した走りが光りました。実は、当日のコンディションとしては、後半の気温がかなり上がり、暑さも厳しかったようにも感じました。特に、2時間30分前後の記録を目標に走っていた市民ランナーの多くは30k以降失速していました。

そんな中、熊谷選手は最初から設定タイムをキープし、30k付近で一旦落ちた5kラップを35kからもう一度立て直して粘りました。更に中間点からは誰にも抜かれず、逆に70名以上のランナーをゴボウ抜きする激走。

これまで、練習の成果を実戦で発揮できず苦しんでいましたが、今回のマラソンで良い流れを自らの力で呼び寄せたと、納得できる内容の走りでした。更なる飛躍を期待したいと思います。

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