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マラソントレーニング Archive

秋を走る・12

【秋を走る・12】11月も半ばを過ぎ、各地のマラソン大会も盛り上がっておりますが、2020年4月以降のコロナ禍で各種レースは中止や延期に追い込まれていました。その影響もあり、逆に久々のレースを走り、その実戦を大いに満喫した方も多かったと思います。

また、今月のレースを皮切りに、マラソンなどの各種レースを次々と走っていこうと計画している方も多いことでしょう。そんな皆様の情熱が、今も懸念されているコロナの影響を払拭していくと信じております……。

さて、久々にマラソンを完走した方も多かったと思いますが、結果はいかがだったでしょうか。もちろん、どのレースもゴール後は振り返り(反省)を実施しますが、その結果の良し悪しの判断をする尺度は様々です。まずは、単純に今の走力を出し切れたか否かの確認が基本になります。

特に、上記したようにコロナ禍の影響でレースから遠ざかってしまった方ほど、過去の自分と比較し、落胆するケースが多いと推察できます。マラソンは感覚でうまく走れたか否かを考える前に、ゴールタイム(数字)を持って白黒がハッキリと示されるスポーツなので、そのような状況になってしまいます。

至極当然のことですが、マラソンを完走した多くの方もその点は、頭で理解していると思います。しかし、その現実(タイム)を突き付けられると、それに一喜一憂してしまうのが、ランナーの特性でもあります。だからこそ、ゴール後の振り返り(反省)が難しい理由なのかもしれません。

あらためて、その振り返りのポイントですが、「どんなラップタイムを刻んでゴールしたのか?」を確認することが最初のポイントになります。具体的には大きく3つに分かれます。1つ目は「前半のラップに対し、後半の落ち込みが1%未満(イーブンペース型)」。2つ目は「前半のラップに対し、後半の落ち込みを4%以内に留めた(ポジティブスプリット型)」。3つ目は「前半のラップに対し、後半を1%以上アップ(ネガティブスプリット型)」。

前後半のタイム差は単なる目安(安田の主観)ですが、要は「イーブンペースで走り切れたか否か」。そして、「後半失速したのか、後半ペースアップできたのか」。おおむね、この3つのタイプに分かれると思います。もちろん、後半大失速して歩いた方もいることでしょう。

まずは、実績ラップタイム(数字)を確認しながら、自分はどのパターンで完走したのかを確認することが、振り返り(反省)の肝になります。

秋を走る・11

【秋を走る・11】全国各地でマラソン大会や駅伝大会が目白押しですが、どの大会も参加者はかなり減少している様子です。やはり、2020年4月以降はコロナ禍の影響でマラソン大会の中止が相次ぎ、ただ走っている状況に見切りをつけた方々が増えたのでしょうか。

ランナーにとっては本当につらい期間でしたが、ようやく元の状況へ動き出したようです。と、言いながら富津合同練習会で切磋琢磨している方々は、この間もたんたんと走り込みを継続し、復活した各種大会を元気に出走しております。

一方、マラソンは己の鍛えた身体と心だけで勝負する競技です。したがって、どんな理由であれ、一旦走ることをやめてしまえば少なくとも身体には何も残りません。あれだけ意識してきたペース感覚やランニングフォームなど、全ては無になってしまうのです(逆に体重が増えてマイナスになってしまう)。

このように、マラソンは球技などのように道具を使わない分、技術ではなく体力と精神力だけが頼りの競技です。そのため、上記したように一旦やめてしまうと、その体力や気力も消えてしまう残酷な面も持ち合わせています。特に、ケガや故障などを克服した経験の少ない方の場合、ランニングを再開すること自体も難しいかもしれません。

かくいう私も、今ではジョギングを何とか継続している状況ですが、自らレースを走ることはすでに離れています(レースを走りたい気持ちもほぼない)。しかし、仲間のレースに帯同し、沿道からその力走する姿を応援するのは、とても楽しいと感じます。この感覚は、現役時代には無かったことです。

今、コロナ禍の影響でレースから離れてしまい、そのまま走ることからも遠ざかってしまった方は、マラソン大会の応援に足を運んでみることを推奨します。と、言うよりもランニングをはしめたそもそものキッカケが、仲間の応援に行った方も多いのでは……。

また、私が現役時代の市民マラソン大会は、参加者が千人をこえる大会自体も少なく、マニアックな方ばかりが走っていたような記憶があります。しかし、いわゆるマラソンブームと呼ばれてからは、1万人をこえる大会も多くなり、その大会を走っているランナーたちは、本当に楽しそうで、みんなが輝いています。

コロナなどの不安要因は残っていますが、再び輝いているランナーたちであふれているマラソン大会が、全国各地で復活していくことを確信しております。

秋を走る・10

【秋を走る・10】今年も残り2カ月を切りました。また、11月に入ると、いよいよマラソンや駅伝シーズンも佳境に入っていきます。特に、10月下旬から11月上旬は駅伝が続いており、「駅伝シーズン第1章」とも言えるでしょうか。

さて、かなり昔の思い出話で恐縮ですが、ちょうどこの時期は当時の青森から東京間を、7日間でタスキをつなぐ「青東駅伝(現在は中止)」の開催日程とも重なっていました。そして、当時の私は千葉県代表選手(11年連続出場)として同駅伝にも出場していました。

この駅伝の主なルールとして、出場する代表選手は7日間で最低1回、最高3回出走することになっており、私は毎年3回出走していました(3回を必ず走らされていた)。また、各区間の距離は概ね10kから20k程度の間で、私は15k以上の長距離区間を任されることが多かったと記憶しております。

そして何より、この青東駅伝には高校生や市民ランナーから箱根を目指す学生選手、五輪選手を含めた実業団選手たちが、一堂に会してタスキをつなぐ壮大な駅伝だった点です。今思うのは、この駅伝を通じて「長距離走」への心構えと、その厳しさや達成感の全てを学び、「凄い経験をさせてもらった」と、懐かしい思い出と共に感謝の気持ちです。

あらためて、私が偉そうにウンチクを言える立場ではありませんが、大学駅伝や実業団駅伝のように、ひと区間が10k以上の距離を走る駅伝は、特に経験が必須です。最近は、各地区の実業団駅伝にクラブチームが参加できるようにもなり、実業団駅伝を走ることへの敷居が下がっている点は良い傾向だと感じます。

一方、ゴールでは見たことのないようなタイム差がついてしまい、応援に駆けつけた側も気の毒になってしうことは多々あります。つまり、実業団選手(プロ)たちは、この駅伝こそが主戦場なので、キッチリ調整して「本気」で挑みます。そして、その本気力は市民ランナーの皆様が考えているレベルをはるかに超越しているので、ゴールでは大人と子供以上の大差もつきます。

また、多くの市民ランナーは、レースではハーフマラソン以上の距離を走る傾向が強く、実業団駅伝のような大会を目指すには、そのレース選択は適切でないとも感じます。やはり、10kから16k程度のロードレースを積極的に走る経験が駅伝(マラソンも)には必要です。具体的には「スタートから突っ込み、つぶれてから粘り倒す経験」を繰り返すことで、駅伝(マラソンも)に必須なペース感覚や後半の苦しさを耐えしのぐ忍耐力を、心と身体が体得していきます。

もちろん、その経験が最終的にはマラソンにも活かされることは言うまでもなく、今年度はハーフマラソンだけでなく、是非とも10kレースなどへの出場も検討してみましょう。

秋を走る・9

【秋を走る・9】この1週間で一段と冷え込んできました。比較的温暖な千葉県富津市においても早朝の冷え込みを感じます。そんな中、10月最後の強化合宿を実施しました。目的は、12月に開催される防府読売マラソン大会に向けた走り込みです。

しかし、そろそろ走り込みの疲労もピークに差し掛かってくる時期でもあります。したがって、全体的には重たい感じが支配的で、合宿計画を微調整する選手も見受けられました。

さて、12月のマラソンに向け、おおむね1ケ月前に当たるこの時期は疲労の蓄積もあり、選手によっては故障ギリギリの状態で踏ん張っているケースもあります。また、選手の心理としては「ここで練習を落としたらもったいない」と、いわゆる根性と気合いだけで走っている選手も散見されてきます。

その結果、本当に故障に追い込まれ、狙ったマラソン大会を断念するケースもありますが、いわゆる「のるか反るか」の考えは賢明ではありません。つまり、疲労の蓄積によって脚などに痛みがあるか否かなど、ここからは自身の状態を客観的に捉え、現実的な判断をしていくことがポイントになるからです。

同様に、過去のトレーニング実績とも照らし合わせ、同じような状態に陥った経験がある場合は、それを参考にすることも良いでしょう。このように、走り込みの疲労がピークに差し掛かるこの時期は、自身の感覚と客観的なデータ(血液検査など)を照らし合わせながら自分の状態を正確につかむことが何よりです。

その結果、今の状態からでも調整可能なゾーンに残っていると判断できるなら、そのまま調整していけます。一方、不安要素が多く、調整が難しいと判断する場合は、逆にいくつかの選択を考えます。

ひとつ目は、当初の目標タイムを下方修正し、何とか出場する方向に持っていく選択です。この場合、どの程度の調子なら最後まで走り切れるかの判断がポイントになります。しかし、下方修正も極端に遅くなるようなケースなら思い切って回避する方が良いでしょう。

そこでふたつ目は、ここまでのマラソン練習を一旦白紙に戻し、体調の回復を最優先する選択。もしくは、12月以降のマラソンに目標をスライドし、今のマラソン練習を修正しながらそのままま継続していく選択になります。

何れにしろ、本格的なマラソンシーズンに突入したばかりのこの時期は、焦る必要はありません。来年3月までをマラソンシーズンと捉えるなら、仕切りなおす時間はタップリとあります。不本意ながら「体調不良」と判断できる方は、ここで無理をしないように……。

秋を走る・6

【秋を走る・6】マラソンシーズンに向け、本格的な走り込みを開始する10月に入りましたが、寒暖の差が大きい1週間となりました。皆様におかれましては、体調など崩していないでしょうか。

ここ数年はコロナ禍の影響で、マスク着用が徹底されたこともあり、逆に風邪をひいた人を見かけることは、ほぼありませんでした。しかし、本来ならこれから風邪やインフルエンザが流行する季節に入ります。

そのため、走り込み期間中に風邪をひいてしまい、狙ったマラソン大会に調子を合わせることが難しくなってしまうケースは、毎年必ず見受けます。まさに、今週のように寒暖の差が大きくなると、体調を崩す確率は高まります。

あらためて、体調管理の徹底をお願いします。

さて、今週末から強化合宿を富津公園において実施しますが、トレーニングの軸は「距離走」です。具体的には40k走をベースとしますが、個々の体調や調子によって距離は調整します。

また、故障が完治したばかりなど、単に調子が悪いとかでなく、いわゆる「病み上がり」の状態である場合は距離ではなく、時間で走ることを推奨します。具体的な方法としては、距離走グループと一緒にスタートし、2時間とか3時間が経過した時点でストップする走り方です。

この場合、いつもより遅い設定タイム(グループ)で走ることがポイントです。脚の状態や体調などを、一歩一歩確認しながらゆとりを持って走ります。そして、スタート後、決めた時間を経過した時点で終わりとし、その時点での脚の状態や体調を確認することも忘れないように。

さらに、10月は「走り込み月間」と意気込んで、走行距離を一気に上げると、一気にケガや故障をおこすことにもなります。この点も十分に注意が必要です。具体的な走行距離の目安は、9月走行距離の2割増し程度に留めると良いでしょう。

何事も一気に上がったら一気に落ちます。特に、走り込みはケガや故障に直結するので、慎重に走り込んでいくことも不可欠です。

夏を走る・11

【夏を走る・11】この1週間も残暑の厳しい日が続きましたが、特に変わることなく走り込みを継続しました。富津合同練習会においても、いつものように距離走を実施しましたが、コンスタントに参加しているメンバーは厳しい暑さの中においても難なく走り込めています。

暑さに慣れて、暑さに強くなっていくことを暑熱順化といいますが、富津合同練習会を拝見していると、まさにそう感じます。同時に、人の適応能力のすごさも実感します。とはいうものの、もちろん走る距離やその設定タイムの調整は都度実施しますが……。

ところが、夏の走り込みは秋や冬のマラソンシーズンではあり得ないほど設定タイムなどを落とすので、逆にランナーにとっては「こんなに落としたら意味がないのでは?」と、不安な気持ちに陥り易いのも確かです。

これも毎年のことですが、不安な気持ちが先行し、設定タイムを落とさずにスタートした多くのランナーは、残念ながら途中で失速してやめてしまいます。その結果、更に落ち込んでしまうのです。まさに「負の連鎖」ともいえるでしょう。

また、暑くなると「走る距離を極端に短くし、逆に設定タイムを速くして走る」。こんな方法で夏の走り込みを実施するランナーも見受けます。走り込みの方法や考え方はそれぞれなので、秋以降のマラソンシーズンに結びつけば問題ありません。

しかし、マラソンはスタートしたら「42.195キロ」を最後まで走り続ける競技なので、連続で長距離や長時間動き続けるスタミナは必須になります。その視点から考えると、暑い中とはいえ「走る距離を極端に短くし、逆に設定タイムを速くして走る」だけでは、目的のスタミナを身に付けることは……。

このように、暑い中での走り込みは、どんなレベルのランナーも常に不安定な精神状態ともいえるでしょうか。また、その日の気温や湿度を具体的なタイム換算できる指標は存在しないので、常に思考錯誤のような状況です。

確実にいえるのは、暑い中での走り込みは「速くなって途中でやめる」より、「遅くても最後まで走り切る」ほうが、少なくともスタミナ面(精神的なスタミナも)では、プラスになります。

夏を走る・8

【夏を走る・8】7月16日からの3連休は、長野県上田市菅平高原において合宿を実施しました。この間、関東地方は天気が今一つでしたが、菅平高原も雨が降ったりやんだりの天気でした。

また、菅平高原は、元々ラグビーの聖地ともいえる場所ですが、コロナの影響で昨年はラグビー選手たちを見かけることはありませんでした。しかし、今年はそのラグビー選手たちも戻りつつある様子で、活気も戻ってきていました……。

さて、ここから9月中旬あたりまでは、暑い日々が続きます。したがって、長距離走やマラソントレーニングを継続していくには、過酷なコンディションが続くことにもなります。もちろん、暑い中でも工夫をしながら走り込んでいくことは必要です。

しかし、暑い中で我慢して走り込むより、夏の休暇や連休を活用し、比較的涼しい高原などでミニ合宿を実施するのはいかがでしょうか。私が住んでいる千葉県や都内などから見ると、この長野県菅平高原は手ごろな場所といえるでしょう。

もちろん、実業団選手たちのように1週間以上滞在することはできないので、上記したように1泊2日など、短期間になりますが、その効果は十分得ることはできます。そこで、1泊2日などの短期間で実施するミニ合宿の注意点をあらためて考えていきます。

1つ目は場所の選定です。もちろん涼しい場所などが理想的ですが、移動時間がかかりすぎるような場所では、到着しても走り込む時間が少なくなるのと、移動で体力を消耗してしまいます。目安としては、自宅を出発したら午前中には到着してる距離がギリギリでしょうか。

2つ目は宿泊先の選定です。やはり、陸上選手などのスポーツ選手を受け入れることに慣れている宿泊先が間違いありません。例として、長い距離を走るためには、スタート時間がポイントになります。そのためには、宿泊先と食事の時間やお風呂の時間など、様々な調整が必要になります。

3つ目は現地での練習環境です。宿泊先に到着した後、計画していた練習を開始しようとしても、競技場やロードコースまでの移動距離があり過ぎた場合です。徒歩やジョギングで移動することが困難な状況では何もできなくなってしまいます。この点も事前に確認し、自家用車やレンタカーなども必要になる場合もあります。

他にもいくつかありそうなので、次回に続きます。

春を走る・2

【春を走る・2】3月9日の水曜日まで千葉県富津市富津公園において強化合宿を実施しました。これで今年度の強化合宿も残すところあと1回となりました。特に、今年度は東京パラもありましたが、世の中の流れが早すぎるためか、あの感動や達成感も遠い昔のことのように感じます……。

さて、3月に入ると、ロングディスタンスの選手たちは「ロード」から「トラック」に移行していく時期にも入っていきます。今回の強化合宿に参加した選手の中にも今月末からトラックレースに切り替える選手もいました。

さて、トラックシーズンに突入する3月から4月上旬に開催される最初のレースで、いきなり好記録を叩き出す選手は意外に多いと感じます。理由はそれぞれですが、ひとつ言えるのは、冬のロードシーズン中にしっかりと走り込みができており、なおかつ、出場した各種ロードレース(駅伝も)で好記録をマークしていることです。

つまり、冬の走り込みをしっかりと積めており、スタミナ強化ができていたことです。要は、スピード強化もベースはスタミナであり、スタミナのない選手がいくらスピード強化を実施しても思うようにはいかないとも言えます。

ところが、最初のトラックレースで好記録を出した選手がそのまま5月以降に開催される各種選手権大会でタイトルを獲得するかと言えば、決してそうではないようにも感じます。むしろ、その後はじり貧に陥っていくパターンは意外に多いとも感じます(見方をかえれば、蓄えていたスタミナが枯渇したと……)。

しかし、そんな選手も夏の走り込み期を乗り切ると、秋の記録会で再び好記録を叩き出したりします。やはり、上記したようにベースとなるスタミナを強化した上にスピード練習を積めたときが、好記録につながっているとも言えます。

このことから、トラックシーズンに入ってもそのベースとなるスタミナを、少なくとも維持していくことはスピード強化をより効果的にするためにも大切なことと言えるでしょう。したがって、トラックシーズンに入っても長い距離や時間を走るトレーニングは定期的に実施することは必要です。

また、これからは気温と湿度が高くなっていく季節にも入るので、長い距離や時間を走るトレーニングの負担は逆に増えます。そのため、走る時間帯や設定タイムなど、細かい調整も不可欠になりますが、スピードとスタミナのバランスをよく考えながら走り込んでほしいと思います。

冬を走る・2

【冬を走る・2】新型コロナ感染者数が急増してきました。至極当然のことですが、日々のトレーニングも各種感染対策を再徹底しながらになります。一方で、最も危惧していた大会の中止や延期の話が再び聞こえてきまました。もちろん、感染拡大防止策としては、効果的であることは理解していますが……。他に良い対策はないのでしょうか……。

そんな不安定な状況になりつつありますが、現時点においては開催予定の各マラソン大会に向けた走り込みを継続しています。特に、1月末から2月中旬に開催されるマラソン大会に出場する選手にとっては、いよいよ最後の調整段階に入ってきています。

このブログでも何度か記載してきましたが、狙った大会で最高のパフォーマンスを発揮できるよう調整していく「ピーキング」が重要になります。マラソンだけでなく、全てのスポーツに共通するのが、大会(レース・試合)は日々の練習の積み重ねの集大成です。

同時に、競技として「勝つため(結果を残す)」に苦しい練習に耐えてきた選手も多いことでしょう。だからこそ、ピーキングが大切になりますが、このピーキングの中には様々な方法が含まれます。例えば、大会数日前から炭水化物を中心に摂取する「カーボローディング」も食事の調整方法として、ピーキングのひとつになります。

また、他にも練習の質をキープしながら量を落としていく「テーパリング」と呼ばれる調整方法があります。これは疲労を抜いて調子を上げていくことが目的になりますが、これもピーキングのひとつになります。

特に、この「テーパリング」が重要なのは、多くの選手が理解していることです。しかし、頭で理解していても、それを実践できるか否かは全く違うことでもあり、これも多くの選手が経験していることです。

テーパリングは、目標の大会からおおむね1ヶ月前あたりから開始していくのが一般的ですが、まずはその時点の調子を正確に把握できているか否かがポイントになります。また、逆にその時点から焦って走り込みを強化しても、走力が劇的に向上することは難しいと、理解していることも大切なポイントになります。

つまり、目標のマラソン大会のおおむね1ヶ月前時点の調子を自分自身で正確に把握することからテーパリング(最終調整)はスタートします。

11月を走る

【11月を走る】先日の日曜日は、大阪で「全国視覚障がい者駅伝大会」が開催されましたが、コロナの影響で昨年は中止となっていたので、選手の皆様にとっては待ちに待った大会となりました。そして、同大会には東京パラのマラソン代表選手たちも出場し、大会を盛り上げてくれました。

また、その日は「金沢マラソン大会」も開催されました。同大会には、富津合同練習会に参加している人たちも多数参加しました。もちろん、こちらもコロナの影響を受け、久々のマラソン大会出場となった人も多くいました。

そのため、目標タイムどおりにゴールできるか否か、私の方がかなり心配をしていました。しかし、私が心配するまでもなく、出走した全員が、スタートからゴールまで冷静に自分自身の設定ペースを守り抜き、しっかりとゴールしていました。

さらに、3日は「ぐんまマラソン大会」が開催されました。同大会にも富津で切磋琢磨している仲間が出場しました。特に、40代になったKさん(男性)は、2時間40分突破を目標にスタートし、見事に目標どおりの自己新記録でゴールしました。

そのKさんは6年ほど前でしょうか、サブスリーを目標に、この富津合同練習会にも参加するようになったと記憶しております。また、Kさんは心身ともブレずに、コツコツと継続できる持ち味がマラソンにもマッチし、着実にステップアップしていきました。

Kさんの具体的なトレーニング内容は割愛しますが、身の丈をこえるような無謀なペースで走り込むようなことは、ほとんど皆無です。毎週末に実施している富津合同練習会においても、1kを4分30秒ペースと、Kさんにとってはかなりゆとりを持ったペースでの距離走です。

しかし、そのゆとりの積み重ねが大きな力(蓄え)となり、今回の快走につながったのは間違いありません。そして、これからもコツコツと地道に走り込み、さらなる記録更新を達成できると、期待しております。

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