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2019-10

再び走り込み・4

【再び走り込み・4】10月に入り、マラソンに向けた本格的な走り込みを開始したところですが、実はマラソン以外のロードレースや駅伝シーズンでもあります。そのため、マラソンに向けた走り込みの一環として各種ロードレース大会に出場する方も多いと思います。

いわゆる本命のマラソンに向けた走り込みの一環として出場するレースのことです。もちろん、マラソンも含まれます。この方法は、かつては否定的な意見が多かった感もありますが、今や市民ランナーの間においては一般的なトレーニング方法のひとつでしょうか。

といいながら、毎年のように失敗している場面に遭遇するのも事実です。まずは、走り込みの一環としてマラソンを走ったときの主な失敗ケースをあげてみます。

1.設定タイムより速くなり過ぎて後半失速する。2.コースの起伏が激しすぎて頑張った割には設定タイムより遅くなる。3.設定タイムを守るも諸事情により途中でバテて、ゴールまでやっとたどりつく。

走り込みの一環としてマラソンを走ることは問題ありませんが、上記したようなケースに陥る市民ランナーの方を毎年必ず見受けます。つまり、走ったために、逆に自信を失って気持ちが激しく動揺し、更にその後の練習に迷いが生じてしまうパターンです。

こうなると、マラソンに挑戦したい元の意欲的な思考回路に戻していくことが難しくなっていきます。そんなとき、「気持ちをきりかえよう」と、私もよく使う言葉ですが、マラソンは結果を数字(時間)ではっきりと示されるので、その結果は永久に残ります。そのため、そう簡単にプラス思考へ戻すことは難しいと感じます(少なくとも私の経験上は)。

こんなことを話していくとネガティブな内容に終始するので、こうならないように仕向けていくことが重要なのはいうまでもありません。特に、走り込みの一環として出場するマラソンについては、「走る目的(設定タイムなど)」から逸脱しないことが大切です。

もちろん絶対に大丈夫といった対応策はありませんが、上記した3つの失敗ケースに陥らない方法としてビルドアップ走は推奨できる走法のひとつになります。具体的には設定タイムにこだわらず、出足はジョギング感覚でスタートします。

走力にもよりますが、中間点から30k過ぎあたりまでゆるゆると走り、そこからゴールに向かって少しずつペースを上げていく走法になります。要は、スタミナ養成を最大の目的にゆっくりスタートし、ラスト数キロを設定タイムでしっかりと走り切る走法になります。

設定タイムなど悩みながらスタートする場合は、試してほしい走法のひとつと考えます。

再び走り込み・3

【再び走り込み・3】台風19号の影響が懸念され、中止も検討していた富津強化合宿は日程などを調整し、何とか終えることができました。合宿のポイント練習も、中1日おきに20k走、40k走、30k走と距離を変えながら、走り込み中心の内容に変更して乗り切りました。

また、台風19号の影響による交通機関などの混乱をあらかじめ想定し、依頼していたスタッフや伴走者の方々にも安全第一を理由に自宅待機優先をお願いしたので、合宿参加人数はいつもの半分程度となりました。

そのため、いつもあたり前に帯同しているトレーナーは不在となり、食事の内容や量を常に確認している栄養士も不在となり、伴走者の人数もギリギリな状況となりました。そのため、全ては自分自身で考え、判断しながら主体的に行動することがより不可欠な強化合宿となりました。

同時に、スタッフや伴走者が少なかったので、懸念されることも多々ありましたが、不足事項はお互いにカバーしあい、逆に密度の濃い充実した強化合宿になった感もありました。

足りないことやものを積極的に取り入れ、状況を改善しながら成長していくことは大切です。しかし、限られたことやものの中で、お互いにカバーし、知恵を出し合いながら前へ進んでいくことは最も大切なことのひとつと考えます。

今回の合宿も、限られたことやものの中において最善のケアは、「入浴・食事・睡眠」の3つでした。いつもよりゆっくりとお風呂に入り、いつもよりしっかりと食事をし、いつもよりたくさん寝るようにする。いたってシンプルなことがより大切になりました。

実は、この3つは誰もが常に実践している重要事項ですが、普段は常に入ってくる新しい情報ばかりに目や気持ちがいくので、逆に意識していない点ともいえます。その結果、常に新しいことを取り入れているにも関わらず、思うような記録や結果が出ていないことの方が多いと感じます。

今回の合宿も終わってみればそれなりに距離を踏みましたが、故障や不調を訴える選手は皆無でした。その理由のひとつは、限られたことやものをより主体的に実践したからにほかならず、いつものあたり前を見つめなおすよい機会になったと……。

再び走り込み・2

【再び走り込み・2】10月に入り、いよいよ本格的なマラソン・駅伝シーズンの到来です。私がトレーニング拠点にしている千葉県富津公園においても、駅伝を目指している実業団・学生チームが増えてきました。

6日の富津公園も、東日本実業団駅伝を目指している実業団チームが5チーム、箱根駅伝予選会を目指している学生チームが5チーム。それぞれのチームが集団でペース走やインターバル走を実施していました。

毎年のことですが、10月以降の富津公園では実戦に近いペースで走り込んでいるチームが増えるので、選手たちの走りにも気迫を感じます。また、どのチームのトレーニング内容も大きな違いはないように見えます。

しかし、実際のレースでは1位から最下位まで、正確な順位とタイム差がでます。もちろん、その順位や記録の変動はありますが、ある程度上位に位置しているチームは安定しています。

今は、どのチームも年間を通じて計画的な強化を実施しています。にもかかわらず、チーム力の差が結果としてあらわれます。10月時点の富津公園では、チーム間の差は小さいと感じることが多いのですが、結果としては順位やタイム差が大差となったりします。

「チーム力の差は何か?」

この答えを正確につかみ、そこを確実にとらえる何かをプラスできれば、どんなチームも必ず良い結果を残せるようになるはずです。しかし、現実はその何かを見つけることが最も難しく、どのチームも様々な角度から検討し、試行錯誤を重ねています。

今年もチーム力を上げるための何かを加えながら仲間たちと切磋琢磨を重ね、全国の駅伝ファンに多くの感動と勇気を与えることでしょう……。

判断

【判断】10月に入りましたが、まだまだ残暑が続いている感じです。そんな中、9月28日から4泊5日の日程で、いつもの富津で強化合宿を実施しました。

先月の台風15号の被害で、富津公園周辺でも屋根にブルーシートをかぶせてある家もありますが、日常生活は通常に戻っています。こんな状況の際、様々なイベント関係は自粛したりします。もちろん、スポーツ合宿も例外ではありません。

一方で、被災地の被害状況にもよりますが、逆に「お越しください」との声もよく耳にします。同時に、何か企画する側は、被害にあった方々に対して「不謹慎」という見方と、逆に「元気を与える」といった見方に分かれるケースも多々あります。

幸い、我々が強化合宿でお世話になっている旅館は「お越しください」との返答。更に、我々も合宿を通じて「少しでも活気つけば」と願っていたので、強化合宿も無事に実施することができました。

さて、ドーハで世界陸上が開催されております。各種報道のとおり、気温と湿度の高さが尋常ではなく、かつてない悪コンディションとなっている様子です。特に、ロード種目は過酷を極めています。そのため、専門家からの厳しい意見や視聴者からの批判的なコメントも多く目にします。

しかし、そんな厳しい状況になることは既にデータ的にも分かっていたことでもあり、最終的な決定も各種専門家による判断でロード種目の実施が決定されました。そんな中、日本代表の女子マラソンや競歩種目は大健闘を見せております。

目の前にある危険(気温・湿度)に対し、蓄えてきた先人たちの経験とノウハウに科学をミックスさせ、地道に暑熱対策テストを繰り返してきた勝利です。もちろん、目の前にある危険(気温・湿度)を回避した(参加しない)としても、今大会のコンディション下では、責めることはできないと思います。

完走(完歩)率は記録的に低く、想定以上に厳しいコンディションだったのは間違いありません。更に、それを「選手生命の危険」と捉えて回避するか、「頂点を狙えるチャンス」と捉えて挑戦するかの判断も難しい点です。

我々は来年の東京パラに向け、「頂点を狙えるチャンス」と捉えられる準備と努力を重ねていきたい……。

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