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2024-03

2024春を走る・4

【2024春を走る・4】今年度最後の強化合宿を千葉県富津市富津公園において実施しました。ちょうど寒暖の差が大きい季節ですが、今回の合宿は雨天が多く気温も低く、厳しいコンディションでの走り込みでした。

今合宿の主な目的は、来月開催予定の「かすみがうらマラソン大会」への走り込みでした。同大会は、来月21日に開催予定なので、逆算すると走り込み期の最後に当たるでしょうか……。もちろん、主力選手たちはほぼ全員が参加し、精力的に走り込んでいました。

あらためて、マラソンは自分自身の肉体と精神だけで戦うシンプルな競技です。したがって、目標のマラソン大会に向け、しっかりと走り込みなどのトレーニングを積めてきたか否かが、当日の記録や成績にも大きく影響します。至極当然のことですが……。

ところが、それ以上に記録や成績に影響を与える要因があります。それは、当日のコンディションです。つまり、天候です。シンプルに「晴曇、気温10度、無風」と、なれば良いのですが、逆に「冷雨、気温0度、北風10m」などの悪コンディションになったあかつきには、とても記録などを狙える状況ではなくなります。

また、違う見方をするなら、目標のマラソン大会当日、体調も天候も良いコンディションを「100%」としたとき、当日の天候により記録が左右される割合は少なく見積もっても半分の「50%」以上でしょうか。しかし、冷雨や強風になった場合、悪影響を受ける割合は「70~80%」以上になるかもしれません。つまり、マラソンの記録は努力よりも、当日の天候次第と言うことにもなります(私の主観です)。

特に、4月は1年間の中で寒暖の差も大きく、天候が変わりやすい季節とも言えます。4月21日に開催予定の「かすみがうらマラソン大会」のコンディションがどうなるかは、過去のデータを見返しても全く予測できません。

しかし、今回の強化合宿は、悪天候の中でも40k走やインターバル走を実施しました。そして、どの選手もしっかりと走れていました。今回の経験が、大会当日が悪天候になった場合、その悪影響を受ける割合を少しでも緩和させる対策につながったと……。

2024春を走る・3

【2024春を走る・3】3月も後半に入り、寒暖の差が大きい季節になってきました。また、花粉が舞う季節でもあり、マラソンを走るには厳しい季節とも言えるでしょう。また、ランナーにとっては苦しい条件が重なりますが、体調重視で乗り切ってほしいと思います。

さて、パリ五輪マラソン日本代表選考も終わり、国内の主要なマラソン大会はひと段落と言ったところでしょうか。もちろん、一年を通じ、全国各地でマラソン大会は開催されていますが、陸上競技的に言えば、ここからトラック競技に移行していきます。

このブログでも過去に何度か記載してきましたが、ランニングの魅力に目覚め、各種マラソン大会に参加をしている市民ランナーの方々は、私が現役時代当時よりも格段に増えました。一方、その方々の話を聞いてみると、ハーフマラソンとフルマラソンの経験しかない方が多いことに驚くこともあります。

また、私は練習会などで「1k走(全力走)」を実施することがあります。例として、その1k走を5分前後で走り切ったランナーがいたとします。ところが、その方にフルマラソンの自己記録を訪ねると、「3時間31分」だったりします。つまり、1k走もフルマラソンも、ほぼ同じスピードなのです。

この点は、駅伝やマラソンを競技として取り組んできた選手の視点からすると、信じられない話になります。しかし、どんな距離を走っても、同じようなスピードでしか走れない市民ランナーの方が意外に多いもの確かです。

あらためて、昨年の10月から今月までの間、ハーフマラソンやフルマラソンを何度か走ってきた市民ランナーの方は多いことでしょう。また、走ってきた大会を振り返ったとき、「なんで記録がのびないのだろう?」と、悩む方もいることでしょう。

それぞれの課題やその対策方法は個々に違いますが、前述したように「短い距離も長い距離も同じスピード」になってしまう方も多く、そこの対策がカギになるとも考えられます。そして、その具体策のひとつとして、「短い距離のレースへの参戦(10k以下)」を強く推奨します。

詳細は割愛しますが、速く走るためには手足を素早く動かす必要もあります。そのためには、日々の練習に「短い距離のダッシュ」などを取り入れることは有効です。同様に、スタートから速いペースを体現できる短い距離のレースや駅伝なども効果的と考えます。

大きなマラソン大会もひと段落したこれからの季節だからこそ、逆に短い距離のレースに参戦していくことは、大いに価値があると考えます。

2024春を走る・2

【2024春を走る・2】パリ五輪男女マラソンの日本代表選手が決まりました。マラソンファンのひとりとして、どの選手も万全の調子でスタートラインに立てることを祈念しております。

今回のパリ五輪のマラソン日本代表を決める選考方法は、前回の東京五輪から採用したMGC方式でした。いわゆるMGCで上位2選手を決定し、残り1枠は設定タイムを優先する選考方法です。つまり、強い2選手と速い1選手を選考するようなイメージでしょうか。

また、五輪は夏に開催されるので、特にマラソンは過酷を極めます。つまり、速さよりも強さや安定感が求められます。したがって、MGC方式によるマラソン代表選考は、理にかなっているとも言えます。

その結果、東京五輪の男子は大迫選手が6位、女子は一山選手が8位と、男女ともに入賞。ところが、入賞した両選手ともMGCでは選考されず、その後のタイムで選考された選手でした(大迫選手はMGCでも3位)。

パリ五輪に向けた今回のMGC方式による代表選考は、MGCから男子3選手、女子が2選手選考され、設定タイムによる選考からは女子1選手が選考されました。8月のパリ五輪マラソンでどんな走りを披露してくれるかは誰にもわかりませんが、あらためて万全の体調で当日を迎えてほしいと願っております。

さて、同じパリで開催されるパリパラのブラインドマラソン日本代表推薦選考についてです。実はWPAの不手際などもあり、要は世界ランキング上位者から選考されます(詳細に説明することは難しいので割愛します)。

もちろん、原則として一国からの出場は最大3名(3枠)と決まっていますが、前述したとおり、パリパラ出場枠は世界ランキング上位者から振り与えられます。したがって、日本人1位としても、世界ランキングが10位だった場合、パリパラへのキップを手にすることは難しく、日本人のマラソン代表は「0」になる可能性があります。

実は現時点において、パリパラのブラインドマラソンに出場できない可能性もあり、まさに崖っぷちの状況に追い込まれています。そして、残すチャンスは4月に開催される「かすみがうらマラソン大会」のみとなりました。

逆に言えば、誰にでも出場チャンスが残っている状況です。ここから最後の調整に入っていきますが、どの選手も万全の状態に仕上げ、果敢に挑んでほしいと願っております。

2024春を走る・1

【2024春を走る・1】先週の水曜日からパリパラリンピック・マラソンコース視察のため、フランスパリへ……。そして、本日無事に帰国しました。まずは、関係者のご支援とご協力に心より御礼申し上げます。

さて、羽田空港からフランスパリ・シャルルドゴール空港までは、14時間のフライトでした。時差は日本から見るとマイナス8時間となり、日本がお昼の12時だとすると、パリは朝の4時になります。

今回のパリ視察に参加したメンバーは、ブラインドマラソン男女の主力メンバーと、そのガイドランナー及びスタッフでした。また、コースの映像を記録して頂くために、その専門スタッフにも帯同頂き、万全の準備で現地入りしました。

もちろん、JTB様のご協力もあり、現地ではジャンボタクシーと現地スタッフ(日本人)の方にもコース案内などをお願いし、しっかりとコース視察を実施することができました(2日間かけてじっくりと)。さらに、3月3日の午後からは、凱旋門周辺道路の歩行者天国を活用し、最後の勝負どころとなる石畳のアップダウンも試走することができました。

また、その3月3日の午前中は現地で開催された「パリ2024ハーフマラソン大会(※)」に参加し、パリ市内の路面状況や雰囲気をそれぞれが実走しながら確認することもできました。(※このハーフマラソンとパリパラマラソンコースは被っていませんが、近くを走るので路面状況などは、ほとんど同じ。)

視察前は、「パリパラリンピックは9月なのに、2月から3月の渡航で意味があるのか?」など、不安視する声もありました。しかし、現地入りし、実際にコースをじっくりと確認することで、路面状況の確認はもちろん、パリパラリンピックに向けたトレーニング対策などもイメージすることができました。まさに「百聞は一見に如かず」でした。

個人的には、パリパラで8回目のパラリンピックになります。その都度、マラソンコースの下見や試走などは実施してきましたが、今回ほどクオリティが高く、充実した視察は初めてでした。もちろん、今回の視察で得た様々な情報と、これまでの経験などを掛け合わせ、パリパラマラソン当日までのトレーニングを立案していきます。

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