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2010-04

再びトレーニング計画・3

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今回から「スピード養成期」のトレーニングについて、ふたつの視点から考えていきます。それは、日々のトレーニングと週末を中心に出場する各種レースについてです。

実は、市民ランナーの人たちに意外と多いのは、スピード養成期として日々のトレーニングをスピード重視にシフトしたにも関わらず、週末のレースは年間を通じてハーフマラソン以上の長い距離を中心に走っているパターンです。

もちろん、その走り方を否定する訳ではありません。しかし、トレーニングを量から質へとシフトしたのに、長い距離のレースを中心に走り続けることは、至極当然のことながら故障や怪我のリスクが高くなり、効果的ではありません。同時に、季節的にも気温や湿度が一気に高くなってくるので、30k以上の走り込みや長い距離のレースでは、記録短縮が難しい傾向になります。

そのため、トレーニング内容とレース結果とのギャップに悩み、ランニングに対するモチベーションが低下していく人も多く見受けられます。そしてその結果、精神的に燃え尽きてしまい(バーンアウト)、ランニングそのものからも遠ざかっていく市民ランナーの人が多いのも、意外とこの時期なのです。(私の経験上)

皆さんは、いかがでしょうか?

このように、単にトレーニングを量から質へとシフトさせるだけでなく、出場するレース自体も短い距離へとシフトさせることが、この期の重要なポイントとなります。具体的には、10k前後以下のレースがひとつの目安となってきます。それは単に、ロードレースだけでなく、市民ランナーの人たちには馴染みの薄いトラックレースにも目を向ける良い機会になるからです。

以上のことをまとめると、スピード養成期のトレーニングポイントは、次のように集約されます。

◆1).日々のトレーニングを量(走行距離)から質(スピード)へとシフトさせる。◆2).出場する各種レースは、10k前後以下の距離とし、可能ならトラックレースにも出場していく。(各種駅伝大会も含む)

次回からは、このふたつの点に絞って更に考えていきます。

つづく。

第20回かすみがうらマラソン大会

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「第20回かすみがうらマラソン大会」が、4月18日に茨城県で開催されました。

この大会は、盲人マラソンの部も10数年前から取り入れており、普及と発展にも多大なる貢献をいただいております。そして、今回から盲人マラソンの部に「IPC(国際パラリンピック委員会)公認の部」を新たに新設し、世界に通用する大会としても大きく前進していくことになりました。

そのIPC公認の部にエントリーするには、視覚障害者選手自身も予めIPCに選手登録をしておく必要があります。これは一般の陸連登録と同じで、まずは登録ありきとなります。つまり、IPCが公式に認める公認記録の条件としては、視覚障害者選手がIPC選手登録をし、なおかつ出場する大会もIPC公認であることが必須となります。そして、これらの条件を満たした大会での記録が、パラリンピックや世界選手権大会に出場するための公認記録として認定されるのです。

ところが、視覚障害者選手が国際大会出場に向けた公認記録を狙える大会は、世界的に見ても極端に少ないのが現状です。今後は、この「かすみがうらマラソン大会」が、盲人マラソンの拠点として「世界の中心になってほしい」と、関係者の多くが願っているところでもあります。

今回は、そんな願いをこめた記念すべき「第20回記念大会」となりましたが、IPC公認の部では好記録が続出し、レベルの高い内容となりました。特に、全盲選手と弱視選手の2選手が来年1月、ニュージーランドで開催されるIPC世界陸上選手権大会の参加A標準記録を見事に突破する快走を見せてくれました。

だが一方で、北京パラリンピック代表の全盲選手が、ゴール地点での伴走違反が確認されゴール後、失格になる事態もおきました・・・。実は、これまでもIPCルールに違反している視覚障害者選手や伴走者を見受けることはありました。しかし、それをルール違反として判定できる審判や関係者を公式に配置することができませんでした。もちろんそのことで、視覚障害者選手が失格になることもありませんでしたが・・・。

しかし、今回からIPC公認大会になったことで、視覚障害者選手や伴走者をはじめとする関係者にも正しいルールが確実に浸透していく良い機会にもなりました。そして、これからも正しいルールと審判のもとに大会が運営されていくことで、この大会が盲人マラソンの国際的な普及と発展にも大きく寄与していくことに違いありません。

再びトレーニング計画・2

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今回から「スピード養成期」について考えていきます。

さて、スピードと言う言葉を聞いただけで身体と気持ちが拒絶してしまう人も多いのではと思いますが、いかがでしょうか?それは、出足からスピードを上げていくトレーニングなので、仲間と談笑しながらゆっくり走るようなことは少なく、肉体的にも精神的にも苦しみを伴うからです。かくいう私もスピードトレーニングは苦手でした(涙)。

このように苦手意識を持っている人が多いスピードトレーニングは、長い距離を走る持久系トレーニングと比較した場合、効果があらわれやすいと言われています。それは簡単に言うと、大きな苦しみを伴う分、筋肉や心肺機能にも大きな負担がかかりダメージも大きくなります。しかしその分、回復したときの効果も大きくなるからです。※専門的な話は割愛します。

同時に、トレーニング経験の少ない市民ランナーや初心者の人ほど、その効果はあらわれ易い傾向にあります。しかし、一方でゆっくり走るトレーニングと比較した場合、怪我や故障のリスクは格段にアップします。更に、そのトレーニング効果の持続性や自分自身の持っている能力の限界に到達するのも比較的早いのも特徴です。もう少しわかり易く表現すると、「即効性はあるが、効果の持続性が難しいトレーニング」とも言えます。

つまり、持久系トレーニングのように、走行距離や走行時間を少しずつ伸ばしていくイメージで、スピードを上げ続けたり、そのスピードを長期にわたって持続していくことはかなり難しく、私自身も現役当時は苦労の連続でした。そのため、スピードトレーニングをはじめることは簡単ですが、どのような頻度で、どのような強度で継続していくかの判断がとても難しく、そのことが重要なポイントになってきます。

ひとつの例として、実業団選手(プロ)や学生選手たちは、ハードなスピードトレーニングを定期的にかつ計画的に取り入れています。しかし、5kや10kをはじめとする各種目で毎年必ず自己記録を更新しているかと言えば、決してそうではありません。それは、オリンピックを目指しているような選手でも、自己記録の更新をもう何年も実現していない選手の方が圧倒的に多いのです。

このように、スピードトレーニングは、目に見えた効果を発揮し易い半面、直ぐに頭打ちになってしまうトレーニングであることも、はじめに認識しておく必要があります。

つづく。

再びトレーニング計画

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いよいよ新年度もスタートしました。皆さんも心機一転、新たな気持ちで日々のトレーニングやレースに挑んでいることと思います。一方、目標としてきたマラソン大会もひと段落し、逆にゆっくりしている人も多いことでしょう。

実はこのように、それぞれが目標としているマラソン大会や走力等に違いがあるため、トレーニング方法や流れ(計画)は千差万別です。そして、どんな方法だとしても自分自身の生活スタイルや走力とかみ合っているならば、それがベストな方法であることに違いありません。

ところが、更に次の目標となるマラソンを考えたとき、その大会までどのようなトレーニングを実施していけば効率的なのか?・・・スピード強化は必要なのか?・・・走行距離を増加させるのか?・・・既にスタートしているこの4月からのトレーニングについてもどのような方法で、どのような流れ(計画)で取り組んでいけば良いのか?・・・等々を、悩んでいる人は意外と多いと感じますが、いかがでしょうか?

そこで、新年度がはじまったこの4月からをひとつの良い区切りとし、これからのトレーニング方法について再び考えていきます。特に、この4月から6月までのトレーニング方法について、少し掘り下げていきます。

では早速ですが、最初に何から考えていけば良いのでしょうか?

それは、上記にも記載しましたが、次の目標となるレースを決めることです。特に今回は、あくまでもマラソンを目指すことを前提に話しを進めていくので、目標となる具体的なマラソン大会やその時期を指すことになります。※4月から6月にマラソンを走る人は、既にマラソントレーニングを実施している時期なので、引き続き自分自身のマラソントレーニングを継続して下さい。

そして今回は、今年の11月から12月のマラソンを目標にすることを軸としたトレーニング方法や流れ(計画)を考えていきます。更に、このブログの「マラソンシーズン」で何度も記載してきた「期分け」に置き換えると、この4月から6月は、11月から12月の「マラソン期」につなげていくための、「スピード養成期」となります。

つづく。

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