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2014-01

期分け・80

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【期分け・80】今回は、マラソンで4時間突破(サブフォー)を目指すための週末集中型によるトレーニングパターンのまとめです。

前回も説明したとおり、「ゆっくり長く走る(LSD)」トレーニングを週末集中型にシフトする主な理由として、仕事等による諸事情から時間を確保することが難しいからです。したがって、平日にまとまった時間を確保できるランナーは無理に週末集中型にシフトする必要はないと考えます。

このブログの「期分け・78」に記載した「週間トレーニング例1」か「週間トレーニング例2」のパターンを参考に、それぞれの生活パターンに応じた流れを構築してほしいと思います。

では、「ゆっくり長く走る(LSD)」トレーニングを週末集中型にシフトした週間トレーニングパターンを考えていきます。

はじめに、平日にあたる月曜日から金曜日までの捉え方についてです。上記したように平日にランニングの時間を確保することが難しいランナーにおすすめなのが、この週末集中型なのですが、平日でも何とか30分から60分程度の時間は捻出することが可能であることを前提に話しをすすめていきます。もちろん、ランナーとして、その程度の時間は早朝等の時間を活用して捻出してほしいところです。

◆週末集中型パターン1).月/休養、火/30分~60分LSD、水/30分~60分LSD、木/30分~60分LSD、金/30分~60分LSD、土/90分~120分LSD、日/90分~120分LSD。◆週末集中型パターン2).月/休養、火/30分~60分LSD、水/30分~60分LSD、木/30分~60分LSD、金/休養、土/90分~120分LSD、日/90分~120分LSD。◆週末集中型パターン3).月/休養、火/30分~60分LSD、水/30分~60分LSD、木/休養、金/休養、土/90分~120分LSD、日/90分~120分LSD。

以上のように、スピード系のトレーニングは組込んでいません。代わりに30分から60分程度のLSD(軽めのジョギング)と、休養で平日をつなぐ流れです。そして、ポイントになるのは休養の日数になります。1週間で休養が1日から3日までのパターンにしていますが、どのパターンも週末の2日間連続の「ゆっくり長く走る(LSD)」トレーニングが充実するように、心と身体をリフレッシュしながら調子を引き上げていくのが、平日の目的となります。

また、休養をうまく取り入れていくことで、超回復の効果を引き出していきます。超回復の詳細については割愛しますが、トレーニング後、24時間から48時間の休息をとることによって、トレーニング前より筋肉の総量が増加することを言います。同様に、週末集中型で走り込んだ後、休養や軽めのジョギングで疲労回復を促進することで、超回復の流れをつくっていくのです。

もちろん、回復の時間については個人差が大きく、どの程度休養するかが個々のノウハウにもなります。週末集中型で走り込んだ後、休養日やジョギングの時間等をいろいろと試しながら自分自身の生活や体調に合ったトレーニングパターンを構築してほしいと願っております。

つづく。

期分け・79

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【期分け・79】今回もマラソンで4時間突破(サブフォー)を目指しているランナーの週間トレーニングについて考えていきます。内容は前回同様、効果的に「ゆっくり長く走る(LSD)」をどのように組み込んでいくかについてです。

はじめに、私の経験上の話しになりますが、あらためて4時間突破を目指せるランナーについて大きく2つのタイプを記載します。もちろん、これが絶対と言うことではありません。

◆タイプ1).走る前から体型がスリムでサッカーやバスケットボール等のスポーツ経験(継続)があり、初めて走った10k程度のロードレース大会や数キロの駅伝大会では仲間より速い記録をマークしているランナー。◆タイプ2).いわゆるダイエット目的からランニングを開始し、大きな怪我や故障もなく、体重を順調に落としながら走る距離をのばしているランナー。

しかし、どちらのタイプも何度かマラソンを完走していますが、4時間の壁にぶつかっています。そして、タイプ1のランナーに多いマラソンとして、スタートから比較的速いラップを刻み、中間点前後から後半の失速です。同じくタイプ2のランナーに多いマラソンとして、スタートからゆっくり目のラップを刻むのですが、35k以降にペースを維持できないパターンです。

また、2つのタイプは全く逆のように見えますが、実はどちらも「ゆっくり長く走る(LSD)」トレーニングの不足が原因のひとつと考えられます。そして、走り込みが不足している原因の多くは、練習時間の確保が難しく、特に平日の走り込みが圧倒的に不足しています。

このようなケースは、必然的に週末集中型にシフトします。また、それが理想的と考えます。しかし、一般的なケースとして土曜日と日曜日の2日間で一気に走り込むと、足腰への負担が大きくなり、故障や怪我のリスクも増大します。

さて、皆さんは如何でしょうか?

ここで、2日間連続で実施するトレーニングとして推奨できるパターンと、できないパターンを記載しておきます。◆パターン1).スピード(土曜日)+スピード(日曜日)=☓。◆パターン2).スタミナ(土曜日)+スピード(日曜日)=〇(逆も有)。◆パターン3).スタミナ(土曜日)+スタミナ(日曜日)=〇。

以上、主な3つのパターンを記載しましたが、パターン2とパターン3が推奨できます。しかし、4時間突破を目指しているランナーにとっては、パターン2よりパターン3を推奨します。なぜなら上記したように、タイプ1とタイプ2のランナーの多くはスタミナ(持久力)が不足していることで「4時間の壁」を突破できないケースが多いからです。つまり、無理なスピード系トレーニングを実施するより、2日間連続での「ゆっくり長く走る(LSD)」トレーニングの方が効果的と考えます。

つづく。

絆・15

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【絆・15】今年最初の盲人マラソン強化合宿を千葉県富津市において実施しました。日程は1月11日(土)から1月13日(月・祝)にかけての2泊3日で、参加選手は男子が8名、女子が2名、選手をサポートするガイドランナー(伴走者)は10名、更にスタッフ等を含め総勢31名での強化合宿となりました。

また、今回もガイドランナーに国際武道大学陸上部の現役学生選手をはじめ、走力のある方々に参加いただいたことで、量も質も充実した強化合宿を実施することができました。まずは、今回の強化合宿にご尽力いただいた関係各位の皆様方に対し、あらためて御礼申し上げます。

はじめに、この強化合宿に初参加した新田選手を紹介します。彼は、右腕の肘から先端が先天的に欠損している障害を持っており、障害クラスで言えば「T46クラス」に該当する選手です。実は、いつもガイドランナーをお願いしている順天堂大学陸上部に所属している現役学生選手でもあり、本当に偶然知ることになった選手です。

既に皆様方も耳にしたことがあるかと思いますが、ひと口に「パラリンピックへの強化」と言っても、実はどのパラリンピック実施競技に関しても選手層が極端に薄く、新しい選手を発掘・育成していくことは最重点課題であるのと同時に、それが極めて難しい状況でもあります。

そんな中、いつもガイドランナーをお願いしている陸上競技の名門大学でもある順天堂大学陸上部にパラリンピックを目指せる新田選手が所属していたのです。まさに「灯台下暗し」です。早速、今回の強化合宿に参加を呼びかけ、初参加となりました。

と、言いつつ腕の障害は視覚障害と同じで、自身の脚で走ったり跳んだりするため、日頃は一般選手と全く同じ土俵で競技をすることも可能です。したがって、今回の合宿でも視覚障害選手と同じトレーニング内容で切磋琢磨することができます。

◆合宿1日目:午後/体幹トレーニング+調整jog+1k走。◆合宿2日目:早朝/調整jog、午前/30k走、午後/動作解析勉強会+調整jog。◆合宿3日目:早朝/調整jog、午前/1k×10本(ロードで実施)、午後/解散。

そんな新田選手も合宿初日は緊張した面持ちでしたが、パラリンピックに出場した選手たちと一緒に走り、宿舎では同室になることで、2日目からは本来の明るさも見えてきました。そして、最終日のトレーニングでは積極的に集団をリードし、力のあるところも見せてくれました。

合宿終了後、「2日目の日間走行距離は自己最高の53kを走れました」と、新田選手は初参加の強化合宿でしたが、何か自信をつかんだ様子がこちらにも伝わってきました…。

さて、冒頭にも記載したとおり、新しい選手の発掘・育成は待ったなしの状況です。しかし、今回の新田選手同様、かくれた逸材は必ず存在します。同時に、新しい選手を発掘・育成するための様々なプロジェクトや対策も必要不可欠です。

しかし、いつでも新しい選手を受け入れられる態勢をキープしていくためにも、地道な強化合宿の継続は強化全体の土台となります。今年もこのことを肝に銘じて取り組んでいきます。

つづく。

※毎週1回の更新を継続してきたこのブログも、おかげ様で「300回」となりました。今後ともよろしくお願い申し上げます。

期分け・78

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【期分け・78】今回から「ゆっくり長く走るトレーニング」を取り入れた具体的なトレーニング計画を考えていきますが、既に説明してきたとおり、このトレーニングの目的は、「スタミナ(持久力)を養成していくために必要な基礎部分(土台)を構築していく」ことです。まずは、この点を再確認した上で下記のトレーニング計画を参照して下さい。

◆週間トレーニング例1:月/◎、火/◎、水/90分~120分LSD、木/◎、金/◎、土/◎、日/120分~180分LSD。◆週間トレーニング例2:月/◎、火/90分~120分LSD、水/◎、木/90分~120分LSD、金/◎、土/◎、日/120分~180分LSD。◆週間トレーニング例3:月/◎、火/◎、水/90分~120分LSD、木/90分~120分LSD、金/◎、土/120分~180分LSD、日/120分~180分LSD。※◎=LSD以外のトレーニング。

以上、大きく3つの週間トレーニング例を記載しましたが、、1つ目は週に2回、2つ目は週に3回、3つ目は週に4回と、LSDを実施する回数が異なります。また、◎と表示してある日は走力によって実施する内容が違ってきます。例として軽めのジョギング、ペース走、スピード系のトレーニング等々、実施する内容はそれぞれです。したがって、上記3つのパターンのどれが最も効果的かは、走力によって捉え方もかなり違いが出てくる部分でもあります。

同時に、LSDは走力によってもトレーニング効果の違いが出てくるので、今回は目安としてマラソンで4時間突破(サブフォー)を目指しているランナーと、3時間突破(サブスリー)を目指しているランナーの視点から考えていきます。

まずは、4時間突破を目指しているランナーについてです。もちろん、それに相当する走力の方やこれからマラソンに挑戦するランナーも参考にして下さい。実は、この走力のランナーにとってのLSDは、「基礎部分(土台)を構築していく」ことが最大の目的になりますが、それ以外の効果も期待できます。

このブログの「期分け・76」に記載した目的1と目的2を読み返して下さい。目的1は、「筋持久力の向上」。目的2は、「ランナー体型への進化」とあります。実は、LSDを実施していくことで、これら2つの効果を体得し易い走力のひとつが、4時間突破を目指しているランナーと考えます。

つまり、マラソンで4時間突破を目指すレベルまでは、LSD中心のトレーニングでも十分に対応可能であるとも言えます。もちろん、個人差があるので、この点は予めご了承願います。

次回も更に考えていきます。

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