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2010-07

再びトレーニング計画・15

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「再びトレーニング計画」として、スピード養成期のインターバルトレーニングについて考えてきましたが、今回はこれまでのポイントをまとめてみます。

◆Q1).インターバルトレーニング(ショート)の基準となる記録は?◆A1).5kの自己記録(又はその時点の走力)を基準とします。5kの記録が不明の人は、10kの記録から1分をマイナスし、それを2で割った記録を目安にします。※5kの記録=(10kの記録-1分)÷2。

◆Q2).インターバルトレーニングの疾走する本数(トータル距離)は?◆A2).疾走する合計距離が3kになるようにします。具体的には、200mなら3000m÷200m=15本、300mなら3000m÷300m=10本、400mなら3000m÷400m≒8本。

◆Q3).各疾走する距離に対する設定タイムの目安は?◆A3).A1で参考にした5kの記録を1割速くし、それを各疾走する距離に換算した時間を設定タイムとします。具体例として、5kを20分で走れる人の場合、1割速い記録は18分です。それを各疾走距離に換算すると、200mなら43.2秒、300mなら64.8秒、400mなら86.4秒。

◆Q4).1本目を疾走し、次の2本目を疾走するまでのリカバリー(休息)は?◆A4).リカバリーは原則として距離ではなく時間で管理します。即ち、A3で導いた各設定タイムと同じ時間だけ休息することが、基準となります。そして、疾走する時間とリカバリー時間を合わせて1サイクルとし、トータル時間で管理していきます。具体的には、200mは43.2秒×2=86.4秒≒90秒/本、300mは64.8秒×2=129.6秒≒130秒/本、400mは86.4秒×2=172.8秒≒180秒/本。

以上のように大きなポイントは、4つとなります。

更に、それを実施した結果、楽に感じるようなら、A3で導いた設定タイムを速くするのではなく、リカバリーを短くしていくようにします。具体的には、A4で計算した1サイクルの時間を10秒ずつ短縮していくようにします。また、逆に苦しく感じるなら設定タイムを遅くしていくのですが・・・、それよりもA1で基準とした5kの記録をひとランク遅くし、設定タイムを再計算した方がより効果的と言えるでしょう。

さて、ここまでスピード養成期のインターバルトレーニングについて考えてきました。もちろん、疾走本数や設定タイムの導き方については、指導するコーチや各ランナーによって様々です。また、他にも心拍計の付いた腕時計を活用し、適正強度を導き出す方法もありますが、そのどれもが絶対でもなく、間違いでもありません。

しかし大切なことは、最後まで余裕を持って計画どおりにやり遂げる(継続する)ことではないでしょうか。そして、このシリーズでも記載した「速くなりたいから、常に速く走る」から「速くなりたいなら、ゆとりを持ちながら継続して走る」へと、考え方をシフトしていくことは、マラソンを攻略していく上で、重要なポイントのひとつであると考えます。

再びトレーニング計画・14

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前回は疾走する距離(時間)とリカバリー(休息)を、1サイクルとして考えていく話しをしました。今回は、疾走する距離を200mから400mのショートインターバルに絞って考えていきます。

では、何を基準にして、どんな設定タイムで疾走すれば良いのでしょうか?

もちろん様々な考え方がありますが、その基準となる距離を5kとします。そして、その5kの記録から1割速い記録を、ショートインターバルで疾走する設定タイムとしていきます。

具体例として、5kを20分で走る人の場合、1割速い記録は18分です。18分を各距離に換算すると、200mなら43.2秒、300mなら64.8秒、400mなら86.4秒、これらが設定タイムとなります。更に、リカバリーについては、疾走するタイムと同じ時間で設定します。

1本毎のサイクルタイムとしてまとめると、◆1).200mの場合、43.2秒×2=86.4秒≒90秒/本。◆2).300mの場合、64.8秒×2=129.6秒≒130秒/本。◆3).400mの場合、86.4秒×2=172.8秒≒180秒/本。・・・以上が、5kを20分で走る人の目安となります。

そして実際に、上記のサイクルタイムを基準に疾走すると、苦しく感じたり、楽に感じたりします。その場合の調整方法は次のように考えていきます。

はじめに、楽に感じた場合です。この場合、1サイクルタイムを10秒短くし、疾走するタイムは同じにします。即ち、休息時間であるリカバリーを短縮します。それでも余裕がある場合は、更に10秒ずつ短縮していくのです。

ここで重要なポイントは、疾走するタイムを速くするのではなく、リカバリーを短くしていくことで、トレーニング強度をアップしていくことです。

次に、苦しく感じた場合ですが、疾走する設定タイムを2秒から4秒遅くし、トータルの1サイクルタイムについては同じとします。つまり、疾走するタイムにゆとりをもたせ、リカバリーを少し短くします。

ところが、それでも苦しく感じる場合は、基準とした5kのタイムに走力が、到達していない可能性が高くなります。この場合は、基準となる5kの記録をもう少し引き下げ、そこから各設定タイムを再計算するようにします。

つづく。

再びトレーニング計画・13

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今回からインターバルトレーニングのリカバリー(休息時間&方法)について考えていきます。

はじめに、インターバルトレーニングで最も重要なポイントを考えたとき、皆さんはどこに置くでしょうか?

おそらく、ほとんどの人が、疾走する設定タイムや本数等を中心に考えると思います。もちろん、それらのことが重要なことに違いありません。しかし、最も注意が必要な点は、1本目を疾走し、2本目を疾走するまでのリカバリー(休息時間&方法)となります。

実は、インターバルトレーニングの強度も、このリカバリーの時間と方法でほとんど決まってしまいます。具体的には、400mを8本実施する場合、1本毎のリカバリーを200mのジョギングで回復させるか、400mにのばして回復させるかの違いによって、トレーニング強度が大きく変わります。もちろん、リカバリーの時間や距離を短縮していくほど、トレーニング強度はアップし、苦しさも増してきます。

それでは実際に、リカバリーの時間と方法を考えていきます。

リカバリーの一般的な考え方として、ある一定の距離を一定のスピードでジョギングする方法が代表的です。例として、400mを疾走したあと、200mを60秒でジョギングし、次の400mを疾走します。しかし、一般的なこの方法の場合、特に市民ランナーの多くが次のような問題に直面します。

◆1).リカバリーのスピードが遅くなったり、速くなったりと、同じ200mのジョギングが一定しない。※適切な強度を保てない。◆2).仲間たちと実施した場合、リカバリーのスピードが違い過ぎて、一度遅れると追い付けなくなる。※走力やレベルの違う仲間と、一緒に走るのが難しい。

以上のようなトラブルは、実際に多くの練習会で発生しており、苦しんだ割には記録に結び付かない人の代表的な原因にもなっています。そこで、次のような考え方にシフトすることをおすすめします。

◆3).リカバリーを時間のみで管理する。※強度を一定に保てる。◆4).疾走時間とリカバリー時間をセットで1本とし、時間管理する。※1本目のゴール地点から2本目のスタートが可能となるので、走力の違う仲間とも一緒に競い合える。

このように、疾走する距離とリカバリーをセットで考えていくことで、常に一定の強度を保つことが比較的容易になります。そして、重要なポイントとして、疾走する距離もリカバリーも時間管理にし、それを合わせた時間を1本毎のサイクルタイムとして本数を重ねていくことです。

つづく。

再びトレーニング計画・12

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今回は、3kを基準にしたインターバルトレーニングを考えていきます。

最初に、インターバルトレーニングの代表的な疾走距離と本数を、トータル距離が5kの場合と3kを比較してみます。◆1).200mの場合、25本から15本へ。◆2).400mの場合、13本から8本へ。◆3).1000mの場合、5本から3本へ。・・・以上のように本数的には、かなり軽減されます。

ここで、私の経験から話をすると、陸上競技の経験が少ない一般的な市民ランナーの多くは、このインターバルトレーニングの本数に対し、かなりのストレスを感じる傾向にあります。具体的には、疾走距離が400m以下の場合、10本より多くなると、肉体的な苦痛より精神的なストレスをより強く感じるようになります。同じく800mをこえるような疾走距離の場合、3本程度をこえてくると、同様なストレスを感じる人がより多くなってきます。かくいう私も本数に対し、常にストレスを感じていました(涙)。

更に、ストレスを強く感じるトレーニングは、コンスタントに継続していくことが困難になってきます。例として、毎週水曜日にインターバルトレーニングを実施しようと決めたとします。ところが、疾走本数が多過ぎるため長期スパンで継続することが難しくなり・・・、最終目標のマラソンにまで影響している人も意外と多く見受けられます。

また、1本あたりの疾走する設定タイムについては、5kの記録から導き出した記録を、3kで計算した上記の本数で実施します。例として、5kを20分で走れるランナーが、1000mのインターバルトレーニングを実施する場合、1本あたりの設定タイムは「4分00秒」、本数は「3本」となります。それは、肉体的なゆとりにもつながります。

3kを基準にしたインターバルトレーニングのメリットについてまとめると、◆1).疾走する本数が軽減されることで、精神的なストレスも軽減される。◆2).疾走する1本あたりの設定タイムは、5kから導き出した記録で実施することで、肉体的なゆとりもできる。

このように、マラソンを目標にしたスピードトレーニングについても、心身ともに余裕を持って長期継続していくことは、重要なポイントとなります。

そして、「速くなりたいから、常に速く走る」から「速くなりたいなら、ゆとりを持ちながら継続して走る」に、考え方をシフトしていくことは、ランナーにとって必要不可欠と考えます。

次回は、3kを基準にした少ない本数で更に効果を高めるための、リカバリー(休息)の時間と方法について考えていきます。

つづく。

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