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2016-02

最終調整・風邪編

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【最終調整・風邪編】最終調整の基本は休養です。同時に、風邪をひかないことですね。これについては、既に何度も説明してきたところです。そして、どのランナーも細心の注意と自己防衛をして体調管理に努めていきます。

ところが、不幸なことに最終調整の段階で風邪をひき、目標のマラソン大会でうまく走れなかったランナーも意外と多く、調整の難しさをいまだに感じています。かくいう私も現役時代は風邪による調整失敗は何度も経験しております。

こんな私も今は市民ランナー方のコーチとして微力ながらアドバイスをする立場ですが、力及ばず風邪のため調子を崩す方が毎年数名います。もちろん、風邪をひいてしまった方は無念ですが、コーチとしても本当に悔やまれます。

また、専門的な話はできませんが、風邪をひく原因として主に次のことが言われています。■原因1).マラソンに向けた走り込みがハードなので、逆に身体の抵抗力が低下する。■原因2).走り込んで体脂肪が少なくなり、物理的な寒さへの防衛力も低下する。■原因3).特に冬のランニングは冷たく乾燥した空気を多く吸い込むことになるので気管支や喉も乾燥し、ウィルスに感染し易くなる。

以上のような原因に対し、手洗いやうがい等を励行して予防しておりますが、多くのランナーは風邪をひいてしまいます。その結果、最後の調整計画も大幅に修正していくことになるのと同時に精神的な焦りも募っていきます。

つまり、予定どおりの走り込みができなかったことが焦りとなり、回復直後や大会直前に距離走やスピード練習を慌てて実施し、調子を更に悪化させてしまうのです。

不幸にして風邪をひいてしまったことは受け入れるしかありません。しかし、それをどのように捉えるかは大切です。この場合、やはり休養と位置付けてしっかりと休むことが第一です。

実は、私がコーチする市民ランナーの中にも最終調整の段階で風邪をひいてしまう方は、上記したとおり毎年います。一方で、逆に焦らずしっかりと休養することで、そのマラソン大会で自己新記録を達成した方も多数います。

最後は月並みな言い方になりますが、風邪はひかない方が良いです。しかし、不幸にして風邪をひいてしまった場合は焦らずしっかりと休養し、回復後も無理をしないことです。もちろん、誰でも知っていることですが、勇気を持って実践できるか否かは大きな分かれ目になるのです。

最終調整

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【最終調整】マラソンブームのきっかけを作った「東京マラソン」まで2週間を切りました。そして、翌週は「びわ湖毎日マラソン」、更にその翌週は「名古屋ウィメンズマラソン」と、注目の大会が続きます。

同時に、それら3つのマラソンは、リオ五輪マラソンの日本代表選考レースにもなっており、目の離せないレース展開が期待されます。そして、リオ五輪を目指しているエリート選手はもちろん、市民ランナーの皆様方も最後の調整に入っていく時期でもあります。

既に、調整については何度も取り上げてきましたが、最も重要なので再度確認します。

調整の基本は休養です。まずはしっかりと疲労を抜いて体調を整えていくことが第一となります。しかし、どんなに強い選手でも大会前は様々な不安が頭をよぎります。そして、その不安な気持ちが身体を突き動かし、思いがけない行動をするランナーは意外と多いのです。

例として大会1週間前に慌てて長い距離を走りこんだり、急にスピード練習をしたり…。さらには、経験のない治療を受けたり、試したことのないサプリメントを飲んだり…。皆さんは、いかがでしょうか?

また、調整の基本は休養であることは誰もが知っていますが、それを実行するには相応の勇気と決断が必要でもあります。同時に、様々な不安や期待が入り混じる調整期の感情をいかにして自分自身でコントロールしていけるかは、最も重要な調整のポイントであると考えます。

つまり、最終調整を難しく考えたり、経験のないことを実行する必要はありません。もっとシンプルに考え、軽めに実行することが大切です。

そして、「迷ったら休養」です。

別大マラソン・新たな歴史へ

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【別大マラソン・新たな歴史へ】伝統の別大マラソンが2月7日に開催されました。すでにご存知のとおり、多くのトップランナーや市民ランナーの皆様方と一緒に今回は、視覚障害者の部を設けていただきました。

あらためて、大会関係者の皆様方に厚く御礼申し上げます。

さて、今回の別大マラソンは、視覚障害者マラソンとしてリオ・パラリンピックの代表推薦順位を最終決定する大会と位置づけ、候補選手全員が出走しました。そして、その様子のテレビ中継をはじめ、各種報道関係に多く取り上げていただきました。

「目の見えないランナーは伴走者とどのように走るのか?」

「弱視とはどのように見えているのか?」

実は意外と知られていない点も多く、今回の別大マラソンを通じて多くの方に理解いただけたと、思っております。同時に若い選手より年齢の高い選手の多さに驚かれた方も多かったのではと思います。

例えば、今回の別大マラソンを走ったT11クラス(全盲)男子の新野選手は現在59歳ですが、昨年12月の防府マラソンでは「2時間57分17秒」の記録をマークしております。この記録は単に国内の年齢別で見ても上位にランクされる好記録でもあります。

このように、視覚障害者選手はパラリンピックだけでなく、年齢別でも国内トップクラスに位置するランナーも多いのです。そして、年齢を重ねる毎に記録を更新し、あるいは走力を維持・向上していくノウハウは、多くのランナーたちにも共有できる部分であると考えます。

今回の別大マラソンを通じて、多くの方々が視覚障害者マラソンにも関心を寄せていただき、更に多くの理解・協力者が増えていくきっかけになったと思います。同時に、視覚障害者ランナーたちが、年齢を重ねても高いレベルの走力や体力を維持・向上している点にも注目いただければ、これからの高齢化社会に対応する何かのヒントになるのではとも考えます。

引き続き、皆様方の絶大なるご声援をよろしくお願い申し上げます。

調整とレースについて・4

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【調整とレースについて・4】レースを調整(練習)として出場することのメリットとデメリットについて考えてきました。至極当然のことですが、あらためて良い面と悪い面があり、最終的な判断は皆様自身です。

そして、「レースを走ることについて」をまとめると次のようになります。

■まとめ1).レースは参加費を払うため、色々な意味で簡単にあきらめない。■まとめ2).レースは、良くても悪くても自分の思い通りには展開しない。■まとめ3).レースは、個人の記録や成績について、自分以外の人達も知ることになる。

これらの3つについては、良い意味でも悪い意味でもとらえることができ、どう感じて受け止めるかも皆様自身です。しかし、レースを調整(練習)として走る前に、上記した3つについて良い面と悪い面をあらかじめ予測することは大切です。

他にもマラソンを攻略していくポイントは色々とありますが、「良かった時のレースを如何にして再現できるか」は、とても重要なポイントのひとつです。そして、記録更新の確率を如何にして高めていけるかです。

つまり、レースを調整(練習)として活用するか否かを決める場合、上記3つについての良し悪しを十分に吟味した上で出場することは、記録更新の確率を高める重要なポイントであると考えます。

さて、先日の大阪国際女子マラソンでは、福士選手が素晴らしい記録で優勝しました。各種報道等では、怪我や故障でかなり苦労した様子と、それを不屈の精神力で乗り越えた様子にあらためて感銘を受けました。

今週末も伝統の別大マラソンが開催されます。市民ランナーの皆様も多数出場します。どうか最後まで風邪に注意し、万全の体調でスタート地点に立てることを心より祈念いたします。

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