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2011-04

期分け・3

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前回は、マラソンに向けたひとつのサイクルを大きく4つに期分けしました。今回からその期分けを年間計画に落とし込んでいきます。

はじめに、目標とするマラソン大会を決めますが、4月のこの時期に具体的なマラソン大会を決めることは難しいことです。そこで、何月のマラソン大会を目指していくのかだけでも、ある程度決めておきます。

今回は、11月中旬から12月上旬に開催されるマラソン大会(第1次マラソン期)と、翌年の2月下旬から3月中旬のマラソン大会(第2次マラソン期)を、軸に1年間を期分けしていきます。

では最初に、第1次マラソン期に向けた前後の流れを落とし込んでいきますが、このときのポイントは、可能な限りシンプルに考えていくことです。なぜなら、最初から細かいことばかりに目を向けると、理論ばかりが先行し、実行に移せなくなるからです。

具体的には、第1次マラソン期の「調整期」は、11月上旬となります。そして、「走り込み期」は、8月から10月・・・。更に、マラソン大会後の「休養&回復期」は、12月中旬から12月下旬となります。・・・以上の流れを整理すると、次のようになります。

◆①第1次走り込み期:8月~10月→②調整期:11月上旬→③第1次マラソン期:11月中旬~12月上旬→④休養&回復期:12月中旬~12月下旬。

このように最初から難しく考え過ぎず、目標となるマラソン大会に沿ったトレーニングの流れを決めていくことが、ひとつのポイントとなります。

続いて、第2次マラソン期に向けた具体的な流れを考えます。しかし、この場合、第1次マラソン期に向けて一度身体をつくっています。同時に、その時走った結果の良し悪しによって目標の修正が必要になってきます。但し、今回はその修正を加える前の大きなトレーニングの流れとして考えていきます。

◆①第2次走り込み期:12月中旬~2月上旬→②調整期:2月下旬~3月上旬→③第2次マラソン期:2月下旬~3月中旬→④休養&回復期:3月下旬~4月上旬。・・・以上のが、第2次マラソン期の流れとなります。

さて、これで1年間の流れを大まかに期分けすることができましたが、実は抜けている期間があります。それはまさに、これからの季節にあたる4月から7月までの期間です。もちろん、この期間を第3次マラソン期と位置づけ、再び同じ期分けを繰り返していく方法もあります。

しかし、既に何度も記載しているとおり、この期間は季節的にも寒から暖へと急激に変化していきます。従って、マラソンや長距離走にとっては、最も厳しい季節に移行していきます。もちろん、そんな厳しい条件下で、マラソントレーニングを継続していくこと自体が正しいのか否かの判断も難しくなっていきます。

また、気温や湿度の急激な上昇を考慮し、トレーニング内容を変更したとしても、選手の調子や体調を維持していくことが難しくなってくる季節でもあります。つまり、この4月から7月の期間は、マラソンを目標にした走り込み中心の内容や流れに対し、変化を付けていくことも必要になっていきます。

つづく。

期分け・2

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今回から改めて「期分け」について考えていきますが、難しく考える必要はありません。なぜなら、目標としているマラソン大会やその時期は各自がそれぞれ違い、それぞれの生活環境や練習環境が違うからです。まずはこの点を理解し、年間の流れを自分自身の生活環境に当てはめながら、期分けしていくようにしましょう。

では最初に、期分けを考えていく上で重要な注意点をあげておきます。それは、マラソン大会や長距離の大会は、全国のどこかで毎週日曜日に必ず開催されています。つまり、1年間を通じてオフシーズンが無いのです。このことは、他のスポーツには珍しい大きな特徴です。

別の見方をすれば、1年間を通じてマラソンシーズンとすることが可能であり、1年中レースに出場することも可能なのです。従って、そのような人は、レースを走ることが、「走り込み」であり、「調整」であり、「目標」となります。また、先に記載したように、期分けは各自の環境や目標に沿って考えていくことが基本となるので、毎週レースに出場しながら調整していく方法が良し悪しかの判断を決め付けることはできません。

しかし、場当たり的にレースを走っていくことは、単に故障や怪我の確率を高めることは間違いありません。また、わざわざ期分けをして、トレーニング計画を考えていく大きな目的のひとつに、「故障や怪我を防止」することと、「怪我や故障をしない身体づくり」が、あげられます。もちろん、これから考えていく期分けについては、この点を重視していきたいと思います。

では、最初にマラソンを目標にしていく場合の基本的なパターンを記載します。

◆基本パターン:①走り込み(走り込み期)→②調整(調整期)→③目標のマラソン(マラソン期)→④休養&回復(回復期)→①走り込み(走り込み期)・・・。

以上のように、①から④までをひとつのサイクルとし、目標のマラソンを目指していくパターンが期分けの基本形になります。そして、このパターンを繰り返しながら走力や自己の記録をスパイラルアップさせていきます。まずは、この流れが重要なポイントとなります。

※ここで考えていく「期分け」については、ひとつ考え方であり、絶対に成功する方法ではありませんので、予めご了承願います。

つづく。

期分け・1

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平成23年度もスタートしました。同時に、この4月からはプロ野球をはじめ様々なスポーツも本格的なシーズンに入りました。もちろん陸上競技もトラックレースを軸にシーズン突入です。しかし、年間目標をマラソンに置いているランナーは、大きなマラソン大会もほぼひと段落します。その結果、逆に気持ちが抜ける時期でもあります。そして、マラソンシーズンがほぼ終わるこれからの時期は、次の目標設定やトレーニング方法について悩む人が意外と多くなります。

また、逆に年間を通じてマラソンを走り続けたとしても、4月からは気温や湿度も高くなり、マラソントレーニングを継続していくには厳しいコンディションになっていきます。つまり、肉体的にも精神的にも苦しさや辛さが増していく割には、記録や成果を得にくい状況となります。

特に、経験の浅いランナーの多くは、1年間の目標をマラソンに設定すると、年間を通じて走り込みが中心になるパターンが、多く見受けられます。ところが、ちょうど暑くなっていくこれからの季節に対し、気持ちや身体がうまく順化できなくなってくる時期でもあります。

さて、皆さんはいかがでしょうか?

実は、実業団選手(プロ)や学生選手でも、1年間を通じて高いモチベーションをキープしていくことは、かなり困難なことです。しかも多くの走り込みが必要となるマラソンを目標に、1年間を休まず走り続けることは、肉体的にも相当なリスクを伴うことは間違いありません。

では、どのようなトレーニング方法を実施していけば良いのでしょうか?

また、1年間をどのようなトレーニングパターンにしていけば良いのでしょうか?

それは、このブログでも何度か取り上げてきましたが、「期分け」の考え方が重要なポイントになってきます。これは、単に年間スケジュールを立てる方法でもありますが、まずは目標となるマラソン時期を決め、それに沿った流れを組み立てていくことがポイントとなる考え方です。

具体例として、秋のマラソンを目標にした場合、春先はどんなトレーニングやレースが良いのか?・・・暑くなってくる季節はどんな走り込みが良いのか?・・・マラソンに向けた具体的な距離走とは?・・・以上のように「期分け」し、それぞれの期に合ったトレーニングや出場するレースを選択しながら自分の目標に合わせていく方法です。

次回からは、その「期分け」について考えていきます。

つづく。

マラソンシーズン総括・下

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今回は、自己記録更新について少し考えていきます。

さて、マラソンの記録や成績を比較する指標は様々ですが、私が重視している指標のひとつに「自己記録更新回数」があります。もちろん、私が勝手につけた言葉です(笑)。

これは、まさに読んだ通りの指標です。つまり、マラソンを何回走り、何回自己記録を更新したかの回数です。実は、実業団選手(プロ)をはじめ市民ランナーの中には、自己記録を1度も更新することなくマラソンから身を引いていく人がいます。つまり、初マラソンの記録を生涯更新することができなかったケースです。

実は、個人差もありますが、「初マラソン」は初めての挑戦になるので、それほどプレッシャーはありません。しかし、未知への挑戦となるので、適度な緊張感を保ちつつ最後まで慎重に走ることもできます。その結果、思わぬ好記録でゴールする人が多いのも初マラソンなのです。

意外に思うかもしれませんが、私自身も「初マラソン」はプレッシャーもなく、適度な緊張感の中で走ったことを覚えています。同時に、初マラソンでのラスト「2.195k」は、生涯走ったマラソンで最も速かったラップタイムとなりました。もちろん、初マラソンでもスタートから10kを走るようなオーバーペースや途中の水分補給を全くしなかった人は、初マラソンから生地獄を見る結果になりますが・・・。

また、経験のない苦しみは、何とか我慢したり、無心になって向かっていくことができます。しかし、1度経験した苦しみに何度も挑戦することは簡単なことではありません。それは、マラソンも同じです。そして、マラソンの回数や経験を重ねる度に、マラソンを走るコツはつかめてきます。ところが、逆に苦しい経験も身体と心に蓄積され、その苦しさを乗り越えていくことが難しくなっていきます。これは、日々のトレーニングも同じです。

マラソンで自己記録を更新するため、これまで以上に多くの走り込みが実施できたなら、マラソンで自己記録を更新する可能性は高くなります。ところが、更なる記録更新を目指してよりハードなトレーニングを何年も継続していくことは簡単なことではありません。同様にレースでは、「マラソンが目標なので、短いレースを走っても意味がない」と、ハーフマラソン以上のレースに多く出場する人がいます。しかし、この場合も早い段階で記録の壁にぶつかり、気持ちまでもが燃え尽きてしまう人は意外と多いのです。

何度も記載していますが、マラソンは身体と気持ちだけで勝負していくシンプルなスポーツです。だからこそ1年間の「期分け」をしっかりと行い、トレーニング内容や出場するレースが偏らないようにしていくことは大切です。

新年度もはじまり、これからは気温や湿度も高くなっていきます。同時に、ランニングにとっては厳しいコンディションにもなっていきます。これからの季節は、10k以下のレースやトラックレースにも積極的に挑戦することが、秋からの「マラソン期」で自己記録を更新する道へつながると・・・。

おわり。

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