今回から「ポイント2」について考えていきます。
◆ポイント2).富津合同マラソン練習会の距離走は、正確なペースメーカーがグループ別にペースメークしながら集団で走っていく。
これは、全国どこの練習会でも実施する最も一般的なトレーニング方法です。また、この方法が最も効率的で効果的なトレーニング方法のひとつであることも間違いありません。同時に、ペースメーカーが可能なコーチが一人いれば、少なくともそのコーチが先導するグループは、ほぼ間違いなくトレーニングの目的を達成できる、はずですが・・・。
実は、「ポイント2」については、ペースメーカーを実施するコーチ側と、それについていくランナー側とにわけ、それぞれについて考える必要があります。まずは、ペースメーカーを実施するコーチ側から取り上げていきます。
はじめに、ある一定の走力が備わったランナーなら誰でもできそうなペースメーカーと思いがちですが・・・。このペースメーカーを最初から最後までキッチリとペースを乱さずに全うできるランナーは、意外と少ないのです(私の経験上)。
富津合同マラソン練習会では、原則として1kあたり「4分30秒、5分00秒ペース」と、二つのグループで実施しています。このペースは、多くの市民ランナーにとっては、速いと感じる方のペースに該当します。しかし、実業団や学生時代に活躍したランナーにとっては、ジョギング以下の超スローペースとなります。そのため、現役を引退したばかりのランナーがペースメーカーを実施すると、そのグループのペースが設定より速くなる傾向になり、前半でグループが崩壊するケースも多々あります。
しかし逆に、設定を下げて1kあたり「6分00秒、7分00秒ペース」と、落としていった場合も、今度は遅過ぎて更にうまく走れないと言った珍現象がおこったりします。そこで、同じ目線の市民ランナーがペースメーカーを実施して、30k以上の距離走を実施するとします。ところが、今度はペースが遅い分、長時間走り続ける必要がでてきます。その結果、ペースメーカーの方がスタミナ切れをおこし、最後まで走りきれないケースもありました。
この他にも、後ろについている市民ランナーからペースを乱され、いつの間にかグループ全体が競争になっていくパターンも良くあります。更に、横についているランナーの質問に答えながら走ることで、ペースが大幅に乱されたりと、ペースメーカーに起因する練習会のトラブルは意外と多いのです。
皆さんの練習会は大丈夫でしょうか?
さて、富津合同マラソン練習会では、あえて二つのグループに特化することで、逆にペースメーカーを担当するコーチたちのペース感覚をより高めることにもなり、安定した練習会の継続につながっております。もちろん、ペース感覚の優れたコーチを更に育成し、練習会でのグループを増やしていくことは、最重要課題のひとつです。
しかし、上記のとおり、単に走力だけでペースメーカーとしての適正を判断することは難しく、どの練習会でもペースメーカーのできるコーチを育成していくことは、難しい課題のひとつかもしれませんね。
つづく。
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