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2020-10-15

秋を走る・5

【秋を走る・5】マラソンを目標にした走り込みのメインは距離走ですが、距離走そのものについての定義はありません。もちろん、マラソントレーニングに出てくるインターバルなどの内容についても決まった定義はなく、実施する選手やチームなどによる経験や感覚的な部分が支配的です。

具体例として「ペース走と距離走の境界や違いは?」、「ショートインターバルとミドルやロングインターバルの境界や違いは?」、「ビルドアップ走のペースアップ方法は?」など、正式に決まっている点はひとつもありません。

また、個々の走力によってもその境界は変わります。初心者の方が10kの距離を走れば、ペース走と言うより、距離走に値することでしょう。同じく、400mのインターバルも初心者の方が走ると、ショートインターバルではなくなります。

このように、それぞれの走力によって同じトレーニングでも捉え方が微妙に違ってきます。したがって、個々の走力や目的に合わせた具体的な距離や設定タイムをスタート前に確認し、それに沿って走ることがポイントになります。至極当然のことです。

ところが、そうならないケースは多いのです。よくあるパターンとして、30kをゆとりある設定ペースで走り切る「距離走」としてスタート。ところが、出足から速めのペースになり、落とすことなくそのまま走り続けます。秋晴れの中、15kあたりから気温も上昇し、次第にゆとりもなくなります。しかし、そのペースを落とすこともできず、最後はほとんど全力でそのペースを死守して走り切ります。

この場合、「距離走」としてスタートしたのですが、出足から速くなり、結果的には「タイムトライアル」と、化してしまった例です。同様に、25kを5k毎にペースを上げていくビルドアップ走としてスタート。10kまでは設定タイムどおりでしたが、15k地点ではほとんど全力に近いペースに上ってしまい、最後の5kは逆にペースダウン。これも「タイムトライアル」と、化してしまった例です。

上記した2例とも強化合宿や練習会などで必ず拝見するパターンです。もちろん、目標のマラソンに向けてトレーニングを繰り返していくと、そんなこともあることでしょう。しかし、設定タイムを守れない人は、不思議と繰り返します。その結果がどうなるかは言うまでもありません。また、そのような人が同じグループで走ると、そのグループの練習は崩壊します。特に、駅伝を目標にしている場合、チームにも深刻なダメージを与えることになります。

自分自身が「グループで走れるタイプか否か?」、「単独で走る方が向いているタイプか否か?」など、予め把握してから各種トレーニングに挑むことは、走力アップにつなげる重要なポイントになります。

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