Home > Archives > 2021-12-08

2021-12-08

12月を走る・2

【12月を走る・2】最後の福岡国際マラソン選手権大会が終わりました。私も沿道で最後の応援をすることができました。しかし、「来年はもうないのか」。そう考えると、とても複雑な思いでした……。

その最後の福岡国際マラソン選手権大会は、国内のトップ選手たちを軸にハイペースな流れで序盤を刻みました。しかし、後半は気温が上昇し(私もかなり暑いと感じた)、ハイペースを維持していくことが難しい状況となりました。

その結果、後半は好記録の期待は薄れていきましたが、マラソンレース本来の醍醐味でもある「サバイバルレース」に流れがシフトし、逆に見応えのあるマラソンだったと思います。あらためて、出場された選手の皆様、最後の最後まで感動をありがとうございました。

また、今回出場した選手たちのほとんどは、いわゆるカーボンプレート内臓の厚底シューズを履いていました。それも相まってか、前半はかなりのハイペースにもかかわらず、どの選手も快調に走っていました。

しかし、上記したように後半は気温が上がり、今度は多くの選手が厳しい状況に追い込まれていきました。コンディションが良く、トラックレースのような平坦な路面ならカーボンプレート内臓の厚底シューズによるメリットが相当なものであることは、既に証明されています。

ところが、今回のように気温が一気に上がると、期待したようなメリットを受けることは難しいと感じます。特に、マラソンのような長時間屋外で実施される競技は自然との戦いでもあり、その自然をコントロールすることは、もちろんできないからです。

今後、暑さ(気温の変化)や強風(風向き)などに対応できる厚底シューズが開発されるとしたなら安心ですが、今時点においてはかなり難しいと思われます(勝手ながら)。したがって、シューズで対応できない部分は、今も昔も選手自身の心と体で補っていくしかありません。

さらに、マラソンは超高速時代に突入していますが、今回のような気温の上昇に対応できるか否かも、やはり選手自身の心と体に直結します。つまり、マラソンもスピードを追求していくことは大切ですが、いつの時代も「地道な(泥臭い)走り込み」がマラソントレーニングの基礎であり、不可欠だと……(五輪や国際大会の多くは暑い夏に開催される)。

最後の福岡国際マラソン選手権大会は、全てのランナーにその大切なメッセージを伝えたのかもしれません。

Home > Archives > 2021-12-08

Search
Feeds

ページの先頭へ