【絆・22】関東地方も梅雨が明け、本格的な夏到来です。そんな中、千葉県富津市において、日本盲人マラソン協会主催の強化合宿を7月19日から21日の日程で開催しました。この日程で強化合宿を開催するのは毎年恒例となっておりますが、今回は来月実施される北海道マラソンに向けた強化と位置付け、参加選手たちも例年以上に気合いが入っていました。
また、今回は強化スタッフの一員でもあり、元五輪選手の大崎栄氏にも全日程参加いただき、選手たちにトレーニングに関する講義や直接指導をお願いしました。実は、「オリンピック選手と市民ランナーの違いは?」と、聞かれたところで、トレーニング内容の質や量に違いこそありますが、大きな違いはそれほどありません。
しかし、あらためてオリンピック選手になった大崎氏の話しを拝聴すると、語弊があるかもしれませんが、「意外と頑張っていない」と感じます。つまり、トレーニングの継続を重視しており、走りのリズムや生活のリズムを常に意識しているので、トレーニングにも「メリハリとゆとり」があって常に自然体なのです。
実は、この点は市民ランナーの方々も常に意識し、頭では理解しています。ところが、市民ランナー(盲人ランナー)の多くは、大会が近づくと焦って走行距離を大幅に増やし、大会直前に怪我や故障をするパターンに陥り易いのです。そして、怪我や故障をすると、更に焦って痛みを我慢して走り続けます。その結果、気持ちまで燃え尽き(バーンアウト)、せっかく始めたランニングも短期間で遠のいていくケースは後を絶ちません。
さて、今回の強化合宿において、故障明けの選手も何人かいました。至極当然のことながら「無理をするな」、「自分のペースで」と、スタッフから言われ、本人も十分に理解しているのですが、やはり最終日には思うように走れない選手もいました。気持ちばかりが焦り、「早く調子を戻したい」、「北海道マラソンを走りたい」と、自分自身の体調や状態を正確に把握できていなかったのです…。
誰もがトレーニングの量と質を上げれば、パフォーマンスがアップすることを知っています。しかし、それを実現するためには、自分自身の「感情をコントロール」することと、自分自身の「身体との対話」が重要であることも理解できます。
ところが、周りに影響されず、毎日同じような自分のリズムでそれらを継続していくことは、実は最も難しい…。
だからこそ、そこに飛躍のポイントが…。
つづく。
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