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ブラインドマラソン

2023秋を走る・3

【2023秋を走る・3】先日の3連休を活用し、今年最後の長野県菅平合宿を実施しました。今年は記録的な猛暑と、厳しい残暑も続いていますが、菅平高原も例年にない厳しい残暑が続いていました。

そんなコンディション下での合宿でしたが、今回もメインのトレーニングは距離走でした。その距離走ですが、ここ数年は起伏の激しいコースで実施することが多くなりました。しかし、同コースは木陰も多いので、今年のような厳しい残暑の中においては、逆に良い選択でした。

その起伏コースですが、片道2kを往復するコース設定で、10往復すると40kです。また、同コースでの距離走も回数を重ねてきたので、どの選手も起伏に沿ったペース配分をつかめており、それぞれが目標の設定タイムで走り切れていました。

さて、実業団選手や学生選手をはじめ、多くのランナーたちが大なり小なり合宿を実施しています。もちろん、合宿地やそこで走るコースなどはそれぞれです。しかし、毎年違う場所を転々としているチームや個人は少ないように感じます。

同様に、宿泊施設や実施時期などについても、毎年コロコロ変えているチームや個人は少ないように感じます。かくいう私も毎年同じ時期に同じ場所で合宿を実施しております。では、それはなぜなんでしょうか?

自問自答になりますが、やはりその環境に慣れている点が第一でしょうか。特に、数泊の短期合宿が多い関係で、合宿地に移動したら直ちに走れる環境の方が、時間も有効に使えます。2つ目は、同じ時期に同じ場所で走りこむことで、過去のデータと比較できる点でしょう。

ところが、菅平高原のように少し特殊な環境下においては、体が順応できず、うまく走れない選手もいます。そんなとき、同じようなトラブルに見舞われても、平地に戻ればしっかり走れている選手のデータや経験を見聞することで、逆に自信が持てたりもします。

一方、毎年同じような流れを繰り返すことで、いわゆるマンネリ化と言われる現象に陥る可能性もあります。この点は、確かにそう言える点もあり、否定することはできません。また、どのチームや個人がどこで合宿をしているなどの情報は、SNSなどを通じて簡単に知ることができるようになりました。

その結果、うまく成功した選手の話はSNS上で直ぐに知ることができます。ところが、逆にうまくいかず、苦労している情報などは意外と少ないのも確かで、都合の良い情報ばかりが目につきます。もちろん、これはこれで困ったものと考えますが……。

なんだかまとまらない話になりましたが、厳しい残暑はまだまだ続きそうなので、暑さ対策も引き続き忘れないように……

※今回で800回目の更新になりました!

2023秋を走る・2

【2023秋を走る・2】相変わらず厳しい残暑が続いております。そんな中、いつもの千葉県富津市富津公園において強化合宿を実施しました。また、これも例年どおり、9月の強化合宿から本格的なマラソントレーニングに移行していきます。

そして、これも例年どおり、強化合宿のメイン練習は距離走(長い距離を走る練習)です。また、今回の強化合宿は厳しい残暑も考慮しました。ところが、最初の距離走を、主力選手たちも含め多くの選手が、最後まで走りきることができない厳しい状況に陥りました。

もちろん、暑さの厳しい夏の強化合宿においては、途中で中止する選手もいますが、今回のようにほとんどの選手が途中で足を止めたケースは記憶にありません。確かに走行中は、選手たちの発汗量がいつもより多い(汗が気化しない)とは感じていましたが……。

距離走当日、スタート時の天候は晴。気温は手元で30度以上と厳しい暑さでしたが、これまでの経験からそれほど気にする気温ではありません。ところが、手元の湿度は80%前後でした。私の経験上の話になりますが、湿度は雨天などにならない限り、80%を超えることはほとんどありません(朝方などは除く)。まさに高温多湿でした。

では、この高温多湿という言葉はよく見聞しますが、あらためてどのような条件を指すのでしょうか。調べてみると、明確な数値は決まっていないようで、各分野によってその数値は異なるようです。一般的には「気温が28度以上で湿度が60%以上の状態(これも様々)」を指すようです。

さらに経験上の話になりますが、暑熱純化や暑熱対策を実施している強化指定選手に関しては、湿度が70%前後までのコンディション下なら気温が30度前後でも何とか走り切れます(もちろん個人差がある)。

とろこが、今回のように天候が晴で気温が30度以上。そして、さらに湿度が70%以上と、こんな過酷な条件(3つがそろう)で距離走を実施した経験は、実はほとんど無かった……。幸い、翌日以降の練習は計画どおりに実施することができましたが……。

例年の9月なら涼しくなっていき、体調も調子も上がっていくのですが、今年は継続して「高温多湿」にも警戒していく必要がありそうです。

2023夏を走る・14

【2023夏を走る・14】夏の北海道マラソンが終わりましたが、今年の同マラソンは例年にないほどの高温多湿の悪コンディションに見舞われました。8時30分のスタート時でもすでに、手元の温度計は「気温32度、湿度70%」と、私が経験した北海道マラソンでは最も過酷なコンディションでした。

案の定、スタート後のレース展開は男女とも壮絶なものでした……。

さて、来年のパリパラを目標に走り込んでいる日本ブラインドマラソン協会の強化指定選手たちも多数出走しましたが、過酷なコンディションに悪戦苦闘。もちろん、暑熱対策などにも取り組んで挑みましたが……。

そんな中、男子視覚障がいの部で3位に入った若手選手が、目標どおりのタイム(自己新)でゴールしました。彼は、T12クラスに該当する選手で、単独走ができます。と、いいながらも弱視(詳細は割愛)であるため、給水を取ったり、路面状況などを確認するには、かなり厳しい状況でもあります。

彼は、今年の4月に開催された「かすみがうらマラソン」が初マラソンで、今回の北海道マラソンが2度目のマラソンでした。しかし、その初マラソンも目標どおりのタイムで完走しており、たった2回のマラソン経験ですが、2回とも目標タイムをクリアしての完走になりました。

また、4月の初マラソンも、今回のマラソンもともに気温が高く、暑い中でのマラソンだったので、記録以上の強さを感じる選手です。このように暑さを苦にしないとか、いわゆる暑さに強いとかの判断はとても難しいのですが、暑さに対する適応力のようなものは生まれ育った環境が強く影響していると感じます。

私の経験上の話になりますが、強い選手(勝負や暑さなど)を育成するのは、たんに速い選手(記録が良い)を輩出するよりも難しく、強い選手の育成方法などのノウハウを見聞することはほとんどありません。やはり、「他人との勝負強さや自然相手の暑さに強い」などは、持って生まれたものや、生まれ育った環境などが強く影響しているのでしょうか。

いずれにしろ、楽しみな選手が出てきたのは間違いありません。今年の北海道マラソンは厳しい結果でしたが、まさに一筋の光明が差し、最後に希望をもたらしてくれました……。

2023夏を走る・13

【2023夏を走る・13】この1週間も厳しい猛暑が続きましたが、少しでも涼しい環境を求め、長野県上田市菅平高原で合宿を実施してきました。しかし、その菅平高原においても日中は30度を超える厳しい暑さでした。また、毎年この時期に菅平合宿を実施していますが、今年は朝晩の気温も例年より高いような感じを受けました。

そんな中、例年どおりの走り込みを実施しました。また、合宿参加者もほぼ例年どおりのメンバーで、確実に年齢を重ねております。もちろん、菅平高原には高校生や大学生の姿も多く、トラックやロードで走るそのスピードはうらやましいほどです。

一方、我々のグループは彼らのウォーミングアップのスピードにも満たないようなペースでの走り込みがメインです。これは、富津合同練習会で走り込んでいるときも同じで、実業団選手や箱根選手たちが、ウォーミングアップをしながら我々を抜いていきます。

しかし、常に生き生きと楽しく走っているのは、我々の方だと感じております。

かくいう私自身は横でタイムをとったり、給水を手伝ったりと、一緒に走ることはありません。しかし、常に外から拝見していると、いくつになっても好きなマラソンを目標にしているその姿は生き生きと輝いています。もちろん、高校生や大学生がガンガン走っている姿も迫力はありますが、どこか義務的な雰囲気がします。

かつて私も20代から30代ころは、まさにガンガン走り込んでいましたが、今は当時の気力で走ることはできません。ところが、菅平合宿に参加しているメンバーたちは年齢に関係なく、当時の私以上の気力を持って走っています。

若い時にスポーツなどを真剣に取り組んだ経験は、その後の人生のバックボーンになるといわれています。これは自分自身の経験からもそうだと思います。しかし、燃えるような情熱を注げるスポーツ(マラソンなど)や趣味に出会うのは「年齢を重ねてからの方がその人の人生をより充実させる」と、そう感じることが多くなりました。

また、人生100年時代といわれて久しいですが、そんな視点からも楽しめることは「後出しじゃんけん」した人の方が実りある人生を送れるような気もします。もはや私自身には、一緒に40kを走る気力はありませんが、せめて一緒の空間にいることで刺激を受け続けたいです……。

2023夏を走る・12

【2023夏を走る・12】8月も後半に入りましたが、猛暑(残暑)が続いております。涼しかった北海道北見市から関東に戻り、引き続き千葉県富津市で合宿を実施しました。案の定、寒いから暑いへの移動だったので、体にはこたえました。もちろん、本当にたいへんだったのは選手たちですが……。

あらためて8月も後半に入り、いわゆる「夏の走り込み」といわれている期間も終盤です。また、走り込みを重ねてきた選手たちの体には、かなりの疲労が蓄積しています。そして、その疲労が故障や不調の主な原因にもなります。

では、その疲労についてですが、日本疲労学会が定めた定義があるようです。「疲労とは過度の肉体的および精神的活動、または疾病によって生じた独特の不快感と休養への願望を伴う身体の活動能力の減退状態である」。

つまり、運動や仕事などのし過ぎで、体と心が本来の力を発揮できない状態でしょうか。特に、夏の走り込みのような過酷なコンディション下における過度なランニングは、その最たるものといえます。したがって、ランニングを中止すれば疲労は蓄積せず、回復方向に向かうでしょう。

そして、夏の走り込みをしなければ大きな疲労感もなく、故障や不調を防止できる確率は飛躍的に高まるでしょうが、これでは秋以降のマラソンシーズンで記録更新を狙うのは難しくなります。もちろん、夏は走らない選択をすることは、多くの選手にとって現実的ではありません。

一方、夏の暑い環境下でトレーニングすることを「ヒート・トレーニング」ともいうようです。このトレーニング方法の詳細は割愛しますが、あえて暑い環境下で走り込んでいくと、「ランニングに必要な血液のはたらきが向上して筋肉に回る血液量も増え、その効果は涼しくなってからも持続する」。

このように、いまさらながら夏の走り込みは善悪の矛盾があります。すでに、夏の走り込みも終盤に差し掛かった選手たちの体に疲労が蓄積されているのは間違いありません。しかし、夏の走り込みを積んできた選手たちの体はかなり強化されているのも確かです。

そして、その疲労回復に最も効果的といわれているのが、「良質な睡眠と食事である」と多くの専門家が話しており、間違いないでしょう。厳しい猛暑(残暑)は続きそうですが、選手の皆様は疲労回復も忘れないように……。

2023夏を走る・11

【2023夏を走る・11】8月4日から北海道北見市において強化合宿を実施しましたが、現地入りした当日から天候は雨が続き、気温も20度を下回る日が続きました。したがって、選手たちは35度を超える猛暑の中で走り込んでいたので、気温が一気に20度近くも下がった環境にさらされることになりました。

もう少し具体的な表現をすると、ウォーミングアップからランシャツ・ランパンで過ごせた環境から、いわゆるウインドヴレーカーを着用していないと、体が温まらない環境です。

このようにコンディションは一気に暑いから寒いへ激変しましたが、「人は楽な方にはすぐ慣れる」とも言います。案の定、合宿2日目に実施した40k走より、後半に実施した32k走の方が個々の動きもタイムも好転しました。もちろん、疲労がたまってきている状態にもかかわらず……。

同じように暑いから寒いへの事例としては、秋からのマラソンや駅伝・ロードレースで戦うための「夏の走り込み」でしょうか。これについては、もはや日本長距離界の慣習ともいえます。要は、あえて夏の暑い季節に走り込みを実施しておくと、涼しくなっていく秋以降に向かって調子は上がっていくサイクルです(詳細は割愛)。

このように、マラソンや長距離の競技特性上、暑いコンディションよりも涼しいコンディションの方がパフォーマンスは確実に向上します。したがって、夏(暑い)から秋・冬(寒い)に向かっていく季節の流れに対しては、確立されたトレーニング理論や方法論が数多く存在します。

一方、目標にした大会などが真夏の場合、そのトレーニング方法などは、いまだ手探りの状態が続いているともいえるでしょうか。その理由はいくつかありますが、まずは選手個々の暑さに対する適応力差が大きいことです。具体例としては、秋冬マラソンの走り込み期における距離走やその設定タイムなどは多くの選手に合致しますが、夏の走り込み期に対してはその法則がほぼあてになりません(私の経験上)。

つまり、選手個々の暑さに対する「強い弱い」が色濃く出るからです。また、昨年の夏は、しっかり走れた選手でも「今年の夏は全く走れない」というように、暑いコンディション下においてはパフォーマンスの再現性も難しいと感じます。

さて、我々が最大の目標にしているパラリンピックは夏に開催されます。前述したとおり、再現性の難しい夏の大会ですが、最も重要な大会です。そして、東京パラ同様、メダル獲得の再現を達成することが目標になります。

まずは、今月27日に開催される夏の北海道マラソンで……。

2023夏を走る・10

【2023夏を走る・10】8月に入りましたが、記録的な猛暑は続いております。また、7月の平均気温(?)は観測史上最高だったようですが、実際に屋外で活動をしている者としては、まさにそう感じました。

と、言いながらランナーたちにとって、夏の走り込みを中止することなど簡単にできません。もちろん、その日のコンディションや体調を重視するので、こちらから無理強いはしませんが……。しかし、目的意識の高いランナーほど、過酷な状況に追い込まれても無理(我慢)をするのは至極当然です。

そのため、練習をサポートしながら「今日はもう限界だな」と、見受けられるランナーに対してはどんなタイミングでも「中止」を伝え、走るのをやめさせます。ところが、そんなランナーほど、その状態からさらに頑張ります。

同様に、休養後(完全休息や軽めの練習)にもかかわらず、うまく走れないランナーも意外に多く見受けます。もちろん「なぜだろう?」と、本人と話をしたり、トレーニング実績などを振り返ります。すると、こちらが把握していないところで、さらに走り込んでいたり、追い込む練習をしているケースがあります(もちろん、個々にその理由は違います)。

「夏の走り込み期」は、どのランナーも秋からのマラソンシーズンに備え、意欲的に走り込みます。その結果、前述したような不調に陥っていくランナーもいます。しかし、自主的に走り込みをするランナーほど、結果を残しているのも違いなく、不調に陥るケースとは紙一重なのも確かです。

そして、その見極めを客観的にすることがサポートしている者の役目ですが、それ以上に本人の意欲が上回っているランナーに対する対応(コーチ)は、いつの時代も本当に難しいと感じます(もちろん、そのレベルに到達しているランナーはそんなに多くない)。

さて、今年の暑くて熱い夏(残暑?)は当面続きそうですが、いろいろな意味でこちらがオーバーヒートしないよう、ランナーたちをサポートしていく所存です。

暑い日々が続きますが、皆様もお体をご自愛くださいませ……。

2023夏を走る・9

【2023夏を走る・9】先週の金曜日から土曜日の日程で、順天堂大学において強化指定選手たちの各種測定を実施しました。今回の測定は、同大学大学院スポーツ健康科学研究科教授、町田修一先生のご支援ご指導のもと、無事に実施することができました。ありがとうございました。

また、今回の測定を実施するにあたり、準備や調整などにご尽力いただいた順天堂大学大学院スポーツ健康科学研究科スポーツ健康医科学研究所長(教授)、内藤久士先生はじめ同大学院生の皆様に厚く御礼申し上げます。

コロナ禍の影響で定期的に実施していた各種測定が実施できない状況が続いていましたが、久々に選手たちの状態を数値で把握することができました。もちろん、たった1回の測定で選手たちの状態を把握することなどはできません。しかし、今回の測定を継続していくことによって、選手たちの長所や弱点などを数値で把握していくことができます。

一方、長距離やマラソンは前述した測定結果がそのままパフォーマンスに直結するとは限りません。特に、夏マラソンなど過酷なコンディション下でのレースになるほど、選手個々の内に秘めた「根性」「我慢」「忍耐」など、目に見えない要素が強く影響してくるからです(私の経験上)。

そして、勝手ながら「これらの精神力も数値化できれば」と、選手たちが炎天下で40kを走っているときなどは、いつも考えます……。

さて、今回の測定も含め、特に最大値や最高値を測定するような場面においては、かなり苦しい状態に選手を追い込みます。そして、その苦しい局面に到達したとき、選手の真横で「がんばれ!」などの声をかけることで、測定をしている選手たちはさらに高い数値を叩き出します。それもできるだけ大きな声で。また、そのような測定時には声をかけるのが一般的でもあります。

したがって、科学的な数値を測定しているにもかかわらず、最終的に効いてくるのは個々の「根性」「我慢」「忍耐」などの精神力とも言えるでしょうか。実際に力のある選手ほど苦しい局面で声をかけると、さらに粘り倒します。そして、その「精神力」にはいつも驚かされるのです。

もちろん、科学的な数値を否定するつもりは毛頭ございませんが、長距離やマラソンはどんな場面においても、この精神的な要素が見え隠れする競技特性が強いと、あらためて感じた次第です。

では、その精神力を強化するには……。今回の測定を見ていて、この古くて新しい課題を、あらためて考えるきっかけにもなりました。

引き続き、ご支援ご指導をお願い申し上げます。

◆M高史の陸上まるかじり
陸上・駅伝 – 世界の走りを体感 驚きばかりの超ハードなブラインドマラソン合宿をリポート | 4years. #学生スポーツ (asahi.com)                       

2023夏を走る・8

【2023夏を走る・8】7月15日からの3連休は、長野県上田市菅平高原において例年どおりに合宿を実施しました。ところが、涼しい高原と言っても日中の気温は30度を優に超え、厳しいコンディション下での走り込みでした。先日の北海道北見市での合宿もそうでしたが、もはや日本の夏で涼しい場所は存在しないのでしょうか……。

さて、毎年この時期の菅平合宿は、起伏の激しいロードコースとクロカンコースでの走り込みになります。つまり、合宿期間中は平地をほとんど走りません。そのため、合宿2日目は太腿などに激しい筋肉痛を訴える参加者も多く、こちらとしては、今年も狙い通りの走り込みができました。

さて、筋肉痛についてですが、そのメカニズムの詳細はいまだ解明されていないようです。しかし、ランナーならどなたでも、マラソン完走後や慣れないスピード練習などを実施した後、筋肉痛になった経験はあるでしょう。

特に、筋肉痛の多い部位としては「ふくらはぎ、太腿、臀部」の3つでしょうか。また、この筋肉痛の部位によってランニングフォームが正しいか否かの判断に用いる指導者も多く、ある程度の目安になるのは確かなようです。

かくいう私も目安のひとつにしています。特に、ふくらはぎの筋肉痛は注視する部位になります。また、ふくらはぎの筋肉痛は、一般的にはランニングフォームが悪い人に多いとも言われます。しかし、個人的にはランニング経験が浅く、筋力不足な人により当てはまると感じます。

太腿は、前側の筋肉を大腿四頭筋、後側をハムストリングと言います。どちらもランニングによって筋肉痛に陥り易い部位です。特に、今回のように起伏の激しいコースでのランニングを繰り返すと、筋肉痛が顕著に表れる部位でしょうか。

一般的に言うと、前側の大腿四頭筋は腰が落ちているなど、フォームが崩れていると痛くなり易い部位と言われています。つまり、フォーム修正を検討する目安にもなります。逆に後側のハムストリングはお尻の大臀筋とも連動して動きます。したがって、その部位の筋肉痛は大きな筋肉を使えている証拠にもなるので、フォーム的には心配ないとも言われています。

と、うんちくは様々ですが、筋肉痛になる部位や程度は個々に違います。したがって、練習日誌には走行距離やそのタイムだけでなく、筋肉痛になった部位や痛みの程度なども記録し、振り返って過去の自分自身と比較検証できるようにしておくと……。

2023夏を走る・7

【2023夏を走る・7】今年も恒例の北海道北見市において、ブラインドマラソン強化合宿を実施することができました。そして、これも例年どおり、「ホクレンディスタンス大会」の網走大会と北見大会に出場させていただきました。

まずは、ご理解ご支援いただいた北見市の皆様、大会関係の皆様に厚く御礼申し上げます。

また、強化合宿の内容もほぼ例年どおり、「徹底した走り込み」を目的に北見市へ入りました。したがって、ホクレンディスタンス大会についても、選手たちは「調整なし」の厳しい状態で挑んだのも例年どおりです。

このようにあえて記録を狙うのが難しい状況下に身を置き、どのように自分自身の現状と向き合って折り合いをつけるかは、マラソンには必要な能力です。今年もそんな目に見えない難しい課題に挑むことができました。

具体的な流れとしては、最初に網走5000mを走り、翌日は40k走。次の日の午前にスピード練習、午後は2時間走。その翌日は北見5000mの前日になるので、その日だけはフリー(各自調整)。そして、北見5000mを走った翌日の午前は42k走(起伏コース)、午後は2時間走……。

もちろん、普通に見れば、かなり無茶苦茶な流れとも言えます。しかし、毎年このような流れをキープし、北見市での強化合宿を継続してきました。その結果、2021年に開催された東京パラでは、男女ともにメダルを獲得しました。

あらためて、マラソンの練習方法は様々ですが、我々が継続してきた練習方法は、走り込んでいくほど調子が上がっていくのが特徴です。つまり、その流れを何年も継続してきたことで、選手たちの体と心がそのように変わっていったのです。

そして、今年は東京パラ前のように、8月に入ったら再び北見市で強化合宿を実施し、8月27日開催の北海道マラソンに出場します。大局的にみると、ここまでが夏の走り込みになります。

今年の夏は「現状打破」をテーマに、一層の走り込みを実施します!

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