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秋を走る Archive

期分け・53

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【期分け・53】この期分けシリーズをスタートして1年が過ぎました。大まかですが、年間を通じたマラソントレーニングの話しが少しはできたと勝手に判断しております。また、途中で話しがあちこちに飛んでしまったことをお詫び申し上げます…。と、言いながらこのまま話しを続けていきます。

さて、厳しかった残暑もようやく影をひそめ、秋らしい季節に移りました。本格的なマラソンシーズンの到来です。これから全国各地でマラソン大会が目白押しとなり、週末毎に各種大会が開催されます。同時に、マラソントレーニングに関する雑誌等もたくさん目にするようになってきます。

既に何度も話しをしていますが、マラソントレーニングに絶対はありません。もちろん、おすすめできないトレーニングもありますが、マラソントレーニングの基本は、「走ってなんぼ」です。特に、走る以前から情報過多に陥り、理論や理屈ばかりが先行しているパターンは意外に多く見受けます。

かといって、場当たり的に40kを走ったり、インターバルトレーニングに挑戦することは、怪我や故障の大きな原因になります。この点は、自分自身の走歴や走力等に合わせたトレーニングを実践してほしいところです。

前置きが長くなりましたが、前回はLSDとスピードトレーニングの関係について取り上げました。引き続き、LSDについて考えていきますが、今回からマラソントレーニングの中で、LSDをどのタイミングで組み込んでいくかを考えていきます。

はじめに、多くの市民ランナーが週末の休日にポイントとなるトレーニングを集中させています。もちろん、マラソンに向けた走り込みもこのパターンに当てはまります。そこで、この週末集中型のトレーニングパターンを検証してみます。

◆パターン1).土曜日:スピード系トレーニング+日曜日:スピード系トレーニング=X。◆パターン2).土曜日:スピード系トレーニング+日曜日:スタミナ系トレーニング=〇(土、日曜日が逆でもOK)。◆パターン3).土曜日:スタミナ系トレーニング+日曜日:スタミナ系トレーニング=〇。※「X」は、推奨できないパターン。「〇」は、推奨できるパターン。

上記のように、走歴や走力に関係なく、主に3つのパターンに集約されますが、皆さんはいかがでしょうか?

次回は、更に掘り下げていきます。

つづく。

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【絆】ロンドンパラリンピックが閉幕し、ちょうど1ヶ月が経ちました。帰国後、各種報告会や慰労会等々、慌ただしかった選手及び関係者の方々も少しは落ち着いてきた時期でしょうか。また、次のパラリンピックであるブラジル・リオに向けた課題や対策についても、より具体的な方針等がそろそろ見えてくる頃でもあります。

さて、先日の10月6日(土)から2泊3日の日程で、千葉県富津市において盲人マラソン強化合宿を実施しました。この合宿は、先日のロンドンパラリンピック強化とは別に、今年度の強化計画に予め組み込んでいたもので、特別な合宿ではありません。しかし、来年には、はやくもIPC世界陸上競技選手権がフランスで開催されます。したがって、今回の合宿はその大会に向けた最初の強化合宿でもあります。

既にご報告したとおり、ロンドンパラリンピックへは、日本盲人マラソン協会から4名の選手が選出され、それぞれが素晴らしいパフォーマンスを発揮してくれました。そして、今回の合宿には、そのロンドンで戦ってきた全盲の和田選手、弱視の堀越選手の2選手をはじめ、期待の若手選手やパラリンピックを経験したベテラン選手たちと、久々に多彩な顔ぶれがそろいました。同時に、選手を支える伴走者も箱根駅伝を目指す現役学生ランナーにも多数ご協力いただき、量と質ともに充実した合宿でした。

しかし、一方で盲人マラソンと言っても一般ランナーたちのように全国各地に何万人もの視覚障害者ランナーは存在しません。そのため、マラソンでサブスリーレベルの視覚障害者ランナーは、全国的にも今回の合宿に参加した7名のランナーと、あと数名程度と圧倒的に数は少ないのです。したがって、言葉は不適切ですが、選ばれた選手と言うより、数少ないビックリ人間と言った表現が近いかもしれません。

ところが、この4年間で本当にビックリするほど選手たちは成長しました。それは、今回の合宿でも、選手たちの粘り強い走りを目の当たりすることで、その成長を強く感じることができました。また、若い選手と話しをしている中で、マラソンに対するモチベーションが高くなっていることを強く感じることもできました。

と、言いながら来年のIPC世界陸上競技選手権をはじめ、4年後のブラジル・リオに向け、課題はたくさんあります。しかし、少ない人数でもお互いがお互いを意識し、切磋琢磨していくことで、仲間意識や絆はより深まります。そして、その深い絆こそが、選手たちを大きく飛躍させる最大のエネルギーとなり、大きな目標へと向かっていく原動力となるのです。

これから4年後のブラジル・リオを目指していきますが、仮に強化費や環境が大きく改善されたとしても世界を目指せる視覚障害者ランナーが劇的に増加することは簡単なことではないと感じます。しかし、これまで以上に選手間や伴走者との絆が深まるなら、世界との距離は更に縮まっていくと確信しております。

今後とも皆様方の絶大なるご支援ご協力をよろしくお願い申し上げます。

つづく。

期分け・52

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【期分け・52】LSDをスピードトレーニングの翌日に実施することによって、より効果的になると、前回は話しをしました。このように、2日間連続でポイント(メイン)となるトレーニングを実施することは、仕事の合間をぬってトレーニングを重ねている多くの市民ランナーにてきしたトレーニングとも言えます。それは、少ない時間でより効果的なトレーニングを実施していくためにも、週末の休日をより効率的に活用する必要があるからです。

ところで、逆のパターンはどうでしょうか?

すなわち、LSDを実施した翌日にスピードトレーニングを実施するパターンです。実は、日曜日にランニング仲間と近くの競技場や公園等に集まり、一緒にスピードトレーニングを実施するケースは多くの市民ランナーが実施しています。そのため、日曜日のスピードトレーニングを実施する前日の土曜日にLSDを組込むパターンとなります。

パターン的には、前回と同じように2日間連続で、ポイントとなるトレーニングを実施することになるのですが、体感的には微妙な違いがでてきます。具体的には、スピードトレーニングの翌日に実施した場合、疲労を回復させることと、体調を引き上げることを重視しながらのLSDでした。しかし、今回のようにLSDを先に実施し、翌日にスピードトレーニングを実施する場合、回復よりスタミナ(体力)を養成する強化的な目的が強くなります。

そのため、LSDの翌日に実施するスピードトレーニングは、身体が少し重たい感じになります。もちろん、個人差があるので、全てのランナーが同じような状況にはなりませんが、スピードが出にくくなる傾向です。

したがって、いつもと同じ設定タイムでスピードトレーニングを実施しようとしても、身体が重たく感じる分、設定タイムに到達する前にいつもと同じ苦しさを感じます。もう少し別の言い方をするなら、本来より遅い設定タイムで、いつもと同じ負荷を身体に与えることになります。

この感覚はとても大切で、前日にLSDを実施することで翌日のスピードトレーニングを速く走ることが難しくなります。しかし、身体にかかる負荷はいつもと同程度です。つまり、スピードを上げて走れない分、逆に怪我や故障防止につながるとも言えます。

このように、スピードトレーニングを軸にLSDを前日に実施するのか、後日に実施するかで、かなりの違いがあります。もちろん、どちらが効果的なのかを簡単に決めることは難しく、理論的なことはもちろん、ランナー毎の経験やデータの蓄積がより重要になってきます。

つづく。

期分け・51

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【期分け・51】今回はLSDをどのようなパターンでスピードトレーニングとセットにしていくかを考えていきます。具体的には、前回のブログの最後に記載しましたが、「スピードトレーニング+LSD」と、2日間連続で実施していく方法です。

はじめに、ここで言うLSDの時間ですが、可能であるなら100分以上ゆっくり動き続けることを推奨します。また、走るペースについてですが、目安としては笑いながら会話のできるスピードです。もちろん、それぞれの走力や走歴によってもペースは違いますが、「1kを何分ペースで走る」と、言った考え方は全く必要ありません。

更に、1人で走る場合の目安としては、口を閉じて鼻だけの呼吸で走れるペースがわかり易いと思います。これを実際に実行してみるとわかりますが、ペースを上げることは難しく、かなりゆっくりのペースで走ることになります。もちろん、この場合についても、「何分ペースで走る」と、言った考え方やとらえ方は全く必要なく、決めた時間をじっくりと動き続けることがポイントです。

実際に、スピードトレーニングを実施した翌日は、特に膝から下の筋肉を中心に疲労が残っており、人によっては筋肉痛が出ているかもしれません。したがって、いつものようにリズムよく走ることは難しくなるはずです。そのため、「スピードトレーニングの翌日にLSDができるのか?」と、不安になる方もいます。しかし、実際に走ってみると、前日の疲労も残っているので、逆にゆっくり走るしかありません。

但し、ここで重要なポイントとなるのは、自分自身の身体との対話です。いつものように、軽い体操とストレッチ後に、何気なく走りだし、その日の体調や調子に合わせてスピードを上げたり下げたりする走り方ではありません。

走っているときの意識は、常に自分自身の身体の内側に集中させて、前日のスピードトレーニングで疲労している筋肉の個所や身体の動きをしっかりと確認しながら走るのです。そのため、時計を見ながらペースを確認する余裕も少なくなり、その必要も薄れていきます。

また、このとき、手足の先までしっかりと酸素が送られているイメージを持ち、スピードトレーニングで筋肉にたまった疲労物質を汗と一緒に身体の外に押し出していくイメージで走ります。そして更に、LSDの後半に入ってきたとき、身体が少しずつ軽くなっていくような感覚がつかめてくれば、合格です。

つまり、前日の疲労を抜きながら、次のトレーニングに向けて体調を引き上げるイメージです。そして同時に、スタミナも蓄えていくようなイメージをしっかりと持ちながら走ることが、重要なポイントとなります。

つづく。

期分け・50

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【期分け・50】前回は、LSDの目的や方法について話しをしました。今回は、LSDをスピード養成期の中にどんなタイミングで取り入れていくかについて考えていきます。

はじめに、走歴の浅い方やランニングが日々の生活に定着していないような方の場合についてです。いわゆる初心者と呼ばれている方々についてですが、ゆっくり長く走ること自体が強度の高いトレーニングとなります。したがって、週末や休日はLSDのみを継続していても、十分なトレーニング効果を得ることができます。

また、このレベルの方は、スピードトレーニングを実施することが怪我や故障に直結し易くなるので、LSDを軸にしたトレーニング計画を推奨します。前回のブログでも話しましたが、LSDの効果は主に、「体内の毛細結果を発達させ、全身の筋持久力を向上させる」、「体脂肪を燃焼させ、マラソン向きのスリムな身体をつくる」の2点があります。

実は、LSDを継続し、この2点の効果がしっかりと見えてくれば、無理なスピードトレーニングを実施しなくてもそれに近い効果を得ることが可能です。もちろん、初心者の方だけでなく、マラソン経験のあるベテランランナーの方でも怪我や故障を防止していく意味でも、このLSDをもう一度見直してみる価値は大いにあります。

では、実際にスピードトレーニングとの組み合わせをどのようにしていくかを考えていきます。

ポイントは、スピードトレーニングを実施する日を基準に考えてどのタイミングでLSDを実施するかです。どんなトレーニングにも共通しますが、何を何時、どんなタイミングで実施するかの判断が最も重要になってきます。今回の場合、ゆっくり長く走るトレーニングをどのタイミングで実施するかになります。

具体的には、「スピードトレーニングを実施する日の前なのか後なのか?」、「スピードトレーニングを実施する日の前後にセットで実施するのか?」、「スピードトレーニングを実施する日から少し日にちをあけて実施するのか?」、いづれかになります。

至極当然のことですが、たかだかLSDを実施するタイミングに対しても様々な組み合わせがあり、どれが正しい方法かを簡単に判断することはできません。しかし、長年の経験や残してきたデーター等から効果の得やすい組み合わせを推奨することはできます。それは、スピードトレーニングの翌日にLSDを実施する組み合わせです。

すなわち、「スピード+ゆっくり長く」と、2日間連続でポイント練習を実施する方法です。

次回は、更に掘り下げていきます。

つづく。

期分け・28

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今回も前回からの続きで、「40k走をどんなペースで走るのか?」を考えていきます。そして、今回は具体的な数値をあげていきます。

はじめに、皆さんが狙っているマラソンの目標タイムをしっかりと、「○時間○○分」と明確にしておきます。

実は、この点を明確にしておくことはとても重要です。そして同時に、マラソンの目標タイムは常に自分自身にとって余裕のあるペースである点も重要です。前回、「ゆっくり長くのペースより速く、目標のマラソンペースより遅いペースの範囲」と話しましたが、厳密にはマラソンの目標タイム自体が常に余裕のあるペースとなります。

したがって、40k走のペースがマラソンの目標タイムより速くなったとしても人によっては、かなり余裕のあるペースとなります。もちろん、余裕があったとしてもマラソンの目標タイムを上回るような速いペースでの走り込みはご法度です。

以上の点をふまえ、40k走のペースを考えてみます。※毎度のことですが、誰にでもあてはまるとは限りませんので、あらかじめご了承願います。

◆40k走の設定ペース=マラソンの目標タイム÷ 40k=1kあたりの設定ペース。

具体例として、マラソンの目標タイムが3時間突破(サブスリー)の場合は、「3時間0分0秒÷ 40k=4分30秒/k」となります。そして、4分30秒/kのペースで40k走を実施する強度は、マラソンの目標タイム(100%)に対し、約95%の強度となります。

まさに、これがひとつの目安となりますが、「95%の強度は強すぎる」と思うランナーは多いと思います。しかし、上記したとおり、マラソンの目標タイム自体が余裕を持ったペースになるので、95%でもかなり余裕を持てるのでご安心を・・・。

また、40k走の設定タイムが「3時間0分0秒」に対し、マラソンの目標タイムが「2時間49分59秒」の場合、強度は「約90%」となります。私の経験上、この強度が、「90%~95%前後までの範囲」なら最も効率よくスピード持久力を養成していくことが期待できます。もちろん、更に強度を落とした80%~90%程度でも問題ありません。この点は、各自の走力等に応じて臨機応変に対応して下さい。

そして、この計算で導いた設定タイムに対して余裕がでてきたとしても、どんどん設定ペースをアップしていくことは様々な角度からおすすめできません。そこでこの場合、ラスト5k前後からビルドアップするようにし、負荷を調整していくようにしましょう。

つづく。

期分け・27

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前回は、40k走を実施するタイミングについて考えましたが、今回はその40k走を、「どんなペース(設定ペース)で走るのか?」を考えていきます。

実はこの設定ペースについては、「スピード持久力養成期」の核心に迫る部分です。そして、ほとんどのランナーが「最も知りたいこと」の上位にランクされていると考えますが、いかがでしょうか?

では、さっそく設定ペースについてですが、はじめに、その反対に位置する効果的ではない設定ペースについて記載しておきます。もちろん、これから記載することが絶対とは言えませんので、あらかじめご了承願います。

◆さけたい設定ペース1).目標のマラソンペース(A)より速い設定ペース(S)=A<S。◆さけたい設定ペース2).ゆっくり長くのペース(B)より遅い設定ペース(S)=B>S。

以上をまとめると、設定ペース(S)は、「ゆっくり長くのペース(B)より速く、目標のマラソンペース(A)より遅いペースの範囲=B<S<A」となります。

このように記載すると、「そんなことは誰でも知っている」とほとんどのランナーが言います。しかし、多くのランナーが実践できていない部分でもあります。そして、走り込みの量を増加させてもマラソンの記録が思ったほど短縮できないランナーの大きな原因でもあります。

具体例として、目標のマラソンペースを攻略しようと、そのペースより速い設定ペースで40k走を実施し、怪我や故障をしてしまった・・・。また、ゆとりを持ったペースで40k以上の距離を走り続けてみたが、結局はLSDのようになってしまった・・・。

皆さんは、いかがでしょうか?

特に、マラソンで3時間から4時間前後の記録を狙える走力が身についてきたランナーの多くがぶつかる壁となります。実例としては、4時間突破(サブフォー)や3時間突破(サブスリー)を、もう少しで達成できないランナーの多くが、上記した「さけたい設定ペース」に当てはまっているケースが多いと感じます。つまり、この設定ペースについては、ある程度の体力や走力が身につき、マラソンを本気で攻略したいと考えだしたときに必ず悩んでぶつかる壁とも言えます。

つづく。

期分け・26

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今回は、40k走を実施するタイミングや回数について考えていきます。

最初にもう一度、「スピード持久力養成期」の期間を確認しておくと、9月中旬から10月下旬です。次にその期間の中で週末が何回あるかを予め確認します。もちろん、その年によって若干のズレはありますが、2011年の場合、9月17日(土)から10月30日(日)までの期間となります。したがって、週末(土&日曜日)は7回となります。※この期を11月上旬まで引っ張る場合もあります。

すなわち、40k走を実施できるのは最大で7回となります。しかし、前回も記載したとおり、7週連続で40k走を実施することは無謀です。また、ここ数年は温暖化の影響もあり、9月の残暑はかなり厳しくなっているのが現実です。そのため、少なくとも首都圏エリアで、9月に40k走を実施することは、暑さによる様々なリスクが伴います。また逆に、11月に入ると走り込みの疲労も蓄積してきます。そんな体調で更に40k走を実施すると、疲労が慢性化し、11月下旬のマラソンに調子を合わせることが難しくなります。

以上のことから40k走を実施する期間として10月が最も適していると考えられますが、皆さんはいかがでしょうか?

実は、10月に走り込みを実施する流れは多くのランナーたちが実践しており、私自身の経験からも走り込みに最も適した月と言えます。そこで、今年の10月を例に40k走を実施する週末を具体的に考えてみます。

今年の10月は、日曜日が5回ありました。すなわち、最大で5回の40k走を実施することが可能でした。なかには5週連続で40k走を走破したランナーもいたかもしれません。しかし、やはり5週連続は身体への負担が大きく故障や怪我、そして疲労の蓄積から風邪をひくリスクが高まります。そこで、10月に40k走を実施する場合のパターンを週単位で考えると次のようになります。

◆パターン1).40k走→×→40k走→×→40k走(隔週に実施し、計3回)。◆パターン2).40k走→40k走→×→40k走→40k走(真ん中の週を外して、計4回)。◆パターン3).40k走→40k走→×→×→40k走(真ん中の週と次の週を外して、計3回)。

他にも40k走を実施するパターンは考えられますが、上記3つにまとめてみました。「パターン1」は、隔週にすることで身体への過度な負荷を軽減することが可能となり、安定した流れを確保し易くなります。「パターン2」は、2週連続を2回実施することで、より強度の高い流れとなって効果も期待できますが、逆に怪我や故障のリスクも高くなります。「パターン3」は、2週連続で実施した後、2週連続であける流れですが、ここに短い距離のロードレースを取り入れることも可能となり、スピード的要素を加えることができます。

このように、それぞれのパターンに一長一短あります。そして同時に、各ランナーの走力や走歴に大きく左右される点でもあり、大いに悩む点でもあります。参考までに私が携わってきた市民ランナーたちの多くは、「パターン1」か「パターン3」に近いパターンで40k走を実施しているランナーが多く、目標の記録や成績を残しています。

つづく。

期分け・25

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今回から「スピード持久力養成期」のソフト面にあたるペース走の距離と設定タイムについて考えていきますが、この期はゆっくり長く走り込むことではなく、ある距離を正確なペースで走り込んでいくことが最大の目的となります。この点はとても重要なポイントになるので、常に意識しながら走り込んでいきましょう。

では早速ですが、どんな距離でペース走を実施すればマラソンの攻略につながるのでしょうか?

最初からとても無責任な言い方になりますが、この点については様々な考え方や理論がある部分であり、判断や決断に最も迷う部分でもあります。実際に私が指導している選手たち(市民ランナー)の中には、30kまでのペース走でマラソンを攻略できたケースや、マラソンとほぼ同じ距離である40k走を取り入れることでマラソンの自己新記録を大幅に更新した選手もいます。

しかし、今回はマラソンを攻略していく上で多くのランナーに当てはあるトレーニング方法と言う意味で、40k走を取り入れる前提で話しをすすめていきます。

では次に、40k走の実施頻度として毎週1回は40k走を取り入れていく必要はあるのでしょうか?

実は、この40k走の本数や実施タイミングについても、経験や走力によって大きく異なります。例としてオリンピックを目指すような実業団選手(プロ)は、1回のマラソンを目指していく過程で40k走を10回前後は実施します。つまり、初マラソンと言ってもトレーニングの段階で既にマラソンの距離を10回以上は経験していることになります。

ところが、一般の市民ランナーが同じような回数を実施できたとしても、平日はしっかりと仕事や家事をしているが故に、計画的な身体の手入れや休養を取り入れることは思うようにいかないのが現実です。そのため、慢性的な疲労が蓄積して故障をしたり体調を崩す可能性が大幅に高まります。したがって、一般の市民ランナーが、毎週末毎に40k走を実施していく流れは逆に効率的とは言えません。

一方で、人の身体は一度スタミナ切れ等の壁を経験すると、身体の中でスタミナを蓄えようとする働きが大きくなります。そして、次に同じような壁に再びぶつかった場合、意外と簡単に乗り越えるケースを実際に多く見てきました。そのため、40k走を10回も実施することは負担が大き過ぎるとしても、何度か適正なスピードで実施することは、マラソンに必要な「スピード持久力」を向上させるための有効的な手段であると考えられます。

次回はどのタイミングで40k走を実施するかについてです。

つづく。

期分け・24

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「スピード持久力養成期」のハード面として、◆1).正確な距離を測定した練習コースを確保する。◆2).アップダウンのあるコースについては、走る前に必ず路面や傾斜の状況等を確認しておく。・・・以上のように、大きく2つのポイントについて考えました。

これらについては、実際にマラソントレーニングを実施する際、トレーニングの量や強度を導き出す上で必要不可欠な重要事項となります。また、ペース走を軸にマラソントレーニングを計画どおり積み重ねているにも関わらず、思うような記録や成績を残せないランナーの多くは、上記の2つが抜けている可能性があります。もう一度、トレーニングコースについてチェックしてほしいと思います。

さて、今回からは、「スピード持久力養成期」のソフト面を考えていきます。はじめに、ここで言うソフト面とは主にペース走の距離や設定タイムのことを指します。実は、どんなレベルのランナーでもまず最初に考えることは、「どんな距離をどんなペースで走り込めば、マラソンの記録につながるのか?」と思いますが、皆さんはいかがでしょうか?

つまり、このことがマラソンを成功させるための最も重要な部分であり、同時に様々な方法や考え方があるところでもあります。そして、ここで大切なことは、どのトレーニング方法が正しいとか正しくないとかではなく、自分自身に合っているか否かを見極めることです。具体的には、実際の走力や走歴はもちろん、トレーニング環境や生活環境を加味した上で、そのマラソントレーニング方法が自分自身に合うか否かを判断することが重要です。

と、言いながら多くのランナーは常に考えている部分であり、実際のマラソントレーニングを積み重ねていくと、逆に大きくブレてくる部分でもあります。そこで、スピード持久力養成期の具体的なトレーニング方法を考えていく前に、共通した注意事項を最初にあげておきます。

◆注意1).一気に走行距離を増加させない。→ 故障や怪我を防止する。◆注意2).必要以上に速いスピードで走り込まない。→ 気持ちと身体にゆとりを持って、短期間で燃え尽きないようにする。◆注意3).場当たり的に走り込んでいかない。→ 日々のトレーニングはメリハリを付け、慢性的な疲労を蓄積させないようにする。

他にも細かく注意することはありますが、少なくとも上記のことは常に意識してほしいところです。

次回からは、今回の注意事項も取り込みながら具体的なソフト面を考えていきます。

つづく。

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