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2008-12-09

心をつなぐ

本格的なマラソン&駅伝シーズンの到来です。既に全国各地で各種マラソン大会が開催されており、これから年末年始にかけテレビ中継も増えてきます。特に、その中においてもすっかりお馴染みとなった正月の箱根駅伝は、長時間中継にも関わらずたいへんな盛り上がりを見せ、駅伝ファンを釘付けにしています。そして、その影響もあってか全国各地で市民マラソン大会同様に各種駅伝大会も盛んに開催されるようになってきております。

そこで今回は、その駅伝の魅力について少し考えてみます。

最初によく人生をマラソンに例える話を耳にします。それは全員が一斉にスタートし、他人と競い合ったり、自分のペースを守ったりしながらゴールを目指す姿は、人生そのものに似ているからでもあります。ところが、マラソンは途中であきらめたり、リタイヤすることができます。実は私も過去に数回、途中リタイヤの経験があります(涙)。

しかし、駅伝は原則として途中で投げ出すことはできません。それは、懸命に頑張ってきた仲間から受継いだタスキを、自分を待っている次の仲間に必ず渡さなくてはいけないからです。つまり、ゴールに向かって走ることに、「タスキをつなぐ責任」が加わるのです。

実はこのようにレース途中、自分の意思で自由にリタイヤできるマラソンより、自分の意思とは関係なくタスキを絶対に次の走者につなぐ責任が伴う駅伝こそが、より人生に近いと言えないでしょうか?

実際に駅伝中継を拝見していると、何人ものライバルたちをゴボウ抜きし、一躍ヒーローになる選手がいます。一方、体調不良等の影響なのか、期待された走りとは程遠い内容にタスキを渡したあと、その場で倒れ泣き崩れている姿が画面にうつし出されることも多々あります。そして、その一喜一憂している選手たちの姿や思いは、私たちの心まで確実に届きます。それは私たちの人生と重なる部分が多いからではないでしょうか?

また、どんな駅伝大会でもチームメートからの期待、家族や仲間たちからの応援・・・等々、タスキを受け取るまでの重圧やプレッシャーはマラソンとの比ではありません。更に、トップでくるのか?競り合ってくるのか?・・・どんな状況でタスキを受け取るのかを自分の意思で決めることはできません。つまり様々な状況を想定し、どんなレースの流れになったとしても、しっかりと自分自身の走りに徹することのできる強い精神力も要求されます。・・・と、そんな駅伝は、まさに人生そのものと感じてしまいます。

そしてこれから、中学生から社会人まで様々な駅伝大会が目白押しとなります。もちろんテレビ中継もたくさんあります。そんな状況の中、選手たちには周囲からの期待や重圧がどんどんかかってきますが、選手たちは頑張らないはずはありません。しかし、上記で述べたように結果の明暗がはっきりするのも駅伝です。だからそこ応援する皆様には、結果の良し悪しに関係なく全力を尽した選手たちを暖かく迎え、ねぎらってほしいと思います。

選手たちはどんな結果であろうと、その駅伝で経験したことを心と身体に刻み、必ず自分自身の人生に活かしていくのだから・・・。

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