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2013-10-28

期分け・73

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【期分け・73】前回からの続きです。マラソンに向けた走り込みは「ペース感覚(走り込み)」を身につけるためには余裕を持ったペース、すなわち「甘さ(遅い=楽)」に対し敏感になれるか否かが、重要なポイントのひとつとなります。

その大きな理由のひとつとして、マラソンを走り切るには、まずはスピードよりスタミナ(持久力)がないと完走することができないからです。これは、オリンピックを目指すレベルの選手でも考え方は同じで、世界記録ペースで前半を通過してもゴールまでそのペースをキープするスタミナ(持久力)がなければ世界記録やメダルを手にすることはできません。

そして、そのスタミナ(持久力)を身につけるには、それ相応の距離と時間をかけて走り込むことが必要不可欠です。同時に、常にマラソン自己記録のペースで長距離や長時間の走り込みができたなら最も理想的ですが、人は「辛さ(速い=きつい)」に敏感です。したがって、能力限界の設定タイムは怪我や故障のリスクが格段にアップするのと、メンタル的にバーンアウト(燃え尽きる)してしまうリスクが大きくなります。

実は、公務員ランナーの川内優希選手が、毎週末のレースを活用して常にレースペースの走り込みを実施するトレーニング方法で結果を残しています。しかし、川内選手以外でその方法を選択している実業団選手(プロ)はほぼ皆無です。また、レースを活用した走り込みは、見かけや考え方はシンプルですが、国内では川内選手のみが結果を残せている極めて難易度の高い調整方法とも言えます。※私的にはリスクが高く、おすすめできない調整方法です。

以上のことからマラソンを攻略していく上での「ペース感覚(走り込み)」は、逆に設定ペースを落として長距離や長時間じっくりと走り込んでいく方法が、実はリスクも少なく最も近道であると考えます。そして、そのポイントが「甘さ(遅い=楽)」に対し敏感になることです。

これまでもこの「期分け」シリーズを通じて考えてきた内容と繰り返しになる部分も多々ありますが、「ペース感覚(走り込み)」を身につけていく重要な要素として、「時間」と「距離」のふたつに大きく分けることができます。

どちらも似たような感じを受けますが、ある一定の時間を走るのと、ある一定の距離を走るのでは、求めらられるペース感覚が微妙に違ってきます。そして、マラソンを攻略していく上でどちらも必要不可欠な要素になります。

次回からそれぞれについて考えていきます。

つづく。

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