【11月を走る・4】先週の土曜日から千葉県富津市富津公園において強化合宿を実施しました。今回の強化合宿は、金メダリストの道下選手、銅メダリストの堀越選手ともに参加し、ようやく全体の足並みも戻ってきました。また、両選手とも東京パラリンピック後は、トレーニング以外の忙しさも重なっていたので、「今回の強化合宿は怪我をしなければ良し」と考えていましたが、両選手ともしっかりと先頭を走っていました。「さすがはメダリスト」と、あらためて感心した次第です。
さて、話しは変わりますが、パリパラリンピックで実施される競技種目が発表されました。その結果、我々のブラインドマラソン(男女T12クラス)は東京パラリンピックと同様に実施されることが決定しました。まずはひと安心です。実は、パラリンピック実施種目は大会ごとに見直します(競技種目を減らすことが多い)。そのため、パラリンピックが終わるごとに、「我々のブラインドマラソンは、次大会も実施されるのか?」と心が休まりません。
ここで、ブラインドマラソンについての歴史を簡単に振り返ると、2004年アテネパラリンピックまでは、3クラス(T13、T12、T11)とも実施されていました。そのため、1996年アトランタパラリンピックと2004年アテネパラリンピックにおいては、T11クラスで金メダルを獲得しています。
つまり、2004年アテネパラリンピックまでは、ブラインドマラソンT11クラスは「日本のお家芸」と呼ばれるほどでした。ところが、2008年北京パラリンピックからブラインドマラソンの実施種目は「T12クラスに集約」されます。その結果、T13クラスの選手たちはパラリンピックのマラソンへの道が閉ざされ、T11クラスの選手は障がいの軽いT12クラスの選手と一緒に戦うことになったのです。
その2008年北京パラリンピックでは、日本ブラインドマラソン初の「メダル&入賞が0」と惨敗しました。しかし、そこから強化体制を立て直し、2012年ロンドンパラリンピックでは出場した男子3選手が全員入賞。続く、2016年リオパラリンピックでは、初採用された女子T12マラソンで銀メダル、男子が銅メダルを獲得するまでに復活しました。
そして、今回の東京パラリンピックにおいては、パラリンピック日本女子マラソン初の金メダル、男子は2大会連続の銅メダルと、目標どおりの結果を残すことができました。また、上記したようにパリパラリンピックでもブラインドマラソン(男女T12クラス)は実施されることが決定したので、引き続きたんたんと強化活動を継続していくことができます。あらためて、関係者の皆様に感謝です。
一方、今回の東京パラリンピックで金メダルを獲得した男子T52クラスの1500mや銅メダルを獲得した男子T46クラスのマラソンは、パリパラリンピックでは実施されないことも決定しました。ある意味、パラリンピックは厳しくて残酷な世界でもあるのです。
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