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スピードトレーニング Archive

期分け・8

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マラソンの自己記録を短縮するには、10kやハーフマラソンの記録短縮がポイントになる話をしてきました。もちろん、これ以外にもマラソンを攻略していく上で大切な要素は様々ですが、今回からマラソンにつながる10kの記録について考えていきます。

はじめに、持久係数についてもう一度説明しておきますが、10kの何倍でマラソンを走れているかの係数をさします。そして、その係数はランナー毎の走力にもよりけりですが、概ね4.50~5.00程度の間におさまります。もう少し細かく見ると、国際マラソンに出場するような走力の高いランナーの場合、持久係数は4.50の方に近づいていきます。逆に完走することが目標となるような走歴の浅いランナーは5.00をこえている場合もあります。

さて、話を少し脱線させ、ここで日本記録と世界記録についての持久係数を見てみます。

マラソンの日本記録は高岡選手が2002年にマークした2時間6分16秒です。1万mについても高岡選手が2001年にマークした27分35秒が現在も残っており、高岡選手の持久係数は4.58となります。一方、マラソンの世界記録はゲブレセラシェ選手が2008年にマークした2時間3分59秒です。そして、ゲブレセラシェ選手の1万mは26分22秒で、持久係数は4.70になります。※ボストンマラソンの記録は、コースの設定が公認規格から外れており、未公認記録となります。

更に、ゲブレセラシェ選手が高岡選手と同じ持久係数だったとしたならマラソンの記録は、2時間00分46秒となります。そして、ゲブレセラシェ選手が2時間を突破するための持久係数は4.55となります。これは単なる数字上の話になりますが、1万mを26分30秒前後のスピードで走れるランナーが、持久係数4.50に相当する持久力を身につけると、理論上はマラソンで2時間を突破できることになります。

私の個人的な考えですが、男子マラソンについては2時間を突破するための肉体的条件は既に整いつつあると感じます。あとはハード面としてペースメーカーの途中交代を可能にしたり、高低差のない短い周回コースで気象条件が整えば・・・。

同じく日本人選手についても、高岡選手の日本記録を上回る27分30秒のスピードがあり、持久係数を4.50~4.60相当でマラソンに挑戦した場合をシュミレーションしてみます。

持久係数が4.58の場合、2時間5分57秒となります。そして、持久係数が4.50に到達すると、2時間3分45秒で今の世界記録を上回ることになります。もちろん、これについても単なる数字上の話となりますが、これからも日本人選手がマラソンで世界と勝負していける余地は十分に残っていると言えます。

つづく。

期分け・7

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前回は、持久係数から「10kはマラソンを走るための指標となるスピード」と話をしました。

実は、ハーフマラソンからも10kと同じような考え方をしていくことができます。しかし、走歴の浅いランナーを中心に多くのランナーは、ハーフマラソンの距離を最後まである一定のスピードを維持しながら走り抜くことはかなり難しいと感じます。

なぜならスタートから勢いよく飛び出していくと、後半はマラソンの30k以降と同じように大幅なペースダウンをするランナーが意外と多いからです。つまりスピード強化のために出走したハーフマラソンにも関わらず、結果的にはスタミナ不足まで露呈してしまうのです。

そこで逆に、後半のペースダウンを防止するために前半を抑えて走るようにします。ところが、今度はペースをつかめず自分自身のマラソンペースと同じようなスピードにはまってしまうランナーが多く、これではスピード養成の意味合いが薄れてしまいます。

このようにハーフマラソンは、マラソンを走るためのスピード養成として捉えていくにはかなりの経験と走力が必要になると、少なくとも私はそう考えます。

また、大会を申し込む段階で「同じ参加費を払うなら少しでも長い距離を走らないともったいない」と考えている人も意外と多いのでは?

皆さんはいかがでしょうか?

このような考え方で大会に参加していくと、年間を通じてハーフマラソン以上のレースしか走っていない状況に陥っていきます。単に、大会に参加することが目的の人ならそれも由ですが、上記したとおりハーフマラソンなのにマラソンに近いペースとレース展開を繰り返す可能性が高くなります。その結果、スピード養成の目的から逸脱していき、マラソンの記録も頭打ちになっていきます・・・。

さて、長々とハーフマラソンを否定するような話となりましたが、ハーフマラソンを走るなと言っている訳ではありません。ハーフマラソンを通じてスピード感覚を身につけていくのは簡単なことではなく、むしろレースでの走り方とすればスピード加減が難しい距離と理解しておくことが必要なのです。※ハーフマラソンについては別の機会にあらためて考えていきます。

次回からは、スピード養成期の10kについて掘り下げていきます。

つづく。

期分け・6

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今回から「スピード養成期/4月~7月」について考えていきます。

最初に、スピード養成期のスピードとは何を指すのかをある程度明確にしておきます。既に何度かこのブログでも記載してきましたが、最終的な目標はマラソンになります。従って、マラソンを速く走るためのスピードにならなくてはいけません。つまり、単に100mを速く走るためや運動会の徒競走で1番になるためのスピード養成ではありません。

では、あらためてマラソンを走るためのスピードとは何を指すのでしょうか?

そのヒントは持久係数にあります。この持久係数についても何度か記載してきましたが、10kやハーフマラソンの自己記録に対し、その何倍でマラソンを走れたかの係数です。具体例として、マラソンを2時間59分59秒で走るランナーが2名いたとします。Aさんは10kのベストタイムが39分00秒、Bさんの10kは38分00秒です。そこでふたりの持久係数を計算すると次のようになります。

◆Aさんの持久係数=2時間59分59秒÷39分00秒≒4.61

◆Bさんの持久係数=2時間59分59秒÷38分00秒≒4.73

これを簡単に説明すると、上記のようにマラソンの自己記録が同じ場合、持久係数の小さい方が持久力に優れていると一般的には判断します。つまり上記の例で言うと、Aさんの方が持久力が高いことになります。更に、Aさんが今の持久力を維持したままBさんと同じ10kの記録をマークしたなら次のようになります。

◆Aさんのタイム=4.61(Aさんの持久係数)×38分00秒(Bさんの10k)≒2時間55分10秒

このようにAさんが10kのタイムを1分短縮できたなら、理論上はマラソンの自己記録を4分50秒も更新することが可能となります。もちろん全てが理論どおりにはいきませんが、10kのタイムを短縮することはマラソンの記録短縮へとつながる重要なポイントのひとつであることは間違いありません。そして同時に、10kはマラソンを走るための指標になるスピードと位置付けることができます。

つづく。

再びトレーニング計画・15

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「再びトレーニング計画」として、スピード養成期のインターバルトレーニングについて考えてきましたが、今回はこれまでのポイントをまとめてみます。

◆Q1).インターバルトレーニング(ショート)の基準となる記録は?◆A1).5kの自己記録(又はその時点の走力)を基準とします。5kの記録が不明の人は、10kの記録から1分をマイナスし、それを2で割った記録を目安にします。※5kの記録=(10kの記録-1分)÷2。

◆Q2).インターバルトレーニングの疾走する本数(トータル距離)は?◆A2).疾走する合計距離が3kになるようにします。具体的には、200mなら3000m÷200m=15本、300mなら3000m÷300m=10本、400mなら3000m÷400m≒8本。

◆Q3).各疾走する距離に対する設定タイムの目安は?◆A3).A1で参考にした5kの記録を1割速くし、それを各疾走する距離に換算した時間を設定タイムとします。具体例として、5kを20分で走れる人の場合、1割速い記録は18分です。それを各疾走距離に換算すると、200mなら43.2秒、300mなら64.8秒、400mなら86.4秒。

◆Q4).1本目を疾走し、次の2本目を疾走するまでのリカバリー(休息)は?◆A4).リカバリーは原則として距離ではなく時間で管理します。即ち、A3で導いた各設定タイムと同じ時間だけ休息することが、基準となります。そして、疾走する時間とリカバリー時間を合わせて1サイクルとし、トータル時間で管理していきます。具体的には、200mは43.2秒×2=86.4秒≒90秒/本、300mは64.8秒×2=129.6秒≒130秒/本、400mは86.4秒×2=172.8秒≒180秒/本。

以上のように大きなポイントは、4つとなります。

更に、それを実施した結果、楽に感じるようなら、A3で導いた設定タイムを速くするのではなく、リカバリーを短くしていくようにします。具体的には、A4で計算した1サイクルの時間を10秒ずつ短縮していくようにします。また、逆に苦しく感じるなら設定タイムを遅くしていくのですが・・・、それよりもA1で基準とした5kの記録をひとランク遅くし、設定タイムを再計算した方がより効果的と言えるでしょう。

さて、ここまでスピード養成期のインターバルトレーニングについて考えてきました。もちろん、疾走本数や設定タイムの導き方については、指導するコーチや各ランナーによって様々です。また、他にも心拍計の付いた腕時計を活用し、適正強度を導き出す方法もありますが、そのどれもが絶対でもなく、間違いでもありません。

しかし大切なことは、最後まで余裕を持って計画どおりにやり遂げる(継続する)ことではないでしょうか。そして、このシリーズでも記載した「速くなりたいから、常に速く走る」から「速くなりたいなら、ゆとりを持ちながら継続して走る」へと、考え方をシフトしていくことは、マラソンを攻略していく上で、重要なポイントのひとつであると考えます。

再びトレーニング計画・14

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前回は疾走する距離(時間)とリカバリー(休息)を、1サイクルとして考えていく話しをしました。今回は、疾走する距離を200mから400mのショートインターバルに絞って考えていきます。

では、何を基準にして、どんな設定タイムで疾走すれば良いのでしょうか?

もちろん様々な考え方がありますが、その基準となる距離を5kとします。そして、その5kの記録から1割速い記録を、ショートインターバルで疾走する設定タイムとしていきます。

具体例として、5kを20分で走る人の場合、1割速い記録は18分です。18分を各距離に換算すると、200mなら43.2秒、300mなら64.8秒、400mなら86.4秒、これらが設定タイムとなります。更に、リカバリーについては、疾走するタイムと同じ時間で設定します。

1本毎のサイクルタイムとしてまとめると、◆1).200mの場合、43.2秒×2=86.4秒≒90秒/本。◆2).300mの場合、64.8秒×2=129.6秒≒130秒/本。◆3).400mの場合、86.4秒×2=172.8秒≒180秒/本。・・・以上が、5kを20分で走る人の目安となります。

そして実際に、上記のサイクルタイムを基準に疾走すると、苦しく感じたり、楽に感じたりします。その場合の調整方法は次のように考えていきます。

はじめに、楽に感じた場合です。この場合、1サイクルタイムを10秒短くし、疾走するタイムは同じにします。即ち、休息時間であるリカバリーを短縮します。それでも余裕がある場合は、更に10秒ずつ短縮していくのです。

ここで重要なポイントは、疾走するタイムを速くするのではなく、リカバリーを短くしていくことで、トレーニング強度をアップしていくことです。

次に、苦しく感じた場合ですが、疾走する設定タイムを2秒から4秒遅くし、トータルの1サイクルタイムについては同じとします。つまり、疾走するタイムにゆとりをもたせ、リカバリーを少し短くします。

ところが、それでも苦しく感じる場合は、基準とした5kのタイムに走力が、到達していない可能性が高くなります。この場合は、基準となる5kの記録をもう少し引き下げ、そこから各設定タイムを再計算するようにします。

つづく。

再びトレーニング計画・13

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今回からインターバルトレーニングのリカバリー(休息時間&方法)について考えていきます。

はじめに、インターバルトレーニングで最も重要なポイントを考えたとき、皆さんはどこに置くでしょうか?

おそらく、ほとんどの人が、疾走する設定タイムや本数等を中心に考えると思います。もちろん、それらのことが重要なことに違いありません。しかし、最も注意が必要な点は、1本目を疾走し、2本目を疾走するまでのリカバリー(休息時間&方法)となります。

実は、インターバルトレーニングの強度も、このリカバリーの時間と方法でほとんど決まってしまいます。具体的には、400mを8本実施する場合、1本毎のリカバリーを200mのジョギングで回復させるか、400mにのばして回復させるかの違いによって、トレーニング強度が大きく変わります。もちろん、リカバリーの時間や距離を短縮していくほど、トレーニング強度はアップし、苦しさも増してきます。

それでは実際に、リカバリーの時間と方法を考えていきます。

リカバリーの一般的な考え方として、ある一定の距離を一定のスピードでジョギングする方法が代表的です。例として、400mを疾走したあと、200mを60秒でジョギングし、次の400mを疾走します。しかし、一般的なこの方法の場合、特に市民ランナーの多くが次のような問題に直面します。

◆1).リカバリーのスピードが遅くなったり、速くなったりと、同じ200mのジョギングが一定しない。※適切な強度を保てない。◆2).仲間たちと実施した場合、リカバリーのスピードが違い過ぎて、一度遅れると追い付けなくなる。※走力やレベルの違う仲間と、一緒に走るのが難しい。

以上のようなトラブルは、実際に多くの練習会で発生しており、苦しんだ割には記録に結び付かない人の代表的な原因にもなっています。そこで、次のような考え方にシフトすることをおすすめします。

◆3).リカバリーを時間のみで管理する。※強度を一定に保てる。◆4).疾走時間とリカバリー時間をセットで1本とし、時間管理する。※1本目のゴール地点から2本目のスタートが可能となるので、走力の違う仲間とも一緒に競い合える。

このように、疾走する距離とリカバリーをセットで考えていくことで、常に一定の強度を保つことが比較的容易になります。そして、重要なポイントとして、疾走する距離もリカバリーも時間管理にし、それを合わせた時間を1本毎のサイクルタイムとして本数を重ねていくことです。

つづく。

再びトレーニング計画・12

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今回は、3kを基準にしたインターバルトレーニングを考えていきます。

最初に、インターバルトレーニングの代表的な疾走距離と本数を、トータル距離が5kの場合と3kを比較してみます。◆1).200mの場合、25本から15本へ。◆2).400mの場合、13本から8本へ。◆3).1000mの場合、5本から3本へ。・・・以上のように本数的には、かなり軽減されます。

ここで、私の経験から話をすると、陸上競技の経験が少ない一般的な市民ランナーの多くは、このインターバルトレーニングの本数に対し、かなりのストレスを感じる傾向にあります。具体的には、疾走距離が400m以下の場合、10本より多くなると、肉体的な苦痛より精神的なストレスをより強く感じるようになります。同じく800mをこえるような疾走距離の場合、3本程度をこえてくると、同様なストレスを感じる人がより多くなってきます。かくいう私も本数に対し、常にストレスを感じていました(涙)。

更に、ストレスを強く感じるトレーニングは、コンスタントに継続していくことが困難になってきます。例として、毎週水曜日にインターバルトレーニングを実施しようと決めたとします。ところが、疾走本数が多過ぎるため長期スパンで継続することが難しくなり・・・、最終目標のマラソンにまで影響している人も意外と多く見受けられます。

また、1本あたりの疾走する設定タイムについては、5kの記録から導き出した記録を、3kで計算した上記の本数で実施します。例として、5kを20分で走れるランナーが、1000mのインターバルトレーニングを実施する場合、1本あたりの設定タイムは「4分00秒」、本数は「3本」となります。それは、肉体的なゆとりにもつながります。

3kを基準にしたインターバルトレーニングのメリットについてまとめると、◆1).疾走する本数が軽減されることで、精神的なストレスも軽減される。◆2).疾走する1本あたりの設定タイムは、5kから導き出した記録で実施することで、肉体的なゆとりもできる。

このように、マラソンを目標にしたスピードトレーニングについても、心身ともに余裕を持って長期継続していくことは、重要なポイントとなります。

そして、「速くなりたいから、常に速く走る」から「速くなりたいなら、ゆとりを持ちながら継続して走る」に、考え方をシフトしていくことは、ランナーにとって必要不可欠と考えます。

次回は、3kを基準にした少ない本数で更に効果を高めるための、リカバリー(休息)の時間と方法について考えていきます。

つづく。

再びトレーニング計画・11

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前回、「効果的なインターバルトレーニングとして、トータル走行距離が5kになるよう、1本あたりの疾走距離とその本数を調整することが、ひとつのポイントである」と、話をしました。しかし一方で、その距離に合わせた本数だと多すぎて、定期的に継続していくことが、難しくなってしまうケースが多いのも事実です。

また、このスピード養成期だからこそ5kのレースを積極的に走ったり、5kのタイムトライアルに挑戦する人も多数います。ところが、思うようにタイムが縮まらず悪戦苦闘している人が、意外に多いとも感じます。

皆さんは、いかがでしょうか?

実は、5kの記録短縮を目指し、それに見合ったスピードを身につけるための重要な指標となる距離があります。もちろん、まずはその距離を確実に走れないと、5kの記録更新は難しくなります。そして結果的には、10kの記録へも影響し、最終的にはマラソンの記録にも響いてくる可能性もあります。

さて、回りくどい話をしましたが、その指標となる距離は、3kです。

実際の例として、5kレースやタイムトライアルを拝見していると、3k手前で失速していく人を多く見受けます。同時に、このレースパターンを繰り返している間に、5kや10kレースに対する苦手意識が徐々に芽生えてきます。そして更に、短い距離のレースを敬遠するようになり、最終的にはマラソンの記録が低迷する原因のひとつにもなってくるのです。

このように、5kを基準にしたスピード養成が、逆に仇となるケースもあるのです。

更に別の見方をすると、3kを確実に走りきれるか否かは、5k~10k程度のレースを攻略していく上で重要な指標とも言えます。つまり、この3kをインターバルトレーニングの基準にすることで、5kに対する苦手意識を持っている人にとっても、より効率的なスピードトレーニングの実践につながっていくと考えます。

つづく。

再びトレーニング計画・10

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前回からの続きで、5kのスピードをアップするためのスピードトレーニングについて考えていきます。もちろん、単に5kの記録更新を目指していくことだけが目的ではありません。このスピード養成期は、心肺機能を高めることが最大の目的です。この点をしっかりと押さえ、単に記録や結果だけに一喜一憂しないようにしましょう。

さて、スピード養成期の代表的なスピードトレーニングと言えば、もちろんインターバルトレーニングとなります。そして、そのインターバルトレーニングの基準となるスピードは、やはり5kのベストタイムです。これは、インターバルトレーニングの本数や設定タイムの基準にもなり、その効果や成果は様々な角度から既に実証されています。※専門的な説明は割愛します。

具体的には、インターバルトレーニングの本数として、疾走する距離の合計が5kになるようにします。そして、疾走するタイムは5kのベストタイムを疾走する本数で割り返したタイムがベースとなります。例として、5kのベストタイムがちょうど20分のランナーが、1000mのインターバルトレーニングを実施するケースで考えると、次のとおりになります。

◆1).本数=5k÷1k=5本。◆2).設定タイム=20分÷5本=4分。

つまり、5kのベストタイムが20分のランナーが、1000mのインターバルトレーニングを実施する場合、1本あたりの設定タイムを4分とし、休息を入れながら5本疾走するのがひとつの目安となります。同じように、400mのインターバルトレーニングの場合、本数は12本~13本となります。更に、200mのインターバルトレーニングについては、25本の本数を実施する必要がでてきます。

ところが、実業団選手(プロ)や学生選手ではない、市民ランナーがこれだけの本数を淡々と実施していけるのでしょうか?更に、この内容のインターバルトレーニングを毎週定期的に継続していけるのでしょうか?

少なくとも私の経験上、かなりの走力がある市民ランナーでも、定期的に継続していくことは難しいと感じます。つまり、定期的に継続できないトレーニングは、どんなに苦しくても狙った効果や成果を望むことは難しいとも言えます。

そこで、次回は実践可能なインターバルトレーニングを、更に考えていきます。

つづく。

再びトレーニング計画・9

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今回からスピード養成期に実施するスピードトレーニングに話しを移していきます。特に、スピード養成期のメインとなるインターバルトレーニングについて考えていきます。

実は、このブログでも何度かインターバルトレーニングについて記載しています。そして、これから考えていく内容は過去に記載した内容と同じこともでてきます。しかし、その点については逆に重要なポイントだからでもあり、再度考えていきたいと思います。

では最初に、スピードトレーニングと言っているそのスピードとは、何のスピードを指しているのでしょうか?また、何を基準にしたスピードのことを言っているのでしょうか?

前回までスピード養成期のレースについて考えてきましたが、「レースの距離は、5k~10k程度がベストである」と話しをしました。つまり、スピード養成期に実施するスピードトレーニングの目的は、「5k~10kのレースをスムーズに走りきるため」となります。そして、それに対応するためのスピードを身につける有効な手段がインターバルトレーニングであり、それを活用していく方法をこれから考えていきます。

さて、以前にこのブログでインターバルトレーニングを取り上げた時期は、秋から冬のいわゆる「マラソン期」でした。そのためトレーニングの流れも30k以上の距離走を定期的に取り入れ、持久力を養成する方がメインでした。つまり、マラソンに直接影響してくるスピードとして、10kのベストタイムを基準としました。

しかし、春から初夏にあたるこのスピード養成期については、その10kをよりスムーズに走るためのスピード養成が目的となります。そこで更に短い5kのベストタイムを基準としていきます。もちろん、10kと5kで基本的な考え方が大きく変わることはありません。

ところが、10kのレースは経験しているが、「5kを全力で走ったことはない」と言う人は、どうしたら良いのでしょうか?また、そのような人は意外に多いと感じるのですが、いかがでしょうか?

そんな人たちの有効的な対策として、5kのタイムトライアルを実施する方法が最も手軽で良いのですが、それより前回紹介した「10kの記録=(5kの記録×2倍)+1分」を応用します。具体的には、「(10kの記録-1分)÷2」から5kのタイムを導き、それをインターバルトレーニングの基準タイムとしていく方法です。

つづく。

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