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期分け・86

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【期分け・86】前回から引き続きトラック競技についてですが、今回も話を脱線し、記録について考えてみます。はじめに、トラック長距離種目とマラソンの世界記録と日本記録を記載します。

◆男子世界記録:5千メートル/12分37秒35(2004年)/ベケレ選手(エチオピア)、1万メートル/26分17秒53(2005年)/ベケレ選手(エチオピア)、マラソン/2時間3分23秒(2013年)/キプサング選手(ケニア)。◆女子世界記録:5千メートル/14分11秒15(2008年)/ディババ選手(エチオピア)、1万メートル/29分31秒78(1993年)/王選手(中国)、マラソン/2時間15分25秒(2003年)/ラドクリフ選手(イギリス)。

◆男子日本記録:5千メートル/13分13秒20(2007年)/松宮選手、1万メートル/27分35秒09(2001年)/高岡選手、マラソン/2時間6分16秒(2002年)/高岡選手。◆女子日本記録:5千メートル/14分53秒22(2005年)/福士選手、1万メートル/30分48秒89(2002年)/渋井選手、マラソン/2時間19分12秒(2005年)/野口選手。

あらためて記載すると、意外と古い記録ばかりが残っており、男子マラソンの世界記録以外は停滞している感じがしますが、ベケレ選手の世界記録はとにかく速いです。ベケレ選手の5千メートルを100mあたりのペースにすると、「15秒14」の速さになります。これをトラック1周、すなわち400mに換算すると、何と「60秒56」!

もう少し具体的に説明すると、トラック1周を約60秒ペースで12周半も走り通したことになります。トラックでインターバルトレーニングを実施するとき、400mを60秒ペースで休息を入れながらも12本実施できるランナーは、日本のトップランナーでも多くないと思います。しかしベケレ選手はそのペースで5千メートルを走り切ってしまうのです。もはや、100mの世界記録より凄いことかもしれませんね。

さて、少し見方を変えて5千メートルと1万メートルの記録について考えてみます。以前にもこのブログで取り上げたことがありますが、次のような関係になります。「5千メートルの記録×2倍+1分=1万メートルの記録」、これを上記した世界記録と日本記録に当てはめてみます。

◆男子世界記録:12分37秒35×2倍+1分=26分14秒70≒26分17秒53(+2秒83)。◆女子世界記録:14分11秒15×2倍+1分=29分22秒30≒29分31秒78(+9秒48)。◆男子日本記録:13分13秒20×2倍+1分=27分26秒40≒27分35秒09(+8秒69)。◆女子日本記録:14分53秒22×2倍+1分=30分46秒44≒30分48秒89(+2秒45)。

次に、1万メートルの何倍でマラソンを走ったかを目安にした持久係数で比較すると次のようになります。

◆男子世界記録:2時間3分23秒÷26分17秒53=4.69。◆女子世界記録:2時間15分25秒÷29分31秒78=4.59。◆男子日本記録:2時間6分16秒÷27分35秒09=4.58。◆女子日本記録:2時間19分12秒÷30分48秒89=4.52。

この持久係数は、数値が小さいほど持久力があり、大きいほどスピードタイプである目安となります。この視点から考えると、男子マラソンの世界記録については記録を短縮できる余地が十分に残されており、ベケレ選手の持久係数が4.56に到達した場合、「1時間59分51秒」と2時間を突破できる計算になります。

また、日本の男子マラソンも1万メートルの記録を27分30秒まで短縮し、持久係数が日本女子選手並みの4.52に到達した場合、「2時間4分18秒」となり、4.50に到達すると「2時間3分45秒」になります。もちろん、上記した5千メートルと1万メートルの関係からも日本男子の1万メートルは、記録短縮の余地が残っています。つまり、日本の男子マラソンは世界で十分に勝負できると考えます。

ところが、日本女子マラソンの記録については、5千メートルと1万メートルの関係や1万メートルからみた持久係数からも、今の日本記録でほぼ限界点に到達していると感じます。したがって、逆に5千メートルや1万メートルの記録短縮がマラソン復活に向けたポイントのひとつになると…。

つづく。

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