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トレーニング計画

再びトレーニング計画・13

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今回からインターバルトレーニングのリカバリー(休息時間&方法)について考えていきます。

はじめに、インターバルトレーニングで最も重要なポイントを考えたとき、皆さんはどこに置くでしょうか?

おそらく、ほとんどの人が、疾走する設定タイムや本数等を中心に考えると思います。もちろん、それらのことが重要なことに違いありません。しかし、最も注意が必要な点は、1本目を疾走し、2本目を疾走するまでのリカバリー(休息時間&方法)となります。

実は、インターバルトレーニングの強度も、このリカバリーの時間と方法でほとんど決まってしまいます。具体的には、400mを8本実施する場合、1本毎のリカバリーを200mのジョギングで回復させるか、400mにのばして回復させるかの違いによって、トレーニング強度が大きく変わります。もちろん、リカバリーの時間や距離を短縮していくほど、トレーニング強度はアップし、苦しさも増してきます。

それでは実際に、リカバリーの時間と方法を考えていきます。

リカバリーの一般的な考え方として、ある一定の距離を一定のスピードでジョギングする方法が代表的です。例として、400mを疾走したあと、200mを60秒でジョギングし、次の400mを疾走します。しかし、一般的なこの方法の場合、特に市民ランナーの多くが次のような問題に直面します。

◆1).リカバリーのスピードが遅くなったり、速くなったりと、同じ200mのジョギングが一定しない。※適切な強度を保てない。◆2).仲間たちと実施した場合、リカバリーのスピードが違い過ぎて、一度遅れると追い付けなくなる。※走力やレベルの違う仲間と、一緒に走るのが難しい。

以上のようなトラブルは、実際に多くの練習会で発生しており、苦しんだ割には記録に結び付かない人の代表的な原因にもなっています。そこで、次のような考え方にシフトすることをおすすめします。

◆3).リカバリーを時間のみで管理する。※強度を一定に保てる。◆4).疾走時間とリカバリー時間をセットで1本とし、時間管理する。※1本目のゴール地点から2本目のスタートが可能となるので、走力の違う仲間とも一緒に競い合える。

このように、疾走する距離とリカバリーをセットで考えていくことで、常に一定の強度を保つことが比較的容易になります。そして、重要なポイントとして、疾走する距離もリカバリーも時間管理にし、それを合わせた時間を1本毎のサイクルタイムとして本数を重ねていくことです。

つづく。

再びトレーニング計画・12

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今回は、3kを基準にしたインターバルトレーニングを考えていきます。

最初に、インターバルトレーニングの代表的な疾走距離と本数を、トータル距離が5kの場合と3kを比較してみます。◆1).200mの場合、25本から15本へ。◆2).400mの場合、13本から8本へ。◆3).1000mの場合、5本から3本へ。・・・以上のように本数的には、かなり軽減されます。

ここで、私の経験から話をすると、陸上競技の経験が少ない一般的な市民ランナーの多くは、このインターバルトレーニングの本数に対し、かなりのストレスを感じる傾向にあります。具体的には、疾走距離が400m以下の場合、10本より多くなると、肉体的な苦痛より精神的なストレスをより強く感じるようになります。同じく800mをこえるような疾走距離の場合、3本程度をこえてくると、同様なストレスを感じる人がより多くなってきます。かくいう私も本数に対し、常にストレスを感じていました(涙)。

更に、ストレスを強く感じるトレーニングは、コンスタントに継続していくことが困難になってきます。例として、毎週水曜日にインターバルトレーニングを実施しようと決めたとします。ところが、疾走本数が多過ぎるため長期スパンで継続することが難しくなり・・・、最終目標のマラソンにまで影響している人も意外と多く見受けられます。

また、1本あたりの疾走する設定タイムについては、5kの記録から導き出した記録を、3kで計算した上記の本数で実施します。例として、5kを20分で走れるランナーが、1000mのインターバルトレーニングを実施する場合、1本あたりの設定タイムは「4分00秒」、本数は「3本」となります。それは、肉体的なゆとりにもつながります。

3kを基準にしたインターバルトレーニングのメリットについてまとめると、◆1).疾走する本数が軽減されることで、精神的なストレスも軽減される。◆2).疾走する1本あたりの設定タイムは、5kから導き出した記録で実施することで、肉体的なゆとりもできる。

このように、マラソンを目標にしたスピードトレーニングについても、心身ともに余裕を持って長期継続していくことは、重要なポイントとなります。

そして、「速くなりたいから、常に速く走る」から「速くなりたいなら、ゆとりを持ちながら継続して走る」に、考え方をシフトしていくことは、ランナーにとって必要不可欠と考えます。

次回は、3kを基準にした少ない本数で更に効果を高めるための、リカバリー(休息)の時間と方法について考えていきます。

つづく。

再びトレーニング計画・11

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前回、「効果的なインターバルトレーニングとして、トータル走行距離が5kになるよう、1本あたりの疾走距離とその本数を調整することが、ひとつのポイントである」と、話をしました。しかし一方で、その距離に合わせた本数だと多すぎて、定期的に継続していくことが、難しくなってしまうケースが多いのも事実です。

また、このスピード養成期だからこそ5kのレースを積極的に走ったり、5kのタイムトライアルに挑戦する人も多数います。ところが、思うようにタイムが縮まらず悪戦苦闘している人が、意外に多いとも感じます。

皆さんは、いかがでしょうか?

実は、5kの記録短縮を目指し、それに見合ったスピードを身につけるための重要な指標となる距離があります。もちろん、まずはその距離を確実に走れないと、5kの記録更新は難しくなります。そして結果的には、10kの記録へも影響し、最終的にはマラソンの記録にも響いてくる可能性もあります。

さて、回りくどい話をしましたが、その指標となる距離は、3kです。

実際の例として、5kレースやタイムトライアルを拝見していると、3k手前で失速していく人を多く見受けます。同時に、このレースパターンを繰り返している間に、5kや10kレースに対する苦手意識が徐々に芽生えてきます。そして更に、短い距離のレースを敬遠するようになり、最終的にはマラソンの記録が低迷する原因のひとつにもなってくるのです。

このように、5kを基準にしたスピード養成が、逆に仇となるケースもあるのです。

更に別の見方をすると、3kを確実に走りきれるか否かは、5k~10k程度のレースを攻略していく上で重要な指標とも言えます。つまり、この3kをインターバルトレーニングの基準にすることで、5kに対する苦手意識を持っている人にとっても、より効率的なスピードトレーニングの実践につながっていくと考えます。

つづく。

再びトレーニング計画・10

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前回からの続きで、5kのスピードをアップするためのスピードトレーニングについて考えていきます。もちろん、単に5kの記録更新を目指していくことだけが目的ではありません。このスピード養成期は、心肺機能を高めることが最大の目的です。この点をしっかりと押さえ、単に記録や結果だけに一喜一憂しないようにしましょう。

さて、スピード養成期の代表的なスピードトレーニングと言えば、もちろんインターバルトレーニングとなります。そして、そのインターバルトレーニングの基準となるスピードは、やはり5kのベストタイムです。これは、インターバルトレーニングの本数や設定タイムの基準にもなり、その効果や成果は様々な角度から既に実証されています。※専門的な説明は割愛します。

具体的には、インターバルトレーニングの本数として、疾走する距離の合計が5kになるようにします。そして、疾走するタイムは5kのベストタイムを疾走する本数で割り返したタイムがベースとなります。例として、5kのベストタイムがちょうど20分のランナーが、1000mのインターバルトレーニングを実施するケースで考えると、次のとおりになります。

◆1).本数=5k÷1k=5本。◆2).設定タイム=20分÷5本=4分。

つまり、5kのベストタイムが20分のランナーが、1000mのインターバルトレーニングを実施する場合、1本あたりの設定タイムを4分とし、休息を入れながら5本疾走するのがひとつの目安となります。同じように、400mのインターバルトレーニングの場合、本数は12本~13本となります。更に、200mのインターバルトレーニングについては、25本の本数を実施する必要がでてきます。

ところが、実業団選手(プロ)や学生選手ではない、市民ランナーがこれだけの本数を淡々と実施していけるのでしょうか?更に、この内容のインターバルトレーニングを毎週定期的に継続していけるのでしょうか?

少なくとも私の経験上、かなりの走力がある市民ランナーでも、定期的に継続していくことは難しいと感じます。つまり、定期的に継続できないトレーニングは、どんなに苦しくても狙った効果や成果を望むことは難しいとも言えます。

そこで、次回は実践可能なインターバルトレーニングを、更に考えていきます。

つづく。

再びトレーニング計画・9

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今回からスピード養成期に実施するスピードトレーニングに話しを移していきます。特に、スピード養成期のメインとなるインターバルトレーニングについて考えていきます。

実は、このブログでも何度かインターバルトレーニングについて記載しています。そして、これから考えていく内容は過去に記載した内容と同じこともでてきます。しかし、その点については逆に重要なポイントだからでもあり、再度考えていきたいと思います。

では最初に、スピードトレーニングと言っているそのスピードとは、何のスピードを指しているのでしょうか?また、何を基準にしたスピードのことを言っているのでしょうか?

前回までスピード養成期のレースについて考えてきましたが、「レースの距離は、5k~10k程度がベストである」と話しをしました。つまり、スピード養成期に実施するスピードトレーニングの目的は、「5k~10kのレースをスムーズに走りきるため」となります。そして、それに対応するためのスピードを身につける有効な手段がインターバルトレーニングであり、それを活用していく方法をこれから考えていきます。

さて、以前にこのブログでインターバルトレーニングを取り上げた時期は、秋から冬のいわゆる「マラソン期」でした。そのためトレーニングの流れも30k以上の距離走を定期的に取り入れ、持久力を養成する方がメインでした。つまり、マラソンに直接影響してくるスピードとして、10kのベストタイムを基準としました。

しかし、春から初夏にあたるこのスピード養成期については、その10kをよりスムーズに走るためのスピード養成が目的となります。そこで更に短い5kのベストタイムを基準としていきます。もちろん、10kと5kで基本的な考え方が大きく変わることはありません。

ところが、10kのレースは経験しているが、「5kを全力で走ったことはない」と言う人は、どうしたら良いのでしょうか?また、そのような人は意外に多いと感じるのですが、いかがでしょうか?

そんな人たちの有効的な対策として、5kのタイムトライアルを実施する方法が最も手軽で良いのですが、それより前回紹介した「10kの記録=(5kの記録×2倍)+1分」を応用します。具体的には、「(10kの記録-1分)÷2」から5kのタイムを導き、それをインターバルトレーニングの基準タイムとしていく方法です。

つづく。

再びトレーニング計画・8

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「スピード養成期は、短い距離のレースを積極的に走ることが効果的」と、話しをしました。ところが、これからレースを探すとなると、ほぼ間違いなく夏以降になってしまいます。もちろんそれでは、これまで同様?場当り的なトレーニング計画となってしまい、わざわざ期分けする必要も、意味もなくってしまいます。

では、レースの申し込みが間に合わなかった人や、申し込んだレース数も極端に少ない人はどうすれば良いのでしょうか?更に、ランニングブームの影響で参加申込者が殺到し、レースの申し込みができなかった人は、どうすれば良いのでしょうか?

・・・と言いながら実は、それらの問題をあまり難しく考える必要はありません。なせなら、レースと同じように、「正確な距離をスタートから積極的に走るトレーニング」を実施すれば良いからです。つまり、それに相当するトレーニングとは即ち、「タイムトライアル」となります。

タイムトライアルとは、正確な距離をレース同様、目標となる記録を目指してスタートから積極的に走るトレーニングです。そのため、とても負荷のかかるトレーニングであり、スタート前はレース以上に緊張する場合もあります。しかし、レースを走ったときと同様な効果も期待できるのが特徴です。

次に、タイムトライアルは、どの程度の距離を実施すれば良いのでしょうか?

もちろん、レースと同じ距離を実施できれば良いのですが、私の経験も含め、タイムトライアルで10k以上の距離を集中して走ることは、かなり難しいことです。しかも、平日のアフターファイブは集中力も切れ易く、長くなると失速する確率が更に増していきます。

そこで、これらの問題を可能な限り回避し、なおかつマラソンにつながるタイムトライアルの距離を考えた場合、実は「5k(5000m)」となります。

その理由として、マラソンを攻略していく上でひとつの目安となるのが、10kのスピードです。そして、その10kを攻略していく上でひとつの目安となるのが、5kのスピードとなります。以前にもこのブログに記載しましたが、「(5kの記録×2倍)+1分=10kの記録」となります。そして、「10kの記録×4.6~4.9(持久系数)=マラソンの記録」となり、マラソンの基礎となる距離は5kとなるのです。※詳細は割愛します。

スピード養成期のレースをまとめると、◆1).レースなら5k~10k程度の距離が効果的。◆2).レースに出場できない場合は、定期的なタイムトライアルで補い、その距離は5kが効果的。

つづく。

再びトレーニング計画・7

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年間を通じて10kより短い距離のレースを敬遠傾向にある市民ランナーは意外に多く、マラソンの記録が停滞するひとつの原因になっているのでは?

それは、燃料タンク(スタミナ)の容量を大きくするためのトレーニングやレースが中心となり、排気量(心肺機能)をアップさせることが疎かになっているから?

以上のような話しを前回しました。では、10kより短い距離のレースを走ることはマラソンと、どんな点が違うのでしょうか?・・・幾つか思いつく点を書き出してみます。

◆1).スタートから速いペースで走りだす(手足を素早く大きく動かす)。◆2).脚にダメージがくる前に、前半から心臓がバクバクして苦しくなってくる(呼吸が「ゼーゼーハーハー」となる)。◆3).後半は手足がしびれたような感覚も出てきて、うまく動かせなくなってくる(乳酸が蓄積されてくる)。・・・以上のように大きく三つのことが直ぐに思いつきますが、皆さんはいかがでしょうか?

もちろん、ゆっくり長く走り続けても上記のような状況になることは、ほとんどありません。むしろ、ゆっくり長く走るトレーニングが中心になっている人の多くは、短い距離のレースを走っても上記のような状況を体感できない人もいます。別の見方をするなら、呼吸が苦しくなる状態まで手足を動かすこと(追込むこと)が、できないとも言えます。また、走る距離を短くしていってもそのペースは、常にマラソンと同じになってしまう人も意外と多く見受けられます。

実は、それらのことがマラソンの記録を停滞させる大きな原因のひとつなのです。つまり、スピードが無いのではなく、「スピードの出し方を身体が覚えていない」のです。そこでこのスピード養成期は、短い距離のレースを積極的に走ることで、スピードを上げて走ること(追込むおと)を体感し、その動きを覚えるのと同時に心肺機能もより高めることを目的としていきます(単に短い距離の記録更新を目指すのではありません)。

短い距離のレースを積極的に走ることとは即ち、◆4).手足を大きく素早く動かすことで、逆にランニングフォームの改善と安定につながる。◆5).ゼーゼーハーハーと苦しむことで、心肺機能の強化につながる。◆6).手足がしびれるような状態から更に頑張るので、乳酸に対する緩衝能力が高まり、持久力のアップにつながる。※専門的な話しは割愛します。

スピード養成としてとらえた短い距離のレースは、マラソンのようにペース配分や設定ペースを細かく考えるより、スタートから積極的にスピードを上げて走ることが重要なポイントのひとつなのです。

つづく。

再びトレーニング計画・6

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引き続き「スピード養成期」のレース選択についてです。さて、前回は「短い距離のレースを敬遠傾向にある人が意外に多い」と、話しをしました。では、10kより短いレースに出場することが、スピード養成につながるのでしょうか?

その前に、そもそもスピード養成とは、単に短い距離を速く走れるようにするためのことなのでしょうか?

話しは前後しますが、スピードとスタミナについてのイメージをあらためて簡単にまとめてみます。最初に、自分自身の身体を自動車に例えて、次のようにイメージしてみます。◆1).スピードが出せる=エンジンの排気量が大きい(心肺機能)。◆2).長く走れる=燃料タンクが大きい(脚力)。

もちろん専門的な見解とは違っている部分もありますが、上記のように大きく二つをイメージして下さい。そして、自分自身の身体を軽自動車に例えるとしたなら、排気量は660ccと小さいのですが、近所を走りまわるには、とても燃費が良く効率的です。

ところが、高速道路を使って遠い場所へ移動したとします。このとき、近所を走っていたときには感じなかったことを幾つか感じるはずです。◆3).遠くに速く到着しようと、スピードを上げて走行すると、排気量が小さいこともあり車体の安定性に欠け、長時間の運転は疲れやすい。◆4).燃費そのものは良いのだが、燃料タンクが小さいので、遠くへ移動する場合、途中で何度か給油する必要があり、結果的には到着時間も遅くなる。

以上の点については、誰もが感じることと思います。そして、これらの問題を解消する方法は至極当然のことながら、排気量と燃料タンクの大きな自動車に乗り換えることですね。

では、上記の例を再び人の身体に戻して考えたとき、実は同じようなことになります。つまり、遠くに移動することをマラソンとし、そのマラソンを速く走りきるためには次の要素が必要不可欠になります。◆5).エンジンの排気量をアップする=心肺機能をアップする。◆6).燃料タンクを大きくする=脚力(スタミナ)をアップする。

実は市民ランナーの多くは、上記◆6を目的としたトレーニングに終始しているケースが一般的な傾向なのです。具体的な例として、日々のトレーニングは仲間たちと常にゆっくり長く走ることがメインとなり、レースについては年間を通じてハーフマラソン以上の距離が中心になっているケースです。

その結果、一年間にマラソンを何度も完走したり、マラソン以上のウルトラマラソンに挑戦したりと、驚異的なスタミナを身につける人も見受けられます。ところが、マラソンの記録については、ある記録で頭打ちとなり、たくさん走るほど停滞してしまう人も意外と多いのです。

その原因のひとつとして上記の自動車に例えるなら、燃料タンクを大きくすることが中心となり、もうひとつの排気量をアップするトレーニングが圧倒的に不足しているからなのです。

さて、皆さんはいかがでしょうか?

つづく。

再びトレーニング計画・5

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今回からスピード養成期のレース選択について考えていきます。

さて、マラソンを完走したことのある皆さんは、初レースはどんな距離だったでしょうか?5kや10k以下の短い距離のレースでしょうか?あるいは、最初からマラソンに挑戦したのでしょうか?

個人的には、マラソンブームの影響も手伝って、初レースからハーフマラソンやマラソンに挑戦する人が多くなったと感じているのですが、いかがでしょうか?一方で、最初は5kや10k以下の短い距離のレースに出場するのですが、一度マラソンを経験するとハーフマラソンより短い距離のレースを敬遠する人は、もっと多くなったと感じます。

それは、このマラソンブームにより、全国各地で開催されるマラソン大会が増えた影響も大きく、年間を通じて誰でも手軽にハーフマラソンやマラソンを何度も走ることが可能になったことでもあります。

実は、このように一度マラソンを経験した後、ハーフマラソンより短い距離のレースを敬遠する人は、ランニング歴の浅い人ばかりでなく、サブスリーを達成しているようなベテランランナーの人にも多く見受けられます。

そして、このような人たちに多い傾向として、もう何年もの間、マラソンの自己記録更新を達成できずにいるケースです。具体的には、2回目から3回目のマラソンでマークした自己記録を長く更新できないでいるパターンです。そして更に、日々の走行距離を増やしているのにも関わらず、それが記録更新へと結びつかないどころか、故障や怪我を繰り返していく負のスパイラルに苦しんでいる人もいます・・・。

このように、マラソンの記録更新を大きな目標に掲げ、年間を通じて何本もマラソンを走ることが逆に仇となり、長期低迷につながっている人が意外と多いのも事実です。同時に、年間を通じて多くのマラソンを走ることで、マラソンに対するモチベーションが著しく低下したり、バーンアウトしてしまう人も残念ながら見受けられます。それは、長期低迷ではなく、好きではじめたマラソンを長期離脱することにもなりかねません。

そんなトラブルを防止する意味からもこのスピード養成期のレース選択は、マラソンを目標としていく上で、とても重要なポイントにもなるのです。

つづく。

再びトレーニング計画・4

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今年のGWは記録的な晴天に恵まれましたが、予定どおりのトレーニングは実施できたでしょうか?また、GW中のレースでは目標タイムを達成することはできたでしょうか?

さて、スピード養成期をトレーニングとレースの両面から考えていく前に、参考例として私がコーチする女子選手たち(市民ランナー)が、GW中にスピード養成期の一環として出場したレースを簡単に振り返ってみます。

◆2010年4月29日~5月5日レース実績(女性市民ランナー)    
  選手名 マラソン記録    4月29日    5月1日    5月2日    5月4日    5月5日
 1 M ・ K A   2.55.21 ◎10.54/3k        →        →        → ○18.43/5k
 2 M ・ S A   2.54.07        →        →        → ●38.47/10k        →
 3 M ・ Y A   2.52.09 ◎31.01/8k        →        → ●38.01/10k        →
 4 A ・ K A   2.49.24 ◎19.11/5k        → ○18.55/5k        → ○19.28/5k
 5 M ・ K O   2.38.51 ◎27.38/8k ○9.28/3k        →        →        →
  ◎=駅伝、○=トラック、●=ロード、→=出場無      

上記に記載した5名の女子選手たちは、マラソンをサブスリーで走る市民ランナーです。初心者の人からすると、ある意味、速すぎて参考にならないと思ってしまうかもしれません。しかし、彼女たちも最初からサブスリーを達成できたのではなく、地道な走り込みを一年間継続することからはじめ、それを何年も積み重ねてきた成果なのです。

そして、そのトレーニングの基本となる考え方が期分けです。もちろん、5選手たちの年間目標は間違いなくマラソンです。この大きな目標に向かっていくための第一ステップとなるのが、このスピード養成期となります。

最初にこの点をしっかりと理解した上で、5選手たちのレース結果を簡単に振り返ってみます。※GW中は、連日30度前後の厳しいコンディションとなり、記録的には低調でした。

◆1).M・KA選手:3月のマラソンは不調だったが、その疲労もうまく抜けており、トラックの5千メートルで久々の自己記録更新を狙えるスピードが戻りつつある。◆2).M・SA選手:2月に脚の違和感を感じ、狙っていた3月のマラソンを泣く泣く断念。その後、脚も順調に回復し、4月の5千メートルでは自己記録を更新。現在は、5選手の中で最も好調。◆3).M・YA選手:2月のマラソンで自己記録更新後、持病の貧血が出て、4月中旬まで回復優先メニュー。ようやく貧血も改善し、このGWで調子も徐々に回復。6月のレースは期待大。◆4).A・KA選手:狙っていた3月のマラソンが悪天候のため中止となり、肉体的にも精神的にも落ち込んでいた。しかし、4月からレースに積極参戦することで、調子を戻しつつある。◆5).M・KO選手:2月マラソン後、思い切って練習を落としたことが良いリフレッシュとなり、スピードアップにつながっている。

以上がコーチの視点から見た各選手の状態です。更に5選手たちに共通しているのは、マラソン結果の良し悪しに関係なく、スピード養成期への切り替えを自ら積極的におこない成果をあげている点です。それは、5選手たち全員が、期分けについての意味やスピード養成期の目的や重要性をしっかりと理解し、それを実際の行動(トレーニング)に移行できるからなのです。

つづく。

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