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マラソントレーニング

期分け・74

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【期分け・74】今回から「ペース感覚(走り込み)」のポイントとなる「時間走」と「距離走」についてそれぞれ考えていきます。

はじめに、それぞれの特徴をシンプルにまとめてみます。

◆時間走1:走り続ける時間を決めてスタートする。そのため、どんなに速く走ってもゆっくり走っても終わる時間は同じであり、走るスピードに目的を左右されない。つまり、同じ時間内での走行距離が多い少ないが重要な要素ではない。◆距離走1:走り続ける距離を決めてスタートする。したがって、速く走った場合と遅く走った場合ではゴールタイムに違いがでてくるため、設定ペースによって目的が左右される。つまり、同じ距離の場合、設定ペースが重要な要素となる。

次にもう少し別の見方をすると…。

◆時間走2:最初はゆっくり走りだし、調子が良くなってビルドアップしても走り続ける時間は同じ。すなわち、ペース設定はそれほど重要ではなく、途中で速くなってきた場合は再びペースを落とし、目的の時間を走り続けられるペースに戻すことがポイント。場合によっては、意図的にランニングとウォーキングを交互に繰り返す場合もある。◆距離走2:ペース設定によってトレーニング強度が大きく左右されるため、スタート前にどんなペースで目的の距離を走り切るかを決めることがポイント。すなわち、場当たり的なペース設定でスタートし、後半ペースダウンしたり、歩き出したりすることは目的から大きく逸脱することになる。

以上のように「時間走」と「距離走」ではポイントが微妙に異なり、更にまとめると次のようになります。

◆時間走3:ペース設定や走行距離を頭の中から切り離し、体調や調子に合わせてゆっくり走り続けることが目的となる。ロングジョグやLSD、仲間と楽しく走るマラニック等が、これに該当する。◆距離走3:ペース設定や走行距離を重視する。それによって強度も変化するため、計画した距離を設定どおりに走ることが目的となる。比較的短い距離も含めたペース走やタイムトライアル、場合によってはレースもこれに該当する。

次回も更に考えていきます。

つづく。

期分け・73

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【期分け・73】前回からの続きです。マラソンに向けた走り込みは「ペース感覚(走り込み)」を身につけるためには余裕を持ったペース、すなわち「甘さ(遅い=楽)」に対し敏感になれるか否かが、重要なポイントのひとつとなります。

その大きな理由のひとつとして、マラソンを走り切るには、まずはスピードよりスタミナ(持久力)がないと完走することができないからです。これは、オリンピックを目指すレベルの選手でも考え方は同じで、世界記録ペースで前半を通過してもゴールまでそのペースをキープするスタミナ(持久力)がなければ世界記録やメダルを手にすることはできません。

そして、そのスタミナ(持久力)を身につけるには、それ相応の距離と時間をかけて走り込むことが必要不可欠です。同時に、常にマラソン自己記録のペースで長距離や長時間の走り込みができたなら最も理想的ですが、人は「辛さ(速い=きつい)」に敏感です。したがって、能力限界の設定タイムは怪我や故障のリスクが格段にアップするのと、メンタル的にバーンアウト(燃え尽きる)してしまうリスクが大きくなります。

実は、公務員ランナーの川内優希選手が、毎週末のレースを活用して常にレースペースの走り込みを実施するトレーニング方法で結果を残しています。しかし、川内選手以外でその方法を選択している実業団選手(プロ)はほぼ皆無です。また、レースを活用した走り込みは、見かけや考え方はシンプルですが、国内では川内選手のみが結果を残せている極めて難易度の高い調整方法とも言えます。※私的にはリスクが高く、おすすめできない調整方法です。

以上のことからマラソンを攻略していく上での「ペース感覚(走り込み)」は、逆に設定ペースを落として長距離や長時間じっくりと走り込んでいく方法が、実はリスクも少なく最も近道であると考えます。そして、そのポイントが「甘さ(遅い=楽)」に対し敏感になることです。

これまでもこの「期分け」シリーズを通じて考えてきた内容と繰り返しになる部分も多々ありますが、「ペース感覚(走り込み)」を身につけていく重要な要素として、「時間」と「距離」のふたつに大きく分けることができます。

どちらも似たような感じを受けますが、ある一定の時間を走るのと、ある一定の距離を走るのでは、求めらられるペース感覚が微妙に違ってきます。そして、マラソンを攻略していく上でどちらも必要不可欠な要素になります。

次回からそれぞれについて考えていきます。

つづく。

期分け・72

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【期分け・72】前回は、10月の走り込みに入る前に「現状の自己分析」を実施する話しをしましたが、今回から結果が悪かったケースについて考えていきます。

あらためて、マラソンで失敗したパターンについて解析していくと、実に様々なケースがあります。代表的なのは、やはりマラソン当日のコンディションによるものです。多いのは、気温や湿度が高かったため脱水症になったケース。冬の冷雨や雪で低体温症に陥ったケース。海岸沿いのマラソンコースに特有の強い向かい風。…等々、どれもマラソンの記録を阻む最大の要因です。

次に、よく耳にするのは、やはり30k以降の失速です。そして、その原因の多くは前半のオーバーペースです。特に、男性市民ランナーに多く見受けられます。具体例として、元々運動神経が良く、短距離が速いタイプの方は10kまでの距離なら走り込みをしていなくても意外と速く、10kで40分を切ってしまう方も珍しくありません。このような方がマラソンに挑戦した場合、15kから20kあたりまで快調にとばし、そこから大きく失速するパターンは本当に多いと感じます。

更に、コースの起伏が大きいケースや途中の給水に失敗するケース等、もっと掘り下げていくと複数の要因が重なっているケースもあります。

そして、これらの要因について更に解析していくと、そのほとんどが「走り込み不足」にたどりつきます。上記した当日のコンディションについても、後半の失速についても、走り込み不足から起因する「ペース感覚をつかめていない」ことが、最も大きな要因のひとつとなります。特に、マラソンを走る場合、かなり余裕のある一定のペースで走ることが基本となります。

実は、多くの方は、物心が付いた頃から「走ること=全力疾走(競争)」とのイメージを植え付けられています。その証拠に幼稚園からはじまり、中学や高校でも「ゆっくり長く走る」ことを教える授業や指導はほとんど見かけることはありません。少なくとも私自身は受けたことがありません。

したがって、多くの方が持っている「ペース感覚」とは、全力で走る方への物差しであり、苦しいことを察知する感度ばかり発達していると考えます。一方で、マラソンを攻略していく上で重要な「ペース感覚」とは、その逆で、より楽に感じる「余裕度」を自分自身の中で構築していくことがポイントとなります。

別の表現をするなら「辛い(速い)」と「甘い(遅い)」です。辛さについては「激辛」と言うように細かく何段階にも分け、人はそれを感じることができます。しかし、甘さについては「激甘」とは言いません。コーヒーにスプーンで砂糖を入れていったとき、おそらく3杯も10杯も感覚的にはわからなくなります。

つまり、人は「辛さ(速い=きつい)」には敏感だが、「甘さ(遅い=楽)」には鈍感です。マラソンを攻略していく上での「ペース感覚(走り込み)」は、この「甘さ(遅い=楽)」に対し、敏感になる必要があります。だからこそ難しいのかもしれません。

つづく。

期分け・71

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【期分け・71】10月に入りましたが、思ったほど涼しくなりません。走り込みに最も適した月と話しましたが、厳しいコンディションが続いている状況です。…と、言いながら走り込みを断念する訳にはいきません。そこでもう一度、マラソンに向けた走り込みについての考え方を整理してみます。

はしめに、これからマラソンに挑戦しようとしている皆様方は、自分自身がどんな状況にあるかを確認することが最初の一歩となります。もう少し具体的に説明すると、今回が初マラソンなのか、既に何度かマラソンの経験があるのか。更に、マラソン経験があるなら、特に前回のマラソンが狙いどおりに走れたか。狙いどおりに走れた方は自己新だったか。そして、その成功要因を把握できているか。等々…。

逆に失敗した人は、その理由が当日の天候等によるコンディションだったか。あるいは、スタミナが枯渇し後半大きく失速したのか。その状態でも最後まで完走したか。その失敗要因を把握できているか。等々…。

このように、いくつかの項目を確認することはとても重要です。実は、これまでも「期分け」シリーズでマラソンに向けた走り込みを考えてきましたが、正確には個々に走力やトレーニング環境等が違うため、誰もが同じ走り込みを実施したからと言って、同じ結果を見込めるとは限りません。

実際に私が主宰する富津合同マラソン練習会においても、この時期はほぼ週末毎に40k走を実施しています。そして、多くの市民ランナーたちが切磋琢磨しながら走り込んでいます。ところが、同じ走り込みを実施して同じ大会に出場しても結果を残せるランナーと、思うように結果を残せないランナーが必ず存在します。

そして、目標を達成できたか否かに関係なく、その要因は何かを最初に考えることは、次のマラソンを目指す上で最も重要なデータとなります。もちろん、最初から科学的とか運動生理学的の専門的な解析を伴う必要はありません。上記したような項目について大まかでも把握しておくことが重要です。

この10月から本格的な走り込みを開始していく皆様方も、まずはこの点をしっかりと把握した上で走り込みを開始してほしいと思います。

次回からは、この点を考慮した走り込みを考えていきます。

つづく。

期分け・70

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【期分け・70】厳しかった残暑(猛暑)もひと段落し、いよいよマラソンシーズンの到来です。同時に、マラソンに向けた走り込みを実施するにも適した季節となります。特に、10月は1年間を通じて最も走り込みに適した月のひとつで、厳しい残暑を乗り切ったランナーの皆様方にとっては、実りの秋でもあります。

また、この「期分け」シリーズでもマラソンに向けた走り込みのトレーニング方法を取り上げてきました。その中において、この10月は「第1次走り込み期(8月~10月)」と位置付け、秋から冬のマラソンシーズンに向けた走り込み期としては極めて重要な期であります。そして、今年も10月に突入し、再び走り込みの季節がめぐってきました。

ところが、今年の夏は記録的猛暑となり、更に厳しい残暑が続きました。そのため、夏の走り込みを十分にできなかったランナーも多いと推測されます。同時に、秋のマラソンには間に合わないと、既に諦めムードに陥っているランナーも意外と多いのではと思いますが、いかがでしょうか?

マラソンで最も大切なことは、「最後まで諦めない心」です。

厳しい暑さのため、夏に思うような走り込みができなかった方々も、この10月での挽回は可能です。何度も言いますが、「最後まで諦めない心」です。まずは、この気持ちを常に忘れることなく、これからの走り込みを積み重ねてほしいと思います。

さて、これまで「期分け」シリーズの中で、マラソンに向けた走り込みについて色々と考えてきました。上記したように、秋のマラソンに向けた「第1次走り込み期」は、8月から10月としていますが、実に3ヶ月間の期間です。

実は、これまであまり触れてきませんでしたが、特に走歴の浅い市民ランナーの多くは、3ヶ月間も走り込みを持続していくことが体力的に難しく、逆に故障や怪我をしてしまう方も少なくありません。また、メンタル面でも単調な走り込みに飽きてしまい、途中で気持ちが途切れてしまうケースも見受けます。これは、意外にも実業団選手(プロ)の中でも見られるケースで、マラソンは難しいと思われる理由のひとつでもあります。

しかし、逆に上記の理由で夏の走り込みが不足した方でも気持ちを集中させ、10月の走り込みを充実させれば、11月下旬から12月以降のマラソンも十分に対応できると考えます。そのためには、「最後まで諦めない心」を忘れず、10月の走り込みに挑戦してほしいと思います。

つづく。

南房総市ロードレース千倉

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【南房総市ロードレース千倉】9月23日(月・祝)、千葉県南房総市において、「南房総市ロードレース千倉」が開催されました。この大会は、今回で42回と伝統があり、かつて私も何度か走った大会です。

今回、、久々に選手の応援で大会会場まで足を運びましたが、アットホームな大会の雰囲気は昔と変わりません。ご存知のとおり、ランニングブームがきっかけで、全国各地で開催される多くの市民マラソン大会は大盛況で、申込みがわずか1日で終了してしまうケースも珍しくなくなりました。

同時に、大会会場の大きさや会場までのアクセス等を考慮しないまま定員だけを増やし、多くのトラブルを抱えている大会が増えているのも事実です。そんな中、同大会もランニングブームの影響で参加者は増えていますが、身の丈に合った大会運営を継続していると感じる大会です。もちろん、個人的にもこの雰囲気を継続してほしいと願っております…。

また、同大会は日本陸連未公認大会なのですが、昔から箱根を目指す多くの学生選手たちが出場することでも有名です。ちょうど、夏の走り込みを終え、秋の駅伝シーズンに入る前の調子を確認する意味でも、手ごろな大会だからです。かくいう私も現役時代、同様の理由で同大会のハーフを何度か走りました。

その当時は、夏の走り込みを終え、あえて調整をしない状態でハーフを走るのですが、一緒に走る二十前後の学生選手は容赦なくスタートから突っ込みます。もちろん、、負けじと付いていきましたが、夏の疲労が残っている状態なので、15kあたりからかなり苦しみました。まるで30kを過ぎたマラソンのようでした。しかし、このハーフで強い刺激が全身に入ると、10月から一気に調子が上向いていきました。今となっては懐かしい思い出です…。

さて、42回目となった今大会は、海からの風が強く、参加したランナーたちを苦しめました。もちろん、その強風は記録にも影響し、どの部門の記録も低調でした。そんな中、私がコーチする選手(市民ランナー)たちも元気に出走しました。

結果は、強風の影響で記録は低調でしたが、それぞれの部門で上位に入ることはできました。特に、10kの部門に出場した2選手は、前日に30kの距離走を実施してからの出場でしたが、男子総合4位と女子総合優勝と、マラソンランナーとしての粘り強さを発揮しました。

これから本格的なマラソン及び各種ロードレースや駅伝シーズンに入ります。箱根を目指す学生選手たちのように駅伝やハーフまでの距離が目標なら、各種記録会やロードレース大会での実戦を多く積むことは、スピードに慣れる意味でも有効的な調整方法になります。

しかし、目標がマラソンなら逆に走り込み不足に陥る危険性もあります。なぜなら練習の一環として出場するハーフマラソンや駅伝にも関わらず、わざわざ練習量を落として調整をしてしまうケースが多いからです。したがって、これが毎月何本も出場するペースになってくると、本人は実戦で鍛えるつもりでも、逆に走り込みの絶対量(土台部分)が不足していく危険性もあります。この点のバランスは、十分に注意してほしいと思います。

皆さん、風邪に注意です!

夏!暑さ対策!

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【夏!暑さ対策!】梅雨が明けた途端、記録的な猛暑が続いております。誰でも夏は暑いと覚悟はしていますが、ここまで暑いとランニングどころか外出することも苦痛に…。

と、言いながら秋のマラソンシーズンを見据えた夏の走り込み期にも入っていきます。したがって、暑いからと言って、簡単にランニングを中断する訳にもいきません…。※もちろん、無理は厳禁です!

そこで今回は、夏の暑さ対策として、水分補給についての注意事項を再確認していきます。

一つ目は、基本となる体温調整についてですが、簡単にまとめると次のような流れになります。「暑熱環境→体温上昇→体温調整(汗をかく、皮膚血管拡張、他)」。また、汗は蒸発してはじめて力を発揮します。データ的には、「1mlの汗が蒸発→580calの熱が奪われる」、「60kgの成人男性が、1度体温を下げるには約100mlの汗が必要」。したがって、だらだら流れている汗は無意味であり、湿度の高いところや風通しの悪い場所でのランニングや運動は特に注意が必要です。※体育館のような室内は要注意。

二つ目は、暑熱順化についてです。既に何度か耳にしたことのある言葉だと思います。簡単に説明すると、暑さに慣れているか否かのことです。これについては、個人毎の体力差や生活環境等に大きく影響を受けるので、誰もが同じになるとは言えません。しかし、暑熱順化についても次のような実験データがあります。「2週間にわたって33度から35度の実験室で、じっくりと汗をかくような運動を1から2時間程度実施。その結果、ほぼ4から5日で約8割程度、夏の暑さにも慣れてきた」。つまり、あえて暑い環境下で暑さに慣れることで、人は暑さに適応できるようになります。※個人差が大きいので注意です。

三つ目は、脱水と体重についてです。体重の3%の水分が失われると、運動能力や体温調整が低下すると言われています。したがって、ランニングや運動による体重減少が2%をこえないよう水分を補給することがポイントです。具体的な目安として、「ランニング前:250から500ml、ランニング中:500から1000ml/時間=10から20分/回の給水」。更に、日ごろから水分を体内に蓄えておくことは重要です。「ウォーターローリング:毎日1時間ごとにミネラルウォーターを200ml程度摂取する」。また、単にのどの渇きだけで判断すると、脱水に見合う量を摂取することが難しく、塩分や糖分を含んだ飲料から摂取すると、脱水防止により効果的と言われています。

以上が主な注意事項となります。もちろん、他にも諸注意はありますが、更に大きくまとめると次のようになります。

◆1.体温上昇に注意!◆2.塩分及び糖分も含む飲料を摂取するとより効果的!◆3.水分補給は前もって!

しかし、真夏のランニングはやはり危険です。できることなら回避した方が賢明ですが、朝夕の涼しい時間帯や涼しい場所(環境)でのランニングを推奨します。

期分け・64

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【期分け・64】前回は、マラソンを走った多くのランナーたちが、ゴール後に話している内容を実例としてまとめました。今回はその実例をもとに、スタミナを養成していくための時間や距離を考えていきます。※今回もサブスリーランナー(3時間突破)を軸に考えていきます。

はじめに、前回の実例をもう少し別の見方から考えていきます。

◆実例1).マラソンは、どんなランナーでも35kの壁がある。→ 特に、マラソンを2時間30分前後で走れる男子選手からサブスリーを目指す男女選手までと、レベルの高いランナーに多いと感じます。そして、この35kを時間に換算すると、概ね「2時間00分~2時間30分前後」に相当します。-①

◆実例2).初マラソンでも30kまでなら誰でも走れる。→ このコメントについても、初マラソンと言ってもある程度の走力が伴っているランナーたちです。具体的には、初マラソンでも3時間30分以内を目標にできるランナーたちとなります。ところが、更に速い3時間以内を目標にしているランナーに限っては、30k手前の25k前後で失速してしまうケースも多いと感じます。そして、このケースについても、25kから30kを時間に換算すると、概ね「1時間40分~2時間30分前後」に相当します。-②

◆実例3).どんなランナーでも実力に見合った設定タイムで刻んでいくと、2時間前後でスタミナは枯渇してくる。→ このコメントについては、上記の実例1と実例2を言い換えたような内容です。つまり、実例1のランナーたちは、ちょうど35k前後に相当し、実例2のランナーたちにとっては30k前後の距離となります。-③

以上のように言い換えることもできますが、いかがでしょうか?

次に、上記をもとにし、サブスリーランナーに置き換えた数値を考えます。

◆数値化1).①と②からスタミナが枯渇してくる時間は、「1時間40分~2時間30分」。-④

◆数値化2).③と④からスタミナが枯渇してくる距離は、「25k~30k」。-⑤

今回は、無理に話しを結びつけた感もありますが、まずはスタミナが枯渇してくる目安となる「時間と距離」が少し見えてきました。次回は、今回の数値をベースに、本命のスタミナ養成に結びつく「時間と距離」を考えていきます。

つづく。

期分け・63

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【期分け・63】前回は、「脚つくり」に適したペースと強度について考えてみました。今回は、そのペースでどの程度の距離や時間を走り続けていくのが効果的かを考えていきます。

実は、「脚つくり」の中で「設定ペース」と比較した場合、距離や時間については最も意見の相違があるところでもあり、各コーチや各チームのノウハウが色濃く出てくる部分でもあります。これから私が記載していくことも、これが絶対とは言えず、私自身も現役時代に実施していた考えと、少しずつ変化しているのも事実です。はじめに、この点についてはご理解いただき、これが絶対と言ったことではなく、参考にしていただければと思います…。

では、早速ですが、どの程度の距離、もしくは時間を走り続ければマラソンに必要なスタミナが養成されるのでしょうか?

この答えこそが上記したとおり、百人いたら百とおりの答えが出てくる部分です。私も現役時代を含め、20年以上マラソンに関わってきた中で、様々な実例を見聞きしてきました。

例えば、かつて私のライバルだったランナーたちの中には、30kまでの距離走だけで常にマラソンの記録が安定していたランナーがいました。逆に、マラソンより長い60k走を取り入れることで、マラソンを攻略したランナーもいました。もちろん、運動生理学を専門にしている先生方でもそれらの見解は様々です。しかし、どれも納得できる理論ばかりなので、どの見解も信用できました。

何でもそうですが、難しく考えていくと堂々巡りとなります。その結果、答えが見つからず、走れなくなっていきます。もちろん、正しい答えを導き出すことが目的ではありませんが、自分自身に最も適した方法やノウハウを身につけていくことが重要です。

そこで、ヒントになることのひとつに、過去のマラソン経験者たちがマラソン後によく話していたことです。いくつかの実例をあげると、次のような話しが思い出されます。

◆実例1).マラソンは、どんなランナーでも35kの壁がある。◆実例2).初マラソンでも30kまでなら誰でも走れる。◆実例3).どんなランナーでも実力に見合った設定タイムで刻んでいくと、2時間前後でスタミナは枯渇してくる。

いかがでしょうか?皆さんも一度は聞いたことがあるのではないでしょうか?実は、これらの話しはこれまでにマラソンを走ってきたランナーたちの実体験から導き出された見解です。しかも、実際にマラソンを経験すると、見事に当てはまります。すなわち、これらの話しの中にマラソン攻略の重要なヒントが隠されているとは言えないでしょうか?

次回は、これらの話しを軸に、更に掘り下げていきます。

つづく。

期分け・62

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【期分け・62】今回からマラソンに向けた「脚つくり」と、言われている走り込みについて考えていきます。はじめに、前回示した「脚つくり」に適した速度を振り返っておきます。

◆目安1).5kの記録を100%と、したときの83%~87%の速度。◆目安2).5kを全力で走ったときの感覚を「きつい」としたとき、「楽である」と感じる速度。

このように記載すると、あまりイメージがわきません。そこで、今回もマラソンでサブスリー(3時間以内)を目指している市民ランナーを例にして考えていきます。最初に、サブスリーを達成するために必要な5kのスピードを、「期分け・59」で計算した「19分30秒」とします。次に、その1kあたりのスピードを上記した速度に当てはめて計算します。

◆計算1).19分30秒÷5=3分54秒(1kのスピード)-①。◆計算2).①の83%~87%の速度≒4分28秒~4分44秒(1kのスピード)。

数値で表すと、かなり遅いスピードと感じますが、いかがでしょうか?

実際に5kを19分30秒前後で走れる市民ランナーにお願いし、上記のペースで走ってもらうと、ほぼ全員が体感的には「楽である」と感じます。また、「こんなに遅いペースで走り込んでも意味がない」と、話す方もいます(笑)。そのくらい遅いと感じるペースなのです。

また、多くの方が、「脚つくり」と聞くと、脚をいたみつけるような激しい走り込みをイメージします。特に、市民ランナーの中には、そのように信じてそれを実践している方も見受けられます。同時に、マラソン以外のスポーツ(特に道具を使う球技系)を過去に経験したことのある市民ランナーほど、「走り込み(猛練習)=短期間、苦しい、根性=成果」と、考えている方は多いと感じます。

ところが、マラソンの場合、道具を使いません。自分自身の「身体と心」だけで長時間戦うスポーツです。したがって、マラソンに必要な「脚(身体と心)」をつくっていくには、「走り込み(猛練習)=長時間、ゆとり、継続=成果」と、同じ走り込み(猛練習)と言っても、とらえ方が全く違ってくるのです。

このように「脚つくり」と、言っている意味を最初に理解しておくことは、マラソンを目指していく上で、大切な一歩となります。

つづく。

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