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夏を走る
2023夏を走る・4
- 2023-06-23 (金)
- 未分類
【2023夏を走る・4】先日の「富里スイカロードレース大会」は、予報どおりの暑い一日でした。かくいう私も久々に現地で応援しましたが、どのランナーも暑さに負けない力走を見せていました。また、暑い中でも期待どおりの仮装で大会を盛り上げた皆様も、無事(?)にゴールしていました……。
さて、同大会もコロナ禍の影響で久々の開催でしたが、エントリー数はかなり減少していたようです。同様に、コロナ禍で延長や中止に追い込まれた大会は多く、大会を走れないことが、ランニングから遠のいていくことに直結した方も多かったようです。
ランニングは、誰でもどこでも簡単にはじめることが可能なスポーツです。また、道具を使わないので、技術面やルールなども無いに等しく、敷居が低いのも魅力です。したがって、各種マラソン大会にエントリーして走ることは、原則として誰でも簡単にできます。
一方、道具を使わない分、己の肉体と精神だけが頼りのスポーツとも言えます。逆に言えば、いかなる理由があっても、走るのをやめればただの人になってしまう残酷なスポーツとも言えます。まさに「継続は力なり」のスポーツでしょうか。
ところが、経験の少ない方々が単調なランニングを日々継続していくには、「頭で考えているよりも簡単で難しい」。特に、この時期のように暑い中では、そもそも走る気力もわきにくく、逆に冬の冷雨や寒風の中では更に意欲や気力は失せることでしょう。
しかし、それらのマイナス面を補ってきたのが、各地で開催されているマラソン大会だったでしょうか。日々のランニングを継続していくことは難しくても、マラソン大会に申し込みをしてしまえば、少なくともその大会は走ります。
このように各種マラソン大会を定期的に走ることで、モチベーションをキープし、走力向上につなげてきた方も多かったことでしょう。そして、今回の「富里スイカロードレース大会」が久々のレースだった方も多かったと思いますが、これを期に各種マラソン大会への本格復帰につながることを祈念しております。
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2023夏を走る・3
- 2023-06-16 (金)
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【2023夏を走る・3】コロナ禍から解放され、各種マラソン大会が復活してきました。一方、多くの方がコロナ禍の間、レースから遠のいていたのも確かです。したがって、久々の大会でハーフマラソンやマラソンのレース感覚を取り戻すことは難しく、どんなレベルのランナーも段階的な実戦経験が不可欠です。
今週末の日曜日は千葉県富里市において「富里スイカロードレース大会」が開催されますが、コロナ禍の影響を受け、2020年から中止になっていたので、久々の開催です。また、同大会は「10kの部」が最長距離にもかかわらず、過去に大会エントリー者数が1万人を突破したことでも有名です。
すでに何度も記載してきましたが、6月は気温も湿度も高くなるので長距離やマラソンにとっては過酷なコンディションに入っていきます。しかし、6月の雨天時は逆に走り易く、記録を狙えるメリットもあります。
果たして今度の日曜日、千葉県富里市の天候は「晴時々曇、最高気温33度(6月16日現在)」の予報となっております。残念ながら相当厳しいコンディションになる可能性が高いと言えます。大会当日は暑さ対策の準備をお忘れなく……。
さて、秋からのマラソンシーズンを考えたとき、この時期はどんな距離のレースを走ったら良いかの質問を多く受けます。もちろん、正解はなく、大会をエントリーする本人が好きな距離を自由に走れば良いのです。しかし、晴れて気温が30度を超えるコンディション下において、ハーフマラソン以上の距離は、かなりの危険を伴うことは想像に難くありません。
また、雨天時は走り易いと言っても、レースでハーフマラソン以上の距離になると、逆に様々なデメリットも出てきます(詳細は割愛します)。そう考えると、暑い季節は10k程度までのレースが、どんなコンディション下でも比較的安全に完走できる距離と言えるでしょう。
以上のように、コロナ禍の影響から久々のレース出場である点も考慮すると、暑い季節の大会は10k程度までの距離が良いでしょうか。さらに、秋以降のマラソンシーズンを目標にした場合、この時期は「スピード養成」に適した時期にもなります。まさに、10kまでのレースは、その目的にも合致します。
今週末に開催される「富里スイカロードレース大会」は、この時期に最も相応しい大会のひとつと言えるでしょう。
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2023夏を走る・2
- 2023-06-09 (金)
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【2023夏を走る・2】千葉県も雨の日が多くなり、そろそろ梅雨入りでしょうか。前回記載したように、この時期は雨天時をうまく活用することで、逆に長い距離が走り易くなります。と、言いながらも晴れの日は、もはや夏のような気温と湿度に上がるので、長距離やマラソンにとっては厳しいコンディションであるのは確かです。
そして、これも毎年の課題になりますが、いわゆる「暑熱順化」です。つまり、暑さを避けられない季節に移っていくなら、その暑さに体を慣らしていく必要があり、それが暑熱順化です。
この暑熱順化ができてくると、暑さに適した発汗が可能になっていくことで、体温の上昇や塩分損失を抑えられるようになっていきます(詳細は割愛)。特に、この6月は日々の練習はもちろんですが、暑熱順化も含めた練習内容を考えていく必要があります。
では、暑熱順化はどのようにしていくのでしょうか?
最も理にかなった方法は、「暑い環境で運動をする」。要は、暑い環境に慣れるには、暑い環境で練習をすることが推奨されています。具体的には、暑さを利用した環境下でのランニングを一定期間繰り返す。すると、暑さへの抵抗力が強まり、体が暑さに慣れていくのが自覚できると言われています。
このほかにも専門的な話を見聞しても、ほぼ同じような内容に終始します。つまり、より厳しい環境下に体を慣らしていくには、我慢や根性も必要であると……。
そんな中、暑い中では「ゆっくり長く走る」ことが推奨されています。具体的には「LSD」と呼ばれるランニングです。特に、6月は、晴天時は「LSD」。そして、雨天時は「ビルドアップ走」などを取り入れながら暑熱順化を進めてほしいと思います。
もちろん、暑さに強い弱いは幼少時の育った環境にも影響を受けると言われているので、同じ暑熱対策を実施しても暑さが苦手な人は必ずいます。この点は個人差が大きく、明らかに暑さが苦手と感じる人は、炎天下でのランニングを控えるのが賢明でしょう。
また、暑さが苦手にもかかわらず、夏のマラソンにエントリーしたり、夏のレースを積極的に走ることは、肉体的にも精神的にもダメージを残すだけになります。この点は、自分自身をよく振り返り、個々に吟味してほしいと思います。
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2023夏を走る・1
- 2023-06-03 (土)
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【2023夏を走る・1】今年も6月に突入しました。そして、梅雨に入っていきます。また、これも毎年のことですが、気温も湿度も高くなっていくので、長距離やマラソンにとっては、より過酷なコンディションへと移っていきます。
しかし、夏に向かっていくこの時期は、逆に雨天時を活用することで距離走など、スタミナ系の練習負担を軽減できます。ご存知のとおり、気温が上がると長距離やマラソンを走ることが苦痛に感じる主な理由は、体温が上昇するからです(詳細は割愛します)。
つまり、体温上昇を抑えることが可能なら、気温がある程度高い中でも走り続けることは可能とも言えるでしょうか。そして、その体温上昇を抑える条件に最も適しているのは雨天です。したがって、これから夏に向かっていく季節においては、雨天時をうまく活用することで、上記したようにスタミナ系(距離走など)の練習負荷を軽減することも可能になります。
もちろん、雨天時と言っても気温が高いのは変わりないので、冬のマラソンシーズンと同じような設定タイムで走ることは、身体への負担が大き過ぎます。また、具体的な数値を示すことは難しいですが、ゆっくり目のスピードからスタートし、中間点あたりから少しずつペースを上げていく「ビルドアップ走」が良いでしょう。
特に、この時期の距離走は、マラソンのスタミナ養成をすることではなく、「スピード練習を継続していくためのスタミナを維持する」ことが主な目的になります。すなわち、質の高いスピード練習を実施していくために必要なスタミナをキープしていくことになります(夏マラソンを目標にしている選手は違ってきますが)。
同様に、雨天時の各種ロードレースやトラックレースは、スタートするまでのウォーミングアップや着替えなどは負担を感じますが、逆にスタートしたら最初から目標タイムを狙った攻めのレースができるチャンスになります。特に、6月のレースは、1週間前あたりから天気予報を注視し、雨天になる確率が高そうなときは、記録を狙える調整にシフトしていくことを推奨します。
意外な感じがしますが、6月は10k前後までのロードレースやトラックレースにおいて、自己記録更新を狙い易い月でもあるのです(私の経験上)。
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夏を走る・11
- 2022-08-12 (金)
- トレーニング計画 | マラソン | マラソントレーニング
【夏を走る・11】この1週間も残暑の厳しい日が続きましたが、特に変わることなく走り込みを継続しました。富津合同練習会においても、いつものように距離走を実施しましたが、コンスタントに参加しているメンバーは厳しい暑さの中においても難なく走り込めています。
暑さに慣れて、暑さに強くなっていくことを暑熱順化といいますが、富津合同練習会を拝見していると、まさにそう感じます。同時に、人の適応能力のすごさも実感します。とはいうものの、もちろん走る距離やその設定タイムの調整は都度実施しますが……。
ところが、夏の走り込みは秋や冬のマラソンシーズンではあり得ないほど設定タイムなどを落とすので、逆にランナーにとっては「こんなに落としたら意味がないのでは?」と、不安な気持ちに陥り易いのも確かです。
これも毎年のことですが、不安な気持ちが先行し、設定タイムを落とさずにスタートした多くのランナーは、残念ながら途中で失速してやめてしまいます。その結果、更に落ち込んでしまうのです。まさに「負の連鎖」ともいえるでしょう。
また、暑くなると「走る距離を極端に短くし、逆に設定タイムを速くして走る」。こんな方法で夏の走り込みを実施するランナーも見受けます。走り込みの方法や考え方はそれぞれなので、秋以降のマラソンシーズンに結びつけば問題ありません。
しかし、マラソンはスタートしたら「42.195キロ」を最後まで走り続ける競技なので、連続で長距離や長時間動き続けるスタミナは必須になります。その視点から考えると、暑い中とはいえ「走る距離を極端に短くし、逆に設定タイムを速くして走る」だけでは、目的のスタミナを身に付けることは……。
このように、暑い中での走り込みは、どんなレベルのランナーも常に不安定な精神状態ともいえるでしょうか。また、その日の気温や湿度を具体的なタイム換算できる指標は存在しないので、常に思考錯誤のような状況です。
確実にいえるのは、暑い中での走り込みは「速くなって途中でやめる」より、「遅くても最後まで走り切る」ほうが、少なくともスタミナ面(精神的なスタミナも)では、プラスになります。
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夏を走る・10
【夏を走る・10】猛暑の続いた今週の水曜日まで強化合宿を実施しましたが、今年の8月はいつもの千葉県富津市富津公園です。その千葉県富津市は房総半島に位置しますが、猛暑になる日の暑さは都内と変わりません。
そのため、本来であるなら暑さを避けるために、比較的涼しい場所へ移動し、そこで夏の走り込みを実施します。ところが、近年は涼しいといわれている地域においても、30度を優に超える日も珍しくなく、「暑熱対策」は全国共通になってきました。
そんな状況も考慮し、今年の8月はあえて上記した千葉県富津市で強化合宿を実施し、8月28日の北海道マラソンに挑む流れにしました。昨年は東京パラに向け、6月から8月までの間は涼しい長野県や北海道で走り込み、最後の調整と暑熱対策はこの千葉県富津市で実施しました。
果たして東京パラのマラソン当日は、逆に気温が20度弱と全く想定していなかった涼しいコンディションに……。何年もかけて準備してきた暑熱対策などは、ほぼ使うことなく東京パラのマラソンを終えることになりました。もちろん、今年の北海道マラソンがどのようなコンディションになるかは誰にも予測できませんが……。
さて、今回の強化合宿ですが、連日猛暑となる過酷なコンディションとなりました。本来なら屋外での運動そのものも控える気温でしたが、練習は計画どおりに実施しました。もちろん、設定タイムをかなり落とすなど、暑さを考慮しましたが、予想どおりの厳しい練習になりました。
また、8月28日の北海道マラソンから逆算すると今回は、量をこなせる最後の合宿に当たります(私の経験上)。しかし、上記したように猛暑のため、設定タイムなどの下方修正もよぎなく、逆にどの程度修正するかの判断が練習のポイントでした。
特に、夏マラソンを目標にした場合、上記した「どの程度修正するか」の判断が大きなカギを握ります。もちろん、無理に設定タイムどおりに押し切ろうと頑張り、結果的には暑さで大失速などした場合、そのダメージは体だけでなく心にも刻まれます。と、いいながら逆に抑え過ぎると、今度は練習強度が足りず、当初の目的から逸脱してしまうことにもなります。
夏マラソンが難しいといわれるゆえんは、気温と湿度が高くなっても、それを具体的なタイム換算した明確な指標がないことかもしれません。だからこそ、逆に夏マラソンは誰にでもチャンスがあると……。
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夏を走る・9
【夏を走る・9】夏のミニ合宿について前回からの続きになりますが、あらためて前回の注意点をまとめると、ミニ合宿を効果的に実施するために不可欠な練習環境についてでした。そして、今回もそのミニ合宿について考えていきます。
はじめに至極当然のことですが、どんな短期間の合宿であっても、どんな練習をどんな目的で実施するかの練習計画が不可欠になります。もちろん、その計画を実施することが可能な走力を有した個人や、その仲間たちが集まっていることが大前提になります。
実は、誰もが「そんなことは当たり前」と思っていますが、実際にミニ合宿を計画し、参加メンバーを集うと、そうならないことの方が多いのです。したがって、合宿参加者の走力差が広がり過ぎてしまい、一緒に練習をしているつもりなのに、実際はそうではない状況の方が意外と多かったりします。
また、ミニ合宿は仲間も多くいた方が、モチベーションも高まり、充実した合宿になることは確かです。しかし、上記したように合宿参加メンバーの走力差が大き過ぎた場合、長い距離をそれぞれのペースで走ると、ゴール時間に大差がついてしまいます。その結果、その後の合宿計画に影響を及ぼすこともあります。
同様に、合宿時の給水準備やロードコース上の監視をしてくれる仲間もいた方が安心です。私の経験談になりますが、ロードの周回コースで長い距離を走る練習をしていたとき、コースを間違えて行方不明になってしまった合宿参加者が過去にいました(もちろん、無事に保護しましたが……)。
他にも現地入りしたあと、練習計画の意見相違があったため、いくつかのグループにわかれて別々の練習をすることになったこともありました。その結果、それぞれのグループをサポートできる人が足りなくなり、逆にどのグループも満足な練習ができなかったこともありました……。
以上のようなトラブルを避けるためにも、事前に参加者の走力や調子などを細かく把握しておくことはもちろん、無謀な合宿計画ではなく、ゆとりを持った合宿計画が何よりも重要です。
余談になりますが、ミニ合宿の参加者は二十歳前後の学生たちとは違い、ある程度年齢を重ねてきた方々が多くなります。したがって、それぞれが違う仕事を通じて別々の人生を歩んできた者同士の集まりになるので、世の中の捉え方や価値観などが微妙に違ったりします。そんな方々が、お互いにじっくりと語り合えるのもミニ合宿の醍醐味ともいえます。
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夏を走る・8
- 2022-07-23 (土)
- トレーニング計画 | マラソン | マラソントレーニング
【夏を走る・8】7月16日からの3連休は、長野県上田市菅平高原において合宿を実施しました。この間、関東地方は天気が今一つでしたが、菅平高原も雨が降ったりやんだりの天気でした。
また、菅平高原は、元々ラグビーの聖地ともいえる場所ですが、コロナの影響で昨年はラグビー選手たちを見かけることはありませんでした。しかし、今年はそのラグビー選手たちも戻りつつある様子で、活気も戻ってきていました……。
さて、ここから9月中旬あたりまでは、暑い日々が続きます。したがって、長距離走やマラソントレーニングを継続していくには、過酷なコンディションが続くことにもなります。もちろん、暑い中でも工夫をしながら走り込んでいくことは必要です。
しかし、暑い中で我慢して走り込むより、夏の休暇や連休を活用し、比較的涼しい高原などでミニ合宿を実施するのはいかがでしょうか。私が住んでいる千葉県や都内などから見ると、この長野県菅平高原は手ごろな場所といえるでしょう。
もちろん、実業団選手たちのように1週間以上滞在することはできないので、上記したように1泊2日など、短期間になりますが、その効果は十分得ることはできます。そこで、1泊2日などの短期間で実施するミニ合宿の注意点をあらためて考えていきます。
1つ目は場所の選定です。もちろん涼しい場所などが理想的ですが、移動時間がかかりすぎるような場所では、到着しても走り込む時間が少なくなるのと、移動で体力を消耗してしまいます。目安としては、自宅を出発したら午前中には到着してる距離がギリギリでしょうか。
2つ目は宿泊先の選定です。やはり、陸上選手などのスポーツ選手を受け入れることに慣れている宿泊先が間違いありません。例として、長い距離を走るためには、スタート時間がポイントになります。そのためには、宿泊先と食事の時間やお風呂の時間など、様々な調整が必要になります。
3つ目は現地での練習環境です。宿泊先に到着した後、計画していた練習を開始しようとしても、競技場やロードコースまでの移動距離があり過ぎた場合です。徒歩やジョギングで移動することが困難な状況では何もできなくなってしまいます。この点も事前に確認し、自家用車やレンタカーなども必要になる場合もあります。
他にもいくつかありそうなので、次回に続きます。
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夏を走る・7
【夏を走る・7】7月8日から1週間の日程で、北海道北見市において毎年恒例の強化合宿を実施しました。今年も宿泊先のプラザホテルの皆様、北見市の皆様方の絶大なるご支援のおかげで、充実した内容で終えることができました。まずは、厚く御礼申し上げます。
また、この間、ホクレン・ディスタンスチャレンジ北見大会と網走大会に出場することもできました。これも毎年恒例のことですが、日本陸連様、地元関係者の皆様方のご尽力のおかげであり、重ねて御礼申し上げます。
昨年の7月から8月の間は、東京パラに向けた最後の走り込みと調整をこの北見市内で行い、男女とも目標のメダル獲得を達成することができました。もちろん、今年の強化合宿も走り込みをメインにした内容でしたが、特に最初のレースとなった北見大会の5000mについては、それぞれが記録を狙って挑みました。
さて、同大会には、2017年からブラインド部門を加えていただき、パラ選手たちも出場できるようになりました。ところが、昨年までの間、天候や気温など大会当日のコンディションに恵まれなかったこともあり、日本記録や個々の自己記録更新もほとんど残せてきませんでした……。
しかし、今年は昨年の東京パラで金メダルを獲得した女子の道下選手、同じく銅メダルを獲得した男子の堀越選手をはじめ、男女ともT12マラソン代表選手が揃い、「お世話になってきたこの北見大会で今年こそは自己記録更新を!」と、その思いは過去最高潮でした。
果たして大会当日は、選手たちのその思いが通じたのか、天候などのコンディションは我々が参加してきた中では過去最高に整ったこともあり、自己記録更新を達成した選手が複数でました。
特に、東京パラのT12女子マラソンで金メダルを獲得した道下選手と5位に入賞した藤井選手は、6月の日本パラ陸上競技選手権大会に引き続き、2大会連続の自己新記録を達成。その道下選手の「18分21秒75(5000m)」は、2大会連続のアジア新記録(日本新記録)でもありました。また、今年58歳の藤井選手は「20分22秒53(5000m)」と、自己記録を最更新しましたが、まだまだ発展途上です。
さらに、東京パラのT12男子マラソンで銅メダルを獲得した堀越選手は、惜しくも自己記録更新には届きませんでしたが、5月から3大会連続の14分台(3大会ともセカンド記録)を達成しました。
このように、地元開催の大舞台を経験し、さらに同大会で結果を残した選手たちは、心身ともにもう一段上のレベルに到達したといえるでしょう……。
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夏を走る・6
【夏を走る・6】いよいよ本格的な夏の到来です。しかし、長距離走やマラソンのような持久系スポーツは、暑さの中では様々な危険が伴うスポーツといえるでしょう。一方、この暑い時期も秋以降のマラソンシーズンに向けた準備ととらえると、夏はとても重要な季節ともいえます。
これも毎年のことになりますが、いわゆる「夏の走り込み」です。基本的なトレーニング内容はそれぞれのチームや個々によって異なりますが、暑さに負けない工夫をしながらそれぞれが走り込んでいることでしょう。
その結果、秋以降のマラソンで目標の記録や成績を達成するランナーも数多く見受けます。このように暑さの中での長距離走やマラソンのトレーニングには危険もともないますが、とても重要であるともいえるでしょう。この点は、市民ランナーの皆さまもよく理解していることと思います。
ところが、毎年夏の走り込みは充実していたにもかかわらず、秋のマラソンシーズンに入っていくと、なぜか調子が悪くなっていくランナーを、毎年見受けるのも確かです。また、その原因を単に夏の走り込みと、決めつけることが難しいのも確かです。
しかし、夏をはさんで逆に調子が悪くなっていくランナーがいるもの間違いなく、この点は理解しておく必要はあります。特に、暑さが苦手と自覚している方は要注意です。詳細な説明は割愛しますが、「暑さに強いか否かは、生まれ育った場所の環境に強く影響される」と説明する専門家もいます。つまり、寒い地方で生まれ育った方は大人になっても暑さが苦手と……。
毎年、「夏の走り込みを実施しても秋から調子が上がらない」と自覚している方は、今年の夏は思い切ってその走り込みを見直してみるのも、ひとつの選択かもしれません。つまり、秋から良い体調で走り込めるよう、夏は体調重視で軽めのランニングに抑えていくなど、例年とは逆の考え方で試してみるのです。
その場合、目標のマラソンも例年よりも少し後ろにずらしていくことも必要になるかもしれません。しかし、これから苦手な夏に立ち向かうより、思い切って苦手な夏を見送ることの方が、実は良い結果に結びつくかもしれません。
もちろん、やるかやらないかは、あなた次第……。
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