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マラソン大会 Archive

第63回別府大分毎日マラソン・下

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【第63回別府大分毎日マラソン・下】当日のコンディションは、早朝から快晴となりました。また、予報では何と18度まで気温が上がるとのことで、2月にしては想定外の気温です。

ところが、10時30分頃だったでしょうか、霧が突然出てきました。結局、霧が晴れることなく選手たちはスタートしましたが、霧のおかげで気温もそれほど上がらず、風もほぼ無風と逆にコンディションは良くなったように感じました。

また、先頭集団のペースも、何が何でも「3分/kペース」と言うような感じではなく、2時間10分切りを目指したペースで終盤まで集団を形勢し、見ごたえのある内容でした。同様に、今回も2時間30分をはじめ、2時間40分、2時間50分…と、それぞれの目標タイムに見合った市民ランナーたちの集団も形勢され、応援する側としても力が入りました。

そんな中、私の選手たち(市民ランナー)も、それぞれの目標タイムに向かって快走しました。特に、女子の部にエントリーしたY選手とK選手の2選手については、自己記録更新と共に上位入賞も期待し、送り出しました。

結果は、2選手とも目標設定タイムどおりにレースをすすめ、後半ややペースが落ちましたが、Y選手が優勝、K選手が2位と、素晴らしい結果を残してくれました。また、他の選手たちも今の力を出し切る内容で、次のマラソンにつながる走りでした。

そして、全盲ランナーの和田伸也選手と谷口真大選手も、一般ランナーたちの胸をかりて快走しました。日本記録を狙った和田選手は、自身の持つ日本記録には惜しくも届きませんでしたが、谷口選手は自己記録を6分も更新する頑張りでした。

◆男性市民ランナー:H選手/2時間29分55秒(自己新)、T選手/2時間46分12秒(自己新)、K選手/2時間52分52秒(セカンド)、Y選手/3時間6分26秒(目標達成)。

◆女性市民ランナー:Y選手/2時間41分56秒(自己新)/優勝、K選手/2時間53分35秒(セカンド)/2位、N選手/3時間4分36秒、K選手/3時間5分00秒、E選手/3時間7分45秒(自己新)、K選手/3時間7分56秒、F選手/3時間24分52秒(目標達成)。

◆全盲ランナー(T11クラス):和田伸也選手/2時間37分28秒(セカンド)、谷口真大選手/2時間42分28秒(自己新)。

さて、今回の別大マラソンを沿道から応援していて、あらためてランニングブームの勢いを感じました。と、言うより、ブームではなく確実に定着しています。それに伴い、単に「マラソン完走や大会出場」を目的にしていた方々が、マラソンを完走することによって、記録を目標に次のマラソンに挑戦する姿も増えてきました。

一方で、最初は自己記録更新が大きな目標になり、日々の走り込みも精力的に取り組んでいきますが、走歴やマラソン回数を重ねることによって逆に記録更新が難しくなっていく面も出てきます。今回の別大マラソンに出場した上記ランナーの中にも、その点を不安に感じたり、焦りを強く感じる方々もいました。

マラソンは記録重視で評価される面が強く、自己記録更新にこだわる姿勢は大切です。しかし、永遠に記録更新を目指していくことは残念ながら不可能です。その点を理解し、更に身の丈に合った目標を掲げて次のマラソンに挑戦していく姿勢は更に重要と考えます。もちろん、この個々の目標設定が最も難しいのですが…。

次のマラソンに向け、どのランナーも更にモチベーションを高めながら挑戦していけるよう、今後も地道な練習会を継続していきます。

おわり。

第63回別府大分毎日マラソン・上

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【第63回別府大分毎日マラソン・上】第63回別府大分毎日マラソンが、2月2日(日)に開催されました。伝統あるこの大会に、今回も私の選手(市民ランナー)も多数出場しました。また、日本盲人マラソン協会(JBMA)からも全盲ランナーである和田伸也選手と谷口真大選手が出場し、一般ランナーたちの胸をかりて快走しました。

さて、この大会は、2011年大会から参加標準記録を「3時間30分以内」に緩和したため、世界を目指すトップランナーから男女の市民ランナーまでの幅広いランナーたちが集う、名実ともに日本マラソン界を支える大会にリニューアルしました。

その後、参加人数も右肩上がりで増えており、今大会は過去最多の約3200名のランナーが参加しました。同時に、底辺拡大をはかったことで、一時期低迷気味だった同大会も再び活況を呈してきました。参考までに、過去5大会の2時間20分と2時間30分突破人数、そして、3時間突破人数を調べてみました。

◆2010年大会/2時間20分突破:22名、2時間30分突破:39名、3時間00分突破:470名(ゴール関門が3時間以内)。◆2011年大会/2時間20分突破:13名、2時間30分突破:40名、3時間00分突破:836名。◆2012年大会/2時間20分突破:22名、2時間30分突破:48名、3時間00分突破:815名。◆2013年大会/2時間20分突破:22名、2時間30分突破:44名、3時間00分突破:959名。◆2014年大会/2時間20分突破:26名、2時間30分突破:66名、3時間00分突破:997名。※女性ランナーは除く。

もちろん、大会当日のコンディションに記録は大きく左右されるので、単純に数字を比較できませんが、大会が盛況になってきていることは間違いありません。ところが、参加標準記録を「3時間30分以内」に緩和したと言っても市民ランナー的には、別大マラソンのハードルはかなり高い設定と言えます。しかし、その結果、先頭から後方ランナーたちまでが、本気で記録と向き合って激走している姿が多く、逆に大会を引き締めているようにも感じました。

前置きが長くなりましたが、私がコーチする選手たち(市民ランナー)も、この1年間、伝統の別大マラソンで快走することを目標に地道な走り込みを継続してきました。特に、2011年から新設された女子の部を目標に走り込む女性市民ランナーが多くなり、今回も7名の女性が挑戦しました。

そして何より、日本盲人マラソン協会(JBMA)から全盲ランナーの和田伸也選手と谷口真大選手が初参加しました。両選手は昨年夏にフランスで開催されたIPC世界陸上に日本代表として出場し、和田伸也選手が銀メダル、谷口真大選手が自己新記録で5位入賞。その後も好調をキープしている日本人トップ2の全盲選手です。

また、今回の別大マラソンは、今井正人選手や前田和浩選手等、国内外トップクラスの選手が多数招待されており、個人的にもマラソンファンとして楽しみな大会となりました。

つづく。

福岡国際マラソン

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【福岡国際マラソン】数々のドラマが繰り返されてきた伝統の「福岡国際マラソン」が、12月1日(日)に開催されました。今年も何かと話題の多い大会でしたが、終わってみれば今回も公務員ランナーである川内優希選手が話題を独占しました。

もちろん、私の選手たち(市民ランナー)も出場したので、今年も現地にて応援してきました。当日のコンディションですが、実はスタート直前まで雨が降っていました。しかし、スタート後は雨もあがり、天候は回復していきました。

また、沿道で応援している感覚では、雨が降っていたときは暖かく感じ、天候の回復と共に気温が下がっていったように感じました。その影響のためか、18k付近で応援したとき、どの選手も発汗が多く、前半で予想以上に体力を消耗しているように感じました。今回、私の選手たちは前半を抑え気味に入ったにも関わらず、気温の影響があったのか、後半は身体が固まって動かなくなったと振り返っていました…。

さて、レース結果はご存知のとおり、川内優希選手が中盤以降に見せた粘り強さばかりが目立つ内容でした。多くのマスコミや陸連関係者のコメントも川内優希選手を絶賛するものが多く、まさにそのとおりと感じる内容でした。

実は、今回の招待選手の中に松宮隆行選手の名前もありました。松宮選手は、5000mと30kの日本記録保持者で、北京五輪の5000mと10000mの日本代表選手です。つまり、日本最強のスピードランナーでもあります。しかし、今回の結果も含め、いまだにスピードを活かしたマラソンに移行できていません。

一方の川内優希選手は、どちらかと言えばスピードはなく、スタミナと自分自身の経験を頼りに粘り抜いていくマラソンを貫いています。まさに日本人気質である職人です。近年のマラソンは、黒人選手の台頭で驚異的に記録がのびています。その影響もあり、実業団関係者や他のマラソン関係者も口をそろえて「まずはスピード強化」と、コメントしております。しかし、そのコメントとは裏腹に、スピードを手にいれたランナーたちのマラソン挑戦は必ずしも成功しているとは言えません。

古い話しですが、1980年代から1990年代に活躍した児玉泰介選手や谷口浩美選手をはじめ当時のサブテンランナーの多くが、10000mは28分台半ば、5000mは13分台後半と、今の箱根駅伝常連大学のエースレベルにも届かないスピードでした。しかし、マラソンは川内優希選手のような粘りを身上とした職人気質に満ちたマラソンが多く、世界をリードしていました。

日本のお家芸であるマラソンは、今も昔も何かと話題になるスポーツですが、世界のスピード面ばかりに目が行き、日本人が本来得意とする「粘り強さ」が失われつつあるようにも感じます。そして、川内優希選手の時代に逆行するようなスタイルでの頑張りは、そんな日本人選手たちへの強いメッセージとも感じました…。

横浜国際女子マラソン

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【横浜国際女子マラソン】本格的なマラソンシーズン開幕の先頭をきって、「横浜国際女子マラソン」が、11月17日に開催されました。今年から参加標準記録も「3時間15分以内」に緩和され、招待選手13名と328名の女性ランナーがエントリーしました。

しかし、当日のコンディションは、気温が20度近くになったのと、海からの風が強かったことも影響し、記録的には低調な結果でした。また、その結果に対する日本陸連関係者やマスコミ関係のコメントは日本女子マラソン界に対する危機感をあらわにする内容が多かったように感じました。

実際に私も現地の沿道で選手たちの応援とサポートをしましたが、私の選手たちも(市民ランナー)、全員が厳しい結果となりました。マラソンはゴールタイムが全てであり、ある意味残酷なスポーツでもありますが、今回の結果を素直に分析し、次回以降のマラソンに活かしていきます。

さて、若手選手の台頭が期待されている日本女子マラソン界ですが、今回の横浜国際女子マラソンにエントリーした年齢構成を簡単にまとめると次のようになります。◆招待選手:合計13名、29歳以下=4名(31%)。◆一般参加選手(ほとんどが市民ランナー):合計328名、29歳以下=25名(8%)、30歳代=106名(32%)、39歳以下合計=131名(40%)。

いかがでしょうか?

この数値をどのように判断するかは個々の捉え方になりますが、女性市民ランナーの29歳以下はたったの25名で、全体の8%にすぎません。私自身は、女性市民ランナーのマラソンコーチをするようになって10年以上になります。この間の主要国際女子マラソンのほとんどは現地にて応援してきましたが、参加している女性市民ランナーのメンバーはほとんどかわっていない印象を持っていました。上記の数値は今回の横浜国際女子マラソン大会に限ったデータですが、私自身の印象を裏付けるデータのひとつにも感じます。※サブスリーを達成している29歳以下の女性市民ランナーは極めて少数となっている。

また、日本マラソン界に、とても大きな波がおきました。それは、2007年の東京マラソンをきっかけにはじまった「ランニングブーム」です。最近では、全国各地のマラソン大会でエントリーすら難しい状況となっており、ますますブームに拍車が掛かっています。しかし、実際にはランニング人口の増加が、日本マラソン界のレベルアップにはリンクしておらず、逆にマラソンのレジャー化が進んでいる状況と感じます。更に厳しい見方ですが、上記の数値は、ランニングブームが女性市民ランナーのレベルアップにも影響を与えていないとも読み取れます。

ここで、女子マラソン日本歴代10傑の記録を確認してみます。日本記録は野口みずき選手が2005年のベルリンマラソンでマークした「2時間19分12秒」です。高橋尚子選手が世界初の2時間20分を突破したのも2001年のベルリンマラソンでした。その記録を渋井陽子選手が破ったのも2004年のベルリンマラソンです。そして、日本歴代10位も大南博美選手が2004年のベルリンマラソンでマークした「2時間23分26秒」です。

ベルリンマラソンばかりが目に付きますが、実はランニングブームがはじまった2007年以降にマークされた日本歴代10傑以内の記録は、2012年の大阪国際女子マラソンで重友梨佐選手のマークした「2時間23分23秒」だけなのです。それも歴代9位です。この実態からも長期低迷期に入っていると言えます。

以上のように日本女子マラソン界が厳しい状況なのは、私も間違いないと感じます(女性市民ランナーの底辺も含め)。もちろん、他にも様々な要因が重なっていることも事実です。また、私のような単なる市民ランナーを指導する者が偉そうに言うことではありませんが、男子マラソンの川内優希選手のような女性市民ランナーを発掘・育成していくことは、日本女子マラソン界復活にも必要不可欠と感じた横浜でした…。

南房総市ロードレース千倉

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【南房総市ロードレース千倉】9月23日(月・祝)、千葉県南房総市において、「南房総市ロードレース千倉」が開催されました。この大会は、今回で42回と伝統があり、かつて私も何度か走った大会です。

今回、、久々に選手の応援で大会会場まで足を運びましたが、アットホームな大会の雰囲気は昔と変わりません。ご存知のとおり、ランニングブームがきっかけで、全国各地で開催される多くの市民マラソン大会は大盛況で、申込みがわずか1日で終了してしまうケースも珍しくなくなりました。

同時に、大会会場の大きさや会場までのアクセス等を考慮しないまま定員だけを増やし、多くのトラブルを抱えている大会が増えているのも事実です。そんな中、同大会もランニングブームの影響で参加者は増えていますが、身の丈に合った大会運営を継続していると感じる大会です。もちろん、個人的にもこの雰囲気を継続してほしいと願っております…。

また、同大会は日本陸連未公認大会なのですが、昔から箱根を目指す多くの学生選手たちが出場することでも有名です。ちょうど、夏の走り込みを終え、秋の駅伝シーズンに入る前の調子を確認する意味でも、手ごろな大会だからです。かくいう私も現役時代、同様の理由で同大会のハーフを何度か走りました。

その当時は、夏の走り込みを終え、あえて調整をしない状態でハーフを走るのですが、一緒に走る二十前後の学生選手は容赦なくスタートから突っ込みます。もちろん、、負けじと付いていきましたが、夏の疲労が残っている状態なので、15kあたりからかなり苦しみました。まるで30kを過ぎたマラソンのようでした。しかし、このハーフで強い刺激が全身に入ると、10月から一気に調子が上向いていきました。今となっては懐かしい思い出です…。

さて、42回目となった今大会は、海からの風が強く、参加したランナーたちを苦しめました。もちろん、その強風は記録にも影響し、どの部門の記録も低調でした。そんな中、私がコーチする選手(市民ランナー)たちも元気に出走しました。

結果は、強風の影響で記録は低調でしたが、それぞれの部門で上位に入ることはできました。特に、10kの部門に出場した2選手は、前日に30kの距離走を実施してからの出場でしたが、男子総合4位と女子総合優勝と、マラソンランナーとしての粘り強さを発揮しました。

これから本格的なマラソン及び各種ロードレースや駅伝シーズンに入ります。箱根を目指す学生選手たちのように駅伝やハーフまでの距離が目標なら、各種記録会やロードレース大会での実戦を多く積むことは、スピードに慣れる意味でも有効的な調整方法になります。

しかし、目標がマラソンなら逆に走り込み不足に陥る危険性もあります。なぜなら練習の一環として出場するハーフマラソンや駅伝にも関わらず、わざわざ練習量を落として調整をしてしまうケースが多いからです。したがって、これが毎月何本も出場するペースになってくると、本人は実戦で鍛えるつもりでも、逆に走り込みの絶対量(土台部分)が不足していく危険性もあります。この点のバランスは、十分に注意してほしいと思います。

皆さん、風邪に注意です!

第33回スポニチ山中湖ロードレース大会

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【第33回スポニチ山中湖ロードレース大会】先日の5月26日(日)、山梨県において山中湖ロードレース大会が開催されました。残念ながら私自身は現地での応援はできませんでしたが、私がコーチする選手たち(市民ランナー)も出場しました。

特に、ハーフ一般女子の部に出場した山口遥選手(AC・KITA)は、見事3連覇を達成しました。記録的にも1時間21分44秒と、自己記録には届きませんでしたが、同大会でマークした過去最高記録でした。

この大会は、ランニングブーム以前から人気は高く、このブログに記載したこともありますが、私も過去に優勝経験のある大会です。※第16回大会/ハーフ一般男子の部/優勝/1時間8分28秒。

至極当然のことですが、自分自身が過去に出場した大会において、自分のコーチする選手が優勝することは、とても感動的なことです。もちろん、優勝した山口選手は市民ランナーですが、20代と若く、将来性豊かな選手です。

これは、個人的な視点も入りますが、ランニングブームと言いつつも、男女とも20代の市民ランナーは圧倒的に少ないと感じます。また、私が現役時代の市民ランナーたちと比較しても、ストイックに走っている人は少なくなり、レベルも落ちている感は拭えません。※マラソンの記録を見ると、2時間20分前後で走っている市民ランナーが少なくなった。

そんな中、公務員ランナーの川内優希選手が出現し、低迷していた男子マラソンに勢いが戻ってきました。同じく、山口選手には女性市民ランナーとして、川内選手に匹敵するようなランナーに飛躍してほしいと期待している選手です。

そんな彼女も実は、今年に入ってから貧血に苦しみ、調子がなかなか上がりませんでした。しかし、思うようにスピードの上がらない辛い日々も、決して投げ出すことなく地道な取り組みを継続し、今回の優勝につなげました。

そして、今回の貴重な経験を目標である秋のマラソンにつなげて行ってほしいと…。

第25回横浜駅伝

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【第25回横浜駅伝】4月29日、神奈川県横浜市の鶴見川ランニングコースにおいて、毎年恒例の横浜駅伝が開催されました。この駅伝大会は市民ランナーが参加するローカル大会ですが、7区間42.195kと本格的です。もちろん、各区間距離は男子高校駅伝と同じなので、走歴の浅いランナーがレジャー感覚で仲間たちと気楽に参加するには、少し過酷な大会と感じます。

また、近年のランニングブームは全国各地で開催される駅伝大会にも波及し、この大会でも今年は、670前後のチームがエントリーしました。全国的には、既にもっと参加チームの多い駅伝大会は数多くありますが、これだけ距離の長い駅伝としては異例の参加チーム数です。

さて、私がコーチするクラブチームも3チーム参加しました。特に、男女混合の部で7連覇中のAC・KITAは、8連覇に挑みましたが、7選手とも大きなブレーキもなく8連覇を達成することができました。

少し手前味噌的な話しになりますが、私なりに考えたこの駅伝大会の攻略ポイントをまとめてみました。はじめに、この駅伝大会を攻略していく上で難しい点は、大きく2つあります。

◆難点1).7区間と区間数が多い。◆難点2).8k以上の長距離区間が3つある。

誰もが真っ先に気が付く点ですが、それなりに走力のあるランナーに長距離区間をお願いするとしても、ひとチームに3名揃えることは難しい調整が必要になります。更に、区間数が多いので、長距離区間に3選手を配置してしまうと、チーム内で走力の落ちるランナーを短い区間に配置することになります。ところが、短い区間と言っても残りの4区間は、3k区間が2つ、5k区間が2つと、実は決して短い距離ではありません。

実際に横浜駅伝を毎年見ていると、1区の10k区間ではどのチームもエース級を投入しています。したがって、上位を狙っているチーム間のタイム差は意外とつかないものです。ところが、2区の3k区間にタスキが渡ると、レースは一気に終盤の様相を呈していきます。

力のあるチームは、1区を走った選手以上にスピードのあるランナーが登場します。ところが、メンバー編成がギリギリのチームは、チーム内で最も遅いランナーが登場します。その結果、1区の10k区間では、最大でも1分差が付くか否かの状況が、2区の3k区間だけで2分から3分の差が付くことすら珍しくありません。信じられないかもしれませんが、これが市民駅伝の大きな特徴でもあり、攻略していく上での重要ポイントになります。

特に、男女混合の部では、2区の3k区間は女子の指定区間となります。しかし、この女子区間に走力のあるランナーを配置できるチームは多くありません。案の定、今年の大会でも、私のチームはこの2区で先頭に立ち、あとはゴールまで独走でした。

同じく5区も3k区間ですが、こちらは男子区間となります。しかし、ここでも1区の10k区間や7区の8k区間にエース級を配置すると、この5区の3k区間は手薄となります。ここでも私のチームは毎年、チーム内で最も5kの走力があるランナーを配置することによって、勝負が後半までもつれても、この区間で確実に突き放す展開を実戦してきました。

実は、実業団(プロ)や学生、高校駅伝の攻略ポイントもほぼ同じで、「つなぎ」と言われている区間にどれだけの選手を配置できるか否かが、勝負の分かれ目になる駅伝は意外と多く、どのチームも頭を悩ませる点でもあります。

さて、10連覇まであと2つとなりました。何でも10年間継続していくことは言うまでもなく、たいへんなことです。たかだかローカルな市民駅伝大会での連覇ですが、連覇を継続していくためには1年間を通じてある程度明確な目標(期分け)や、それに沿ったトレーニング方法を構築していく必要があります。そして、その経験を積み上げていくことで選手(市民ランナー)たちは大きな自信をつかみ、最大の目標であるマラソンにもつながっていると感じます。更に、その自信がそれぞれの人生につながってほしいと…。

名古屋ウィメンズマラソン2013

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【名古屋ウィメンズマラソン2013】今年の8月、モスクワで開催される世界陸上モスクワ大会の代表選考レースを兼ねた名古屋ウィメンズマラソンが、3月10日に開催されました。また、この大会が国内で実施される最後の代表選考レースとなりました。

結果は、既にご存知のとおり、木崎選手が代表決定第1号となる好記録で優勝。更に、アテネオリンピックの金メダリストである野口選手が3位に入るなど、見ごたえのあるレースでした。

木崎選手はロンドンオリンピックに引き続き、2年連続で日本代表入りとなりました。実は、オリンピックの翌年開催の世界選手権に連続で出場する女子代表選手は国内初とのことです。

至極当然のことですが、どの選手も最大の目標としているのがオリンピックの舞台です。そのため、最も高くて険しい山を征服した直後に、再び次の険しい山を目指して激しいトレーニングを継続できる精神力は、驚くばかりです。木崎選手は、男子マラソン以上に低迷が危惧されている女子マラソンの救世主となるに違いありません。

一方、野口選手についても、アテネオリンピック後、長期低迷に苦しみましたが、見事な復活です。私のような者が軽々しく言う言葉ではありませんが、「凄い!」の一言です。あらためて、今回のマラソンで見せた、「あきらめない心」こそが、マラソンで最も重要な要素であると、野口選手は証明しました。

今回、私の選手(市民ランナー)は、4名出場しました。そして、自己記録更新を目標にした選手は1名でしたが、残念ながら記録更新には届きませんでした。しかし、自ら「自己記録更新を狙う」と、宣言して挑んだ今大会は、いつも以上に自信にあふれた堂々とした走りでした。そして、今回達成できなかった自己記録更新も近い将来必ず達成できると、私自身も手ごたえを感じることができました。また、他の3選手についても、2選手が目標タイムを達成することができ、次回以降のマラソンにつながる内容でした。

さて、実業団選手(プロ)はもちろん、市民ランナーの方々でも常に自己記録更新ばかりに目がいき、自分自身の状況を的確に把握できていないまま、マラソンに挑むランナーは意外に多いと感じます。何度かこのブログでも取り上げましたが、記録更新ばかりに目が向くと、どうしても場当たり的な雑なレースが多くなります。その結果、逆に失敗経験を積み重ねることになり、マラソンに対する自信やモチベーションを下げることになってしまいます。

野口選手や木崎選手が今回のマラソンで見せた快走は、身の丈にあった取組みと目標設定の大切さをあらためて示したのではないでしょうか。また、今回のマラソンで国内の大きなマラソンもひと段落し、4月からは新年度がスタートします。今年度もマラソンを通じて多くの経験を積むことができましたが、4月からの新年度に活かしていきます。

東京マラソン2013

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【東京マラソン2013】ランニングブームの火付け役となった、今年で7回目の東京マラソンが、2月24日に開催されました。今年の大会からワールドマラソンメジャーズ(WMM)に加わったことで、名実ともに世界のトップレースとなりました。特に、海外からの男子招待選手は、2時間4分台の記録を持つ世界のトップランナーが4名も出場し、記録への期待はこれまで以上となりました。

ところが、当日の天候は晴れたとは言え、北風が強く気温も低めで、記録を狙うには厳しいコンディションだったと、沿道からは強く感じました。案の定、先頭集団はスローペースな展開となりましたが、30k過ぎから爆発的なスパートを見せたケニアのキメット選手が2時間6分50秒のコースレコードで優勝。日本人トップは、後半の粘り強さを見せた前田選手が2時間8分00秒の好記録で4位に入りました。

キメット選手の自己記録は2時間4分16秒、前田選手は2時間8分38秒と、4分以上の開きがあります。しかし、キメット選手の爆発的なスパートに対し、日本人ではたったひとり粘り抜き、1分弱の差でゴールした前田選手の走力は世界と十分に戦える可能性を示したと言えます。

また、30kまでのペースメーカーに対する厳しいコメントも見受けられましたが、個人的には好アシストだったと思います。なぜなら、過去の国際大会においても、厳しいコンディションの中で無理に設定タイムを貫いた結果、記録を狙った先頭集団全員が後半失速し、逆に先頭集団に付けなかった後方の選手たちが上位を独占してしまったケースは意外と多いからです。

今回、結果的には30kまでペースを上げられなかったことで、20名近い大集団を形成しました。同時に、有力選手たちがその集団の中で体力を温存できたことが、30k以降の爆発的なスピードを生み出し、好記録へつながったと感じます。

さて、私の選手たち(市民ランナー)も厳しいコンディションの中、自己の記録へ挑戦しました。特に、出産後はじめてのマラソンとなったママさん主婦ランナーのFさんは、「3時間30分突破」を目標に前半からキッチリと目標ラップタイムを死守していきました。そして、最も苦しくなる30k以降も日本人トップとなった前田選手に引けを取らない粘り強さと、得意のラストスパートを発揮し、「3時間29分43秒」の大記録でゴール!出産後の大きな目標だった別大マラソンの切符もガッチリと手にする見事な快走でした。

マラソンは自分自身の目標に沿ったラップタイプをしっかりと刻んでいくペース感覚は重要な要素となります。しかし、当日のコンディションやレースの流れを読んで、目標ラップタイムを上下に修正しながら粘り抜く力は更に重要な要素です。今回の東京マラソンは、その力の差が記録と順位に大きく反映されたマラソンだったと…。

第62回別府大分毎日マラソン

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【第62回別府大分毎日マラソン】2月3日に開催された伝統の別大マラソンは、期待どおりに川内選手と中本選手の一騎打ちとなり、川内選手が見事な大会新記録で優勝しました。

さて、「あの選手は勝負強いランナー」と、よく耳にします。その強さとは、一般的には勝負に勝つことを指します。ところが、どんなに小さな市民マラソン大会においても「優勝」することは、簡単ではありません。しかし、優勝すると、大会会場にいる大勢の前でインタビューを受けたり、表彰されます。また、大会によってはテレビ中継があり、翌日の新聞に名前や写真が掲載されたりもします。これは、誰もが本来持っている「認められたい」と言う欲求を見事に満たしてくれます。そして、一度でもこの経験(蜜の味)をしたランナーは、最も苦しい勝負どころでも最後まで優勝をあきらめません。すなわち、勝負強くなります。

川内選手は、2009年の別大マラソンでマラソンデビューをし、この4年間で実に21回もマラソンを走ってきました。特に、今回の別大マラソンを含め、この1年間だけで何と11回も走っております。そして、特筆すべきは、この1年間で優勝を7回も経験したことです。私が偉そうに言える立場ではありませんが、間違いなく現役日本人選手で最も勝負強いランナーのひとりであると言えます。

また、「あの選手は安定しているランナー」と、よく耳にします。その安定とは、一般的にはどんな大会でも上位でゴールしたり、記録にムラがないことを指します。その指標のひとつにマラソンを走った回数に対し、自己記録を何回達成したかを見ます。実は、実業団選手(プロ)をはじめ、市民ランナーの中でも既に10回以上マラソンを完走しているにも関わらず、自己記録更新を一度も経験したことのないランナーは意外と多くいます。つまり、初マラソンが生涯記録となっているケースです。もちろん、最初からレベルの高い記録をマークした場合、記録を更新することは簡単ではありません。

しかし、自己記録を達成したことの無いランナーは、一発狙いの雑なレース内容が多く、自分自身の力を出し切る能力やレース状況を的確に判断する能力が不足しているケースが多いとも感じます。

中本選手は、今回の別大マラソンで10回目のマラソンでした。そして、5回目の自己記録更新です。ハイレベルな記録を目指している実業団選手(プロ)の中において、自己記録達成率が5割と言うのは、驚異的な安定感とも言えます。その真骨頂が、昨年のロンドン五輪での6位入賞と、中本選手は歴史に名前を刻みました。

このようにタイプの異なる川内選手と中本選手の直接対決が実現した今回の別大マラソンは、様々な意味で歴史に残る大会だったと感じます。また、かつての別大マラソンは、エリートランナーのみの大会でしたが、数年前から参加資格を3時間30分まで広げ、女子の部も新設しました。その結果、今大会は3千名以上のランナーが伝統ある別大マラソンに挑戦し、あらためて「新人の登竜門」と呼ぶに相応しい大会へと進化しました。

そして、川内選手と中本選手の歴史に残る一騎打ちは、一緒に別大マラソンを走った多くの市民ランナーたちへ、勇気と希望のメッセージを残したに違いありません。

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