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新日鉄住金

続・菅平合宿

【続・菅平合宿】先日の7月28日から2泊3日の日程で、再び長野県菅平高原において合宿を実施しました。各地に大きな被害をもたらした台風も懸念されましたが、特に大きな問題もなく終えることができました。

さて、菅平高原でのトレーニングは各種ロードコースやクロスカントリーコース、トラックでのランニングも可能です。したがって、短期合宿でも目的に応じて様々なトレーニングを選択することができます。

そんな中、クロスカントリーコースとして合宿のたびに利用している「峰の原高原クロスカントリーコース」に新しいランニングコースが設置されました。そのランニングコースは、これまであった1周2キロのクロスカントリーコースに併設した全天候型コースの新設です。

具体的には、1周2キロの全天候型クロスカントリーコースの誕生です。

実は、クロスカントリーコースでのランニングは様々な効果がある反面、足首や脚などに故障や怪我を抱えているランナーにとって、路面の悪いクロスカントリーコースは逆に不安になります。ところが、新設された全天候型コースだと、起伏を残しながら路面の悪さを解消できたので、脚に多少の不安があるランナーでも安心して走れるようになります。

実際に、今回の合宿から本格的にトレーニングを再開したランナーもいましたが、特に問題なく快適に走れていました。また、視覚障がい選手にとっても、起伏があっても路面上の凹凸が解消されているので、安心して走ることができるようになります。

この後、8月と9月に1回ずつこの菅平高原において合宿を実施する予定です。今後はこの新設された全天候型クロスカントリーコースをもっと積極的に活用していきたいと思います。

特に今年は、記録的猛暑が続いています。そのため、これまで休日を活用して何とか走り込めていた方も、この暑さでは難しい状況だと思います。思い切って週末を活用した短期合宿を、菅平高原のような涼しい場所で実施するのもおすすめです。

猛暑対策

【猛暑対策】全国的な猛暑が続く中、涼しい長野県菅平高原において日本ブラインドマラソン協会主催の強化合宿を実施してきました。夏にこの菅平高原において合宿を実施するようになって、個人的な合宿も含めると20年近くになりますが、これまで経験したことのないような暑さだったのは言うまでもありません。

ロードでの距離走もできるだけ日陰の多いコースに変更して実施しましたが、熱中症になる選手も出るなど、これも菅平高原においては経験したことのないトラブルでした。

先日、2020東京五輪で実施されるマラソンのスタート時間が発表されましたが、「日が昇ってしまえば何時でも危険である」との認識をあらためて感じました。もちろん、その後に開催されるパラリンピックのマラソンも9月上旬予定なので、危険な状況に変わりありません。

と、言いながらその厳しい暑さの中で勝負することは避けて通れません。そのため、様々な暑さ対策が必須になります。今回の強化合宿においても、給水における新しい対策を試みました。詳細は割愛しますが、概ね選手たちには好評でした。

しかし、その給水を準備するためにはかなり大掛かりな装置が必要になります。また、作った給水を「その状態をキープしながら各給水地点に設置するためには、どうするのか?」と、あらため問題も見えてきます。

酷暑の中でのマラソンは「給水が命」であり、重要事項になります。ご存知のとおり、各選手が個別に準備するスペシャルドリンクと呼ばれる給水は、スタート数時間前に所定の場所に提出します。

実はその段階で常温に長時間さらされる可能性が高いので、予め給水を冷却していたり、凍らせていたとしても、30k以降に設置するスペシャルドリンクは常温の水道水と同じような状態になっているのが一般的です。

このように給水の中身についての対策は様々な角度から研究され、実際に我々の強化現場においても試せる段階になっています。しかし、その給水を保持するための容器や保管方向など、付帯する重要課題については、ルール上の問題もあるのでこれからなのが現実です。

至極当然のことですが、2020年の東京で金メダル獲得を目指す前に、選手や伴走者の命に係わる危険をどのように回避していくかの課題は「待ったなし」の状態と言えます。

猛暑

【猛暑】今年は夏の到来と共に、記録的な猛暑が続いています。本来なら屋外での活動は全て自粛するような天候ですが、秋以降のマラソンを目標にしているランナーの皆様にとっては、そう簡単にいかないのが現状でしょうか。

同時にこの季節になると、毎年のことながら夏の走り込みについての方法やノウハウが、ネットや雑誌等に氾濫してきます。そしてこれも毎年のことですが、それらの情報から自分自身の走力や生活スタイル等にマッチングしたものを抽出していくことは簡単なことではありません。

また、自分自身にマッチングした方法やノウハウを抽出できたとしても、更に猛暑の中でそれを実行に移すことは、誰が想像しても簡単なことではありません。しかし、それでも果敢に挑戦し、何とかランニングを実施できたとしても、今度は計画的に継続していけないケースの方が多いのも事実です。

こうやって考えていくと、夏の走り込みはほぼ絶望的な話になっていきます。

もちろん、それでは問題の解決になりません。と、言いながら今は情報過多の時代であり、溢れる情報をうのみにしたところで、それを実行し、更にそれを継続して結果を残すまでに到達できる可能性は、やはり低いような気もします。

要は「絵に描いた餅」にならないようにすることが、夏を乗り切るポイントのひとつと考えます。つまり、身の丈にあったことを計画的に継続することです。もう少し具体的に言うと、最初に決めた内容を更に切り詰め、逆に身の丈に達しない程度の更にゆとりある内容に抑えることです。

人の身体は同じ運動でも気温が上昇すると心拍数も上がります。つまり、夏のランニングは秋や冬と同じペースで同じ距離を走っても心拍数が上がり、秋や冬より負荷の高い状態になるのでより苦しくなります。

そのため、暑い夏は無理に頑張るより、逆に自分自身でも驚くほど距離とペースを落とすことが、ひとつのポイントになります。特に暑さが苦手な方は、身の丈に到達しないレベルまで落とし、更にゆとりを持って走ることを推奨します。

暑い寒い・2

【暑い寒い・2】ブラインドマラソン協会主催の北海道合宿も終了しました。今回の合宿も昨年同様、ホクレンディスタンスの網走大会と北見大会に視覚障がい男女の5000mを組み込んで頂きました。まずは、大会関係者の皆様方に厚く御礼申し上げます。

さて、今回の北海道合宿は昨年とは真逆で、最高気温が10度前後とまるで冬のような気温が続くコンディションでした。更に、雨天も続き、暑さでなく逆に防寒が必要な状況となりました。

そんな中、5000mのレースと40k走をセットにした流れをベースに今回の合宿を実施しました。特に、合宿2日目の網走大会とその翌日に実施した40k走は気温が10度前後で雨と、逆に冬季トレーニングのようでした。

案の定、寒さによる影響もあり、こちらが考えていたような記録や内容を残すことはできませんでした。また、翌日に実施した最初の40k走では、低体温症に陥る選手も出るなど、夏とは思えない過酷なコンディションとなりました。

その後もすっきりしない天候と低温が続きましたが、合宿の後半に向かってどの選手も暑さでなく寒さに順化していきました。その結果、最終日に実施した3000mのトライアルが最も良い内容と、これまでの強化合宿とは違う調子の流れでもありました。

2020年の東京パラリンピックも、今回のように北海道で調整し、暑い東京で勝負をしていく流れはほぼ固まっています。しかし、今回のように都内との気温差が20度をこえるような天候も十分に想定できます。

今回の北海道合宿は、この時期としては過去に経験のないコンディションとなりましたが、2020年の東京パラリンピックに向け、「我々の引き出しを増やす貴重な合宿だった」と、次の強化合宿につなげていきます。

今月は、20日から長野県菅平高原、8月は再び北海道合宿と、2020年の東京パラリンピックをシュミレーションしながら残りの夏を走り込んでいきます。

暑い寒い

【暑い寒い】先日の東京都町田市において開催された関東パラ陸上競技選手権大会は、梅雨も明けた真夏日となり、暑さとの戦いとなりました。特に、暑さに最も悪影響を受ける長距離種目においては過酷を極めるコンディションとなりました。

さて、7月3日より1週間の日程で北海道北見市常呂町において、日本ブラインドマラソン協会主催の強化合宿を実施中です。昨年もほぼこの日程で同地において強化合宿を実施しましたが、昨年は北海道も記録的な猛暑で、この常呂町においても気温が35度をこえる記録的猛暑となりました。

果たして今年は、逆に記録的な低温となっている様子で気温が10度前後と、関東から移動してきた者にとっては冬です。また、この合宿期間中、同地において開催されるホクレンディスタンスに出場します。これは、全国の実業団選手や学生選手が集う中長距離種目の記録会です。

特に、長距離種目は夏でもある程度気温が低く涼しい場所だと記録を狙えます。そして、7月4日に開催されたホクレンディスタンス網走大会においては、小雨でほぼ無風。気温も13度前後と絶好のコンディションとなりました。

ところが、5000mに出場した男女の視覚障がい選手たちの記録は、思ったほどのびませんでした。と、言うより「残念な結果」と言う感じです。もちろん、出場した選手たちは最後まで諦めず力を出し切ってくれました。

ゴール後、選手たちの振り返りを聞いていくと、こちらが思っていた点とは違う捉え方もありました。やはり、涼しいと言っても一気に20度近く気温が下がると、身体もそう簡単に順応しないと言うことでしょうか。

今年の夏も2年後の東京パラに向けた調整方法をシュミレーションしながら北海道合宿を実施していますが、今年のように同じ国内でも気温差が20度前後もある場合…。もちろん、暑い場所から涼しい場所へ、逆に涼しい場所から暑い場所へと、どちらのケースも必ずセットになります。

長距離・マラソンの走り込みは暑い場所では難しいので、涼しい場所を求めて移動し、そこでしっかりと走り込みを実施します。しかし、狙っている大会は暑い場所です。涼しい場所で走り込み、最後は暑い場所で勝負する。至ってシンプルな話なのですが…。

新・富津合宿

【新・富津合宿】6月30日(土)から2日間の日程で、関東パラ陸上競技選手権大会が東京都町田市において開催されます。今年の同大会は10月に開催されるアジアパラの日本代表選考にも関係する重要な位置付けとなります。

その大会に出場する選手の調整と、8月の北海道マラソンに向けた走り込みを目的とした強化合宿を千葉県富津市において実施しました。日程は、6月22日(金)から6月25日(月)までの3泊4日。

お世話になった宿舎は「ナカヤマイン」になります。聞きなれない名前ですが、今年3月一杯で閉館した富津岬荘から移転した宿舎になります。もちろん、女将さんはじめ従業員の皆様は同じです。

宿舎場所は富津公園内から移転し、富津公園入口交差点から木更津よりに約400mほど戻った道路に面した場所なので、トレーニング環境も全く変わることなく問題ありません。また、宿舎内の環境も視覚障がい選手たちが直ぐに慣れることができたので、旧富津岬荘以上に快適な環境になっております。

さて、今回の強化合宿ですが、スピードを極端に重視する訳でもなく、逆に距離を多く走る訳でもなく、トラック組もマラソン組にとってもほどよい強度と量にしました。また、これから夏に向けても、秋から冬と同じ設定タイムで同じ本数や距離を走ることは危険です。

なぜなら、冬と同じ設定タイムで同じ本数や距離を走っても、夏は気温の上昇と共に心拍数も上がるので、身体に掛かる負荷や強度も上がるからです。このため、暑い中でのトレーニングは、強度や量を考えないと危険です。まさに、そのさじ加減が本当に難しくなります。

特に、夏にレースを控えていて、それに向けた調整は「何をどの程度実施するのか」の判断は、困難を極めると言っても過言ではありません。もちろん、今回の合宿もその点に神経を使いましたが、「実際にレースの結果を見てみないと何とも言えない」と言うのが本音でしょうか。

無責任な言い方になりますが、夏のマラソンはもちろん、夏のレースに向けた調整やそのための体調管理は何度経験しても難しいのです。まずは「やり過ぎない」が暑さ対策の第一歩になります。

夏の強化合宿

【夏の強化合宿】6月7日(木)から11日(月)の日程で、日本ブラインドマラソン協会主催の強化合宿を長野県菅平高原において実施しました。今年度に入ってからは、5月連休に続いて2回目の菅平合宿となります。

今回の合宿は、8月の北海道マラソンを目標にするグループと、トラックレースを狙うグループに分け、トレーニングも分けて実施しました。

特に、マラソングループは積極的に走り込む内容です。合宿2日目は片道4kの起伏にとんだコースを4往復する32k走を実施し、3日目はトラックにおいて3万m走。そして、翌日は再び起伏にとんだコースで32k走と、3日連続で30k以上の距離を走り込みました。

また、3日目のトラック3万m走は、膝の負担を軽減させる意味からも設定タイムを同じにして3レーンを走らせたので、実際の距離は長く、負荷も高くなっています。

さて、どんな合宿にも共通しますが、トレーニング内容がハードになっていく上でポイントになってくるのは、ハードなトレーニングを先頭で牽引していけるリーダーの存在です。

実業団チームも学生チームも安定したパフォーマンスを発揮しているチームには、必ずこのハードトレーニングを牽引していける肉体的にも精神的にも強い選手が必ず存在します。いわゆるエースと言われる存在です。

今回の合宿は、そのエースと期待している選手が復活し、ハードトレーニングをしっかりと牽引してくれました。その結果、男子選手はマラソングループ、トラックグループ共に計画どおりのトレーニングを消化することができました。

一方、女子選手の方はこの点に課題が残り、個別にも課題の多い内容となりました。

今更ながら合宿の目的は、狙ったレースで結果を残すためです。そのため、レースに向けたトレーニングや合宿も効率を重視した方が良いと考える指導者もいます。

しかし、そのレースは生き物であり、当日のコンディションは常に違います。また、日本代表として出場するレースは相当なプレッシャーが掛かります。

実は、当日のコンディションやプレッシャーは逆に非効率な部分になります。つまり、効率的なトレーニングを積み重ねても、狙ったレースは必ず非効率になるのです。それを克服するには、ある程度の「量」が必要になります。これから夏に向け、更に走り込んでいきます。

6月のトレーニング

【6月のトレーニング】今年も早いもので、6月に入りました。そして、ここからはいよいよ暑い季節の到来で、日中のランニングは最も厳しい時期に入って行きます。

また、この6月は本格的な夏を前にして、暑さに身体を慣らす意味では、とても大切な月になります。いわゆる暑熱順化と呼ばれるもので、暑さに身体を慣らすためには、やはり暑い中で走ることも必要です。

もちろん無理は禁物ですが、暑さを避け朝夕の涼しい時間帯だけのトレーニングでは、夏の暑さに負けない身体をつくることは難しいと言えます。また、少し先の話しになりますが、ここ近年においては9月以降の本格的な秋のマラソンシーズンに入っても、気温が20度をこえる日が増えてきたように感じます。

実は、夏の暑さを避けてきたランナーの中には、秋のマラソンシーズンに入ってから暑さに負けて、走れない方もいます。よく実りの秋と言いますが、これは夏に鍛えた方に当てはまる言葉であり、夏の暑さを避けた方は、秋以降に調子が上がってくるか否かの判定は難しいと言えます。

そんな視点からもこの6月は暑さに身体を順化させながら夏に備えてほしいと思います。

さて、6月も各種レースが各地で盛んに開催されております。暑さに身体を慣らすと言いつつ、長い距離を走るのはやはり危険が伴います。そこで、日ごろ走る機会の少ない10キロ以下のレースやトラックでの記録会出場を推奨します。

いわゆるスピード強化とも言い、夏の走り込み前に一旦スピードを高めておくのは、秋のマラソンシーズンに向けても効果的です。実際に、正月の箱根駅伝やニューイヤー駅伝を目指すトップ選手たちも、この時期は積極的にトラックレースを走っています。

具体的な距離としては、5000mを中心に走っている選手が圧倒的に多く、この時期に自己記録を更新した選手の多くは、秋の駅伝シーズンに入っても安定したパフォーマンスを発揮する確率が高いと感じます。

つまり、この時期のトラックでの記録と秋からのロードレースの記録は密接な関係にあると言えます。これは、一般の市民ランナーの皆様も同じであり、6月は暑さに身体を順化させつつ、短い距離のレースを積極的に走りましょう。

フィットネスチェック

【フィットネスチェック】東京都北区にある国立スポーツ科学センター(JISS)において、日本ブラインドマラソン協会強化指定選手のフィットネスチェックを実施してきました。

このフィットネスチェックは昨年から実施頂いており、選手ごとの身体能力、メンタル面や栄養面などから現状を科学的に把握することで、これまでのトレーニング効果を確認したり、今後の競技パフォーマンスを予測したりするものです。

かつてはオリンピック候補選手に対するものでしたが、今ではパラリンピック候補選手に対しても対応頂けるようになりました。JISSスタッフの皆様も、視覚障がい選手に対する介助も慣れたもので、各測定時における選手に対する安全対策も完璧です。

あらためて、JISS関係者の皆様方に感謝申し上げます。

さて、選手強化活動の現場では、日々のトレーニングや各種レース時における選手ごとのパフォーマンスを把握し、その結果を振り返り、更に修正して次のステップに進むことを繰り返しています。

しかし、当日のコンディションは常に違っており、選手ごとの調子や状態も常に同じではありません。同じようなパフォーマンスを出したとしても微妙に違っています。では、何がどの程度違っているかを把握していくには、やはり科学的なデータが必要になります。

特に、今回のような身体能力面の測定については、自分自身の身体を正確な数値でとらえることができるので、今後の目標記録の設定やそれに対するトレーニング方法を立案していくのに欠かせません。

そして何より、選手自身の意識改革にもつながり、結果的には日々の日常生活も見直す貴重なきっかけになります。もちろん、我々スタッフも同じですが。

これから暑い季節になります。また、2年後の東京パラリンピックも暑さとの戦いは必至です。いわゆる暑さ対策についても、この国立科学センター(JISS)での測定結果やアドバイスを活かしていきます。

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