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日本製鉄君津
2024冬を走る・10
- 2025-02-06 (木)
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【2024冬を走る・10】第73回別府大分毎日マラソン大会が開催されました。そして、今年も「新人の登竜門」に相応しいレースとなり、素晴らしい記録が誕生しました。また、同大会は、IPC公認視覚障がいマラソンの部も2016年大会から設置頂き、今年も男女8名の視覚障がい選手が記録に挑戦しました(男子2名、女子2名の選手が自己記録を更新)。
また、ここ数年は箱根駅伝などで活躍した学生選手が、そのまま別府大分毎日マラソン大会で初マラソンに挑み、快走している流れが定着しています。かつては箱根駅伝を走った後の2月から3月のマラソンに挑む学生選手は多くありませんでしたが、今は箱根駅伝後にマラソンを走る学生選手も増えました。
さて、あらためてマラソントレーニングの最終調整に入っていく30日から40日前に20k前後の駅伝やロードレース大会を「調整の一環として走ること」について少し振り返ってみます(安田の主観)。至極当然のことですが、このときの記録や順位は、目標としているマラソンの結果にも大きな影響を与えます。
具体例として、駅伝なら区間賞を獲得。ロードレース大会なら上位入賞など、いわゆる快走した場合、そのまま目標のマラソンまで走れてしまうケースが多いのは確かです。特にマラソンよりも速いペースで20k前後の距離を走る駅伝やロードレース大会で快走した場合、目標のマラソンで快走する確率は高くなります。さらに、それが初マラソンに挑む場合、その確率はより高くなると考えます。
イメージとして「ハーフマラソンまでの距離をマラソンペースよりも速く走れているので、初マラソンもゆとりを持って最後まで走れる(しかも無欲で)」と……。
ところが、この調整パターンは意外と再現性が難しく、まさに初マラソンから2回連続で成功したケース(選手)をあまり見かけません……。なぜなら、調整の一環として出場する駅伝やロードレース大会を自分のイメージどおりにコントロールすることは難しいからです(特に駅伝)。
「昨年の駅伝では区間賞を獲得したが、今年も同区間を走り、昨年の記録を更新したにもかかわらず区間8位だった」。同様に、「昨年は3位に入ったハーフマラソン大会で、今年は自己記録を更新したが、順位は12位だった」。などなど、ライバルたちも出場する大会は生き物なので、前年の成功パターンと同じような内容を再現することは極めて難しいのです(ほぼ不可能)。
繰り返しになりますが、昨年と同じ駅伝やロードレース大会を走り、前年の記録を更新しているにもかかわらず順位を落としたケースの場合、そのレースでは想定以上に力を出し切っている可能性が高い(調整の域を超える)。そして、さらにメンタル面のダメージも残る可能性がある(ライバルに負けた)。
こうなると、前年は無欲で無心に走れた初マラソンも、マラソン2回目の今年は不安要素ばかりが気になり、最終調整の段階から失敗する方向に心も体も流れていくリスクが高くなると思われます。
その結果、昨年は自分自身が無欲で走った初マラソンを快走したように、今年は初マラソンに無欲で挑戦したライバルたちの後塵を拝することに(ある意味、残酷な世界)……。
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2024冬を走る・9
- 2025-01-30 (木)
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【2024冬を走る・9】先日の大阪国際女子マラソン大会は、久々に自宅でのテレビ観戦となりましたが、マラソンファンとしてはとても見応えのあるレースでした。まずは、出場された選手の皆様、たいへんお疲れ様でした。
その中においても、日本人1位(2時間21分19秒)でゴールした小林香菜選手の走りは見事でした。その小林選手は、昨年の12月に開催された防府読売マラソン大会において、2時間24分59秒の自己新記録(当時)で優勝していました。
実は、防府読売マラソン大会は視覚障がい女子マラソンの日本選手権も兼ねているので、私も毎年現地で選手たちを応援しております。特に、昨年12月の同大会はひときわ軽快なピッチ走法で女子の先頭を走っていたのが小林選手だったので、その姿はハッキリと記憶しております。
また、私はいつもの場所から応援していましたが、目の前を通過する小林選手のタイムを見て、すぐに記録の計算ができませんでした。つまり、小林選手の通過タイムが想定以上に速過ぎて、頭の中でゴールタイムの予測ができなかったのです。
また、同大会での後半も今回の大阪国際女子マラソン大会で見せたような単独走になっていましたが、軽快なピッチ走法はゴールまで衰えることなく、素晴らしいタイムでゴールしたのです。その時マークした「2時間24分59秒」は、全国ネットでテレビ中継されているマラソン大会以外の大会で記録した国内女子最高記録だと思われます(安田の記憶では)。
もちろん、私もゴールでその姿を拝見していましたが、その快走と快記録に驚きました。
そして、先日の大阪国際女子マラソン大会に小林選手の名前があったので、「これは間違いなく上位でゴールする!」とマラソンファンのひとりとして大いに期待をしておりました。案の定、先頭集団がばらけた30k以降の単独走は、見事な追い上げと粘り強さでした。
さて、小林選手の競技歴や日ごろの練習などが、ネットニュースなどに多数掲載されていましたが、「月間走行距離が1200kを超えている」との話もありました。特に、女子選手については、ほっとけば「いつまでも走っている(走るのが大好き)」と言った持ち味を持っている選手はほぼ間違いなく、マラソンが速くなります(安田の経験上)。
同時に、この「いつまでも走り続けることができる(走るのが大好き)」能力は、女子選手にとってはスピードの有無よりも重要な素質のひとつと考えます(詳細は割愛)。そして、この古くて新しい「たくさん走れる能力」を持っている小林選手が、今年の東京世界陸上選手権でも快走してくれると、大いに期待しております。
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2024冬を走る・8
- 2025-01-25 (土)
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【2024冬を走る・8】大阪国際女子マラソンを皮切りに、各地でマラソン大会が目白押しとなります。また、マラソンのコンディションとしては最も安定する季節なので、各大会での好記録も期待できます。果たして、男女の日本記録更新が達成されるのか?マラソンファンのひとりとして、大いに期待したいと思います。
さて、2月2日に開催される別府大分毎日マラソン大会へは、富津合同マラソン練習会において切磋琢磨してきた20名前後の仲間たちが出場します。また、この出場人数は、同練習会においては過去最高かもしれません。
その別府大分毎日マラソン大会は、昔から「新人の登竜門」と言われてきた大会です。近年においては、箱根駅伝で活躍した学生選手たちが、箱根駅伝後にそのまま同マラソン大会に挑戦するケースが増えています。
今年の大会も、青山学院大学や國學院大學など、箱根駅伝で活躍した大学から多数の選手がエントリーしています。特に、箱根駅伝においては、主力区間で活躍した選手たちには注目が集まります。また、マラソンの場合、初マラソンの方がプレッシャーもなく、逆にのびのびと走れるメリットもあります。
これについては、学生選手だけでなく、実業団選手についても初マラソンから快走するケースは増えていると感じます。もちろん、シューズの進化など様々な要因があることも確かですが……。一方で、初マラソンの記録が生涯記録となり、引退までにマラソンを何度も走ったにもかかわらず、自己記録を更新した経験が無い選手も意外と増えています。
もちろん、オリンピックを目標にしているトップ選手たちにとっては、自己記録の更新回数など気にすることもなく、初マラソンであろうと、記録を狙って走ることが重要であるのも確かです。
今大会も学生選手の中から「初マラソン初優勝」の快走を体現する選手が出てくるかもしれません。まさに新人の登竜門に相応しい選手が飛び出てくるかを、マラソンファンのひとりとしても注目していきたいと思います。
そして、いよいよ最後の1週間に入りますが、トレーニング量を落とし、回復優先で挑戦してほしいと思います。また、インフルも流行っているので、マスクの着用や手洗いうがいなども忘れないように……。
「迷ったら休養」です。
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2024冬を走る・7
- 2025-01-19 (日)
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【2024冬を走る・7】2025年も千葉県富津市富津公園で強化合宿をスタートしました。今回の合宿は、2月の別大マラソンに向けた最後の合宿でした。内容は、量を落として質を上げる方にシフト。具体的には距離走の距離を短くし、設定タイムを上げる内容です。
中でも、パリパラ日本代表選手として活躍した、男子の和田選手と熊谷選手が好調を維持しており、2月の別大マラソンでは、日本人初の「2時間20分突破」を達成してもらいたいと……。
さて、大きな駅伝大会もひと段落し、個々のマラソンや各種ロードレースなどに目標がシフトしていきます。今回の富津合宿においても、実業団や大学チームがマラソン練習に取り組んでいました。特に、先日の箱根駅伝には惜しくも出場できなかったT大学の選手たちが積極的に長い距離を走っていました。
そこには、かつて箱根の名門大学として華々しい活躍をしていた面影はなく、ただ愚直に走り込む姿がありました。もちろん、選手を指導している監督は変わることなく、選手の後ろをしっかりとついていき、指示を出していました。
富津公園で合宿をしていると、実業団や学生チームが入れ替わりでやってきます。好成績を継続しているチームや、逆に何か歯車が狂い、チーム力が下降に入っているチームなど様々です。言えるのは、いつの時代も魔法の練習はなく、愚直に走り込みを継続していくのが一番の近道でしょうか。
また、チーム力が下降に入っている局面での指導は本当にたいへんです。特に、SNSなどで事実とは異なる話や内容が流され、結果的には優秀な選手を勧誘することも困難な状況に追い込まれていくからです。まさに負の連鎖です。
このように富津で合宿をしていると、様々なチームを拝見することができます。その中において、箱根駅伝は一旦出場を逃がすと、復活していくのが簡単ではありません。ところが、監督が変わると劇的にチーム力が復活することがあるのは確かであり、指導者の力は本当に大切だと感じます。
さらに、箱根駅伝においては、指導者自身が苦労をしてきたか否かが、とても指導には大切な要素だと感じます。学生は原則として4年間しかチャンスがありません。そして、実業団選手とは違い、監督の指示や指導はより強く(絶対であり)、学生選手が監督に逆らう(?)ことは相当難しい。
だからこそ、学生選手を指導していく上で、監督自身が苦労してきた経験は必須であり、人生経験の少ない学生選手たちからの信頼と信用を勝ち取るためには必要なのでしょう。ちょうど、各チームの監督などの人事が発表される季節になってきました。
監督が変わることによって、チーム力がどのように変わっていくのかを拝見していきたい……。
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2024冬を走る・6
- 2025-01-11 (土)
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【2024冬を走る・6】2025年の富津合同マラソン練習会がスタートしました。と、言いながら今年も何か変わった点などありませんが……。さて、この練習会をはじめたのは2003年だったので、すでに20年以上続けていることになります。
私は、当時の東京国際女子マラソンに出場する女性市民ランナーたちのコーチをお願いされたのをきっかけに、市民マラソンの世界と向き合うようになりました。もちろん、当初はコーチと言っても特段何かをするわけでもありませんでしたが……。
また、当時の私は「サブスリー」と言う言葉があることも知らず、「そんなタイムなら誰でも走れるだろう」と考えていました。ところが、東京国際女子マラソンに出場した彼女たちのゴールタイムは、サブスリーからは程遠く、自己記録の更新すらできませんでした。
ゴール後、彼女たちは「コーチをしてくれたのに申し訳ありません」と泣いているのです。こちらとしては、何かをしてあげた思いは一切なく、逆に本気で速くなりたい気持ちに答えることができず、自分自身のいい加減な対応を深く反省しました。
そんなことをきっかけに、今の富津合同マラソン練習会をはじめたのです。もちろん、当初の参加者はその彼女たちだけでしたが……。また、当時の私はそれなりに走力も残っていたので、私自身がペーサーをしていました。同時に、自分のために出場していたマラソン大会などは全て封印し、裏方に徹することも決めました(これ以来、自分のレースは走っていません)。
今となってはなつかしい思い出ですが、当時はマラソンブーム前だったこともあり、マラソンに挑戦する一般の女性が少なかったのは確かです。しかし、彼女たちはコツコツと走り込みを重ね、数年後には全員が「2時間50分突破(サブエガ)」を達成しました(もちろん、シューズは薄底です)。
その後も各地のマラソン大会に帯同していると、沿道などで応援することの面白さや充実感を知ることにもなりました。そして今のところ、自分自身のために「マラソン大会を走る」などとは思わなくなり、完全にマラソンファンクラブ(?)の一員になりました。
2025年の今年も、市民ランナーの皆様が激走する雄姿を沿道やゴールで応援します!
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2024冬を走る・5
- 2025-01-04 (土)
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【2024冬を走る・5】2025年も駅伝観戦からのスタートとなりました。駅伝は「走りながらタスキをつないでいく」。ある意味、最もシンプルなスポーツですが、多くの日本人はタスキをつないでいくその姿に大きな感動を覚えます。かくいう私もそのひとりです。
また、人生をマラソンに例えることが多いですが、実は人生に近いのは駅伝とも言われています。なぜなら、マラソンは途中で止めることができますが、駅伝はタスキを次の走者に渡さないといけません。つまり、途中で投げ出せないのが駅伝であり、人生だからでしょうか……。
そして、元日のニューイヤー駅伝は旭化成が優勝。2日からの箱根駅伝は青山学院大学が優勝。どちらも優勝候補と呼ばれていた強豪チームが、下馬評どおりの力を発揮しました。その旭化成は、スタートの1区とアンカーの7区で区間賞を獲得するなど、他の長距離区間(15k以上)でも安定した走りでタスキをつないでいました。
一方、箱根駅伝の青山学院大学は、花の2区や山の5区と6区で区間新をマークするなど、箱根駅伝の要となる区間を走った選手たちが盤石でした。もちろん、それ以外の区間もブレーキがなく、他大学で唯一追い上げムードを見せたのは、7区の佐藤選手(駒澤大学)だけだったでしょうか……。
いずれにしろ、駅伝ファンにとっては、旭化成も青山学院大学もすごいチームであり、出場した全チームの走りにも多くの感動を受けました。あらためて、出場した選手の皆様、ありがとうございました。
さて、今さらながらこれだけ情報が飛び交う時代に、何か特別なトレーニング方法や専用器具を用いていることなどを隠すことは難しい。したがって、どこのチームも大なり小なり、やっていることに変わりはないと感じます。そんな中で常に安定した成績を残し続けている旭化成や青山学院大学は、やはりすごいチームです。
特に、駅伝やマラソントレーニングのほとんどは単純に走るだけです。そして、強くなるためには、単純にたくさん走り込んだ方が良い。ところが、たくさん走り込めば故障やケガのリスクが高まり、貧血などのリスクも高まっていきます。一方、ケガをしないように走り込みの量を落とせば、一緒に走力も落ちていく……。
特に、長距離やマラソンは道具を使わないスポーツなので、技術的な要素がほとんどありません(ランニングフォームも結局は走り込んで身につく)。したがって、上記したように走力は一旦落ちると、元の状態に戻すのがたいへんです。しかし、それ以上に良い状態をキープしていくことはもっとたいへんです。今回の旭化成も青山学院大学も、強いチーム状態を何年もキープしている点は驚異的です。
また、その点に関しては、様々なコメントや意見などが散見されますが、結局のところ肝となる秘訣は何なのでしょうか?
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2024冬を走る・4
- 2024-12-28 (土)
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【2024冬を走る・4】先日の21日は、日体大女子長距離競技会が開催されました。同競技会は、大学関係者のご尽力により、ブラインド選手たちの出場も可能になっております。もちろん、ブラインド選手(パラ選手)が一般の競技会や大会に出場するためには、WPA公認手続きやそれに伴う準備が必要になります(エンドースやドーピング関係、パラ専門の審判員など)。
また、大学が主催するレベルの高い競技会にブラインド選手たちが出場できる機会はほとんどありません。しかし、この日体大女子長距離競技会については、ブラインド選手たちの出場を継続頂き、過去には世界記録を達成したこともあります。あらためて、大学関係の皆様に厚く御礼申し上げます。
そんな中、今年は5000mに3選手が出場しました。3選手とも今月1日に開催された防府読売マラソン大会を走ったばかりでしたが、積極的な走りを見せていました。特に、若手女子の和木選手がマラソンの疲れも残る中でしたが、自己新記録を達成しました。
さて、本日から31日までの間、恒例の年末合宿を千葉県富津市富津公園で実施します。同合宿は、年明けの2月に開催される別府大分毎日マラソン大会に向けた走り込みになります。内容的には3泊4日と短期ですが、35k以上の距離走を2本実施予定です。
この年末合宿は毎年恒例となっていますが、トレーニング計画も上記したとおり、毎年同じです。また、トレーニングに対する考え方やその内容についてはチームや個人によって違い、どれが正解でどれが絶対と言うことはありません。それぞれが、それぞれの経験や実績によって積み上げてきたトレーニング方法やパターンであり、ノウハウもそれぞれが違ってしかるべきなのです。
しかし、その中においても、共通することのひとつにパフォーマンス(成績)の再現性があります。つまり、あるトレーニングを継続した結果、狙ったマラソンや大会における記録や成績が安定しているか否かです。要は、狙った大会において、狙いどりの成果を出せる確率です。
どんなスポーツにおていも、パフォーマンス(成績)が安定している選手は必ず評価されます。そして、安定している選手に共通していることのひとつに、ルーティン(反復練習)があります。これは、日々のトレーニングから月単位や年単位の中長期計画におけるトレーニングの流れが一定していることも、パフォーマンスが安定している選手に共通していることのひとつとも言えます。
つまり、年間を通じて例年と同じタイミングで合宿をし、同じタイミングでトレーニングパターンを切り替え、同じタイミングで調整に入るなど、トレーニングの流れを一定にすることで成功する確率を高めているのです。もちろん、ブラインドマラソンもそのようにしていますが、果たして2月のマラソンでは……。
また、同じ富津公園内では、あと数日に迫った箱根駅伝に出場する大学が最後の調整をしています。そして、この時期にこの富津公園で最終調整をしている大学はいつも同じで、例年どおりの調整をしています。もちろん、この富津公園で最終調整をしてから本戦に挑んでいる大学は箱根駅伝でも常連です。やはり、パフォーマンスの再現性が高いと言えそうです……。
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2024冬を走る・3
- 2024-12-20 (金)
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【2024冬を走る・3】毎年のことですが、1年が経つのは早いと言いますが……。2024年もあと10日弱となりました。そして、年明けの元日はニューイヤー駅伝、2日からは箱根駅伝と、出場する選手たちにとっては最後の調整期に入りました。
そして、先日の11日土曜日からいつもの千葉県富津市富津公園において、ブラインドマラソンの強化合宿を実施しました。また、我々にとって、次の目標は来年2月に開催される別大マラソンになります。今回の強化合宿はそのマラソンに向けた走り込みでした。
その強化合宿時、同じ富津公園内において、上記したニューイヤー駅伝と箱根駅伝に出場するチームや選手たちが最後の調整練習をしていました。具体的な練習内容は割愛しますが、どのチームも実戦に近い形式での走り込みがメインで、駅伝当日の具体的な区間配置や戦術などを決断していくとても重要な練習をしていました。
一方、全国的にもインフルエンザやコロナなども流行っているので、どのチームも選手たちも体調管理が最大のポイントになります。すでに何度も記載してきましたが、このタイミングでインフルエンザやコロナに感染すると、正月に調子を合わせることはほぼ絶望的になります。
さらに、どのチームも選手たちは同じ寮やアパートで生活をしていることが多いので、ひとりの選手が感染すると、瞬く間にチーム内に感染が拡大していきます。結果、チームや個人の目標とはほど遠い走りになってしまうケースに陥ることになります……。
あらためて、どのチームも選手たちも、最高の体調と調子で駅伝当日を迎えてほしいと願っております。
さて、ブラインドマラソンの強化合宿は、11日土曜日から15日水曜日までの4泊5日で実施しましたが、内容的には距離走を2回実施するなど、走り込みを重視した内容でした。また、上記したようにインフルエンザやコロナが流行っている証拠に、長い距離を走り込むには富津公園も絶好のコンディションになりました。
今回の強化合宿に参加した男子選手は、パリパラマラソン代表2選手がメインでしたが、予定どおりの設定タイムでたんたんと走り込めていました。両選手ともマラソン経験が豊富なので、私の方から何から何まで指示することはほぼありません。それぞれが経験と実績を持っているので、それに従って具体的な設定タイムや距離を決めていけば良いレベルに到達しています。
何事もそうですが、最初は練習方法など、何をどのようにしていけば良いかを知りません。しかし、練習(仮説)とレース(検証)を繰り返していくと、自分自身に合った独自の練習方法や調整方法などがつかめてきます。結果、それらの精度(確率)が向上し、レースでの安定感や粘り強さに結びついていきます。
ところが、それらを一瞬にして崩壊させるのが、インフルエンザやコロナです。繰り返しになりますが、特に駅伝選手は最後まで体調管理に注意してほしいと思います。そして、「迷ったら休養」です……。
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2024冬を走る・2
- 2024-12-13 (金)
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【2024冬を走る・2】この1週間は、地元中学校(千葉県君津市)でのオリパラ教育講師や講演会。また、地元中学生への陸上指導など、中学生とかかわることの多かった1週間でした。
さて、私が住んでいる千葉県君津市も少子化などの影響で人口が減っており、中学校の統廃合が進んでいます。特に、君津市の地形(地図上)は、房総半島の内陸に向かって広くなっている特徴があるので、市内の多くは山や田んぼに囲まれたのどかな地域でもありますが、逆にそれらも影響しているのでしょうか。
そして、その房総半島の内陸(君津市内)に向かって走っている路線が、JR久留里線(木更津駅発)です。特に、最近では全国有数の赤字ローカル線として、鉄道廃止が濃厚と言われている同線の久留里駅から上総亀山駅間(君津市内/9.6km)は、マスコミでも頻繁に取り上げられています。
私が中学生のころ、この駅間には3つの中学校(久留里中学校、松丘中学校、亀山中学校)がありました。しかし、数年前にその3つの中学校と、久留里駅の2つ手前の小櫃駅(おびつえき)近くにある小櫃中学校が統合し、上総小櫃中学校になりました。
それにともない統合後の新しい校舎は、旧小櫃中学校をリニューアル。また、小櫃駅から上総亀山駅間には6つの駅があることからも、統合後の学区は超広範囲に……。したがって、多くの生徒たちの通学手段はマイクロバスになりました。ところが、統合後もひと学年40数名と少なく、生徒数はさらに減少していく見通しです……。
そんな状況ですが、上総小櫃中学校は毎年オリパラ教育(体験学習)を積極的に行い、私にも声をかけてくれます(講師として)。本当にありがたいことです。そして、田んぼに囲まれたこの校舎近くの農道は私が中学3年生のとき、初めて学校代表選手として君津市内の中学対抗駅伝大会を走った思い出の場所でもあります(40数年前)。
そのとき、私の中学校(現在は統合して周東中学校)は、力を結集して見事に優勝。このとき私はアンカーに抜擢され、初出場ながら優勝ゴールを経験する幸運にも恵まれました。そして、区間賞まで獲得。まさに陸上競技(長距離)を志すきっかけになった大会(経験)でした。
そんな私自身にとっても原点となるこの場所へ、今度は講師として訪れるとは……。
まさに運命と言うのか……。
そして、今の自分にできることは……。
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2024冬を走る・1
- 2024-12-05 (木)
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【2024冬を走る・1】先日の日曜日は、防府読売マラソン大会が開催されました。また、同大会においては、視覚障がいの部(IPC登録の部)も実施されました。その視覚障がいの部は、多くの方々のご理解とご支援のおかげで10回目となりました。関係者の皆様には、あらためて厚く御礼申し上げます。
今大会の結果は、男子は高井俊治選手(T13)が、自己新記録となるアジア新記録(T13クラス)で優勝。女子はパリパラリンピック銅メダリスト(3大会連続メダル)の道下美里選手が優勝。また、男子期待の若手選手でもある大石航翼選手(T12)が自己新記録で2位に入るなど、一定の成果を残すことができました。
さて、既にご存知のとおり、一般のマラソン人口と比較すると、視覚障がいマラソン人口は極端に少ないのが現状です。さらに、その少数の中において、パラリンピックを目標に掲げるような走力(IPC登録者など)を有する視覚障がいランナーは、さらにレアな存在になります。
今大会において、はじめて視覚障がいの部(IPC登録の部)を実施頂いたのが、2015年の第46回大会。その時の視覚障がい男子優勝は熊谷豊選手、女子は道下美里選手。一方、一般男子の優勝は藤原新選手で、2位は川内優希選手でした。
当時のリザルトを見ると、今大会にもエントリーしている一般男子の上位選手は、川内優希選手くらいでしょうか。ところが、我々の視覚障がいの部については、当時から出場メンバーはほぼ変わっていません。もちろん、走力が落ちているのに無理矢理走らせているわけではありませんが……。
オリンピックを目標にしている一般のマラソンは競争が激烈なため、特定の選手が長くトップレベルに君臨していくことは相当難しい。一方、パラリンピックの視覚障がいマラソンは、選手が極端に少ないため、一度トップレベルにまで到達すると、長くトップをキープしていくことは可能です。
ところが、逆に国内トップレベルに到達してもパラリンピックの日本代表選手になることは簡単ではありません。例として、日本ランキング2位にもかかわらず、パラリンピック代表に選出されなかったこともあります。
要は、日本ランキングの上位選手を集めて強化しているのに、その選手たちをパラリンピック代表選手に導くのが難しいことの矛盾(?)が存在します。同時に、競争原理が極端に少ない環境下で、それをどのように克服(強化)していくのかが、今も10年前も変わらない課題でもあります。
また、今さらながら「意識改革」は、言うほど簡単なことではないと、再認識した今年の防府読売マラソン大会でした。
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