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秋の走り込み

秋の走り込み・7

【秋の走り込み・7】今回は距離走の「ゆとりを持った設定ペース」について更に考えていきます。

あらためて、「距離走はゆとりを持った設定ペースで走る」ことは、誰もが知っていることです。もちろん、そのとおりに実践するか否かは個々の考え方によります。また、多くの方はその日毎に考えて設定ペースを決めていると思いますが、いかがでしょうか。

同様に、目標のマラソンに対し、どの程度前から準備していくかは個人差の大きなところでもありますが、少なくともある一定期間は、いわゆる走り込み期として集中的に距離走を実施する方も多いと思います。

この時、「ゆとりを持った設定ペースで走る」ことを上記したように、その日の距離走毎に設定ペースを変えるランナーも多くいます。そのこと自体を否定しませんが、設定ペースの捉え方として、もうひとつの見方があります。

それは、走り込み期として距離走を集中的に実施するその期間を全て同じに捉える見方です。具体例として10月の1ヵ月間を走り込み期とし、週末毎に30k以上の距離走を実施する場合です。

今年の10月も日曜日は5回あり、30k以上の距離走も最大で5回は実施できましたが、この5回全てを同じ設定ペースで実施する方法です。目標のマラソンタイムから導いた距離走の設定タイム範囲内で、自身の設定タイムを決めたら判を押したようにその設定タイムで距離走を繰り返していく走り方です。

これは、その日の体調や気象条件等に合わせて設定タイムを決める方法とは逆になります。つまり、予めゆとりある設定ペースを決めたら、余程のことがない限り、同じ設定ペースで距離走を繰り返していくので、ランニング中に体感する余裕度に違いが生じます。

具体的には、気象条件が悪い日や疲労が蓄積している時は、同じ設定ペースでも苦しく感じるはずです。逆に、余裕を持って走れるようになった時は、自身の走力が狙い通りにアップしてきたと実感することでもできます。

このように、調子の良し悪し等で設定タイムを変更するのでなく、設定タイムを常に一定にすることで、設定タイムに対する余裕度を確認しながら走り込んでいく方法になります。

秋の走り込み・6

【秋の走り込み・6】10月も後半に入り、多くのランナーが距離走を中心にした走り込みを積み重ねていると思います。また、気温や湿度も下がってくるこれからの季節は、まさにマラソンや駅伝の季節です。

ところが、地球温暖化と言われ出した頃からか、10月も晴れると気温が30度前後まで上がる日もあったりします。そのため、10月に入ったにも関わらず、長い距離を走るには厳しいコンディションになる日も多々あります。

一方、逆に10月は天候不順な日も意外と多くなり、大雨等による影響で予定していた距離走が実施できない日も増えてきたようにも感じます。

今更ながら猛暑が続く夏の走り込みでは、雨天の中で走ることがとても爽快だったにも関わらず、10月を過ぎて気温が下がってきた中での雨天は、とても過酷に感じます。あらためて、人の感覚なんて勝手なものだと思ってしまいます。

さて、距離走の設定タイムについて取り上げてきましたが、その設定タイムに幅を持たせている理由のひとつが、この天候不順に対応するためでもあります。距離走を実施する日の天候、スタート時の気温や湿度は、その重要な指標となります。

そして、距離走を実施する毎に、スタート時の気温や湿度等を確認し、そこに自身の体調を加味した上で、その日の適切な設定タイムで走り込んでいければ効率的になるのは言うまでもありません。

同時に、そのような距離走を積み重ねていく経験が、実際のマラソンレースでも活かされてきます。どんなランナーも、目標は自己記録更新であり、そのために単調な走り込みを積み重ねて行きます。そして、マラソン大会当日は「自己記録更新を」と、決意あらたにスタートラインに立ちます。

この時、冷静にスタート時の気温や湿度を確認し、設定ペースを微調整できるランナーは、最後までつぶれることなくゴールします。至極当然のことですが、この習慣を身に付け、マラソンで活かせるか否かは、上記した日々の走り込みの中において、天候や体調に合わせた的確な設定タイムでの距離走を実戦できたか否かにかかっています。

もちろん、距離走の設定タイムを決める際、その日のコンディションに合わせた選択を決断することは、当たり前のことですが、それを実戦できるランナーは意外に少ないと感じます。更にレース毎に適切な判断をし、その上でゆとりを持つと言うのは、自身の身体以上に「自制する心」も重要になってくるのです。

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