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安田享平のランニングライフ

再び走り込み・5

【再び走り込み・5】少しずつ秋らしい気候となってきて、本格的なロードレースシーズンに突入しました。まずは大学駅伝が開幕し、各地でマラソン大会も目白押しになってきております。

春先から秋のマラソンを目標にコツコツと走り込みを継続してきた市民ランナーの皆様にとっては、ここまでの努力を、記録として目に見える成果を残せる時期に突入しました。

ところが、11月に入ったにもかかわらず、気温が20度を大きくこえる日があったりもします。勝手なもので、7月や8月の暑い時期は「暑くて走れない」と誰もが声にするので、逆に暑いのが普通と感じます。しかし、一旦涼しくなってから再び気温が20度をこえると、同じように「暑くて走れない」となったりします。

経験的な話になりますが、真夏の30度をこえる中でのランニングは誰もが危険と感じます。一方、11月以降に気温が20度をこえた日のランニングやレースにおいても、脱水症などに陥る危険性は高まります。

ある意味、秋以降のロードレースについては、夏以上に当日の気温などのコンディションに注意をはらう必要があると感じます。特に、マラソンについては、当日の気温や天候を見極めてから「柔軟にその日の目標タイムを変更するゆとり」が求められます。

先日の箱根駅伝予選会においても気温が高く、かなり厳しいコンディションだったとのことでしたが、気温は20度前後でした。しかし、その気温が総合順位にも影響したのは間違いありません。

また、来年の東京オリンピックのマラソンと競歩が札幌に移転することが決定しました。東京より札幌の方が涼しいことが主な理由だったようですが、札幌も30度をこえる日があります。もちろん、来年の五輪マラソン当日の気温が札幌でも35度以上になる可能性もあります。

つまり、大会当日の気温や天候については、傾向を知ることはできますが、具体的にどのような天候や気温になるかは誰にもわかりません。そして、過去のデータばかりを気にして「頭でっかち」に陥らないことは、とても大切なポイントだと思います。実は、このサジ加減こそが勝敗をわけるポイントになるのかもしれません。

再び走り込み・4

【再び走り込み・4】10月に入り、マラソンに向けた本格的な走り込みを開始したところですが、実はマラソン以外のロードレースや駅伝シーズンでもあります。そのため、マラソンに向けた走り込みの一環として各種ロードレース大会に出場する方も多いと思います。

いわゆる本命のマラソンに向けた走り込みの一環として出場するレースのことです。もちろん、マラソンも含まれます。この方法は、かつては否定的な意見が多かった感もありますが、今や市民ランナーの間においては一般的なトレーニング方法のひとつでしょうか。

といいながら、毎年のように失敗している場面に遭遇するのも事実です。まずは、走り込みの一環としてマラソンを走ったときの主な失敗ケースをあげてみます。

1.設定タイムより速くなり過ぎて後半失速する。2.コースの起伏が激しすぎて頑張った割には設定タイムより遅くなる。3.設定タイムを守るも諸事情により途中でバテて、ゴールまでやっとたどりつく。

走り込みの一環としてマラソンを走ることは問題ありませんが、上記したようなケースに陥る市民ランナーの方を毎年必ず見受けます。つまり、走ったために、逆に自信を失って気持ちが激しく動揺し、更にその後の練習に迷いが生じてしまうパターンです。

こうなると、マラソンに挑戦したい元の意欲的な思考回路に戻していくことが難しくなっていきます。そんなとき、「気持ちをきりかえよう」と、私もよく使う言葉ですが、マラソンは結果を数字(時間)ではっきりと示されるので、その結果は永久に残ります。そのため、そう簡単にプラス思考へ戻すことは難しいと感じます(少なくとも私の経験上は)。

こんなことを話していくとネガティブな内容に終始するので、こうならないように仕向けていくことが重要なのはいうまでもありません。特に、走り込みの一環として出場するマラソンについては、「走る目的(設定タイムなど)」から逸脱しないことが大切です。

もちろん絶対に大丈夫といった対応策はありませんが、上記した3つの失敗ケースに陥らない方法としてビルドアップ走は推奨できる走法のひとつになります。具体的には設定タイムにこだわらず、出足はジョギング感覚でスタートします。

走力にもよりますが、中間点から30k過ぎあたりまでゆるゆると走り、そこからゴールに向かって少しずつペースを上げていく走法になります。要は、スタミナ養成を最大の目的にゆっくりスタートし、ラスト数キロを設定タイムでしっかりと走り切る走法になります。

設定タイムなど悩みながらスタートする場合は、試してほしい走法のひとつと考えます。

再び走り込み・3

【再び走り込み・3】台風19号の影響が懸念され、中止も検討していた富津強化合宿は日程などを調整し、何とか終えることができました。合宿のポイント練習も、中1日おきに20k走、40k走、30k走と距離を変えながら、走り込み中心の内容に変更して乗り切りました。

また、台風19号の影響による交通機関などの混乱をあらかじめ想定し、依頼していたスタッフや伴走者の方々にも安全第一を理由に自宅待機優先をお願いしたので、合宿参加人数はいつもの半分程度となりました。

そのため、いつもあたり前に帯同しているトレーナーは不在となり、食事の内容や量を常に確認している栄養士も不在となり、伴走者の人数もギリギリな状況となりました。そのため、全ては自分自身で考え、判断しながら主体的に行動することがより不可欠な強化合宿となりました。

同時に、スタッフや伴走者が少なかったので、懸念されることも多々ありましたが、不足事項はお互いにカバーしあい、逆に密度の濃い充実した強化合宿になった感もありました。

足りないことやものを積極的に取り入れ、状況を改善しながら成長していくことは大切です。しかし、限られたことやものの中で、お互いにカバーし、知恵を出し合いながら前へ進んでいくことは最も大切なことのひとつと考えます。

今回の合宿も、限られたことやものの中において最善のケアは、「入浴・食事・睡眠」の3つでした。いつもよりゆっくりとお風呂に入り、いつもよりしっかりと食事をし、いつもよりたくさん寝るようにする。いたってシンプルなことがより大切になりました。

実は、この3つは誰もが常に実践している重要事項ですが、普段は常に入ってくる新しい情報ばかりに目や気持ちがいくので、逆に意識していない点ともいえます。その結果、常に新しいことを取り入れているにも関わらず、思うような記録や結果が出ていないことの方が多いと感じます。

今回の合宿も終わってみればそれなりに距離を踏みましたが、故障や不調を訴える選手は皆無でした。その理由のひとつは、限られたことやものをより主体的に実践したからにほかならず、いつものあたり前を見つめなおすよい機会になったと……。

再び走り込み・2

【再び走り込み・2】10月に入り、いよいよ本格的なマラソン・駅伝シーズンの到来です。私がトレーニング拠点にしている千葉県富津公園においても、駅伝を目指している実業団・学生チームが増えてきました。

6日の富津公園も、東日本実業団駅伝を目指している実業団チームが5チーム、箱根駅伝予選会を目指している学生チームが5チーム。それぞれのチームが集団でペース走やインターバル走を実施していました。

毎年のことですが、10月以降の富津公園では実戦に近いペースで走り込んでいるチームが増えるので、選手たちの走りにも気迫を感じます。また、どのチームのトレーニング内容も大きな違いはないように見えます。

しかし、実際のレースでは1位から最下位まで、正確な順位とタイム差がでます。もちろん、その順位や記録の変動はありますが、ある程度上位に位置しているチームは安定しています。

今は、どのチームも年間を通じて計画的な強化を実施しています。にもかかわらず、チーム力の差が結果としてあらわれます。10月時点の富津公園では、チーム間の差は小さいと感じることが多いのですが、結果としては順位やタイム差が大差となったりします。

「チーム力の差は何か?」

この答えを正確につかみ、そこを確実にとらえる何かをプラスできれば、どんなチームも必ず良い結果を残せるようになるはずです。しかし、現実はその何かを見つけることが最も難しく、どのチームも様々な角度から検討し、試行錯誤を重ねています。

今年もチーム力を上げるための何かを加えながら仲間たちと切磋琢磨を重ね、全国の駅伝ファンに多くの感動と勇気を与えることでしょう……。

判断

【判断】10月に入りましたが、まだまだ残暑が続いている感じです。そんな中、9月28日から4泊5日の日程で、いつもの富津で強化合宿を実施しました。

先月の台風15号の被害で、富津公園周辺でも屋根にブルーシートをかぶせてある家もありますが、日常生活は通常に戻っています。こんな状況の際、様々なイベント関係は自粛したりします。もちろん、スポーツ合宿も例外ではありません。

一方で、被災地の被害状況にもよりますが、逆に「お越しください」との声もよく耳にします。同時に、何か企画する側は、被害にあった方々に対して「不謹慎」という見方と、逆に「元気を与える」といった見方に分かれるケースも多々あります。

幸い、我々が強化合宿でお世話になっている旅館は「お越しください」との返答。更に、我々も合宿を通じて「少しでも活気つけば」と願っていたので、強化合宿も無事に実施することができました。

さて、ドーハで世界陸上が開催されております。各種報道のとおり、気温と湿度の高さが尋常ではなく、かつてない悪コンディションとなっている様子です。特に、ロード種目は過酷を極めています。そのため、専門家からの厳しい意見や視聴者からの批判的なコメントも多く目にします。

しかし、そんな厳しい状況になることは既にデータ的にも分かっていたことでもあり、最終的な決定も各種専門家による判断でロード種目の実施が決定されました。そんな中、日本代表の女子マラソンや競歩種目は大健闘を見せております。

目の前にある危険(気温・湿度)に対し、蓄えてきた先人たちの経験とノウハウに科学をミックスさせ、地道に暑熱対策テストを繰り返してきた勝利です。もちろん、目の前にある危険(気温・湿度)を回避した(参加しない)としても、今大会のコンディション下では、責めることはできないと思います。

完走(完歩)率は記録的に低く、想定以上に厳しいコンディションだったのは間違いありません。更に、それを「選手生命の危険」と捉えて回避するか、「頂点を狙えるチャンス」と捉えて挑戦するかの判断も難しい点です。

我々は来年の東京パラに向け、「頂点を狙えるチャンス」と捉えられる準備と努力を重ねていきたい……。

再び走り込み

【再び走り込み】台風15号で大きな被害のあった私も在住する千葉県君津市も何とか復旧し、通常に戻りつつあります。また、トレーニング拠点としている隣の富津市富津公園内もいつものランニングができる状態に戻りました。

また、温暖な君津や富津でも朝晩の冷え込みも感じるようになってきました。いよいよマラソンに向けた本格的な走り込みの季節です。同時に、風邪が蔓延してくる季節でもあり、体調管理が難しくなってくる時期でもあります。

さて、明日の28日から富津において強化合宿を実施します。今回の合宿から40k走を軸にした距離走にシフトしていきます。次のターゲットは12月のマラソンになります。そのため、11月前半まではペースを抑えた距離走になるのが恒例です。

そんな中、夏の走り込みが順調だった選手は、これから秋が深まってくるに従い調子も上がってくる傾向になります。そのため、走り込みを開始早々からかなり速いペースでも押していける調子になっていたりもします。

この時、「走力が一段アップした」と判断するのか、「単に調子が前倒しになっている」と判断していくかは重要なポイントになります。しかし、そこの見極めは本当に難しく、誰にでもあてはまる法則などは存在しません。

言えるのは、調子よく積極的に走り込んでいくと、前述したように「風邪」を必ずひきます。結果、それまでの好調がウソのように反転し、結果的には目標のマラソン大会に調子を合わせられない状態に陥ります。実は、こうなるパターンの方が圧倒的に多いのです。

春から夏に向かっていく時期は、とにかく暑くて走れない状態が続きました。しかし、暑さから寒さに向かっていくこれからの季節は、勝手に調子が上がっていくことも多々あります。しかし、そこに「風邪や故障」など、走り込みの落とし穴があるので、自分の調子をうまくコントロールしていく調整力が試される季節でもあります。

涼しくなっていくこれからの季節だからこそ、目先のタイムに一喜一憂しない気持ちが不可欠かもしれません。

強い心

【強い心】9月14日からの3連休を活用し、長野県菅平高原において合宿を実施しました。今年も5月連休から菅平合宿を毎月実施してきましたが、今回で今年最後の菅平合宿となりました。

この菅平では、毎年涼しくなってくる9月から10月あたりまでの期間に、実業団選手や学生選手たちが多く集まってきます。しかし、我々は今回の菅平合宿後の9月後半からは、拠点の千葉県富津市富津公園において本格的な走り込みに入っていきます。

あらためて、今回の菅平合宿は2泊3日と短期間なこともあり、15日に実施した40k走がメイン練習となりました。また、この合宿は毎年恒例で、日程も合宿メニューもほぼ同じです。逆に、毎年同じ日程で同じ内容にすることで、調子の比較やこの後のトレーニング計画などを見通すことでできるようになります。

その40k走は、ほぼ全員が予定どおりの設定タイムで走り切っていました。しかし、このような合宿で多くの仲間と一緒に走ると、嫌でも他人との比較になってしまいます。そのため、良くても悪くても納得のいかない選手が出てくるのも常です。

合宿を実施する目的のひとつに「仲間と切磋琢磨することでモチベーションを高める」ことがあります。一方で、「仲間と切磋琢磨することで自信を失う」こともあります。これはどんなレベルの合宿でも起こり得ることであり、どちらになるかは本人次第となります。

無責任な言い方になりますが、これはどんな名コーチが指導したとしても、大勢の選手が集まれば必ずプラス思考になる選手と、マイナス思考に陥る選手がいるのは事実です。そのため、仲間を避け、常に単独でトレーニングをしている選手もいますが、レースは必ず他人と競い合うので、最後は他人との勝負・比較(プレッシャー)になる点を避けることはできません。

さて、15日は都内でMGCが開催されました。国内だけでなく世界が注目した世紀のマラソンレースでしたが、期待通りに見ごたえのある内容だったと思います。特に、男子は4強と言われ続けてきた服部選手と大迫選手が2位と3位でゴールしたのは、本当に強かったと思います。

もちろん、優勝した中村選手のスパートは凄いの一言でしたが、4強と言われ続けてきた4選手たちのプレッシャーや重圧は想像以上だったに違いありません。そんな中、周りの期待通りに見せ場をつくった服部選手と大迫選手は、世界でも勝負できる「強い心」を持っていると……。

残暑&台風

【残暑&台風】9月6日から3泊4日の日程で、千葉県富津市富津公園において強化合宿を実施しました。また、今回の強化合宿も暑熱対策テストを実施しましたが、合宿初日から30度を超える暑さとなり、暑熱対策テスト的には絶好のコンディションとなりました。

と、いうのも、気温は連日35度前後まで上昇し、湿度も70%前後と、今年に入ってからの強化合宿においては最も過酷なコンディションとなったため、逆にどの選手も厳しいトレーニング結果となってしまったからです。

既に夏も終わりですが、どんな選手も暑い中での走り込みは過酷です。したがって、暑さを避け、可能な限り涼しい場所で走り込んでいきます。一方で、暑熱順化するには、暑い中で積極的に走り込むことはとても効果的です。しかし、現実的には暑い中での走り込みは様々な危険を伴います。

暑熱対策のため、暑い中でトレーニングを繰り返していくと、暑さに慣れても、暑さの影響で計画とおりのトレーニングを消化できないリスクが伴います。その場合、暑さに慣れたとしても、多くの選手はトレーニング不足の不安が残り、そのマイナス面ばかりを引きずっていく可能性が高くなります。

ところが、涼しい場所で良いトレーニングが積めても、今回の強化合宿のように、突然気温と湿度が真夏のような状態に戻った場合、どの選手も全く走れなくなるのも至極当然のことなのです。

暑熱対策といっても所詮は自然相手の運任せのような面が強く、トレーニング計画に沿った都合の良い天候にはなりません。もちろん、天候に合わせたトレーニングにすると、場当たり的な計画となり、これはこれで日々のトレーニング計画が的外れになってしまいます。

結局は、年間を通じて計画したトレーニングをブレることなく、たんたんと継続していける選手が、生き残っていると感じます。暑さばかりに目がいきますが、真冬の寒風吹荒れる中での距離走など、結果的にはどんな天候やコンディション下においても適応できる能力を身に付けた選手が栄光をつかんでいるのは、いつの時代も違いありません。

余談ですが、8日の夜は台風15号の直撃を受けました。合宿最終日の9日朝から宿泊旅館はもちろん、街中の信号機など、全てにおいて全停電となりました。そんな非常事態の中においても、我々のために食事の準備をし、更に延泊までさせていただいた「ナカヤマインの皆様」には心より感謝申し上げます。

残暑活用

【残暑活用】本日は9月6日です。今月に入り、朝晩が涼しくなってきた感じがしてきましたが、千葉県富津市における本日の天候は晴れ。朝8時の気温は30度をこえ、湿度も70%前後と真夏のようです。

そして、ちょうど1年後の9月6日は、東京パラリンピックの視覚障がいマラソンが実施される日になります。つまり、来年の9月6日も今日のような天候になる可能性がかなりの高確率で起こり得るともいえます。

今日から3泊4日の日程で千葉県富津市において強化合宿を実施します。もちろん、今回の合宿においても暑熱対策テストをおこないます。今年も6月から様々な暑熱対策テストを実施してきましたが、なぜか暑熱対策テストを実施する日に限って、異常な涼しさに見舞われてきました。

また、季節は本格的な秋へと移っていくので、どんどん涼しくなっていきます。強化合宿の拠点も9月から千葉県富津市に戻し、来年の春先までここで走り込んでいきます。とても慣れ親しんだ環境ですが、近年の温暖化と呼ばれる影響のため、9月も30度を超える日が増えてきたように感じます。更に、10月に入っても40k走を実施するには暑さで厳しい日もあります。

東京パラリンピックに向けた最後の夏は過ぎましたが、暑熱対策テストを実施していくには十分な残暑が残っています。変な言い回しになりますが、来年の東京パラリンピックに向け、貴重な残暑を有効活用していきます。

さて、来週はいよいよ東京五輪のマラソン代表を選考するMGCが開催されます。出場する選手たちは最後の調整に入っていると思います。先日の日曜日は、ここ富津公園でもMGCに出場する男子選手がレースペースに近い感じで距離走を実施していました。

その日も天候は晴れて、気温も30度に達していました。その選手も暑さに苦戦しながら走っていたように見受けましたが、MGCのちょうど2週間前。15日のMGCではどんな展開に持ち込み、代表切符を手にするか否か。我々も全く同じコースで来年の9月6日に勝負するので、その走りに注目したいと思います。

夏の走り込み・10

【夏の走り込み・10】先日の8月25日は、北海道マラソン大会が開催されました。また、同大会においては、視覚障がいマラソンの部も実施いただきました。ちょうど1年後の8月25日は東京パラリンピックの開幕予定ですが、同大会に出場するための代表推薦選考大会でもありました。

大会前日はテクニカルミーティングを実施しましたが、代表推薦選考大会にエントリーした全ての選手が元気に出席しました。調子の良し悪しは別にし、スタートラインに立てない選手が皆無だった点は、心から安堵しました。いうまでもなく、選手にとって怪我や故障などで、走れない以上の苦しみや辛さはありませんので。

大会当日、スタート時の天候は雨となり、気温も20度を下回るコンディションとなりました。来年の東京パラリンピックに向け、可能な限りの暑熱データを残しておきたいスタッフ側にとっては残念な天候でしたが、選手にとっては良いコンディションになりました。

案の定、視覚障がいの部は男女とも大会史上最速ペースでレースが推移しました。そんな中、男子はスタートから積極的に走った熊谷選手が代表推薦選手。一方の女子は、最後まで自分自身のペースを押し通した西島選手が代表推薦選手に選考されました。

その西島選手は64才の大ベテラン選手です。来年の東京パラリンピックに代表決定すれば、65才で大会を迎えることになります。特に、己の体力と気力だけで勝負するマラソン競技において、60才を超えても体力と気力をキープしていることは驚異的です。

なぜなら、どんなレベルの選手でも、ある目標を持ってマラソンを走るためには、相応のハードトレーニングを積み重ねていく必要があるからです。実際に西島選手も強化合宿においては、20代の選手たちと全く同じトレーニングを実施しています。

また、西島選手は年間を通じて強化合宿に最も参加している選手のひとりでもあります。そのため、今回の北海道マラソン大会に向けた強化合宿においても、こちらの狙い通りに「スピードアップ」し、「スタミナアップ」していきました。もちろん、そのかげには科学的サポートもあり、特に年齢的なマイナス要因は解消されてきたと思います。

西島選手の次の目標は、16年振りの自己記録更新です。そして、それを達成した場合、一般選手も含めた年齢別の世界記録達成の快挙につながります。別の意味でも楽しみになってきました。

※写真は同日に開催されたニューカレドニアマラソンにおいて女子の部で優勝した山口選手(左)

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