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安田享平のランニングライフ

秋を走る・6

【秋を走る・6】10月18日の富津合同マラソン練習会は、ハーフマラソンのトライアルを実施しました。もちろん、個々の判断で5kや10kのトライアルとし、途中でゴールしても大丈夫なルールです。

さて、コロナ禍の影響で全国各地のマラソン大会が中止や延期となっており、モチベーションが上がらないランナーも多いと思います。また、何とかランニングを継続してきた方でも、毎年目標にしてきた大会が無くなったことで、この先のトレーニング計画やその内容も見えなくなった方もいることでしょう。

毎年10月の第3日曜日は「高島平ロードレース大会(東京)」が開催されていました。同大会へは、富津合同マラソン練習会に参加している方々も、ほぼ全員が出場していましたが、今年は中止となりました。そのため、10月18日に富津でハーフマラソンのタイムトライアルを実施することにしました。

もちろん、実際のレースと違うので、参加した多くの方がこのタイムトライアルに向けて調整など実施せず、いつもの距離走感覚で参加していました。と、言いながら参加者の多くはかなり緊張しており、久々にレースペースで走ることに不安を抱いている様子でした。

毎年のことですが、夏にある程度走り込んできた方は、特にスピード練習を実施していない状況でも涼しくなってきた分、ある程度のスピードも出せる状態になっているものです。それを経験的にも理解している方は積極的に記録を狙います。

今回は、1kあたり4分00秒と5分00秒で走るペーサーを付けてスタートしました。いつもは5分30秒ペースで走っている方々は5分00秒ペース。5分00秒から4分30秒ペースで走っている方々は4分00秒ペースを目安にスタートです(参考までに先頭は3分20秒ペース)。

案の定、それぞれの集団から脱落する方はいません。特に、いつもは5分30秒ペースで走っていた方々も最後まで5分00秒ペースをキープし、ラスト2kは逆にスパートする余力もありました。4分00秒ペースのグループも最後まで集団が崩れず、同じくラスト2kから積極的にペースアップし、1時間23分台でゴールする女性もいました。

また、4分00秒ペースのグループに加わって10kトライアルとし、初めて40分を突破した50代の女性もいました。この他にも好記録続出のトライアルとなりました。秋も深まるこれからの季節は、更に記録更新を狙えます。特に、土台部分となる距離走を週末毎に重ねてきた方は、ハーフマラソン以下の距離でも十分に記録を狙えるのです。

11月もハーフマラソンのトライアルを実施予定です。

秋を走る・5

【秋を走る・5】マラソンを目標にした走り込みのメインは距離走ですが、距離走そのものについての定義はありません。もちろん、マラソントレーニングに出てくるインターバルなどの内容についても決まった定義はなく、実施する選手やチームなどによる経験や感覚的な部分が支配的です。

具体例として「ペース走と距離走の境界や違いは?」、「ショートインターバルとミドルやロングインターバルの境界や違いは?」、「ビルドアップ走のペースアップ方法は?」など、正式に決まっている点はひとつもありません。

また、個々の走力によってもその境界は変わります。初心者の方が10kの距離を走れば、ペース走と言うより、距離走に値することでしょう。同じく、400mのインターバルも初心者の方が走ると、ショートインターバルではなくなります。

このように、それぞれの走力によって同じトレーニングでも捉え方が微妙に違ってきます。したがって、個々の走力や目的に合わせた具体的な距離や設定タイムをスタート前に確認し、それに沿って走ることがポイントになります。至極当然のことです。

ところが、そうならないケースは多いのです。よくあるパターンとして、30kをゆとりある設定ペースで走り切る「距離走」としてスタート。ところが、出足から速めのペースになり、落とすことなくそのまま走り続けます。秋晴れの中、15kあたりから気温も上昇し、次第にゆとりもなくなります。しかし、そのペースを落とすこともできず、最後はほとんど全力でそのペースを死守して走り切ります。

この場合、「距離走」としてスタートしたのですが、出足から速くなり、結果的には「タイムトライアル」と、化してしまった例です。同様に、25kを5k毎にペースを上げていくビルドアップ走としてスタート。10kまでは設定タイムどおりでしたが、15k地点ではほとんど全力に近いペースに上ってしまい、最後の5kは逆にペースダウン。これも「タイムトライアル」と、化してしまった例です。

上記した2例とも強化合宿や練習会などで必ず拝見するパターンです。もちろん、目標のマラソンに向けてトレーニングを繰り返していくと、そんなこともあることでしょう。しかし、設定タイムを守れない人は、不思議と繰り返します。その結果がどうなるかは言うまでもありません。また、そのような人が同じグループで走ると、そのグループの練習は崩壊します。特に、駅伝を目標にしている場合、チームにも深刻なダメージを与えることになります。

自分自身が「グループで走れるタイプか否か?」、「単独で走る方が向いているタイプか否か?」など、予め把握してから各種トレーニングに挑むことは、走力アップにつなげる重要なポイントになります。

秋を走る・4

【秋を走る・4】私が主宰する富津合同マラソン練習会も10月から本格的な走り込みへと突入し、4日は最初の40k走を実施しました。また、先週同様、箱根駅伝や実業団駅伝を目指している選手たちも走り込んでいました。

毎年のことですが、10月に入るとテレビでも駅伝大会やマラソン大会の中継がはじまります。今年はコロナ禍の影響で中止や延期になった大会も多く、例年どおりにはいきませんが、富津公園で走り込んでいる選手たちのモチベーションは高まっています。

さて、本日からこの富津でいつものように強化合宿を実施します。内容は12月の防府読売マラソンに向けた走り込みになります。具体的には、距離走を2回、ビルドアップ走を1回の予定です。

12月のマラソンを目標にした場合、今は走り込みの入口に入ったあたりに相当するでしょうか。もちろん、夏の走り込みを土台にしているので、ある程度のペースでも押していけるスピード持久力は備わっています。

さて、夏の走り込みを家の建築に例えると、基礎部分の工事に相当します。しかし、今年の夏はもう少し掘り下げた地盤改良も実施しました。具体的には、単にゆっくり長く走るだけでなく、起伏の激しい周回コースでの走り込みも積極的に取り入れ、脚筋力の強化も実施しました。

10月からの走り込みは、完成する家をイメージしながら骨格となる柱や壁を組み上げていくトレーニングになります。基礎部分をより強固なものにするため、地盤改良も実施したので、より大きくて頑丈な家を建てることができるはずです。

しかし、基礎部分がしっかりしているから強固な家になるとは限りません。つまり、柱や壁を組み上げていく段階で、今は耐震構造も意識していかないといけないからです。もちろん、家の耐震構造がマラソントレーニングのどの部分に相当するかは、個々の考え方になります。

これまでの経験から思うのは、柱や壁を組み上げていく段階で、スピード系のトレーニングを重視し過ぎると、安定感の薄い仕上がり(地震や災害に弱い家)に陥り易くなると感じます。それを防止するには、耐震構造を意識した距離走がカギになります。

詳細は割愛しますが、10月は耐震構造を備えた強固な柱や壁を組み上げるイメージで走り込んでいきます。

秋を走る・3

【秋を走る・3】今年も10月に入り、本格的なマラソンや駅伝のシーズンになってきました。もちろん、コロナ禍の影響で多くの大会が中止や延期に追い込まれています。特に、市民ランナーの皆様にとっては、出場できるレースや大会はほとんど皆無なのが実情です。

しかし、私も強化拠点にしている千葉県富津市富津公園においては、箱根駅伝や実業団駅伝を目標にしている各チームが、例年どおりに走り込みを開始しています。特に、箱根駅伝予選会に出場する学生選手たちにとっては、この富津公園の平坦な周回コースは本番を想定した走り込みに適しています。

案の定、先日の日曜日は予選会通過が有力と数えられている大学が、走り込みをしていました。また、同じ公園内で私が主宰する練習会を実施しながら拝見していると、合計3つの大学が走り込みをしていました。

1つ目の大学は、レースペースに近いスピードでトライアルのような走り込みを。2つ目の大学は、比較的ゆっくり目のスピードで長い距離を。3つ目の大学は、実戦ペースに近いスピードで、「5k×3本」のロングインターバルを。

目指している箱根駅伝予選会は同じ日ですが、指揮官によってその調整内容は全く違います。至極当然のことですが、それぞれの内容はとても興味深く、同大会当日の結果にどのようにつながるかは、ひとりの駅伝ファンとしても楽しみです。

また、実業団の某強豪チームは公園内の直線道路で、「1k×10本」のインターバルを実施していました。同チームの選手は全員がナイキの厚底シューズを履いており、具体的なタイムは確認していませんが、相当速いペースで駆け抜けていたのは間違いありません。

学生選手も実業団選手も「例年より仕上がりが良いのでは?」と感じるシャープな動きをしていました。それを裏付けるように夏以降、トラックでの記録会などが復活してきましたが、全体的に好記録が出ています。

これからのロードレースシーズンで、コロナ禍を吹き飛ばすような更なる好記録を期待したいと思います。もちろん、市民ランナーの皆様も少ない大会で確実に結果を残してほしいと願っております。

例年どおり、今年も10月から本格的な走り込みを、ここ富津公園で開始します。

秋を走る・2

【秋を走る・2】厳しい残暑が続いていましたが、一気に秋めいてきました。先日の19日からの強化合宿も暑さに苛まれることもなく、計画どおり順調に走り込むことができました。

さて、秋から冬にかけて開催されるマラソン大会の動向もかなり見えてきましたが、予想どおり厳しい状況です。既に年内のマラソン大会は全国的に自粛方向になっており、開催を表明している大会も参加基準を引き上げる傾向です。

また、年明けのマラソン大会についても、既に中止や延期を表明している大会が多いのも確かです。全国のマラソン大会もブームから定着へと移行していただけに、個人的には残念な気持ちです。と、言いながら今の状況が永久に続くこともないでしょう。月並みな言い方ですが、これまで同様、コツコツと走り込んでいくしかありません。

特に、マラソンに必要なスタミナ(持久力)は、身に付けるには年単位の地道な走り込みが必要ですが、手を抜き出すと目に見えて落ちていく傾向にあります(私の経験上)。そのため、「ここで休んだらもったいない」と思えるか否かは、大きなわかれ目になるかもしれません。

また、毎年目標にしてきたマラソン大会が無くなることは、走り込む目的やモチベーションを維持していくことすら難しくなっていくでしょう。つまり、落ちていく気持ちをどのように高めていくかの工夫も求められます。

マラソン大会を開催するか否かの判断は、最終的には主催者が大会当日に決めることもできます。しかし、そのマラソン大会で自己記録を更新するためには、計画的な走り込みの継続や心身ともに健康な状態を長期継続することが不可欠になります。つまり、マラソン大会に出場するための準備は手を抜けないのです。

先の見通しが立たないことに力を費やすことは確かに無駄なことかもしれませんが、マラソンは長期的な準備がないと結果を残すことはできません。また、この先のマラソン大会がどのようになっていくかは誰にも予想することはできませんが、自分自身の走力を維持・向上させられるか否かは自分自身で確実にコントロールできます。

いつも無視してきた弱い部分の自分自身と向き合える絶好の機会かもしれません。

秋を走る

【秋を走る】今週末から千葉県富津市において強化合宿を実施します。同地も朝晩は多少涼しくなってきましたが、日中はまだまだ蒸し暑く感じる日が多く、走り込みには厳しいコンディションが続いています。

また、私が現役時代だったころは、9月中旬に入るとグッと走りやすい季節に入っていったと記憶しています。しかし、近年は10月に入っても気温が20度をこえる日が多く、秋から冬のマラソンを目標にした走り込みにも関わらず、「暑さ対策?」が必要になってきたとも感じます。

しかし、次の目標となる12月20日開催の防府読売マラソン大会までは、3ヵ月間あるのでしっかりと走り込みができます。また、その間は前述したように気温が高くなる日も予想できますが、じっくりと取り組んでいきます。

さて、秋からの走り込みも夏の走り込み同様、距離走がメインになりますが、夏より涼しくなる分、設定タイムなどが違います。もちろん、設定タイムは夏よりも速くなる傾向になりますが、サジ加減が難しいところです。

距離走を速い設定タイムで実施していくことは、量だけでなく質も追いかけることになり、より高い目標を狙える可能性が出てきます。一方でその弊害(デメリット)もあり、主に次のふたつが考えられます。

ひとつめが、「調子のピークを目標のマラソン大会に合わせられない」。つまり、距離走の本数を重ねることに、自身の定めた設定タイムより速くなっていき、まるでタイムトライアルのようになっていくことです(特に、練習会の仲間たちと、毎回競り合いになって)。

ふたつめは、「故障や怪我をする」。ひとつめに連動しますが、要は自分自身の身体と心を制御できなくなり、行きつくとこまで行ってしまうことです。「そんなバカな?」と、笑う方もいるかもしれませんが、市民ランナーの練習会を主宰していると、この事例が多いのは事実です。

具体例として、マラソンの目標タイムが「サブスリー」にも関わらず、距離走の設定タイムは「1kを4分15秒以内」と、常に実戦的。その結果、上記したような状況に陥るケースはよくあるパターンです。

長い距離を走り込む距離走は、高い強度(速い設定タイム)で詰め込んでいくと、肉体だけでなく、心も疲弊していくことがあります。そうなるといわゆる「燃え尽き症候群(ランニングに対して)」などに陥ることもあるので注意が必要です。

夏の走り込み・6

【夏の走り込み・6】9月6日は東京パラリンピックのマラソン1年前でした(変更がなければ)。その日は千葉県富津市富津公園において、1年後と同じスタート時間でトライアルを実施しました。本来であるなら都内の同じコースでの試走が理想的でしたが、さすがにそれは難しいので、強化拠点にしている富津公園での実施としました。

もちろん、トライアル当日は起床時間からはじまり、各種暑熱対策やスペシャルドリンクの中身や摂取方法など、事細かい点まで実践的にしました。また、トライアルですが、やみくもに「がんばれ!」とは言いません。選手ごとの設定タイムについては、過去の各種データから導いた数値を個別に指示しました。そのため、スタートは一斉ですが、あとはバラバラの単独走になります。

スタート時間は早朝6時50分。そのときの天候は晴れ、気温28度、湿度80%と、まずまずの厳しいコンディションになりました。その後、願いどおりに気温は30度まで上昇し、より厳しいコンディションになったのは、まさに願ったりかなったりでした。しかし、そんな状況下でも選手たちは、ほぼ設定タイムどおりに走り続けていきました。

さて、夏マラソンを攻略する方法はそれぞれですが、最も重要な点のひとつは「ラスト2kは絶対に失速しない(ペースアップする)」ことです。冬マラソンの場合、前半を果敢に攻め、後半の失速を最小限に食い止めながらゴールすることができます。しかし、これが夏マラソンの場合、一度失速しだすとそれをくい止めることが、かなり難しい状況に追い込まれます。と、言うよりほぼ不可能と言ってよいでしょう。

つまり、夏マラソンを攻略する上で重要なポイントになるのは、前半に体力を温存し、ラストは一気にペースアップできる自分自身の設定タイムをつかんでおくことになります(私の経験上)。冬マラソンと違い、前半の突っ込みは中盤からの失速。そして、リタイヤへと直結していきます。要するに、何とかならないのが、夏マラソンの恐ろしいところなのです。

今回のトライアルで男女の主力選手たちは、ほぼ設定タイムどおりに走り切ることができました。単純に比較はできませんが、2016年のリオパラに当てはめると、男子のトップが銅メダル相当。女子のトップが金メダル相当、2位が銅メダル相当のタイムでした。また、同日に埼玉県熊谷市で開催された日本パラ陸上競技選手権大会に参加した他の主力選手たちもしっかりと走れていた様子でした。

この後、12月の防府読売マラソンを目指した冬マラソンに移行していきます。夏マラソンの攻略につながるもうひとつの重要な対策は、冬マラソンでしっかりと自己記録を更新しておくことです。冬マラソンでより高い次元にいくこと、すなわち夏マラソンのゆとりにもつながるからです。

夏の走り込み・5

【夏の走り込み・5】クラブチームの夏合宿を菅平高原で実施してきました。毎年恒例にしている夏合宿ですが、コロナ禍の影響で今年の夏はこの1回のみとなりました。

また、例年だとラグビー選手をはじめ、サッカー選手や中高生の合宿なども相まって、この菅平高原はたいへんな賑わいになっているのですが、今年は本当に静かな菅平高原でした。

そのため、毎年お世話になっている旅館も諸事情により、この夏は閉館するとの連絡が夏前にあったので、今年の夏合宿は宿泊先を探すことからでした。しかし、何とか受け入れていただける旅館を確保できたので、今年もクラブチームの夏合宿を実施することができました。

そして、例年どおり、この夏合宿のメイン練習は「40k走」。いつもの周回コースで早朝7時30分からグループごとにスタートするのも例年どおりです。そのスタート地点に7時ごろ到着すると、箱根駅伝の優勝を目指している東海大学の選手たちが「30k走」を実施していました。

スタート地点に置いてあった東海大学の伝言ボードには、その日の練習メニューや設定タイムなどが細かく記載されていました。スタート時間は5時50分だったので、我々がスタート地点についたときは30k走の後半でした。

この時、既に気温は30度をこえており、高原と言いながらかなり厳しいコンディション下での30k走でしたが、どの選手も最後までしっかりとした足取りでした。また、驚いたのは、ボードに記載されていた設定タイムです。

5千mを13分台、1万mを28分台で走る選手たちが揃っているグループでもかなり遅い設定タイムで走り込んでいたのです。もちろん、前後の練習計画がわからないので、その意図を知ることはできませんが、事実としてかなりゆとりを持った設定タイムで30k走を実施していました。

近年の東海大学と言えば、質の高いトレーニングをメインにしている「スピード集団」のイメージが強いのですが、そのベースとなるスタミナ強化は想像以上にじっくりと取り組んでいる様子でした。

まさに、「目からウロコ」。速さを極めようとしている学生選手たちでも土台つくりは時間と手間をかけているのです。今年最後の菅平合宿でしたが、とても良いものを拝見することができました。

夏の走り込み・4

【夏の走り込み・4】厳しい残暑が続いております。そんな中、千葉県富津市で強化合宿を実施しました。あえて暑い中で実施する目的は、来年開催される東京パラリンピックに対応するためです。

1年後の今は、まさに東京パラリンピックの真只中となっており、来年も連日30度をこえる厳しい残暑の中での戦いになっている可能性は高いでしょう。同時に、その厳しいコンディション下で最高の調子に仕上げていくことが求められます。

今年の夏はそこを見据えた上で、夏の強化合宿期間を延長して対応してきました。また、我々が北海道で強化合宿を実施していた期間は、例年にないほど北海道らしい快適な気候が続きました。その結果、強化合宿中のトレーニングは、量的にも質的にも充実した内容で終えることができました。

さて、目標とする大会に向け、大まかな期分けをすると、「トレーニング期→調整期→目標の大会」の3つにくくれます(強引な見方ですが)。これが、秋から冬にかけてのマラソンを目標にした場合、トレーニング期から目標の大会までは、ほぼ寒いコンディション下で実施していけます。つまり、「寒い(トレーニング期)→寒い(調整期)→寒い(目標の大会)」となります。

ところが、夏の大会を目標にした場合、トレーニング期から目標の大会まで暑いコンディション下で実施することになり、肉体的にも精神的にもかなり厳しい状況となります。つまり、「暑い(トレーニング期)→暑い(調整期)→暑い(目標の大会)」となります。しかし、目標の大会の日程や気候を変えることはできませんが、トレーニング期と調整期は寒い場所に移動して実施することが可能です。

すなわち、「寒い(トレーニング期)→寒い(調整期)→暑い(目標の大会)」、「寒い(トレーニング期)→暑い(調整期)→暑い(目標の大会)」と、「暑い(トレーニング期)→寒い(調整期)→暑い(目標の大会)」の3つのパターンになるでしょうか。しかし、最終的に目標の大会が「暑い」になるので、必ずどこかのタイミングで身体を暑さに順化させる期間も必須になります。

今回、我々は「寒い(トレーニング期)→暑い(調整期)→暑い(目標の大会)」のパターンを実践してきました。9月6日にトライアルを実施し、最終的な検証をしますが、まずは来年の東京パラリンピックに向け、実戦的なノウハウを蓄積したいと思います。

夏の走り込み・3

【夏の走り込み・3】本日から千葉県富津市において強化合宿を実施します。先日まで比較的涼しかった北海道北見市で走り込んできましたが、わざわざ暑い場所に移動してのトレーニングです。

今合宿の最大の目的も「暑さ対策」なので、30度をこえる厳しい残暑は願ったりかなったりです。もちろん、その中でトレーニングを実施する選手や伴走者にとっては、厳しさ以外は何もありませんが、来年の東京パラリンピックもちょうどこの時期なので暑さを避ける訳にはいきません。

6月後半から本格的な強化合宿を再開しましたが、概ね計画どおりに走り込みを重ねてくることができました。そして、本日から暑い場所でのトレーニング(調整)を実施し、9月上旬の大会やトライアルにつなげていきます。

さて、これまでいくつかの暑熱対策も実施してきましたが、根本的に暑さが苦手な選手もいます。しかし、暑さが苦手な選手を暑い中で開催される東京パラリンピックの日本代表選手に選考する訳にもいきません。厳しい言い方ですが、この点は情に流されるところではありません。

ところが、毎年夏合宿を継続し、その中で暑熱対策も継続していると、暑さが苦手だった選手も確実に、夏の暑さに順化していっていることがわかります。もちろん、専門家による科学的なサポートを受けている点が大きいのですが、それだけでなく人の秘めた可能性を感じます。

具体例として、パラリンピックを目指しているブラインドマラソンの選手たちは男女を問わず、高齢化が進んでいます。そんな視点からも暑さを苦手としてる選手は比較的多いと感じます。ところが、覚悟を決めて暑熱対策を継続した結果、選手が個々に暑さに耐え得るノウハウを身に付けてきました。

今日からの強化合宿においては、実戦に近いトレーニングがメインになる予定です。どの選手も暑さの中における自分自身の限界点を見極め、重要課題のひとつである「夏の調整」に活かしてほしいと思います。

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