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パラリンピック Archive

春を走る・12

【春を走る・12】京都市の西京極陸上競技場において「ジャパンパラ陸上競技大会」が開催されました。同競技場は、全国高校駅伝大会や全国都道府県対抗女子駅伝大会など多くの主要大会を開催しており、陸上長距離界では有名な競技場です。

と、知ったかぶりの話しをしている当の本人は同競技場を訪れるのは、実は初めてでしたが……。

さて、大会は5月14日(土)から15日(日)の2日間で開催されました。また、天候は懸念されていた雨にはならず良かったと思いますが、逆に長距離種目にとっては厳しかったでしょうか。

そんなコンディション下での大会でしたが、東京パラのトラック種目でメダルを獲得したT11クラスの和田、唐澤両選手は積極的な走りを見せていました。同様に、マラソンでメダルを獲得したT12クラスの堀越、道下両選手も粘りの走りができていました。

もちろん、他の選手たちも記録へ挑戦する走りを見せていましたが、今の力を出し切るまでに至っていない様子でした。具体的には、今の調子や走力に見合ったペースをつかみ切れていないためか、スタート直後から安定したラップタイムやリズムを刻めていない選手が多かったように感じました。

トラックレースはロードのマラソンと違い、スタートから速いペースで進みます。したがって、一度リズムを崩してしまうと、そこから立て直して後半挽回することはかなり難しくなります。また、トラックレースに関しては、本命のレース当日までの間、記録会などの実戦をくぐりながら調整する方が良い面もあります。

今回、2日間のレースを視察し、練習不足というよりも実戦不足の選手が多かったように感じました。このあと、6月に神戸で日本パラ陸上競技選手権大会が開催されるので、調整にタイムトライアル(実戦形式)などを加味しながらスピード感覚をトラック仕様に切り替えてほしいと思います。

どの選手も地力はついているので、あとは自信を持って調整していきましょう!

春を走る・10

【春を走る・10】今年のGWも長野県菅平高原において強化合宿を実施しております。また、コロナに関する規制も一旦解除されたこともあってか、サッカーチームなどの姿も多く見受けます。そして、このまま元の状態に戻っていくことを願っております……。

さて、今年もGW期間中の菅平高原は、実業団チームや大学チームの姿も多く、どのチームも質の高いトレーニングを積んでいます。そして、これも毎年のことですが、それらの様子を拝見しているだけでも、いろいろと参考になります。

特に、今年はGWの前半に実業団チームの選手たちが集中していたので、菅平高原のトラックは、その選手たちでにぎわっていました。そんな中、ひときわキレのある動きをしている選手がいたので、しばらく見入っていましたが、よく見ると住友電工の遠藤選手でした。

もちろん、私が偉そうに評価することはできませんが、やはり他の選手たちとは違って見えました。特に、短い距離のスピードやそのフォームは他の選手よりも洗礼されていました……。

そして、その数日後の5月4日、宮崎県延岡市で開催された「ゴールデンゲームズinのべおか」において、その遠藤選手が5000mで快走。特にラスト200mからのスパートは菅平で拝見したキレのある動きのままでした(LIVE配信より)。

後半のGWは、ブラインドマラソンの強化合宿を実施しております。今回はトラックでのトレーニングに終始し、今月14日からのトラックレースに向けた最後の追い込みです。さいわい、どの選手も好調で、質を高めたスピードトレーニングも順調に消化しております。

先日の「かすみがうらマラソン」で快走した弱視の堀越選手と熊谷選手も、そのときの疲れも抜け、スピードに乗れる動きをしています。また、東京パラで金メダルを獲得した道下選手も好調で、5000mで自身の持つ日本記録更新が可能なゾーンに入っています。

どの選手も久々のトラックレースになりますが、最後まで怪我と故障に注意しながら最終調整に移行していきます。

春を走る・8

【春を走る・8】多くの方々のご理解とご支援のおかげで、今年のかすみがうらマラソン大会は無事に開催されました。また、同大会は古くからブラインドマラソンを受け入れていただき、普及と発展に多大な貢献と功績を残してきました。あらためて、関係者の皆様方に厚く御礼申し上げます。

さて、今年の同大会には東京パラに出場した4選手が出場しました。特に、堀越、熊谷、米岡の男子3選手はこの大会に向け強化合宿などでは、ほぼ計画どおりに調整することができていました。そのなかでも、東京パラで銅メダルを獲得した堀越選手は、別大マラソンでの転倒・棄権のダメージを払拭し、2時間20分突破を目指したトレーニングを計画どおりに消化することができ、記録への期待も高まっていました。

しかし、当日の気温は20度を超える厳しいコンディションになりました。今回のように、4月中のマラソンで20度を超える場合は、体感的には夏マラソンとそん色なく、後半は厳しい状況に陥り易くなります。特に暑い中でのマラソンは、走り込み(距離走)不足のランナーほど、後半は大失速します。

そんな厳しいコンディション下でのレースとなりましたが、弱視で単独走の堀越選手と熊谷選手は、更にスタートからゴールまで集団もなくほぼ独走。そして、慣れないコースのため、スペシャルドリンクがほとんど取れない中でのレースでしたが、両選手とも無事にゴール。

堀越選手は、5kごとのラップタイムを、すべて16分台にまとめ、「2時間21分21秒(アジア新)」。熊谷選手も同様に、すべて17分台のラップタイムをキープし、「2時間27分32秒(セカンド記録)」。両選手とも蓄えた力を狙い通りに発揮しました。また、総合順位も4位と8位、ともに入賞。そして、全盲の米岡選手も後半を粘り抜き、「2時間45分44秒(自己新)」を達成しました。

もちろん、他の強化指定選手たちも力走しましたが、今大会に関しては上記した3選手との差(本気度)は、強化合宿時から歴然としていまいた。このあと、ほとんどの選手は、一旦トラックレースを走りますが、次の目標は8月の北海道マラソンになります。

パリパラに向け、残された夏は2回です。つまり、夏マラソンの試し打ちができるのも、たったの2回のみです。東京パラが1年延期になった悪影響はここから出てきます。何も考えていない選手たちは、早くも振り落とされていくでしょう。

パリパラに向け、準備できる時間とチャンスは考えているほど多くない……。

春を走る・6

【春を走る・6】今年度の第1回強化合宿を千葉県富津市富津公園において実施しました。今合宿の目的は開催まであと2週間を切った「かすみがうらマラソン」へ向けたものになりました。

すでに何度も話してきましたが、マラソンの調整方法は様々で正解もありません。しかし、偉大な先人たちが残してきた実績(経験と科学的なデータに裏打ちされた実績)から個々の調整方法に大きな違いは少なくなってきたと思います。

特に、情報伝達が早くなった昨今は、実業団選手が実践しているトレーニングを市民ランナーの方がアレンジして実施しているケースも珍しくありません。もちろん、その記録や成績を保証するものではありませんが……。

一方で、高性能な腕時計などが登場し、心拍数や走行距離など様々なデータを確認しながら走ることも可能になりました。しかし、それを目安にレースを戦っているトップ選手はほとんど見かけません。不思議なことに……。

同様に、優勝インタビューで「30kの心拍数が170以下だったので勝てると思った」と振り返るトップ選手はほぼいません。逆に「30kから身体が楽になってきたので、勝負できると思った」と主観的なコメントが支配的です。同じく、調整の期間に入ってくると、主観的に自身の調子や状態をつかめている選手は本番のレースでも外すことが少ないと感じます(私の経験上)。

例として、2週間前の練習で「身体は重たい感じだが、スピードは出せる」「最初は無理やり動かす感じだが、後半になるほど楽になっていく」など、このようなコメントをする選手は「順調に走り込めたな」と見て取れます。

今回の強化合宿においても、何名かの選手からは、上記したようなコメントを聞くことができました。もちろん、本番のレースまで2週間あるので、最後の調整次第で良くも悪くも大きく変わります。いわゆる「危険なゾーン」に入ってきたともいえます。

昨年の東京パラ2週間前もこのような状態に仕上げることができ、逆にそこから本番までは徹底的に管理しました。もちろん、調子のピークを合わせるためでしたが……。今回はそのようなことはできないので、個々の裁量に委ねるしかありません。

しかし、これまでの失敗と成功から学んだ経験を活かしながら調子のピークを合わせてくれることでしょう。

春を走る・4

【春を走る・4】今年度最後の強化合宿が終わりましたが、すぐに新年度がスタートします。また、4月は「かすみがうらマラソン」が実施されます。同大会は、ブラインドマラソン部門もあり、その中には「IPC公認の部」もあるので、今回の強化合宿に参加した選手たちも出場します。

特に、男子の弱視選手で単独走が可能な3選手が、揃ってマラソンを走ります。3選手とも調子は上向きなので、期待の持てるレースになりそうです。まずは、しっかりと最後の調整を実施してほしいところです。

さて、その「かすみがらうらマラソン」は、ウェーブスタートを採用しています。知っている方も多いと思いますが、いわゆる時差スタート方式です。具体的には、参加人数が数万人規模になると、何よりもスタートが大混雑します。特に、後方からスタートすると、スタート地点に到達するまでに相当なロスタイムが発生します。

また、マラソンは出走したどの選手も必ず同じ地点からスタートし、同じゴール地点を通過する競技なので、出走人数が増えれば増えるほど、スタート地点までのロスタイムが大きくなり混雑します。同時に、それを回避することもかなり難しい競技特性があるのです。

しかし、その問題を少しでも解消する効果的な方法のひとつが、ある一定間隔でグループごとにスタートさせていくウェーブスタートになります。かすみがうらマラソンの場合、マラソンは5分間隔で4グループが順にスタートしていきます。よく考えたとても良い方法だと、個人的にも思います。

一方、ゴールの着順もそのグループの中で決まれば良いのですが、総合順位については、それら複数のグループをまたいだ順位になるケースが一般的なので、少し複雑になります。かつて、ネットタイムとグロスタイムについて記載したときと同じように、見た目の順位と記録上の順位が一致しなくなります。

具体例として、最初のグループからスタートし、トップでゴールした選手よりも3グループからスタートし、見た目は50番目でゴールした選手の方がタイムが良かったということが起り得るのです。つまり、最後にスタートしたグループの選手たちがゴールするまでは、総合順位が決まらないことになります。

かくいう私自身は、上記したようなケースに出くわしたことはありませんが、他の大会においては、順位をめぐってトラブルになったケースもあるようです。皮肉なことですが、スタートの混雑を避けようとして、ゴールが複雑になってしまう。永遠の課題なのでしょうか……。

春を走る・2

【春を走る・2】3月9日の水曜日まで千葉県富津市富津公園において強化合宿を実施しました。これで今年度の強化合宿も残すところあと1回となりました。特に、今年度は東京パラもありましたが、世の中の流れが早すぎるためか、あの感動や達成感も遠い昔のことのように感じます……。

さて、3月に入ると、ロングディスタンスの選手たちは「ロード」から「トラック」に移行していく時期にも入っていきます。今回の強化合宿に参加した選手の中にも今月末からトラックレースに切り替える選手もいました。

さて、トラックシーズンに突入する3月から4月上旬に開催される最初のレースで、いきなり好記録を叩き出す選手は意外に多いと感じます。理由はそれぞれですが、ひとつ言えるのは、冬のロードシーズン中にしっかりと走り込みができており、なおかつ、出場した各種ロードレース(駅伝も)で好記録をマークしていることです。

つまり、冬の走り込みをしっかりと積めており、スタミナ強化ができていたことです。要は、スピード強化もベースはスタミナであり、スタミナのない選手がいくらスピード強化を実施しても思うようにはいかないとも言えます。

ところが、最初のトラックレースで好記録を出した選手がそのまま5月以降に開催される各種選手権大会でタイトルを獲得するかと言えば、決してそうではないようにも感じます。むしろ、その後はじり貧に陥っていくパターンは意外に多いとも感じます(見方をかえれば、蓄えていたスタミナが枯渇したと……)。

しかし、そんな選手も夏の走り込み期を乗り切ると、秋の記録会で再び好記録を叩き出したりします。やはり、上記したようにベースとなるスタミナを強化した上にスピード練習を積めたときが、好記録につながっているとも言えます。

このことから、トラックシーズンに入ってもそのベースとなるスタミナを、少なくとも維持していくことはスピード強化をより効果的にするためにも大切なことと言えるでしょう。したがって、トラックシーズンに入っても長い距離や時間を走るトレーニングは定期的に実施することは必要です。

また、これからは気温と湿度が高くなっていく季節にも入るので、長い距離や時間を走るトレーニングの負担は逆に増えます。そのため、走る時間帯や設定タイムなど、細かい調整も不可欠になりますが、スピードとスタミナのバランスをよく考えながら走り込んでほしいと思います。

冬を走る・6

【冬を走る・6】第70回記念大会となった今年の別府大分毎日マラソン大会でしたが、大会当日はスタート前から強い寒風がふきつける悪コンディション。そのため、多くの関係者が、「記録を狙うのは難しいかな?」と思っていたに違いありません。

しかし、ゴールまで積極的に競い合う好レースが続き、西山選手が「2時間7分47秒」の大会新記録で初優勝。更に、上位6名全員が「MGC出場権」を獲得し、記念大会に相応しいレースとなりました。そして、今回も実施いただいた「IPC視覚障がいの部」においては、T11男子で世界記録を樹立するなど、こちらも素晴らしい結果を残してくれました。

まずは、あらためて大会関係者の皆様に御礼申し上げます。

さて、今大会のIPC視覚障がいの部は、昨年実施された東京パラ大会においてメダルを獲得した選手たち全員がエントリーするなど、記録への期待は高まっていました。特に、トラックでメダルを獲得したT11クラスの和田、唐澤両選手が世界記録(2時間31分59秒/T11男子)を更新するのはほぼ確実な調子に仕上がっていました。

同様に、マラソンでメダルを獲得したT12男子クラスの堀越選手と、T12女子クラスの道下選手にもその期待がありました。両選手とも昨年9月の東京パラマラソン後も調子を崩すことなく、記録を狙えるモチベーションと、それに向けたトレーニングもしっかりと継続していたからです。

結果は、上記したとおり、T11クラスの和田、唐澤両選手が見事な世界新記録。そして、T12男子クラスの堀越選手は強い向い風の中、新記録を狙って一般選手たちの集団に位置しながら10kを通過。ところが、11k付近にある給水地点で他選手との接触を避けようとしたところ、まさかの転倒。立ち上がって走り出したが、そのときに強打(かなり深い擦り傷も)した脚や臀部のダメージが大きく、15k過ぎにリタイヤ……。

自他ともに記録への期待も大きかっただけに、堀越選手自身が無念だったことでしょう……。その堀越選手ですが、左目が義眼です。したがって、左側にいる他選手の動きや給水テーブル(障害物など)を把握することは特に難しく、過去にも今回のようなアクシデントは経験してきました。

実は、レース中は伴走者のいる選手より、単独で出走する弱視選手の方が、「給水をうまくとれない」、「転倒のトラブルに巻き込まれる」などのリスクが高く、レース本番に限っては、伴走者の有無がそのまま有利不利には結びつかないのです。とても悩ましい点ですが、弱視選手に対するレース中のサポートなどについては、あらためて再徹底していきます。

そして、最も注目されていたT12女子クラスの道下選手は、目標どおりに世界新記録ペースでレースを進めていきました。ところが、35k以降の強い向い風にリズムを崩し、惜しくも記録更新には届きませんでした。しかし、ゴール後はレースを振り返り、謙虚に自身の課題を自ら指摘し、それに対する具体的な対策のイメージもできていました(振り返りが、たんなるグチになっている選手は多い)。

引き続き、パリパラ大会に向け、皆様のご声援をお願い申し上げます。

冬を走る・3

【冬を走る・3】前回の「テーパリング」についての続きをもう少し……。ピーキングのひとつであるテーパリングは、練習の質をキープしながら量を落としていき、調子を引き上げていく方法ですが、テーパリングは目標にしたマラソン大会のおおむね1カ月前、もしくは3週間前あたりからはじめていくのが一般的です。

そのため、テーパリングを開始するマラソン大会の1カ月から3週間前の調子がひとつの目安になります。例えばマラソン大会の3週間前に「ハーフマラソンを走って自己記録を更新している状態」。あるいは逆にマラソン大会の4週間前に「疲労が残る中、最後の40k走を何とか走り切った状態」など、個々にその目安は違うことでしょう。このように各自の調整目安(過去の経験やそのデータ)が確立しているランナーならここからのテーパリングも、問題ないかもしれません。

しかし、上記したような判断は計画的な走り込みを継続していないと、偶発的に自己記録を更新できても、狙った大会で安定した結果を残していくことはかなり難しいと思われます(私の経験上)。したがって、ここからテーパリング(最終調整)に入るランナーは、この点をよく自己分析しながら数週間後のマラソン大会で自己記録の更新を狙えるか否かを判断(洞察)し、それに到達できるテーパリング(最終調整)を……。

さて、2月6日に開催される別府大分毎日マラソン大会に向けた最後の強化合宿を千葉県富津市富津公園において実施しました。実施内容の詳細は割愛しますが、それぞれの選手が計画どおりの内容を消化しました。上記したように多くの選手が、この時点における状態(調子)は、ほぼ狙いどおりのレベルに到達しており、このあとのテーパリング次第で記録更新が狙えると感じました。

このように、年間を通じてコンスタントに強化合宿を継続していると、目標の大会に向け、どのタイミングの強化合宿でどのようなトレーニングをすることが適切かの判断が、個々にできるようになっていきます。そして、その積み重ねが2年ごとに開催される世界選手権大会につながり、最大の目標であるパラリンピックでの成果にもつながっていくのです。

まずは、2024年パリに向け、その一歩となるのが、2月6日の別府大分毎日マラソン大会です。ここから各選手がテーパリングに入りますが、それぞれが目標どおりの結果を残してほしいと願っております。

冬を走る・1

【冬を走る・1】今年も駅伝からはじまりました。元日のニューイヤー駅伝は、HONDAが悲願の初優勝。しかし、HONDAは、私が現役時代にはすでに強豪チームだったので、初優勝とは意外な感じでしたが、2位以下とのタイム差以上に強かったと思います。

恒例の箱根駅伝は、青山学院大学が圧勝でした。独走する青山学院大学を追いかける2位以下の各大学がブレーキを繰り返しながら順位が入れ替わり、先頭からどんどん離されていく展開でした(まさにテレビで見たまま)。

と、いいながら青山学院大学が驚異的な記録で独走しているにもかかわらず、繰り上げスタートになった大学は、わずか2校。つまり、先頭を追いかける各大学の選手たちも区間順位的にはブレーキ(いわゆる二けた順位)となっていても、記録的には監督から指示された設定タイムを大きくクリアしていた選手も多かったのでは……。

もちろん、上記したことは私の単なる憶測ですが、厚底シューズの恩恵もあって、これだけ高速化が進むと、過去の経験やデータからレースを見極めていくことは相当難しいと想像できます。それだけに、青山学院大学原監督のレースを読み切る洞察力は、間違いなく群を抜いていました。

箱根駅伝が終わったあと、「青山学院大学の時代がしばらく続く」といったコメントが多かったようですが、原監督が各区間に配置した選手と、レースの流れが見事にマッチングしていた圧巻のレースでした……

1月4日の富津公園には、前日の箱根駅伝を走った大学の姿もありました。これも毎年のことですが、来年の箱根駅伝へ向けての取り組みはゴール直後からスタートします。そして、これも毎年のことですが、私自身も「今年も頑張る!」と気持ちが入りました。

本年もよろしくお願い申し上げます。

12月を走る・5

【12月を走る・5】本年も明日までとなりましたが、今年は何と言っても1年延期された東京オリパラを無事に開催できたことが何よりでした。あらためて、開催にご尽力いただいた関係者の皆様に厚く御礼申し上げます。

さて、今年も明日までの日程で、強化合宿を千葉県富津市富津公園において実施しております。そして、今年も例年同様、箱根駅伝に出場する各大学が最後の調整を実施している姿が見られました。

その調整の内容も、おおむねどの大学も同じような距離を同じようなペースで走っており、どの大学も例年どおりに見えました。したがって、走っている姿を拝見している限りは、どの大学も仕上がりは順調に見えました……。

しかし、同じような距離を同じようなペースで走っていますが、その走らせ方は大学ごとに少しずつ違っています。最もよく拝見するパターンとしては、数十秒間隔でスタートさせていく走り方です。駅伝を意識した調整としては、最もスタンダードな方法といえるかもしれません。

また、同じような単独走になりますが、時間を完全に区切り、1人ずつ走らせる調整方法もあります。例として、朝の8時から1時間ごとに1人ずつ走る方式です。もちろん、タスキを渡すことはしませんが、前後が全くいない完全な単独走になります。

逆に、チームによっては、数名の小集団で走っている大学もありました。もちろん、これらの調整方法については、どれが正しいとかの判断はできませんが、各大学の指揮官(監督)の洞察力(経験とデータに裏打ちされた「直観力と観察力」)に頼るところが大きいと感じます。

と、毎年のことですが、私のような単なる駅伝ファンが勝手なことばかり言って申し訳ありません……。どうか最後まで体調管理に注意し、どの大学もどの選手も最高のパフォーマンスを見せてほしいと願っております。

皆様、良いお年を!

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