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5月を走る

【5月を走る】どんな選手でも「日々のトレーニング」を積み重ねています。それは、目標(順位や記録)を達成するためです。しかし、狙った大会においてそれを達成することは簡単なことではありません。なぜなら、勝負にはライバルがいるのと、記録は当日のコンディションなどに大きく左右され、自分自身でコントロールできない部分が圧倒的に多いからです。

つまり、勝負に勝つことや目標記録を達成できるか否かは、自分自身の能力と言うより、その当日のライバルや天候などのコンディションが自分寄りに整っているか否か。すなわち、「運」があるか否かの非科学的な要因にも大きく左右されるからです。

前述した「日々のトレーニング」も見方を変えれば、「運気を高める・引き寄せる」ために日々継続しているとも言えないでしょうか。また、安定したパフォーマンスを発揮している選手のトレーニング内容や生活習慣は意外とシンプルで、考え方や行動は「ルーティン(習慣化)」されていてブレません(安田の主観)。

さて、先日の5月3日は日本陸上競技選手権大会の男女1万メートルが静岡県で開催されました。女子1万メートルには、いつも富津合同練習会で切磋琢磨している山口遥選手も出場しました。彼女は昨年の11月ころから故障や体調不良などが重なり、調子がどん底まで落ちていましたが、ようやく底を打って上向いてきた状態です。

また、コーチの立場としては「中途半端な調子で出場する必要はない」と、本人にも話をしてきました。一方で同大会にエントリーしている他の選手たちの状態を私なりに分析すると、「意外と戦えるかも」とも思えました。具体的には、東京五輪を意識してハイペースになる選手は数名で、あとの選手は団子状態になって遅くなると。

今の山口選手は、3千メートルを9分40秒、5千メートルを16分10秒あたりで通過する集団に位置すれば後半は勝負できると、本人とも話をしていました。果たして、当日のレースは予想どおりの展開になり、「3千メートルを9分40秒、5千メートルを16分13秒」と願ったりかなったりの集団の後方に位置取りできました。

8千メートル付近でその集団は8名で、6位争いです。つまり、その集団の3番に入れば8位入賞です。自己記録更新だけでなく、入賞の可能性も見えてきた残り4周あたりだったでしょうか。山口選手が、はじめてその集団の前に出て、勝負を仕掛けました。そして、残り1周の段階で、その集団は山口選手を含む3名と、それ以下に割れました。

ラストは後方の選手からかなり追い込まれましたが、「32分24秒86の自己新記録で8位入賞!」。今大会に向け、不調時も自分自身のルーティンを崩さずにトレーニングを継続してきたことで、当日のレース展開を冷静に見極める判断力にもつながりました。また、レース後半は「今日は入賞もできる(運気を引き寄せる)!」と、自ら仕掛けて積極的にそのチャンスをつかみに行った決断力も見事でした。

今後も好不調の波はあるでしょうが、今回の経験は更なる飛躍のきっかけにつながることでしょう。

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