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夏を走る・9

【夏を走る・9】夏のミニ合宿について前回からの続きになりますが、あらためて前回の注意点をまとめると、ミニ合宿を効果的に実施するために不可欠な練習環境についてでした。そして、今回もそのミニ合宿について考えていきます。

はじめに至極当然のことですが、どんな短期間の合宿であっても、どんな練習をどんな目的で実施するかの練習計画が不可欠になります。もちろん、その計画を実施することが可能な走力を有した個人や、その仲間たちが集まっていることが大前提になります。

実は、誰もが「そんなことは当たり前」と思っていますが、実際にミニ合宿を計画し、参加メンバーを集うと、そうならないことの方が多いのです。したがって、合宿参加者の走力差が広がり過ぎてしまい、一緒に練習をしているつもりなのに、実際はそうではない状況の方が意外と多かったりします。

また、ミニ合宿は仲間も多くいた方が、モチベーションも高まり、充実した合宿になることは確かです。しかし、上記したように合宿参加メンバーの走力差が大き過ぎた場合、長い距離をそれぞれのペースで走ると、ゴール時間に大差がついてしまいます。その結果、その後の合宿計画に影響を及ぼすこともあります。

同様に、合宿時の給水準備やロードコース上の監視をしてくれる仲間もいた方が安心です。私の経験談になりますが、ロードの周回コースで長い距離を走る練習をしていたとき、コースを間違えて行方不明になってしまった合宿参加者が過去にいました(もちろん、無事に保護しましたが……)。

他にも現地入りしたあと、練習計画の意見相違があったため、いくつかのグループにわかれて別々の練習をすることになったこともありました。その結果、それぞれのグループをサポートできる人が足りなくなり、逆にどのグループも満足な練習ができなかったこともありました……。

以上のようなトラブルを避けるためにも、事前に参加者の走力や調子などを細かく把握しておくことはもちろん、無謀な合宿計画ではなく、ゆとりを持った合宿計画が何よりも重要です。

余談になりますが、ミニ合宿の参加者は二十歳前後の学生たちとは違い、ある程度年齢を重ねてきた方々が多くなります。したがって、それぞれが違う仕事を通じて別々の人生を歩んできた者同士の集まりになるので、世の中の捉え方や価値観などが微妙に違ったりします。そんな方々が、お互いにじっくりと語り合えるのもミニ合宿の醍醐味ともいえます。

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