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マラソン大会

かすみがうらマラソン

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【かすみがうらマラソン】先日の4月20日も全国各地でマラソン大会が開催されていました。茨城県土浦市においても、伝統の「かすみがうらマラソン大会」が開催されました。この大会は都心から1時間前後で会場に到達できる便利さからも、参加者は年々増加しています。そして、今年は2万2千名のランナーが参加し、大会を盛り上げていました。また、今年の大会は曇り空で、少し肌寒い気温でしたが、ほとんど風もなく絶好のマラソン日和となりました。

今年で24回目となる同大会は、国際盲人マラソン大会も兼ねており、こちらも20回目となりました。さまに盲人マラソン大会の普及と発展にたいへんご尽力いただいた大会でもあります。あらためて大会関係の皆様方に御礼申し上げます。

さて、今年の大会ですが、コンディションが良かったこともあり、好記録もいくつか誕生しました。特に、フルマラソン男子の部では、実業団選手が積極的に走り、2時間14分20秒の大会新記録(自己新記録)をマークしました。もちろん、テレビ中継される国際マラソン大会では、2時間10分突破が当たり前のように感じますが、かすみがうらマラソン大会のような一般の大会では、2時間20分を突破すること自体まれなことです。

したがって、今回の2時間14分20秒は、まさに驚異的です。また、かすみがうらマラソン大会を含め、一般の大会は記録重視のコース設定をしていないケースが多いので、起伏も多く難コースになるのも特徴で、実力のある実業団選手が招待や練習のつもりで参加しても、簡単に記録を出せない理由のひとつでもあります。

しかし、公務員ランナーの川内優希選手が全国各地のマラソン大会を積極的に走ることで実力を付けてきた影響もあってか、最近は一般のマラソン大会に実業団選手が参加している姿も見受けるようになってきました。今更ながら、マラソンは走り込みも大切ですが、経験に頼る点が多く、実業団選手と言ってもやはり実戦を経験していくことは重要と感じます。来年以降も積極的に参加いただき、大会を盛り上げてほしいと思います。

一方、盲人マラソンの部は、少し低調気味でした。そんな中、20代の若手選手2名が、3時間を突破する自己新記録をマークしました。もちろん、2選手とも以前から期待をしていましたが、思うような記録に結びつかないレースが多く、大いに悩み苦労をしていました。しかし今回、IPC公認大会でもあるこの大会で記録を残せたことは、今後の国際大会へつながる道を自ら開拓できたと確信しております。

第4回横浜国際女子マラソン

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【第4回横浜国際女子マラソン】先日の11月18日(日)、第4回横浜国際女子マラソンが開催されました。結果は、ケニアのチェロメイ選手が15k過ぎから独走し、強風が吹き荒れる悪コンディションの中、2時間23分7秒の大会新記録で圧勝しました。

2位は、日本人トップとなる那須川選手でしたが、チェロメイ選手から1k弱も離される内容に評価も様々でした。また、私がコーチしている選手も6名出場しましたが、今回は厳しい結果となりました。

さて、マラソンは、ひとつのマラソンのために膨大な量を走り込んでいく競技なので、ひとつのマラソン大会に向けた準備期間の長さも他の種目とは比較になりません。ところが、どんなに良い練習を積み重ね、絶好調に仕上がったとしても、記録はその日のコンディション(天候)に大きく左右されるスポーツでもあります。

また、マラソンを少し違う角度から見ると、登山に似ていると感じます。特に、富士山をこえるような標高の高い登山に近い気がします。つまり、目指している大きな山に向け、どれだけトレーニングを積んでも、最新の装備を準備しても、登頂成功の有無を決める重要なカギは、その日の天候です。同時に、どんなに経験豊富な登山家でもその日の天候を変えることはできないのです。したがって、最終的には運を天に任せる状態となります。

実は、マラソンも同様のことが当てはまるスポーツなのです。今回の横浜国際女子マラソンに向け、ほとんどのランナーは夏頃から走り込みを開始しています。もちろん、万全の調子に仕上げてきたランナーも多かったはずですが、今回の強風を変えることはできませんでした。

特に、オリンピックや世界選手権の日本代表を目指すことが難しい市民ランナーの目標は、順位ではなく「記録」となります。そのため、悪天候になったからと言って、勝負に徹するようなことはあり得ません。それだけに、当日の天候は最も重要であり、記録を目指す上での最重要事項とも言えます。

更に見方を変えると、今回の横浜国際女子マラソンが開催される日は、毎年11月の第3日曜日となっています。実は、この日の天候を振り返ってみると、今回のような強風だったり、ミゾレに近い冷雨だったり、逆に高温だったりと、天候が安定しない代名詞となっているような日なのです。

私自身もこれまであまり注意していませんでしたが、今後は目標のマラソン大会当日の天候がどのようになるのかをもっと注視していく必要があると、強く感じております。マラソンは登山に似ていると話しましたが、同じ悪天候でも登山は登頂する日をずらすことができます。しかし、マラソンはスタートする日時が決まっているので、どんな悪天候だったとしても必ずスタートします。

今後は、マラソンを目指す上で過去の天候等の分析も重視し、天候が悪化するリスクの高いマラソン大会には最初からエントリーしないことも必要なのかもしれません。

荒川30k

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【荒川30k】10月14日(日)、東京都荒川の河川敷において、30kの大会が開催されました。しかし、この大会は普通の大会とは目的や趣旨が若干違います。それは、目標のマラソン大会に向け、走り込みの一環として開催している点です。具体的には、1kを4分15秒ペースから7分00秒までのペースメーカーをたてたグループ毎にスタートし、それぞれのペースを維持して30kを走ります。

実はこのような方法は、私が主宰している富津合同マラソン練習会と同じスタイルであり、多くのクラブチームの練習会で実施している内容でもあります。ところが、どこの練習会にも共通している点として、ペース感覚の優れたペースメーカーをコンスタントに確保することは意外と難しく、常に悩みのタネになっている点です。

また、練習会に参加いただいている多くの市民ランナーは、速い人はどんなペースでもペースメーカーを務められると思っていることが多く、そのような期待をしています。ところが、箱根駅伝や実業団選手として活躍したエリートランナーの多くは、市民ランナーが思っているほど、「ゆっくり走る」ことに慣れていません。具体的には、1kを4分30秒ペースより遅いペースになってくると、逆にそんなにゆっくり走った経験が少ないため、ペースを一定に保つことが難しいこともあります。

実際に私が主宰する富津合同マラソン練習会でも現役学生選手に4分30秒や5分00秒のペースメーカーをお願いすると、速くなる傾向にあります。したがって、速いランナーが遅いペースを引っ張っていくことは、多くの市民ランナーが考えているほど簡単なことではないのです。

しかし、今回の荒川30kでは、そんな不安を抱く必要のない素晴らしい方々が各グループのペースメーカーをキッチリと務めていました。もちろん、参加人数も回を重ねるごとに増加しており、今回は4343人と普通の大会並みの規模になっています。そして、私が担当したグループは1kを6分30秒のペースでしたが、436人のランナーと一緒で、かなりの人数でした。

更に、この大会のもうひとつの特徴は、実際のレースと同じ方式で給水を準備してある点です。マラソンを攻略していく上で最重要項目のひとつに給水があります。これは誰もが知るところですが、実際に走りながら水を飲むことは簡単ではありません。それをこの荒川30kで体験できる点は、重要なポイントです。なぜなら、集団の中にいながら給水を取りにいく難しさや、給水している間にペースメーカーから遅れていく距離感は実際のレース経験からつかんでいくしかないからです。

さて、今回参加された皆様方は、どんな経験をしたでしょうか?

予定より速いグループについていき、残念ながら途中でグループから脱落した方もいたことでしょう。また、ゆとりを持って走ることの重要性に気が付いた方もいたことでしょう。今回の荒川30kは、目標のマラソン大会に向けた貴重な経験と、自分自身の適正ペース等を考える機会になることは間違いありません。

そして、今回の経験を目標のマラソンレースで、少しでも活かしていただければと願っております…。

市民マラソン大会

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先週の11月23日(水・祝)は、「福知山マラソン大会」が京都で開催され、栃木県では、「大田原マラソン大会」も開催されました。更に、11月27日(日)は茨城県において、「つくばマラソン大会」、山梨県では「河口湖マラソン大会」と、参加人数が1万人をこえる大規模市民マラソン大会も目白押しとなりました。

私がコーチする選手(市民ランナー)もそれぞれの目標に向かって、上記大会すべてに出走しました。コーチの立場とすれば、どの大会も応援にかけつけたいところでしたが・・・。今回は、23日の「福知山マラソン大会」と、27日の「つくばマラソン大会」に赴き、1万人のランナーがかけぬける迫力と感動を感じてきました。

特に、23日の「福知山マラソン大会」については、盲人マラソン日本選手権大会を毎年かねております。そして、今回は来年開催される「ロンドンパラリンピック」に向け、代表推薦選手を選考する重要な大会でもありました。

この大会で私は、ドーピング担当役員の立場でJADA(日本アンチ・ドーピング機構)から派遣された担当者と共にゴール後のドーピング検査に立ち会いました。今更説明するまでもありませんが、ドーピング検査は既に世界の常識と義務になっており、公式の大会なら必ず実施します。

また、意外な感じもしますが、ドーピングに対する認識は、一般の健常者スポーツより障害者スポーツの方が、より浸透していると感じます。もちろん、盲人マラソン協会としても強化合宿等を通じて必ずこのドーピングについての勉強会等を実施するようにしており、常にドーピングに対する知識や意識を高める努力を継続しております。

さて、今大会ではそのドーピング検査の対象となる部門に出場した視覚障害者選手は8名でしたが、どの選手も最後まで力を出し切り、強化合宿等の成果を十分に発揮してくれました。そのため、どの選手をロンドンパラリンピック日本代表推薦選手として選考するかは力が拮抗しており、選考は極めて難しくなりそうです・・・。

続く27日の「つくばマラソン大会」は、絶好のコンディションにも恵まれ、自己記録更新や目標記録を達成したランナーも多かった様子で、ゴール直後に仲間と涙を流しながら抱き合って喜んでいるシーンを数多く見受けました。もちろん、私がコーチしている選手(市民ランナー)も大幅に自己記録を更新することができました。特に、51歳の男性市民ランナーの方が、これまでの自己記録を約10分短縮し、「3時間突破(サブスリー)」でのゴールシーンは、この一年間で最も感動的なゴールのひとつとなりました。

来月以降も全国各地で市民マラソン大会が数多く開催されます。そして、これからもたくさんの感動シーンと出会えるよう、地道な練習会を確実に継続していこうと、一層強く感じた一週間でした・・・。

第3回横浜国際女子マラソン大会

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11月20日(日)、「第3回横浜国際女子マラソン大会」が開催されました。この大会はご存知のとおり女性ランナー限定の大会です。また、この大会は大会主催者側が設定している参加標準記録を決められた期間内に突破したランナーだけにしか参加資格を与えません。

至極当然のことですが、このように説明すると、とても厳しい大会のように感じます。実際に、私がコーチしている市民ランナーの中にも参加標準記録をあと数秒で逃してしまった人もおり、涙を流しながら悔しがっている姿を目の当たりにしたこともあります。また、逆にその標準記録突破を目標に掲げ、「一度は国際女子マラソン大会を走りたい」と、自分自身のモチベーションをキープしていく原動力にしている人もたくさんいます。

既にこのブログでも何度か記載してきましたが、「空前のランニングブーム」と、呼ばれています。その火付け役となった「東京マラソン」のように、制限時間をどんどん緩和している大会も多くなり、逆に誰でも気楽にマラソンを走れる時代となりました。

マラソンに関係している一人として、このことは大いに歓迎することでもあり、「単なるブームで終わらないでほしい」と、願っているところでもあります。しかし、一方で制限時間をどんどん緩和している影響もあってか、レジャー感覚でマラソンに挑戦いている人も多くなっていると感じます。もちろん、マラソンの楽しみ方や走ることの目的が多様化していくことはマラソンを普及させる視点からは大いにプラスです。

しかし、国際女子マラソン大会に出場する人数や3時間00分00秒を突破(サブスリー)する女性市民ランナーの数は、ランニング人口が増加している割には意外と増えていないと感じるのは私だけでしょうか・・・。

そして、更に追い打ちをかけるように、「第3回横浜国際女子マラソン大会」の参加標準記録が大幅に引き上がりました。具体的には、「3時間15分以内」が、一気に「3時間0分以内」までアップしたのです。その結果、スタートラインについた女性ランナーは、102名と大会史上最も少なくなり、更に完走できたのはたったの48名と、何ともさみしい大会に・・・。

参加人数や完走者の数が、オリンピック代表選考に影響を与えることはありません。しかし、一流選手たちと同じ土俵に立ち、一緒に走れる喜びや感動は市民ランナーにとって大きな意味があると考えます。そして、昨年までの参加標準記録である「3時間15分00秒」は、地道なトレーニングの継続で誰にでもチャンスのあるタイムと、個人的には思います。※私の経験上

もちろん、私がコーチする女性市民ランナーの中には、3時間40分以上だったマラソンの記録でも、「国際女子マラソン出場(3時間15分以内)」を目標に地道なトレーニングの継続をし、参加標準記録を手にした人も多くいます。そして、それを自信にその数年後には「3時間突破(サブスリー)」を達成し、更に大きく飛躍したケースも・・・。

このように多くの女性市民ランナーにとって、マラソンの「3時間15分」は特別な意味を持っていると感じます。

と、言いながら来年以降の参加標準記録を知る由もありませんが、何とか元の「3時間15分」に戻ってほしいと願っている一人です。

東京マラソン2011・下

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今回は、先日開催された東京マラソンで、エリート女子の部に出場した3選手(市民ランナー)の記録をもう少し詳しく解析していきます。

はじめに、皆さんもマラソンに挑戦するとき、自分自身の走力や体力に合った設定ペースや、ペース配分を少なからず考えてからスタートすると思います。ところが、号砲と共にスタートすると、一緒にスタートした多くのランナーや大会の雰囲気にのまれてしまうケースが相変わらず後を絶ちません。

特に、スタート直後から自分自身の設定タイムよりもかなり速い集団やランナーに付いていくパターンは、どのマラソン大会でも多く見受けられます。そして、その結果として、後半の大失速へとつながり、最終的には目標タイムを大きく下回る結果へと・・・。

皆さんは、いかがでしょうか?

では、上記3選手(女性市民ランナー)の東京マラソンでの設定タイムと実績タイムを前半のハーフと後半のハーフに分けて解析します。

◆M・I女子選手:設定タイム/2時間37分50秒(1時間18分16秒+1時間19分34秒・▽1分18秒)→実績タイム/2時間37分34秒(1時間18分15秒+1時間19分19秒・▽1分4秒)。◆M・Y女子選手:設定タイム/2時間49分49秒(1時間23分53秒+1時間25分56秒・▽2分3秒)→実績タイム/2時間49分51秒(1時間24分22秒+1時間25分29秒・▽1分7秒)。◆M・S女子選手:設定タイム/2時間55分48秒(1時間27分54秒+1時間27分54秒・±0分0秒)→実績タイム/2時間54分18秒(1時間25分21秒+1時間28分57秒・▽3分36秒)。

このように前後半のハーフに分けて解析すると、設定タイムに対し、最も記録の良かったのはM・S女子選手ですが、実は後半の落ち込みが最も大きいことがわかります。また、自己記録を更新したM・I女子選手とM・Y女子選手については、40kの通過地点では、設定タイムに対し、「▽4秒と△10秒」でしたが、ゴールでは逆に、「△16秒と▽2秒」と逆転しました。特に、M・I女子選手のラスト2.195kは、「8分00秒」と、女子選手の中では何と5番目の速さとなる素晴らしいラストスパートでした。

また、自己記録を更新した2名の女子選手は、タイプ的にはどちらともスピードタイプであるが故に、スタミナが付きにくく、後半は失速するマラソンを繰り返してきました。しかし、マラソンに挑戦する毎に、5k毎の設定タイムと実績タイムを対比していくことで、自分自身の弱点や課題を明確にしていくことができました。そして更に、マラソントレーニングの中では永遠に変わることのない単調な日々の走り込みも、意欲的にかつ継続的な取り組みが可能になっていきました。

さて、マラソンを攻略するためのペース配分に絶対はありません。もちろん一定のイーブンペースで走り切ることは、最も効率的な走法のひとつであることは言うまでもありません。また、前半おさえて後半ビルドアップしていく走法は、マラソンの完走を目標にするならとても有効的な走り方です。しかし、どの走法を選んだとしても自分自身の走力や特徴に合っていなければ安定した記録や成績を残すことはできません。

そして、マラソンで最も重要な要素は、常に安定したパフォーマンスを発揮することと、私は考えます。そのためには、故障や怪我をしにくい「丈夫な身体」。更に、自分自身の感情をコントロールできる「強い精神力」のふたつを兼ね備える必要があります。

・・・と言いながら、理想と現実のギャップはまだまだ大きいですが、次のマラソンに向け、今回の経験とデータを選手と共有しながら地道な取り組みを継続していきます。

おわり。

東京マラソン2011・上

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先日開催された「東京マラソン2011」は、久々の晴天に恵まれました。同時に、その絶好のコンディションに後押しされて、自己記録を更新したランナーも多かったのではないでしょうか。特に、日本人男子のトップでゴールした川内選手の走りは素晴らしかったですね。川内選手の記録や内容についてのコメントは割愛しますが、これから一気に増えてくると予想される外野からの声や情報に惑わされることなく、川内選手らしいこれまでのスタイルを淡々と貫いてほしいと、陰ながら応援しております・・・。

さて、私が直接コーチする選手(市民ランナー)も川内選手同様、この「東京マラソン2011」に挑みました。具体的には、エリート女子の部に3名、一般女子の部に2名と、5名とも女性市民ランナーです。

では最初に、今回の東京マラソンに挑んだ5選手の設定タイムと実績タイムを振り返ります。

◆M・I女子選手:設定タイム/2時間37分50秒→実績タイム/2時間37分34秒(自己新記録)、◆M・Y女子選手:設定タイム/2時間49分49秒→実績タイム/2時間49分51秒(自己新記録)、◆M・S女子選手:設定タイム/2時間55分48秒→実績タイム/2時間54分18秒、◆C・I女子選手:設定タイム/3時間18分59秒→実績タイム/3時間19分23秒(自己新記録)、◆K・F女子選手:設定タイム/3時間19分59秒→実績タイム/3時間32分29秒

以上のような結果となり、ほぼ目標どおりの記録を残すことができました。特に、エリート女子の部に出場した3選手につていは、この1年間、個々に故障や体調不良に苦しむ時期もありましたが、それらの困難を乗り越えての快走でした。

至極当然のことですが、マラソンは記録や走力がアップすることに伴い、トレーニングの量や質も向上していくので、故障や体調不良に陥る確率も上がっていきます。また、上記3選手ともフルタイムで仕事をこなし、それぞれが家庭を持っている典型的な市民ランナーです。ところが、マラソンの記録を短縮していくに従って、3選手とも慢性的な故障個所を抱えてきていることも事実です。

特に、フルタイムで仕事をしている市民ランナーの場合、故障や体調不良に対する対応が適切にできないケースが多いと感じます。その最大の理由として、実業団選手(プロ)のように専属のトレーナーやチームドクターが存在しないことがあげられます。それは、身体に問題が発生した時点での適切な対応や処置が遅れることにつながり、結果的には完治や復帰させる時期を遅らせる結果にもつながるからです。

また、仮に掛かり付けの治療院があったとしても、今日電話して今日の17時に予約がとれる保証はなく、むしろ希望する日時に予約をとり、身体の治療を受けられるケースの方が圧倒的に少ないのです。更に、「なるべく立ち仕事は避けるように」とか、「車の運転は控えるように」と、治療院の先生からアドバイスを受けたとしても、仕事上それが困難なケースは多く、逆に仕事を通じて症状を悪化させることにもなり、ランニングそのものを断念する市民ランナーも意外と多いのです。

実は、上記3選手も同じような問題を少なからず抱えており、多くの市民ランナーにとっては永遠の課題なのかもしれません・・・。

次回は、エリート女子の部に出場した3選手の実績タイムをもう少し詳しく解析していきます。

つづく。

第2回横浜国際女子マラソン大会

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先日の2月20日に、「第2回横浜国際女子マラソン大会」が開催されました。この大会は、本来なら昨年11月に開催される予定でしたが、APEC横浜の開催に伴い、今月にスライドしました。従って、今回の開催は2010年度開催分となるので、今年の11月にもう一度、「第3回横浜国際女子マラソン大会」が開催されます。

・・・と、前置きが長くなりましたが、今回の大会には、私がコーチする女子選手(市民ランナー)も2名出場しました。2選手とも私がコーチする選手(市民ランナー)の中では、比較的トレーニングの流れが安定しており、更に練習量の多いグループに入る選手たちです。

更に、ふたりとも年間を通じて故障や体調不良が少なく、それは「身体が丈夫」であることの裏返しでもあります。また、至極当然のことですが、そのことはライバルより量と質をあげたトレーニングを積めることにもなり、それだけ記録に対する期待や可能性が広がってくることにもつながります。ところが、今回の結果は明暗を分ける内容となりました。

◆K選手:2時間55分49秒。◆O選手:3時間3分16秒。

実は、今回のマラソンを目指した走り込みの中では、若さと勢いのあったO選手の方に記録への期待がありました。もちろん、ベテランのK選手も自分自身の流れを崩さず堅実な走り込みを継続していました。

しかし、実際のマラソンでは、最後まで設定タイムを堅持し、力を出し切ったのはK選手でした。そして、期待のO選手でしたが、設定タイムを維持できたのは、25kまでで、その後は無念の失速・・・。

ふたりの明暗を分けた要因は様々ですが、トレーニングの段階でも設定タイムや走行距離を常に意識しながら走り込めていたのは、K選手でした。そして、O選手に関しては、若さと勢いに任せた内容が多く、逆に自分自身の調子を正確に把握することができていない感もありました。

さて、ベテランの域に入ってきたK選手が初めてサブスリーを達成したのは、2004年1月です。その後も毎年安定した結果と記録を残し続け、今回のタイムは彼女自身にとっては、なんと11回目のサブスリーでした。

一方のO選手は、昨年11月に初マラソンに挑戦し、今回が2回目のマラソンでした。ところが、O選手にとっては、今回も厳しい結果となりました。しかし、マラソンランナーとしての大切な資質である「身体が丈夫」であり、「スピード」と「スタミナ」も兼ね備えています。あとは、焦らず経験を積んでいくことが大切なポイントになるでしょう。

今回のマラソンは、自分自身の体調はもちろん、はやる気持ちを如何にしてコントロールしていけるかが重要なポイントであるかを、あらためて教えてくれました。

「ハーフマラソンは10kの延長だが、マラソンはハーフマラソンの延長ではない」

そして、コーチとしては選手への結果を求め過ぎず、腰を据えてじっくりと向き合っていくことが・・・。

第60回別大マラソン大会・上

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第60回の記念大会となった「別大マラソン大会」が、2月6日(日)に大分県で開催されました。私が直接コーチする選手(市民ランナー)も6名参加しました。そして、その中には女性ランナーも3名含まれています。実は、今回の60回記念大会から女子の部が新たに加わり、伝統の別大マラソン大会に、女性ランナーも堂々と出場できることになったのです。

一方で、残念ながら日本マラソン界の低迷が、ここ数年指摘されています。しかし、今回のように、伝統ある大会が積極的に間口を広げていくことは、マラソン低迷を打開するひとつのきっかけにつながると、私は信じています。

さて、今回出場した6名の選手(市民ランナー)たちも、あこがれの別大マラソン大会を目指し、昨年の秋ごろから本格的な走り込みを継続してきました。また、何度かこのブログでも指摘していますが、1月下旬から2月上旬のマラソン大会は、市民ランナーにとって、記録を狙いにくい時期と言えます。それは、目標のマラソン大会時期から逆算すると、最も走り込みが重要な時期が、1年で最も忙しい12月から年末年始にあたるからです。

今回、別大マラソン大会に出場した6名の選手(市民ランナー)たちも、様々な苦労と工夫を重ねながら地道な走り込みを継続してきました・・・。

まずは、今回の別大マラソン大会での設定タイムと実績タイムを記載します。

◆N・T男子選手:設定タイム/2時間41分59秒→実績タイム/2時間40分53秒(自己新記録)。◆H・Y男子選手:設定タイム/2時間46分59秒→実績タイム/2時間47分47秒(自己新記録)。◆K・Y男子選手:設定タイム/3時間9分40秒→実績タイム/3時間8分6秒(自己新記録)。◆M・T女子選手:設定タイム/2時間55分48秒→実績タイム/2時間55分46秒(5位入賞)。◆M・K女子選手:設定タイム/2時間57分14秒→実績タイム/2時間56分52秒(7位入賞)。◆K・F女子選手:設定タイム/3時間21分59秒→実績タイム/3時間20分58秒(自己新記録)。

以上のように出場した6名全員が、設定タイムをほぼクリヤーすることができました。・・・と、言うものの個々には、反省する部分も多々あり、この点については、次回以降のマラソンに活かしていく課題でもあります。しかし、6名とも今回の別大マラソン大会に向けたピーキングが良かったことは確かであり、それが貴重な経験と財産になったことは間違いありません。

そこで次回は、今回の別大マラソン大会に向けた、最後の調整部分を振り返っていきたいと思います。

つづく。

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