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マラソントレーニング

期分け・88

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【期分け・88】今回も市民ランナーの方が、トラックレースに参加することについて考えていきます。まずは、前回も記載しましたが、社会人になってからランニングを開始した市民ランナーの方が、最初からハーフマラソンに挑戦するケースを多く見受けます。実際にランニングクリニック等のお手伝いをさせていただき、参加者の方と話をすると、5kや10kのレースに出場したことのない方も意外と多いのです。

もちろん、どんなレースに参加するかは個々の自由なので、ハーフマラソン以上のレースばかり参加していても問題ありません。しかし、ランニングクリニックに参加するような方の多くは、「マラソンで自己記録の更新」を目標にしている方がほとんどです。

同時に、多くの参加者が、「スピードが無いのでマラソンの記録が縮まらない」とも考えており、「スピードを付けるには?」と、多くの質問を受けます。また、クリニックに参加された方の走りを観察していると、どの距離に対しても同じようなフォームで、同じようなスピードになってしまう方が多いことに気が付きます。

もちろん、その原因は様々で、単にランニングフォームが良くないとか、単に加齢による衰え等、見た目に起因したことも多いと感じます。ところが、ランニングフォームの改善だけに目がいき、そこだけを意識してしまう方も多く、結果的にはスピードの改善に結びつかないケースも多く見受けます。

では、何が足りないのでしょうか?

ヒントは、冒頭に記載した、「5kや10kのレースに出場したことがない」ことにあります。つまり、ランニングをはじめてから全力疾走の経験がほとんど皆無な方が多いのです。もちろん、ここで言う全力疾走は、短距離の100mを指しているのではなく、長距離的な視点から1kを意味します。

経験的な話しになりますが、この1kと言う距離はとても都合よく、最初から全力で突っ込み、途中でバテても何とか惰力でゴールできる距離です。また、中途半端なインターバルトレーニングを実施するより、単に1kを全力で1本実施することで、わずか数分間で手足や心肺に強い刺激を入れることが可能です。つまり、1kは長距離種目にとっての最小単位であると、私自身はとらえています。

そして、ハーフマラソン以上のレースばかりに参加しているランナーに、1kを全力で1本実施していただくと、ハーフマラソンのペースとほとんど変わらないランナーが、意外に多いことにも気が付きます。つまり、ここにスピード強化のヒントがあり、トラックレースにリンクしていく部分でもあると考えます。

つづく。

期分け・87

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【期分け・87】今回からトラック競技に出場することについて考えていきます。はじめに、皆さんはトラック競技に出場した経験はあるでしょうか?

至極当然のことですが、学生時代に陸上競技部に所属していたランナーなら誰もが経験していると思います。しかし、社会人になってから市民ランナーとしてランニングを開始し、ハーフマラソンやマラソンに挑戦している方々は、トラック競技の経験はほとんど無いと思いますが、いかがでしょうか。

また、競技として学生時代から陸上競技部に所属し、長距離を志してきたランナーたちは、スピードを付けてからマラソンに移行していく流れが一般的です。そして、この「スピードを付ける」と言っている意味が、トラック競技を指します。したがって、学生時代から陸上競技部として長距離を志しているランナーにとっては、マラソンと言うより5千メートルや1万メートル等のトラック競技のイメージが強いと思います。

実は、この点が面白いところで、学生時代に陸上競技部として長距離を走り、卒業と同時に引退した方はマラソンの経験がほとんど無く、陸上競技を知っているがマラソンを知らない方が多いと感じます。

逆に、社会人になってから市民ランナーとしてランニングを開始した方は、最初からハーフマラソンやマラソンのロード競技から入ります。したがって、トラック競技を走ったことの無い方が多く、市民ランナーの人口は増えているにも関わらず、陸上競技人口がそれほど増えていない理由のひとつとも感じます。

更に、トラック競技と聞くと、陸上競技場で走ることになるため、「遅いランナーが走ってはいけない」と、勝手に思い込んでいる方は私のクラブチームにもいました。また、一般的な市民ランナーの雑誌やランニング関係のHPからトラック競技の申込案内を目にすることも少なく、市民ランナーの方が出場しようと思い立っても、その申込方法すらよく分からないと言うのが現状でしょうか…。

では、最初からハーフマラソンやマラソンのロード競技から入った市民ランナーの方が、これからトラック競技に参加するパターンはどんな効果があるのでしょうか?また、学生時代から陸上競技部に所属していた方々のように、今からスピード強化につながるのでしょうか?

次回も引き続き考えていきます。

つづく。

期分け・86

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【期分け・86】前回から引き続きトラック競技についてですが、今回も話を脱線し、記録について考えてみます。はじめに、トラック長距離種目とマラソンの世界記録と日本記録を記載します。

◆男子世界記録:5千メートル/12分37秒35(2004年)/ベケレ選手(エチオピア)、1万メートル/26分17秒53(2005年)/ベケレ選手(エチオピア)、マラソン/2時間3分23秒(2013年)/キプサング選手(ケニア)。◆女子世界記録:5千メートル/14分11秒15(2008年)/ディババ選手(エチオピア)、1万メートル/29分31秒78(1993年)/王選手(中国)、マラソン/2時間15分25秒(2003年)/ラドクリフ選手(イギリス)。

◆男子日本記録:5千メートル/13分13秒20(2007年)/松宮選手、1万メートル/27分35秒09(2001年)/高岡選手、マラソン/2時間6分16秒(2002年)/高岡選手。◆女子日本記録:5千メートル/14分53秒22(2005年)/福士選手、1万メートル/30分48秒89(2002年)/渋井選手、マラソン/2時間19分12秒(2005年)/野口選手。

あらためて記載すると、意外と古い記録ばかりが残っており、男子マラソンの世界記録以外は停滞している感じがしますが、ベケレ選手の世界記録はとにかく速いです。ベケレ選手の5千メートルを100mあたりのペースにすると、「15秒14」の速さになります。これをトラック1周、すなわち400mに換算すると、何と「60秒56」!

もう少し具体的に説明すると、トラック1周を約60秒ペースで12周半も走り通したことになります。トラックでインターバルトレーニングを実施するとき、400mを60秒ペースで休息を入れながらも12本実施できるランナーは、日本のトップランナーでも多くないと思います。しかしベケレ選手はそのペースで5千メートルを走り切ってしまうのです。もはや、100mの世界記録より凄いことかもしれませんね。

さて、少し見方を変えて5千メートルと1万メートルの記録について考えてみます。以前にもこのブログで取り上げたことがありますが、次のような関係になります。「5千メートルの記録×2倍+1分=1万メートルの記録」、これを上記した世界記録と日本記録に当てはめてみます。

◆男子世界記録:12分37秒35×2倍+1分=26分14秒70≒26分17秒53(+2秒83)。◆女子世界記録:14分11秒15×2倍+1分=29分22秒30≒29分31秒78(+9秒48)。◆男子日本記録:13分13秒20×2倍+1分=27分26秒40≒27分35秒09(+8秒69)。◆女子日本記録:14分53秒22×2倍+1分=30分46秒44≒30分48秒89(+2秒45)。

次に、1万メートルの何倍でマラソンを走ったかを目安にした持久係数で比較すると次のようになります。

◆男子世界記録:2時間3分23秒÷26分17秒53=4.69。◆女子世界記録:2時間15分25秒÷29分31秒78=4.59。◆男子日本記録:2時間6分16秒÷27分35秒09=4.58。◆女子日本記録:2時間19分12秒÷30分48秒89=4.52。

この持久係数は、数値が小さいほど持久力があり、大きいほどスピードタイプである目安となります。この視点から考えると、男子マラソンの世界記録については記録を短縮できる余地が十分に残されており、ベケレ選手の持久係数が4.56に到達した場合、「1時間59分51秒」と2時間を突破できる計算になります。

また、日本の男子マラソンも1万メートルの記録を27分30秒まで短縮し、持久係数が日本女子選手並みの4.52に到達した場合、「2時間4分18秒」となり、4.50に到達すると「2時間3分45秒」になります。もちろん、上記した5千メートルと1万メートルの関係からも日本男子の1万メートルは、記録短縮の余地が残っています。つまり、日本の男子マラソンは世界で十分に勝負できると考えます。

ところが、日本女子マラソンの記録については、5千メートルと1万メートルの関係や1万メートルからみた持久係数からも、今の日本記録でほぼ限界点に到達していると感じます。したがって、逆に5千メートルや1万メートルの記録短縮がマラソン復活に向けたポイントのひとつになると…。

つづく。

期分け・85

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【期分け・85】スピード養成期の一環として、トラックでの競技会を積極的に走る点について考えていきます。はじめに、ひと口にトラックと言っていますが、陸上競技場について少し説明します。

既にご存知のとおり、各種マラソン大会やロードレース大会に出場すると、日本陸連公認コースとプログラムに記載してある大会があります。公認と記載していない大会(一般的な市民マラソン大会)のコースについては何の取り決めもなく、大会種目に示してある距離が実際にどれほど短くても長くても構いません。ところが公認コースの条件は日本陸連の陸上競技ルールブックの中に定めてあり、その条件を満たした上で日本陸連検定員の審査をパスしないと、公認証は交付されません。

同様に陸上競技場についても細かい条件が定められており、第1種から第5種までに分類されています。最も審査の厳しい第1種については、日本選手権や国民体育大会、国際的な競技会を開催できる競技場となります。主な条件には補助競技場の設置があり、第1種公認申請する陸上競技場の隣に、もうひとつ第3種相当の陸上競技場を備える必要があります。つまり、ひとつの陸上競技場を第1種公認申請するためには、隣にもうひとつの陸上競技場も作る必要があるのです。

実は、陸上競技の聖地とも言われている東京の国立競技場ですが、隣に補助競技場がありません。したがって本来は、第1種公認競技場としては登録できないのです。しかし、隣接地にある東京体育館付属のトラックと代々木公園陸上競技場が事実上補助トラックと見なされているため、第1種公認競技場と認められている珍しいケースなのです。

以上のようにトラック競技においても日本陸連公認記録を得るためには、公認競技場で開催される競技会に参加することが第一の条件となります。至極当然のことですが、出場する各自が日本陸連登録をしており、大会そのものが日本陸連公認の競技会である必要もあります。

また、トラック競技の場合、開催されている競技会の多くは、日本陸連公認競技会です。中には日本選手権のように出場するための高い参加標準記録が設定されている競技会もありますが、市民ランナーの方が気楽に出場できる公認の競技会も数多くあり、各大学が主催する陸上記録会等を含めると、ロードレース大会に引けを取らないほどの大会数になります。

ちょうど4月は、日本陸連登録の更新時期でもあるので、出場してみたい方は是非とも登録をし、トラックでの公認競技会に参加してみてはいかがでしょうか?

つづく。

期分け・84

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【期分け・84】いよいよ新年度がスタートしました。それに伴い職場や生活環境が変わる方も多いかと思います。もちろん、ランナーの方々にとってランニングは生活の重要な一部なので、「自分自身を取り巻く生活環境の変化に左右されることはない」と、誰もが考えます。しかし、「ランニングほど生活環境の変化から影響を受けるスポーツは珍しい」と、思う例をこれまで数多く見てきました。

考えられる理由は様々ですが、最も大きな要因のひとつは、「自分自身の身体と心だけで勝負するスポーツ」だからではないでしょうか。つまり、マラソン(長距離)は、道具を使わず、シンプルに自分自身の身体を如何に速く遠くに運ぶスポーツだからです。そこには、ランニングフォームとかペース配分とかでなく、とにかく1番最初にゴールしたランナーが最も讃えられ、過去の実績やどこに所属し、どんなトレーニングを積んできたかは全く問われない世界でもあるからです。

まさに、公務員ランナーとして日本マラソン界を牽引している川内優希選手のランニングライフがそれを証明していると言えます。それは上記したように「生活環境の変化から大きな影響を受けるスポーツ」と言いつつ逆に、その生活環境をどのようにとらえるかは個々の問題であり、マラソン(長距離)は、「どんな環境からでもトップを目指せる数少ないスポーツである」とも言えるからです。

同様に、新年度から職場や生活環境が変わったランナーの方々にとっては、その変化こそがこれまでのマンネリ化や記録の頭打ちを打開するチャンスかもしれません。もちろん、そんな簡単な話しではありませんが、少なくともそのようなとらえ方は重要です。川内優希選手も4月から転勤となり、新しい職場環境からの世界挑戦となります。そして、新年度も変わりなく、その川内優希選手が日本マラソン界を牽引していくと…。

さて、4月に入り、国内の大きなマラソンや駅伝大会はほぼひと段落ついた感じです。同時に、陸上競技としては、いわゆるトラックシーズンの開幕となります。マラソンブームが到来し、それを期にランニングをはじめた方々にとっては、馴染みの薄い感もあるかと思います。本来、陸上競技は、100mからはじまる短、中、長距離種目、走幅跳等の跳躍種目、ハンマー投等の投てき種目などがあり、陸上競技場で実施する競技です。つまり、マラソンはそのひとつに過ぎないのです。しかもマラソンは、公道(ロード)で競う特殊な種目とも言えます。

そして、4月からは、「スピード養成期」と位置付け、積極的に10k以下の短いレースに出場したり、スピード系のトレーニングを多く取り込む時期となります。まさに、トラックシーズンと一致します。次回からは、スピード養成期の一環としてトラックを積極的に走る点にスポットを当てて考えていきます。

つづく。

期分け・81

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【期分け・81】引き続き、「ゆっくり長く走るトレーニング(LSD)」を取り入れたトレーニング計画についてですが、今回から「3時間突破(サブスリー)」を目指しているランナーの視点から考えていきます。

はじめに、「ゆっくり長く走るトレーニング(LSD)」の目的としては、4時間突破(サブフォー)を目指しているランナー同様、「期分け・76」に記載したとおりです。あらためて、その3つをあげると、目的1は「筋持久力の向上」、目的2は「ランナー体型の進化」、目的3は「肉体的及び精神的スタミナの養成」となります。つまり、マラソンに必要なスタミナ(持久力)の基礎部分(土台)を構築していくことが主な目的です。

ところが、3時間突破(サブスリー)を目指しているレベルになると、4時間突破(サブフォー)を目指しているランナーたちのように、「ゆっくり長く走るトレーニング(LSD)」をメインにしたトレーニング計画では、到達することが難しくなっていきます。

その主な理由としては、達成するための設定ペースが格段に速くなることです。このブログにも何度か記載してきましたが、3時間突破(サブスリー)を達成するためには、1kあたり4分15秒ペースで42.195kを走り切る必要があります。同時に、マラソンでこのペースを維持するための目安となる最低限の走力(スピード)として、次の条件が必要となります。

◆条件1:10kを40分以内で走れる走力(スピード)。◆条件2:5kを19分30秒以内で走れる走力(スピード)。

もちろん、個人差の大きな部分でもあるので、この条件に到達していないランナーで、3時間突破(サブスリー)を達成したランナーもいることでしょう。しかし、仮にこの条件で3時間突破(サブスリー)を達成し、それをひとつの指標となる持久係数から判断すると、実業団選手(プロ)以上のレベルに到達していることにもなります。即ち、現実的にはこの条件より更に速いスピードが求められるため、「ゆっくり長く走るトレーニング(LSD)」のみで、3時間突破(サブスリー)を目指していくことは、かなり難しいと考えられます。

前置きが長くなりましたが、3時間突破(サブスリー)を目指す1週間のトレーニング計画としては、スピード系の要素も加えていく必要が出てきます。つまり、「ゆっくり長く走るトレーニング(LSD)」をどのようなタイミングで実施していくかが、4時間突破(サブフォー)を目指しているランナーと、捉え方に違いが出てきます。

次回は、この点を軸に考えていきます。

つづく。

期分け・80

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【期分け・80】今回は、マラソンで4時間突破(サブフォー)を目指すための週末集中型によるトレーニングパターンのまとめです。

前回も説明したとおり、「ゆっくり長く走る(LSD)」トレーニングを週末集中型にシフトする主な理由として、仕事等による諸事情から時間を確保することが難しいからです。したがって、平日にまとまった時間を確保できるランナーは無理に週末集中型にシフトする必要はないと考えます。

このブログの「期分け・78」に記載した「週間トレーニング例1」か「週間トレーニング例2」のパターンを参考に、それぞれの生活パターンに応じた流れを構築してほしいと思います。

では、「ゆっくり長く走る(LSD)」トレーニングを週末集中型にシフトした週間トレーニングパターンを考えていきます。

はじめに、平日にあたる月曜日から金曜日までの捉え方についてです。上記したように平日にランニングの時間を確保することが難しいランナーにおすすめなのが、この週末集中型なのですが、平日でも何とか30分から60分程度の時間は捻出することが可能であることを前提に話しをすすめていきます。もちろん、ランナーとして、その程度の時間は早朝等の時間を活用して捻出してほしいところです。

◆週末集中型パターン1).月/休養、火/30分~60分LSD、水/30分~60分LSD、木/30分~60分LSD、金/30分~60分LSD、土/90分~120分LSD、日/90分~120分LSD。◆週末集中型パターン2).月/休養、火/30分~60分LSD、水/30分~60分LSD、木/30分~60分LSD、金/休養、土/90分~120分LSD、日/90分~120分LSD。◆週末集中型パターン3).月/休養、火/30分~60分LSD、水/30分~60分LSD、木/休養、金/休養、土/90分~120分LSD、日/90分~120分LSD。

以上のように、スピード系のトレーニングは組込んでいません。代わりに30分から60分程度のLSD(軽めのジョギング)と、休養で平日をつなぐ流れです。そして、ポイントになるのは休養の日数になります。1週間で休養が1日から3日までのパターンにしていますが、どのパターンも週末の2日間連続の「ゆっくり長く走る(LSD)」トレーニングが充実するように、心と身体をリフレッシュしながら調子を引き上げていくのが、平日の目的となります。

また、休養をうまく取り入れていくことで、超回復の効果を引き出していきます。超回復の詳細については割愛しますが、トレーニング後、24時間から48時間の休息をとることによって、トレーニング前より筋肉の総量が増加することを言います。同様に、週末集中型で走り込んだ後、休養や軽めのジョギングで疲労回復を促進することで、超回復の流れをつくっていくのです。

もちろん、回復の時間については個人差が大きく、どの程度休養するかが個々のノウハウにもなります。週末集中型で走り込んだ後、休養日やジョギングの時間等をいろいろと試しながら自分自身の生活や体調に合ったトレーニングパターンを構築してほしいと願っております。

つづく。

期分け・79

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【期分け・79】今回もマラソンで4時間突破(サブフォー)を目指しているランナーの週間トレーニングについて考えていきます。内容は前回同様、効果的に「ゆっくり長く走る(LSD)」をどのように組み込んでいくかについてです。

はじめに、私の経験上の話しになりますが、あらためて4時間突破を目指せるランナーについて大きく2つのタイプを記載します。もちろん、これが絶対と言うことではありません。

◆タイプ1).走る前から体型がスリムでサッカーやバスケットボール等のスポーツ経験(継続)があり、初めて走った10k程度のロードレース大会や数キロの駅伝大会では仲間より速い記録をマークしているランナー。◆タイプ2).いわゆるダイエット目的からランニングを開始し、大きな怪我や故障もなく、体重を順調に落としながら走る距離をのばしているランナー。

しかし、どちらのタイプも何度かマラソンを完走していますが、4時間の壁にぶつかっています。そして、タイプ1のランナーに多いマラソンとして、スタートから比較的速いラップを刻み、中間点前後から後半の失速です。同じくタイプ2のランナーに多いマラソンとして、スタートからゆっくり目のラップを刻むのですが、35k以降にペースを維持できないパターンです。

また、2つのタイプは全く逆のように見えますが、実はどちらも「ゆっくり長く走る(LSD)」トレーニングの不足が原因のひとつと考えられます。そして、走り込みが不足している原因の多くは、練習時間の確保が難しく、特に平日の走り込みが圧倒的に不足しています。

このようなケースは、必然的に週末集中型にシフトします。また、それが理想的と考えます。しかし、一般的なケースとして土曜日と日曜日の2日間で一気に走り込むと、足腰への負担が大きくなり、故障や怪我のリスクも増大します。

さて、皆さんは如何でしょうか?

ここで、2日間連続で実施するトレーニングとして推奨できるパターンと、できないパターンを記載しておきます。◆パターン1).スピード(土曜日)+スピード(日曜日)=☓。◆パターン2).スタミナ(土曜日)+スピード(日曜日)=〇(逆も有)。◆パターン3).スタミナ(土曜日)+スタミナ(日曜日)=〇。

以上、主な3つのパターンを記載しましたが、パターン2とパターン3が推奨できます。しかし、4時間突破を目指しているランナーにとっては、パターン2よりパターン3を推奨します。なぜなら上記したように、タイプ1とタイプ2のランナーの多くはスタミナ(持久力)が不足していることで「4時間の壁」を突破できないケースが多いからです。つまり、無理なスピード系トレーニングを実施するより、2日間連続での「ゆっくり長く走る(LSD)」トレーニングの方が効果的と考えます。

つづく。

期分け・78

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【期分け・78】今回から「ゆっくり長く走るトレーニング」を取り入れた具体的なトレーニング計画を考えていきますが、既に説明してきたとおり、このトレーニングの目的は、「スタミナ(持久力)を養成していくために必要な基礎部分(土台)を構築していく」ことです。まずは、この点を再確認した上で下記のトレーニング計画を参照して下さい。

◆週間トレーニング例1:月/◎、火/◎、水/90分~120分LSD、木/◎、金/◎、土/◎、日/120分~180分LSD。◆週間トレーニング例2:月/◎、火/90分~120分LSD、水/◎、木/90分~120分LSD、金/◎、土/◎、日/120分~180分LSD。◆週間トレーニング例3:月/◎、火/◎、水/90分~120分LSD、木/90分~120分LSD、金/◎、土/120分~180分LSD、日/120分~180分LSD。※◎=LSD以外のトレーニング。

以上、大きく3つの週間トレーニング例を記載しましたが、、1つ目は週に2回、2つ目は週に3回、3つ目は週に4回と、LSDを実施する回数が異なります。また、◎と表示してある日は走力によって実施する内容が違ってきます。例として軽めのジョギング、ペース走、スピード系のトレーニング等々、実施する内容はそれぞれです。したがって、上記3つのパターンのどれが最も効果的かは、走力によって捉え方もかなり違いが出てくる部分でもあります。

同時に、LSDは走力によってもトレーニング効果の違いが出てくるので、今回は目安としてマラソンで4時間突破(サブフォー)を目指しているランナーと、3時間突破(サブスリー)を目指しているランナーの視点から考えていきます。

まずは、4時間突破を目指しているランナーについてです。もちろん、それに相当する走力の方やこれからマラソンに挑戦するランナーも参考にして下さい。実は、この走力のランナーにとってのLSDは、「基礎部分(土台)を構築していく」ことが最大の目的になりますが、それ以外の効果も期待できます。

このブログの「期分け・76」に記載した目的1と目的2を読み返して下さい。目的1は、「筋持久力の向上」。目的2は、「ランナー体型への進化」とあります。実は、LSDを実施していくことで、これら2つの効果を体得し易い走力のひとつが、4時間突破を目指しているランナーと考えます。

つまり、マラソンで4時間突破を目指すレベルまでは、LSD中心のトレーニングでも十分に対応可能であるとも言えます。もちろん、個人差があるので、この点は予めご了承願います。

次回も更に考えていきます。

年末年始

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【年末年始】毎年のことですが、今年もあと少しとなりました。皆様にとってこの1年はどんな年だったでしょうか。マラソンで自己記録を大幅に更新できた人、逆に怪我や故障に泣かされた人…。良し悪しは別にして、この1年も貴重な経験を積み重ねることができたに違いありません。そして、この1年で得た経験を来年以降に活かしてほしいと願っております。

さて、既に年末年始の長期休暇に入っておりますが、ランナーの皆様方におかれましてはこの連休を活用し、充実した走り込みの真只中と思いますが、いかがでしょうか?

かくいう私のチームも毎年恒例となった年末年始合宿を千葉県富津市において実施中です。今年は、12月29日(日)から1月1日(水)までの日程です。合宿内容もここ数年、ほとんど変わりなく、恒例となっております。

◆12月29日(日):午後/35k走。◆12月30日(月):早朝/調整jog、午前/100分jog+1k走、午後/100分jog+1k走。◆12月31日(火):早朝/調整jog、午前/35k走、午後/調整jog。◆1月1日(水):早朝/調整jog、午前/120分jog+1k走。

ポイントは、「ゆっくり&じっくり走り込む」です。

そして、更に重要な目的が、仲間との懇親を深めることです。日頃、練習会等で顔を合わせるチームメートですが、ゆっくり話しをする機会は意外と多くありません。しかし、この年末年始合宿は、それぞれが忙しいスケジュールを調整して集まってきます。

実は、チームメートと言ってもクラブチームなので、それぞれの仕事や生活環境はバラバラです。したがって、マラソンを通じて集まった仲間ですが、語り合う内容は多岐にわたり、まさに異業種交流会のように充実します。

そして、年末年始の短い期間ですが、仲間と一緒に走り込み、大いに語り合うことで、今回も1年分の元気を蓄えることが…。

来年もよろしくお願い申し上げます。

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