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レース対策

レース対策・3

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前回、ハード面の対策だけでは、オーバーペースを防止することは難しいと、話をしました・・・。では、どんな対策を実施していけばよいのでしょうか?

それは、もう一方であるソフト面の対策に目を向ける必要があります。もう少しわかり易く言うと、感覚的な話です。実は、長距離走やマラソンのアドバイスや攻略法の話は意外と感覚的なことが多く、それだけメンタル的な部分も重要視されています。

そこで私も実践してきた、オーバーペースを自分自身で自覚するひとつの目安を紹介します。それは、スタートしてから最初の1分から2分程度(200mから400m前後)の間で、「今日は少し速いなぁ」と、感じるかどうかです。もしもそう感じたなら、それは間違いなく「全力疾走」をしています。

「えっ!」と、信じられないかもしれませんが、これは自分自身の経験も含め、ほぼ間違いありません。特に、市民駅伝大会を観戦していると、そのことが顕著にあらわれます。それはタスキをもらった瞬間、脱兎のごとく走り出していく姿はまさに「全力疾走」と、見ていてもハッキリとわかるからです。皆さんも思い当たる経験はありませんか?

では、それを防止する方法は?

至極当然な話になりますが、出足をおさえて走ることです。具体的には、◆対策1).10k以下のレースならスタート直後、1分から2分程度の間をおさえて走る。◆対策2).おさえて走っているときは、「ジョギング」をイメージする。

もちろん、スタート直後から、どんどん抜かれていく可能性が高いのですが、ここは我慢です(笑)。また、「ジョギングをイメージ」とは極端な感じもしますが、それでもスタート直後は必ず速くなります(汗)。

さて、各種マラソン大会で前方からスタートできず、やむなく後方からスタートすることになった経験は、皆さんにもあると思います。しかしそんなとき、全く意識していなかったにも関わらず、ネットタイム(※)では自己記録を更新していたケースは意外と多いのです。まさにこれこそが、スタート直後をしっかりとおさえた結果ではないでしょうか。

※日本陸連公認の大会を含めた各種大会での記録は、グロスタイムしか公式扱いされません。つまり、ネットタイムは参考記録扱い(自己満足だけの記録)となります。仮に、ネットタイムで国際マラソンの参加標準記録を突破したとしても、その記録では参加が認められませんので、注意して下さい。

このように、スタート直後の1分から2分程度の間、ペースをおさえることができたなら、少なくともオーバーペースによる後半の失速は、かなりの確率で防止できるでしょう。また、日々のランニング中でも、自分自身の感覚で1分や2分と感じたところで時計を確認し、実際の時間と一致していくように訓練していくことは、時間感覚を身につけるうえで有効的です。

最後に、オーバーペース防止策をまとめると、◆対策まとめ1).1k毎に時計を確認し、設定ペースを守る(ペースを確認する/ハード面)。◆対策まとめ2).スタート直後の1分から2分程度の間は、ジョギングをイメージし、スピードをおさえる(ペース&時間感覚を身につける/ソフト面)。

同時に、オーバーペースを防止するためにはスタート後、できるだけ早い段階で自分自身の気持ちと身体をうまくコントロールできるかどうかとも言えます。つまり、一緒にスタートした沢山の人たちにのまれることなく、冷静になれるかどうか・・・。

やはり、最後はこれですね(笑)。

つづく。

レース対策・2

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今回から10k以下のレースにおいて、オーバーペース防止対策の具体的な方法を、ハード面とソフト面の両方から考えていきます。

はじめに、オーバーペースを少し専門的に説明すると、「目標タイムより速いペースでスタートすることにより、早い段階で血液中に疲労物質である乳酸がたまり、同時に体内に蓄えていたグリコーゲンも一気に枯渇・・・云々」と、とても難しい話になっていきます(汗)。

もう少し、簡単に言うと、スタートから目標タイムより速いペースで走りだすと、早い段階でスピードが急激に落ち込み、どんなに頑張ってもペースを戻すことが出来ない状態になります。更に、手足が軽い酸欠のような状態となり、しびれるような感覚を伴うときもあります。そして、残念ながらゴールが近くなるほど更にペースダウンしていき、究極のビルドダウンとなってしまいます(涙)。

・・・と、わかり易く言えばこんな状態でしょうか。そして、初心者の人からベテランの人も含め、ほとんどの人たちが上記のことを体験していると思いますが、いかがでしょうか?

そこで最も一般的なハード面の防止策を紹介します。それは、自分自身の目標タイムを1k毎のペースに換算し、そのペースを守っていく方法です。例として、10kの目標タイムが50分00秒の人なら1kあたりの目標タイムは5分00秒となります。そして、1k地点を通過したタイムを確認し、走っているペースを微調整するのです。これは、ほとんどの人たちが実行している方法ですね(笑)。

ところが、自分の目標とする設定ペースが覚え易いタイムなら問題ありませんが、5分23秒と言うように覚えにくいケースも多々あります。この場合、リストバンドのようなものに設定ペースを記入し、直接腕に付けて走ったり、ランニング専用の腕時計に内蔵されているアラーム機能を活用したりと、それに対応する便利なグッズも数多く市販されています。是非とも利用して下さい。

しかし、この防止策には大きな問題点があります。それは、日本陸連公認コースなら距離表示が1k地点から必ず設置してありますが、一般的な市民マラソン大会については、その距離表示すら無い大会も少なくありません。つまり、最初から距離表示を目安にスタートしても、その距離表示が設置して無かった場合は、オーバーペース対策の対応ができなくなるのです。

また、距離表示を見ながら1k地点でオーバーペースを確認できたとしても、10k以下のレースでは既に手遅れになっているケースがほとんどです。このように、距離表示を目安に通過タイムを確認しながら走る方法だけでは、オーバーペースを完全に防止することは難しいと言えるでしょう。

更に、別の言い方をすれば、オーバーペースを防止していくのに、ハード面の対策だけでは不十分であるとも言えます。

次回は、ソフト面からの対策を考えていきます。

つづく。

レース対策・1

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早いもので、平成21年も間もなく半年が経ちます。同時に、平成21年度も3ヶ月が過ぎようとしています。皆さまにとって、ここまでのトレーニングや各種レースでの成績や記録は、満足のいく内容だったでしょうか?

・・・予想以上に頑張れた人。逆に故障や怪我等で満足に走ることができなかった人。それぞれが、様々な思いを抱いていると思います。しかし、ここまでを振返り、これからやってくる夏の走り込みや、秋からのマラソンシーズンに向け、具体的な課題や目標を再設定するには、ちょうど良い時期です。まずは、良かった点、悪かった点をしっかりと洗い出し、特に気持ちをプラス思考の方へリセットしましょう。

私がコーチする選手たちも、4月から「スピード養成期」として、10k以下のロードレースやトラックレース等を積極的に走ってきました。・・・成績や記録については、残念ながらやや低調でした。しかし、大きな故障や怪我をする選手も無く、スピード養成と言う目的は、十分達成することができました。※ここで言う選手とは、市民ランナーです。

そして、今月の28日(日)は、千葉・富里スイカロードレース大会が開催されます。この大会は、最長部門が10kにも関わらず、1万人以上の人たちが参加する全国屈指の市民マラソン大会です。もちろん、私がコーチする選手たちの多くも、出場します。

ところで皆さんは、10k以下のロードレースや駅伝を走るとき、どんな点に注意しているでしょうか?

様々な注意点がありますが、最も注意する点のひとつとして、スタート直後のオーバーペースがあげられます。さて、今更説明する必要もありませんが、各種レースのスタート直前は誰でも緊張します。そして、日々の練習と違い、たくさんの人たちと一緒に並んでスタートします。同時に、なぜかその人たちが自分より速そうに見えてきます(笑)。そんな心理状態の中、号砲が鳴ると自分自身の意識とは関係なく、物凄いスピードで走り出し、あっと言う間に脚が固まって動かなくなります・・・。

皆さんは、そんな経験ありませんか?

かくいう私も、過去に何度もオーバーペースで自滅し、狙ったレースを失敗してきました・・・(涙)。

そこで次回は、オーバーペースを自分自身で感じ取る方法や、その対策を考えていきます。

つづく。

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