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春を走る

春を走る・1

【春を走る・1】第10回大阪マラソン・第77回びわ湖毎日マラソン統合大会が大阪で開催されました。しかし、諸事情により、実際はびわ湖毎日マラソン大会をそのまま大阪に移したような大会となりました。さらに、同大会のコースは折り返し地点が多く、記録を狙う視点からは難コースといわれていました。また、当日の天候は晴れて、気温がやや高くなる予報でしたが、9時10分のスタートだったこともあり、沿道で応援していた感覚だと、その影響はほぼなかったと感じました。

スタート後、何ヵ所か先回りし、直接応援もしましたが、先頭集団はまるで「練習会の距離走」を実施しているような感じで、たんたんと走っていました。実は、先日の別大マラソンも同様でしたが、ペースメーカーの役を担っている選手たちのペースが安定しているので、その集団で走っている選手たちは、30k前後あたりまではストレスを感じないからでしょうか。

マラソンの難しいところは、後半のスタミナ面など様々ですが、終盤までいかにストレスを感じない様にし、その力を温存できるか否かだと思います。いわゆるグリコーゲン(糖)を後半までいかにして温存できるか否か……。

さらに、マラソンはレース中、無我夢中になる局面がほとんどなく、常に頭が働いています(全力ではなく常に余力がある状態)。そのため、集団に入っていても周りの動き(かけ引き)など、目から入る情報がそのままストレスになり、頭で余計なことを考えやすくなります。したがって、そのことが多少なりともエネルギーロスにつながっていくと思われます。

しかし、最近のマラソンは、少なくとも30k前後までは一定のペースでレースが進むので、かけ引きなどを考えたり、周りの動きを意識する必要が少なくなりました。そのため、多くの選手がエネルギーロスを最小限に抑え、終盤まで集団に残れるようになったと感じます。特に、初マラソンの選手は、そもそも余計なことを考えず、無に近い状態で挑戦している点が、好記録にもつながっているのでしょう。

また、至極当然のことですが、「無欲でつかんだ結果」と「狙ってつかんだ結果」とでは、結果の意味がかなり異なります。特に、好結果の後ほど、周囲の評価や期待などを受け易く、激しく心が揺さぶられることにもなり、必ず真価を問われることになります。

もちろん、マラソンでの好記録は、個々のトレーニング量と質の向上が最大の要因になりますが、上記したとおり、30k前後までのエネルギーロスが少なくなっている点は大きいと感じます。しかし、日本代表選考会や国際大会などの場合、周囲の期待やプレッシャーを背負わされて走るため、選手の状況(選手から見える景色)が一変します。まさに真価を問われる場面になるのでしょうか……。

冬を走る・8

【冬を走る・8】今週末から大きなマラソン大会が3週連続で続きますが、最初の大阪マラソンに関しては、すでに出場ランナーの制限が発表されており、多くの市民ランナーは出場することができなくなりました。

さらに、3月に入ると、東京マラソン、名古屋ウィメンズマラソンと続きますが、今のところ出場制限のような発表はなく、このまま何もないことを祈るばかりです……。

また、毎年この時期は冬から春へと暖かい方に季節が移行していきます。そのため、長距離・マラソン選手にとっては、気温の上昇に伴い、調整が難しいと感じる選手も多くなる季節かもしれません。

実は、3月から4月は、マラソン大会の開催も意外と多く、同時期のマラソン大会を目標に走り込みを継続しているランナーの方々は特に、体調管理に注意してほしいと思います(花粉症もはじまったので)。

さて、昨日までの日程で、いつもの千葉県富津市富津公園において強化合宿を実施しましたが、別大マラソンも終わり、次は4月の「かすみがうらマラソン」が目標になります。もちろん、全ての選手がそれを目標にするわけではありません。トラックシーズンに入るので、そちらに目標をシフトしていく選手もいます。

特に、マラソンをメインに考えている選手たちの中には、4月からスピード強化の一環として積極的にトラックレースを走ると決めていたにも関わらず、結局は「何も走らなかった」と振り返る選手は、毎年一定数します(一般の市民ランナーの皆様も含め)。

ロードで実施される各種マラソン大会に関しては、常にアンテナを張って、大会申込みを抜け目なく実行できる方でも、トラック競技になると……。そんな方も今年はトラック競技だけでなく、河川敷などで定期的に開催されている10k以下の短いレースにも積極的に参加するのはいかがでしょうか。

マラソンは何十回も完走しているのに、ハーフマラソンより短い距離のレースはほとんど走ったことがない方は意外と多いからです。極端な例えになりますが、オリンピックのマラソン代表に選考される選手で、トラック競技や駅伝などを走ったことがない選手はいません。もちろん、それに対する例外も皆無です。

つまり、マラソンの自己記録を更新するためには、トラック競技や駅伝(短い距離のレースなど)を走ることは、必要不可欠なのです。

5月を走る・3

【5月を走る・3】5月15日(土)から2日間の日程で東日本実業団陸上競技選手権大会が埼玉県熊谷市において開催されました。同大会は視覚障がい男女1500mと5000mの種目も実施いただいており、東京パラ代表内定選手を中心に多くの選手が出場しました。

特に、16日に実施された視覚障がい男子5000mは、T11クラスの唐澤選手が世界新記録を達成しました。同種目には、T11男子5000mの日本記録保持者である和田選手やT12男子マラソンで活躍する熊谷選手など、記録を狙える選手が集まっており、新記録の予感はありました。

また、視覚障がい男子選手の多くが、「同大会の5000mで自己新記録を狙う」と、今シーズン前半の目標を掲げていました。そのため、出場した選手の多くは、この大会にピークがくるように調整していたので、新記録につながる裏付けもありました。

レースは、スタート直後からいつものように熊谷選手が積極的に先頭を引っ張りました。ところが、2000m手前からペースが上がりません。しかし、その後ろに付いていた和田選手が素早く反応し、先頭を入れ替わってラップの落ち込みを食い止めました。そしてラストは、残り800mから唐澤選手が記録へ向かってロングスパートを仕掛けたのです。

記録が更新されるときのレースは、まるで申し合わせたように記録へのアシストを交代しながら流れていきます。今回のレースは、結果的には唐澤選手が世界新記録を達成しましたが、スタートから「3選手が力を合わせて達成した記録」と言って間違いありません。つまり、日本の視覚障がい男子選手の総合力を見せつけたレースだったとも言えます。

この記録で、東京パラでのメダル獲得に近づいたと思いたいのですが、唐澤選手をはじめ上位3選手とも、個々の課題が浮き彫りになったレースでもありました。詳細は割愛しますが、メダル獲得を目指すにはそれぞれの課題を修正する必要があります。

記録はいつの時代も誰かが更新します。そして、その記録は様々な条件や偶然が重なったときに達成する確率が高まります。そして、勝負に勝つ(メダルを獲得)ことと、似ているようでかなり違います。そして、好記録を達成したあとほど、足元をすくわれる可能性も飛躍的に高まるのです。

東京パラリンピック開幕まで100日を切りましたが、時間はもう少しあります。周囲の様々な雑音に振り回されることなく、たんたんとトレーニングを継続し、メダル獲得に向けたそれぞれの課題を修正してほしいと願っております。

5月を走る・2

【5月を走る・2】新国立競技場において、9日にオリンピック、11日にパラリンピックのテストイベントが開催されました。まずは、開催にあたりご尽力いただいた関係者の皆様に御礼申し上げます。

さて、私は9日と11日の両方に選手帯同することができました。また、オリンピックの方は20時以降のスタート、パラリンピックの方は昼食前後のスタートと、昼夜の状況を確認することができた点は収穫でした。

また、選手の皆様にとっても、本番の会場で自分自身の競技を試せた点は何よりだったと思います。何事もそうですが、見るのとやるのでは全く違います。特に、ウォーニングアップを実施するサブトラックからスタートするまでの時系列に沿った動線は、その流れを経験しているか否かで全く違います。

パラリンピックなどの国際大会は、スタート前のいわゆる選手招集からスタートまでの拘束はかなり厳しく、拘束後は時系列的にグループで招集場所を移動していきます。そのため、経験の少ない選手にとっては拘束された後、とても不安な気持ちにもなります。

それは、国際大会において力を発揮できない要因のひとつとして見落としがちな点だと、個人的には思います。また、新国立競技場はもちろん、国際大会を開催する競技場はとても大きくて複雑な構造をしています。つまり、「この階段を上がればどこに出る?」、「このゲートをくぐればどこにつながる?」など、予め確認しておいた方が安心できる点は意外と多いのです。

今回のテストイベントは、それらの点も概ね確認することができました。同時に、今大会で見つかった改善点などは、当日までに修正されるでしょう。また、テストイベントと並行して、東京パラリンピック・マラソンコースの試走も実施することができました。

もちろん、試走と言っても信号を守り、歩道をゆっくりと走りましたが、コースの高低差なども確認することができました。こちらの方も一日かけて全コースを積極的に確認した選手もいました。同じコースを走っても選手ごとに勝負のポイントは異なるので、選手個々にそのイメージを持ちながら、有意義な時間を過ごせたと思います。

今週末は東日本実業団対抗陸上競技大会(視覚障がいの部)に出場し、その後から東京パラリンピックに向け、本格的な走り込みに突入していきます。

5月を走る

【5月を走る】どんな選手でも「日々のトレーニング」を積み重ねています。それは、目標(順位や記録)を達成するためです。しかし、狙った大会においてそれを達成することは簡単なことではありません。なぜなら、勝負にはライバルがいるのと、記録は当日のコンディションなどに大きく左右され、自分自身でコントロールできない部分が圧倒的に多いからです。

つまり、勝負に勝つことや目標記録を達成できるか否かは、自分自身の能力と言うより、その当日のライバルや天候などのコンディションが自分寄りに整っているか否か。すなわち、「運」があるか否かの非科学的な要因にも大きく左右されるからです。

前述した「日々のトレーニング」も見方を変えれば、「運気を高める・引き寄せる」ために日々継続しているとも言えないでしょうか。また、安定したパフォーマンスを発揮している選手のトレーニング内容や生活習慣は意外とシンプルで、考え方や行動は「ルーティン(習慣化)」されていてブレません(安田の主観)。

さて、先日の5月3日は日本陸上競技選手権大会の男女1万メートルが静岡県で開催されました。女子1万メートルには、いつも富津合同練習会で切磋琢磨している山口遥選手も出場しました。彼女は昨年の11月ころから故障や体調不良などが重なり、調子がどん底まで落ちていましたが、ようやく底を打って上向いてきた状態です。

また、コーチの立場としては「中途半端な調子で出場する必要はない」と、本人にも話をしてきました。一方で同大会にエントリーしている他の選手たちの状態を私なりに分析すると、「意外と戦えるかも」とも思えました。具体的には、東京五輪を意識してハイペースになる選手は数名で、あとの選手は団子状態になって遅くなると。

今の山口選手は、3千メートルを9分40秒、5千メートルを16分10秒あたりで通過する集団に位置すれば後半は勝負できると、本人とも話をしていました。果たして、当日のレースは予想どおりの展開になり、「3千メートルを9分40秒、5千メートルを16分13秒」と願ったりかなったりの集団の後方に位置取りできました。

8千メートル付近でその集団は8名で、6位争いです。つまり、その集団の3番に入れば8位入賞です。自己記録更新だけでなく、入賞の可能性も見えてきた残り4周あたりだったでしょうか。山口選手が、はじめてその集団の前に出て、勝負を仕掛けました。そして、残り1周の段階で、その集団は山口選手を含む3名と、それ以下に割れました。

ラストは後方の選手からかなり追い込まれましたが、「32分24秒86の自己新記録で8位入賞!」。今大会に向け、不調時も自分自身のルーティンを崩さずにトレーニングを継続してきたことで、当日のレース展開を冷静に見極める判断力にもつながりました。また、レース後半は「今日は入賞もできる(運気を引き寄せる)!」と、自ら仕掛けて積極的にそのチャンスをつかみに行った決断力も見事でした。

今後も好不調の波はあるでしょうが、今回の経験は更なる飛躍のきっかけにつながることでしょう。

4月を走る・5

【4月を走る・5】今週は長野県上田市菅平高原で強化合宿を実施しております。約1年振りにここに戻ってきましたが、ここでトレーニングをしている選手やチームはまだ少なく、例年よりも寒く感じます。

この後、菅平高原での強化合宿は数回にわけて6月まで実施します。また、東京パラに向け、ここからは事務的なことや関係行事などが時系列的に進んでいきます。つまり、カウントダウンに入ってきたと言うことです。

選手にとって、9月5日のパラマラソンでメダルを獲得することが最大の目標ですが、まずは怪我や故障をせず、調子を上げていくことが課題となります。しかし、その前に東京パラ代表選手決定があります。

それは、ここまで一緒に切磋琢磨してきた仲間の中から外れる選手が出てくることでもあります。結果、東京パラ行きの船から降りてもらう選手が出てきます。もちろん、どの選手が代表でどの選手が外れるなど、現時点においてはわかりませんが、外れた選手は一旦退場していただくことになります。

ところが、東京パラまで時間はまだあります。そのため、調子の悪い選手は調子を立て直していくことは十分可能です。しかし、頑張ったら代表になれるか否かについては、難しい時期に入っており、その代表は自分自身で決められません。もちろん、自分自身で予測できている選手もいるかもしれません。

また、最後の最後までのぞみを捨てずに代表決定の吉報を待つことは大切です。しかし、自ら東京パラ行きの船から降りて、次の船(他の大会など)に乗りかえていく判断も大切です。それは最も難しい判断になりますが、次のパリパラリンピックは3年後です。

考え方によっては、東京パラに出場する選手よりもしっかりと準備ができるかもしれません。もちろん、考え方や価値観は個々に違いますが、自分自身が置かれている現状を冷静に分析し、この先どのような方向に舵を切るのかを考えるには良い時期かもしれません。

4月を走る・4

【4月を走る・4】先日の土曜日から1泊2日の日程で、強化合宿を実施しましたが、今回の対象選手は伴走者。すなわち、ガイドランナーです。ご存知のとおり、視覚障がいランナーは、一緒に並走するガイドランナーが必要な選手もいます。

一般的には、ガイドランナーはランニングができる方なら誰でもできるボランティアのひとつです。ところが、パラリンピックをはじめ国際大会を目指すような視覚障がいランナーの場合、かなりの走力(記録)を持っているので、誰でもできるという訳にはいきません。

よくある例として、視覚障がいランナーが、マラソンをサブスリー(3時間突破)で走れるのに、ガイドランナーの持ちタイムが、3時間10分。至極当然のことながら、一緒にマラソンを走るのは難しいと判断できます。

また、最初は視覚障がいランナーよりも高い走力を維持していたが、長年一緒に走るうちに視覚障がいランナーの走力が、ガイドランナーを上回ってしまう例もあります。実は、2012年ロンドンパラリンピック以降は、ガイドランナーが必要な視覚障がいランナーに対して、ガイドランナーは2人体制で挑むように変更しました。

それはガイドランナーの負担を少しでも減らすのと、1人のガイドランナーに万が一のことがあっても、2人体制ならもう1人が補欠的な役割を果たせます。つまり、1人の視覚障がいランナーに対し、2人のガイドランナーの意味は2人で1人ではなく、単独伴走が可能な走力を有する2人を確保することで、視覚障がいランナーにとっても安心感とゆとり(ガイドランナーが起因するトラブル防止)をもたせることなのです。

ご存知の方もいると思いますが、パラリンピックや国際大会においては、ガイドランナーにもメダルが授与されます。しかし、それには条件があり、1人のガイドランナーがスタートからゴールまで完全に単独伴走で走り切った場合のみ、メダル授与の対象となります。つまり、日本はガイドランナーを2人体制で挑むので、ガイドランナーのメダルは最初から放棄していることになります。しかし、それと引き換えにガイドランナーの走力を確実に担保していることにもなるのです。

ところが、物事は年数が積み重なっていくと、当初のいきさつや考えが薄れていくものです。最近は「2人のガイドランナーに万が一のことがあったら困るので、補欠のガイドランナーがほしい」と、そんな話も聞こえてきます。確かにその可能性は否定できませんが、前述したとおり「何で2人体制にしたのか?」の意味が違うのと、ルール上も2人までとなっているので、その要望にこたえることはできません。

視覚障がいランナーにとってガイドランナーは必須ですが、どんな人でも長年一緒に走っていると、単なる「走力の差」から「お互いの情」にほだされていく傾向が強くなっていきます。その結果、明らかにガイドランナーとしての走力が低下していても、「お互いの信頼関係」などと都合のよい方向に現実逃避していくケースは多く、ガイドランナーの走力不足によるレース中のアクシデントにもつながっています。しかし、その見極めと決断はいつの時代も難儀なのです。

4月を走る・3

【4月を走る・3】今年度1回目の強化合宿をいつもの千葉県富津市において実施しました。また、今回の強化合宿からトラック練習の比率を上げましたが、目的はスピード強化です。9月5日に予定されている東京パラリンピック・マラソンに向け、まずは短い距離のスピード強化からになります。

実は、今年に入ってから脚の不調を訴える選手が少し増えましたが、ようやく強化選手たちの足並みが揃ってきた感じです。選手としてハードトレーニングを継続していると、どんな選手でも必ずケガや故障の経験をします。

もちろん、それらを回避するために日々のケアや補強運動なども並行して継続しています。しかし、どんな選手にも「向上心」があり、常に記録を目指してトレーニング量や質を向上させている以上、ケガや故障を避けることはできません。

そもそもトレーニングは、「翌日に疲労が残らない強度では効果がなく、翌日に故障をしているような強度でも意味がない」と、その矛盾を数値化できそうですが、確実な指標となるものは見当たりません(私の経験上)。

日々のトレーニングにおいても心拍数を測定したり、血液検査を実施したり、早朝に尿比重を測定したりと、様々な測定や検査を平行していますが、どんな選手でもケガや故障を完全に防止することはできません。

また、ケガや故障に対する痛みの感じ方や反応が個々に違うので、見た目は同じような状態でも簡単に比較することが難しいのも事実です。具体例としては、見た目は何も問題ないと思っていても、自分自身で筋肉の張りや違和感を感じると、直ちにトレーニングを中断する選手がいます。

逆に、明らかに脚をかばいながら走っているにも関わらず、全く痛みがないと言い張る選手もいます。どちらも極端な例かもしれませんが、最終的に「痛いか?痛くないか?」は本人しかわからないのです。

また、ケガや故障を防止できても日常生活において、出勤中などに階段で転倒したり、自転車とぶつかったり、あるいはドアで指をはさんだりと、日々のトレーニングに支障をきたす事故やトラブルに巻き込まれる可能性も否定できません(こちらの方が意外と多い)。

至極当然のことですが、これから起り得ることをあれこれ心配しても仕方ありません。しかし、それらの防止策を考えることも必要であり、まずは9月までは経験の無いことや余計な行動を避けることも防止策のひとつになるでしょうか……。

4月を走る・2

【4月を走る・2】先日の3日から4日にかけて開催された東京陸協ミドルディスタンス・チャレンジ大会が駒沢陸上競技場において開催されました。まさに今年度のトラックシーズンの開幕です。また、同大会はパラ選手も出場できるように運営いただき、視覚障がい選手も多数出場しました。

まずは、大会開催にご尽力いただいた大会関係者の皆様に御礼申し上げます。

さて、同大会は事実上のシーズン開幕戦とあって、東京オリンピックを目指すトップ選手も多数出場し、どの種目も見ごたえのあるレースが繰り広げられました。特に、女子5000mで代表内定している田中選手のラストスパートは相変わらず見事でした。

しかし、4月の大会は全国的に強い風に記録を阻まれることが多く、今大会もホームストレートが強い向い風となり、残念ながら記録ラッシュとはなりませんでした。そんな中、男子パラ選手の井草選手(T37クラス)と岩田選手(T20クラス)の両選手が日本記録を更新し、大会に花を添えました。

特に、井草選手の男子1500m(T37クラス)は、東京パラリンピックの実施種目です。残されたチャンス(大会)は少ないですが、何とか東京パラリンピックに出場できる記録まで到達してほしいと願っております。

一方、この大会に出場した視覚障がい選手たちは、残念ながら自己記録を更新した選手はいませんでした。どの選手も調子は上がっていたのですが、強い風に最後まで苦戦しました。しかし、その中においても手応えを感じさせる走りを見せた選手も多数おり、次の大会につなげることができました。

あらためて、今年は昨年から延期になった東京オリンピック・パラリンピックが開催されます。4月に入り、オリンピックの方は続々と日本代表選手が内定していますが、パラリンピックの方は、まだそれほどではありません。

特に、陸上競技については、オリンピックとは違い、最終的に何名の選手が日本代表に選出されるかの人数(国別参加枠数)が現時点においては確定していません(一部の選手は代表内定しているが)。

そのため、東京パラリンピックを目指している選手たちにとっては、「とにかく少しでも良い記録を残しておく」。現時点においては、それが日本代表に近づく唯一の道です。

記録を狙える大会も残り少ないですが、最後まであきらめずに「前へ!前へ!」と、進むしかありません。

4月を走る

【4月を走る】新年度がスタートしましたが、コロナの影響は続いています。引き続き感染防止策を徹底しながらのトレーニングになります。また、陸上競技はトラックシーズンの開幕です。

4月以降も各種ロードレース大会の多くが中止や延期になっていますが、トラックでの記録会や競技会の多くは開催される方向で調整しています。したがって、選手として記録に挑戦しているランナーにとってはありがたいことですが、ロードレース大会を中心に、記録以外の楽しみも目的にしている市民ランナーの皆様にとっては、厳しい状況が続きそうです。

市民ランナーの皆様にとってはモチベーションが上がらな状況も続きますが、継続してきたランニングをここでやめてしまうことは、何としても避けたいところです。

今更ながらランニングは専用の道具や器具を使うスポーツではありません。また、ランニングフォームなどの技術面を語る前に、そもそも走れるか(動けるか)否かが最初に問われます。つまり、ランニングは技術的な要素より体力的な要素を多く問われるスポーツとも言えます。

また、技術的なことは一度身につけると、いわゆる「身体が覚えている」状態が比較的長く続きます。一方、体力的な要素は休んだり、やめたりすると、その状態を維持すること自体もできません(一方的に落ちていくだけ)。

つまり、ランニングはどんな走力の人でもやめてしまうと、何も残らない残酷なスポーツとも言えます。

そんなこともあるので、モチベーションが上がらない市民ランナーの皆様にとっては今が正念場かもしれません。何とか少しでも継続し、「0」に陥らないよう、様々な工夫をしてほしいと願っております。

そして、今年度も富津合同マラソン練習会を中心に、そのモチベーションを支えるひとつになれるよう、微力ながら活動を継続していく所存です。新年度もよろしくお願いします。

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