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マラソンの完走 Archive

第23回大田原マラソン大会

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11月23日(火・祝)、栃木県で「第23回大田原マラソ大会」が開催されました。その中には、私がコーチする3選手(市民ランナー)も含まれており、夏以降からこの大会を目標に走り込みを積み上げてきました。※男子選手1名、女子選手2名

さて私は、コーチしている選手が出場するマラソンに対して、必ず目標ラップタイム表を作成し、各選手に指示するようにしています。このように、目標タイムや予定通過ラップタイムを各選手に予め指示することは、各種駅伝大会では一般的です。もちろん、マラソンでも自分自身の目標タイムに対する5k毎の通過目標ラップタイム表を予め作成しておくことは、とても有効的な方法のひとつであることは間違いありません。

しかし、目標ラップタイム表を作成するにあたって、いくつかの注意点があります。そこで、私の経験からその注意点をいくつか記載します。

◆注意1).目標タイムが現状の調子や走力とかけ離れていないこと。※目標タイムが理想タイムにならないこと。◆注意2).出場する選手の持ち味やコースの特徴を加味したペース配分にすること。※「前半貯金したのに」と、話す選手がいます。原則として、「前半の貯金=借金(オーバーペース)」となり、後半の大失速につながるケースが圧倒的に多いので注意が必要。◆注意3).過去の大会実績ラップが残っているなら、大いに活用すること。※起伏にとんだコースを走るのに、平坦コースでの実績ラップタイムは参考にならない。

以上のような点をポイントにしながら、各選手の目標ラップタイム表を作成しています。参考までに今回出場した3選手の目標タイムは、次のように設定しました。※5k毎の目標ラップタイムは割愛します。

◆N・T男子選手:2時間41分59秒で自己記録を更新する。(自己記録:2時間45分42秒)◆M・I女子選手:2時間41分59秒で優勝する。(自己記録:2時間38分51秒)◆M・T女子選手:2時間54分55秒で復活する。(自己記録:2時間48分54秒)・・・以上が、大田原マラソン大会を目指してきたトレーニングの流れや調子から、最終的に導き出した各選手の目標タイムです。※N・T男子選手とM・I女子選手は、最後の仕上がりや調子が同程度だったので、今回の目標設定ラップタイムを同じにしました。

はたして、各選手の成績は?

◆N・T男子選手:2時間42分15秒で自己新記録達成!◆M・I女子選手:2時間42分50秒で優勝!◆M・T女子選手:2時間56分55秒で10位入賞!・・・3選手とも、ほぼ狙いどおりの記録と成績でした。

また、今大会は北風が強く、特に25k以降の冷たい向かい風は各選手を大いに苦しめ、失速している選手が続出していました。もちろん、上記3選手も後半の向かい風にラップタイムが落ちる苦しい場面もありました。しかし、35kからゴールまでの7.195kについては、3選手とも目標ラップタイムを上回る粘りの走りを見せてくれました。この点は、選手にとってもコーチにとっても、最も注視する点で、次のマラソンに向けて何よりも大きな自信と財産になります。

さて、これから各種マラソン大会が全国各地で開催されます。皆さま方の快走を心より祈念いたします。

第20回かすみがうらマラソン大会

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「第20回かすみがうらマラソン大会」が、4月18日に茨城県で開催されました。

この大会は、盲人マラソンの部も10数年前から取り入れており、普及と発展にも多大なる貢献をいただいております。そして、今回から盲人マラソンの部に「IPC(国際パラリンピック委員会)公認の部」を新たに新設し、世界に通用する大会としても大きく前進していくことになりました。

そのIPC公認の部にエントリーするには、視覚障害者選手自身も予めIPCに選手登録をしておく必要があります。これは一般の陸連登録と同じで、まずは登録ありきとなります。つまり、IPCが公式に認める公認記録の条件としては、視覚障害者選手がIPC選手登録をし、なおかつ出場する大会もIPC公認であることが必須となります。そして、これらの条件を満たした大会での記録が、パラリンピックや世界選手権大会に出場するための公認記録として認定されるのです。

ところが、視覚障害者選手が国際大会出場に向けた公認記録を狙える大会は、世界的に見ても極端に少ないのが現状です。今後は、この「かすみがうらマラソン大会」が、盲人マラソンの拠点として「世界の中心になってほしい」と、関係者の多くが願っているところでもあります。

今回は、そんな願いをこめた記念すべき「第20回記念大会」となりましたが、IPC公認の部では好記録が続出し、レベルの高い内容となりました。特に、全盲選手と弱視選手の2選手が来年1月、ニュージーランドで開催されるIPC世界陸上選手権大会の参加A標準記録を見事に突破する快走を見せてくれました。

だが一方で、北京パラリンピック代表の全盲選手が、ゴール地点での伴走違反が確認されゴール後、失格になる事態もおきました・・・。実は、これまでもIPCルールに違反している視覚障害者選手や伴走者を見受けることはありました。しかし、それをルール違反として判定できる審判や関係者を公式に配置することができませんでした。もちろんそのことで、視覚障害者選手が失格になることもありませんでしたが・・・。

しかし、今回からIPC公認大会になったことで、視覚障害者選手や伴走者をはじめとする関係者にも正しいルールが確実に浸透していく良い機会にもなりました。そして、これからも正しいルールと審判のもとに大会が運営されていくことで、この大会が盲人マラソンの国際的な普及と発展にも大きく寄与していくことに違いありません。

2010名古屋国際女子マラソン

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今年に入って開催された国内の国際的なマラソン大会は、なぜか天候に恵まれていません。1月に開催された大阪国際女子マラソンは雨でした。また、2月の東京マラソンも氷雨の厳しいコンディションになりました。更に、3月に入ってからのびわ湖毎日マラソンも冷雨と、こんなに雨が連続したことは、ほとんど記憶にありません。

ところが、先日開催された名古屋国際女子マラソンは、晴天に恵まれ気温も一気に上昇しました。大会主催者側から発表された気温は18度でしたが、実際に沿道で応援していた感じだと、軽く20度はこえている体感でした。

マラソンは、寒さや雨の中だと筋肉が硬くなり、後半の失速につながり易くなります。しかし、3月のマラソンで気温が15度をこえると、体感的には初夏のように感じます。同時に、身体が暑さに馴化していないことも手伝って、後半は脱水症状に陥り易くなり、とても厳しいレースとなります。

また、一般的に市民ランナーの人たちの方が、実業団選手(プロ)に比べ体脂肪が多い傾向にあります。そのことをよく表した例として、特に女性市民ランナーの場合、冬の冷雨や寒い中でのマラソンは、当然苦しそうに走るのですが、意外と最後までしっかりとした足取りでゴールします。ところが逆に、今回のように気温が高くなるマラソンでは、後半一気に失速するパターンを数多く見てきました(私の経験上)。

更に、この名古屋国際女子マラソンは、各ポイントの関門が他のマラソン大会より厳しい傾向にあります。そのため3時間10分前後のランナーを中心に前半からオーバーペース気味にレースを進めようとする傾向が強くなります。つまり、今回のマラソンに限っては、気温が高いコンディションにも関わらず、オーバーペース気味にレースを進めようと、極めて危険な流れになる可能性が高かったのです。

そして、実際のレースでは暑さのため、先頭集団を持ってしてもスローな展開に終始しました。同様にスタート前、私が懸念していたとおり、多くの市民ランナーが中間点以降大きく失速している姿を沿道から目にすることになりました。その中には、私がコーチしている選手も含まれており、残念ながら目標タイムを大きく下回る結果となりました。

コーチとしての言い訳になりますが、秋(暖)から冬(寒)へ移行していく季節のマラソンと比べ、冬(寒)から春(暖)へ移行していく中でのマラソンは、天候や気温の変動が大きくなる分、体調管理や調整も難しくなるのです。

そんな中、実業団チームではなく、クラブチームに所属している加納選手が終盤独走し、見事に優勝しました。多くの市民ランナーと同じ目線からの快走は、ランナーのみならず、多くの人たちに勇気と希望を与えるものでした。私もコーチとして、加納選手のようにどんな逆境にも屈しない「強い心」を持ったランナー育成をと、心に誓った名古屋でした・・・。

※おかげさまで、このブログも100話目となりました。

2010東京マラソン

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今年も3万人以上のランナーが東京を駆け抜けました。そして、今年も悪天候でした(涙)。

私は昨年同様、沿道からの応援&サポートです。また、今回の東京マラソンに私が直接コーチしている選手(※)は3名(男子1名、女子2名)出場しました。3名とも今回の東京マラソンに向け、順調にトレーニングを消化してきました。同時に、3名とも一度も風邪をひいたり、故障や怪我をすることもなく、体調管理もほぼ完璧でした。※選手と言っても市民ランナーです。

更に、この1年間を振り返っても、3名とも確実にトレーニングを継続できていました。もちろん私は、他の選手も同じようにコーチしています。しかし、年間を通じて「健康に毎日走れる選手」は、意外と少ないのです。これは、実業団選手(プロ)や学生選手にも当てはまります。

◆2010東京マラソン結果:男子N・T選手/2時間45分42秒(自己新記録・△4分15秒)、女子M・K選手/2時間39分1秒(4位入賞・日本人1位)、女子M・Y選手/2時間52分9秒(自己新記録・△37秒)。

結果は上記のように、最悪のコンディションにも関わらず、3選手ともトレーニングの成果を十分に出し切った素晴らしい内容でした。そして、コーチとして至極当然のことですが、その3選手の東京マラソン(※)を振り返ってみました。※参考までに今回の成功した要因を下記にいくつかあげてみます。

◆要因1).自分自身が走っているペース感覚を正確に把握できていた。⇒ 特に、N・T選手は、かなり好調だったので最初の5kを目標設定タイムより30数秒速く通過。しかし、10kまでにうまく減速し、その後は目標設定ラップを刻みゴール。前半ハーフの通過タイムに対し、後半ハーフの落ち込みは僅か1分弱だった。※マラソンを攻略していく上で、最も理想的なペース配分。

◆要因2).スタート前に体力を温存していた。⇒ 私はフルマラソンに限って、原則として選手にウォーミングアップをさせない。今回も2名の女子選手は、それを忠実に守った。今回、エリートの部でアップを実施せず、控室に最後まで残っていた選手は、この2名のみだった。今回のような悪コンディションになると、特に身体を温めようとアップを入念に実施する傾向にある。しかしその結果、前半で体力を大きく消耗し、逆に後半の失速に拍車をかける可能性が高くなる。※特に、悪天候時は要注意。

◆要因3).レース中も体温(体力)を保っていた。⇒ アームウォーマーはもちろんだが、ネックウォーマー(首)を最後まで着用して走りきった。今回、2名の女子選手は、スタート直前までネックウォーマーを着用するかどうか迷っていた。しかし、着用したことで、首や肩が極端に冷えることを回避でき、最後までしっかりと腕を振っていた。そして翌日は、上腕部がこれまでにない筋肉痛と話していたので、寒さで動かなくなった脚を、最後までしっかりした腕振りで、カバーしていた証とも言える。

以上、大きく3つの要因をあげてみましたが、皆さんはいかがだったでしょうか?

もちろん、これらの要因は全ての人には当てはまりません。むしろ専門的な常識からすると、かなりずれている部分もあるかもしれません。しかし、マラソンは自分自身の体験から学ぶことの方が多く、非常識のような対策でもその人にとってはベストなことも意外と多かったりします。

今回、厳しいコンディションの中、東京マラソンを走られた皆さんも、その貴重な経験を次回以降のマラソンやトレーニングに是非とも活かしてほしいと思います。

再びマラソン・7

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ここまで、「第二次マラソン期(※)」のトレーニングについて考えてきましたが、いかがだったでしょうか?※1月から3月までのマラソンシーズンをさす。

既に何度も話してきましたが、マラソンを目指していくトレーニング方法や理論については、様々な考え方があります。そして、それらのトレーニング方法や理論が、経験や実践に裏打ちされたものであるなら、どれもが正しいトレーニング方法論となります。逆の言い方をするなら、誰もが平等に成功するマラソントレーニングは存在せず、いかにして自分自身に見合ったトレーニング方法を構築していくかが成功へのカギとなるのです。

このように説明すると「私には難しくてできない」と、あきらめてしまう人が多くいます。しかし、難しく考える必要は全くありません。それは、マラソンを上手に走っている人のマネをすれば良いからです。具体的には、自分と年齢性別や仕事、生活環境等が似ている人の成功体験を聞いて、それをマネしていくのです。

幸い、今はランニングブームの影響もあり、様々なランニング情報を伝えてくれる雑誌やHP等がたくさんあります。その中から自分自身の環境と似ている人の成功体験をピックアップしていき、それを実践していくのです。また、身近にあるクラブチームや練習会等に参加し、自分自身と同じレベルの人から直接話しを聞いてみるのは、更に効果的です・・・。

さて、今週末はいよいよ「東京マラソン」です。そして、これを皮切りに、第二次マラソン期後期(※)がはじまります。しかし、トレーニングは逆に、調整段階に入っていきます。何度も話していますが、調整期は「焦ったら休養」を、忘れないようにして下さい。※2月16日から3月末までのマラソンをさす。

また、これからの季節は、寒暖の差が大きくなったり、花粉が舞ったりと、体調管理が難しくなっていきます。同時に、気温が高くなる日も多くなります。具体的には、気温が15度をこえてくると、脱水症状に陥る確率が一気に高くなっていきます。ところが、多くの人はここまでのマラソンにおいて、暑さや給水対策について真剣に考えることは、ほとんどなかったと思います。

しかし、これからは春のマラソンへと移行していくので、暑さや給水対策は最重要事項となっていきます。もちろん、日々の体調管理の中にも脱水対策(※)を、確実に加えていく必要もあります。※ウォーターローディング。

そして、マラソンは万全の体調でスタートラインに立てるかどうかの勝負でもあります。最後の最後まで投げ出さず、体調管理をより重視していきましょう・・・。

再びマラソン・6

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今回は、具体的にハーフマラソンを活用した走り方を考えていきます。はじめに、皆さんはハーフマラソンを走るとき、どんなイメージを持ってスタートしているでしょうか?

実は、ハーフマラソンを活用するときはもちろん、ハーフマラソンを攻略するポイントのひとつとして、その距離をどのようにとらえるのかが重要になってきます。大きく二つにわけると、「マラソンの半分だから短い」と思う人と、「10kの倍だから長い」と、思う人にわかれると思います。もちろん、個々にマラソンを走った回数や10kのスピードがある人とでは、とらえ方も違って当然のことですが・・・。

そして、更にもうひとつ、「ハーフマラソンは10kの延長だが、ハーフマラソンの延長はマラソンではない」と、言うとらえ方です。もう少し別の言い方をすると、マラソンでは、ハーフ通過タイムをハーフマラソンの自己ベストタイム前後で通過すると、ほぼ間違いなく後半失速します。ところが、ハーフマラソンでは、10k通過を10kの自己ベストタイム前後で通過すると、かなりの高確率で自己記録を更新できます(経験上)。

もちろん、個人差も大きく上記のことが、全てのランナーに当てはまるわけではありません。しかし、このとらえ方を活かしたハーフマラソンの走り方をすると、逆にマラソンに向けた走り込み不足の人には、良い場合があります。

具体的には、走り込みが不足した人の走り方として、前半から攻めの走りをするのです。それはまさに、10k通過を10kの自己ベストタイム前後を意識して走ります。しかし、走り込みが不足していることから、特に15k以降は失速する確率が高くなります。しかも、マラソンの30k以降に近い感覚でかなり苦しむはずです。

そのため、失速したことがトラウマになってしまうのでは?・・・と、逆に不安がる人も当然いることでしょう。しかし、この失速して苦しむことが大きなポイントで、この苦しんだハーフマラソン以降は、身体がスタミナを蓄えようとしていきます(専門的な話は割愛します)。

また、実際のマラソンでは、どんなに速い選手でも10k通過を10kの自己ベストタイムで通過する設定にはしません(笑)。つまり、ハーフマラソンで前半から速い動きを経験したことで、逆にマラソンでは、かなりの余裕を持って走ることが可能となるのです。

以上のように少々荒業ですが、マラソンに向けた走り込みが不足している人は、ハーフマラソンを活用することで、逆に良い結果へと導ける場合もあります。しかし、この方法は怪我や故障のリスクも高く、マラソン毎にはおすすめできません。

マラソントレーニングは、じっくりと時間をかけ、マラソンを走りきるための「気持ちと身体」を段階的に作っていくことが基本であり、重要なことです。この点は、常に忘れないようにしましょう。

つづく。

再びマラソン・5

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今回から走り込みが思うように実施できなかった「グループ2」と「グループ3」の人が、ハーフマラソンを活用した場合の走り方を考えていきます。・・・とその前に、マラソントレーニングの一環としてハーフマラソンを走ることについて、私の経験上の話を少し記載しておきます。

多くの選手(市民ランナー)が、マラソンを目標にトレーニングを積み重ねていく段階で、ハーフマラソンや10k等のレースをトレーニングの一環として走っています。かくいう私も、私自身がコーチしている選手(市民ランナー)に対し、やはり同じように各種レースを走るようにすすめたりもします。また、ランニングブームの影響もあり、全国各地ではマラソン大会以上にハーフマラソン大会も数多く開催され、どの大会も大盛況な様子です。

このように、マラソンを目指していく段階で、ハーフマラソンを走ることは、いろいろな意味で一般的になっており、今や自然な流れとも言えます。もちろん、マラソンに向けたトレーニングの一環として走る場合と、単にハーフマラソンを目標にしていく場合とでは、トレーニング内容や調整方法も異なってきます。

その中でもマラソントレーニングの一環として走る場合は、そこまでのマラソントレーニング内容や体調等を加味し、レースでの走り方をしっかりとコントロールする必要があります。特に、そのレースまでのマラソントレーニングが順調な選手ほど、レースでの設定ペースをコントロールすることが重要になってきます。

なぜなら、マラソントレーニングが順調な選手の場合、トレーニングを順調に消化してきた自信(肉体的)が、多少なりともあります。更に、トレーニングの一環としてレースをとらえることにより、精神的にもリラックスした状態でハーフマラソンに挑むことができます。その状態は、肉体的にも精神的にも仕上段階とほぼ同じ、と言っても良いかもしれません。

そしてその結果、かなりの確率で自己記録の更新や、それに近いタイムで走りきる選手が意外と多いのです。ところが、そのレースで力を出し過ぎたことをほとんどの選手は自覚できず、狙ったマラソンに調子が合わなくなる確率も大きくなるのです(私の経験上)。

そんなケースを多く見てきた経験からマラソントレーニングが順調な選手ほど、トレーニングの一環としてハーフマラソン(※)を走ることは、逆にすすめていません。※10kレースがおすすめ。

しかし、走り込みが思うように実施できなかった選手は、そのハーフマラソンをうまく活用する方が良いケースも多く、実際に成功した例も逆に多く見てきました・・・。

つづく。

再びマラソン・4

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今回は、前回とは反対に12月から年末年始にかけて、あまり走り込みができなかったグループについて考えていきます。

◆グループ2).11月から12月のマラソンを走ったあと、忘年会や帰省等に時間をとられ、軽めのジョギング程度を実施するのがやっとだった。◆グループ3).11月から12月のマラソンを走ったあと、故障や風邪をひいてしまいほとんど走れなかった。

ふたつのグループに共通していることは、走り込みを実施しなくてはいけない時期に走り込みができなかったことです。実は、「このグループに該当する人は意外と多い?」と、毎年感じているのですが、皆さんはいかがでしょうか?

また、同時に食生活や生活リズムが乱れ、調子そのものまでも崩している人も見受けられます。何度かこのブログでも記載していますが、マラソンは日々の継続が最も重要です。そのため、どんな理由であろうと、トレーニングを継続していかない限りは、結果につながらないスポーツでもあります。・・・と、頭では理解していても年末年始のトレーニングは、そう簡単にはいきませんよね(涙)。

では、走り込みが不足してしまった人は、どうすれば良いのでしょうか?

一般的に言うと、第二次マラソン期前期でのマラソンは回避し、後期のマラソン(※)にスライドさせるのが賢明です。もしくは、目標タイム設定を見直し、自己記録更新ではなく、今現在の調子に見合った設定タイムに修正した走りをすることです。しかし、現実には後期のマラソンをこれからエントリーすること自体がとても困難な状況です・・・。※2月16日から3月末までの期間に開催されるマラソン。

では、何か対策はないのでしょうか?

実は、あまりおすすめできないのですが、ハーフマラソン大会を活用する方法があります。上記の話と矛盾しますが、1月から2月上旬にかけて全国各地では、ハーフマラソン大会が数多く開催されます。しかも、前期のマラソンを目指している人の多くは、マラソンとセットでハーフマラソンにもエントリーしているパターンが意外と多いのです。そこで、それをそのままセットで活かすのです。

具体的には、目標としているマラソンの2週間から3週間前のハーフマラソン(※)を活用した調整方法です。もちろん誰もが思いつく、とてもありきたりの調整方法に感じますが、どのように走るかが重要なポイントになります。※ハーフマラソン大会のエントリーができなかった人は、トレーニングの20k走に置き換えても構いません。

次回は、そのハーフマラソンの具体的な走り方を含めて、更に考えていきます。

つづく。

再びマラソン・3

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今回から前期マラソン(※)のトレーニングについて、グループ別に考えていきます。※第二次マラソン期の1月20日頃から2月15日までのマラソンを指します。

◆グループ1).昨年の11月から12月のマラソンを走った後、7日から10日前後の休養(軽めのジョギング等)をはさみ、ほぼ予定どおりの走り込みが継続できている。

このグループに該当する人は、マラソンに向けた走り込みが、しっかりと継続できているので、特に大きな問題はありません。具体的なトレーニングとしては、第一次マラソン期の「第二次マラソン準備期(※)」からと、同様になります。※このブログの「マラソン・8」からを参照下さい。

更に、25kから30k走を実施する際の、設定タイムについても、第一次マラソン期と同じとします。具体例として、目標がサブスリーの場合、1kを4分30秒前後の余裕を持ったペースをキープし、残り2kから5k程度をペースアップする走り方となります。もちろん、設定タイムに対する余裕度を確認しながら走りますが、同時に第一次マラソン期との比較(※)が重要なポイントとなります。※自分自身のトレーニング日誌を見返し、その時のラップや体調等を細かく比較できればより確実です。

そして、この時の比較で、前期マラソンの目標タイムが見えてきます。

具体的には、第一次マラソン期と同等程度で走れているなら、目標タイムはその時と同じか、その上を目指すことが数値上では可能となります。しかし、設定タイムをキープするのが苦しかったとか、後半やや失速気味だったからと言って、直ぐにあきらめる必要もありません。翌週にもう一度、同じ設定で同じ距離を走り、この時の走りで判断することができるからです。

実は、第一次マラソン期後半(※)から走り込みを積み重ねているので、最初の週は設定タイムどおりに走れなかったとしても、その時の走りが良い刺激となります。その結果、翌週は見違えるほど調子を戻すケースが多々あります(経験上)。もちろん、逆になるケースもありますが、2週連続で同じ程度の距離走を実施し、その内容から目標タイムを導いていくようにしていきましょう。※昨年の12月から年末年始を指します。

また、少し下品な話し?になりますが、最初の距離走は途中でトイレ(※)に駆け込む人が意外と多いのです(笑)。この場合も翌週は、距離走の数日前から食事や体調管理に注意し、2週連続で同じことにならないよう注意しましょう。※そのまま癖になってしまうケースが多いので、トイレ対策はトレーニングの初期段階で確実に解消しておきましょう。

その後の調整期についても、第一次マラソン期と同様な流れになります。但し、前週までの距離走で調子が良いと実感できた場合、それは走力が一段アップしている目安にもなります。この場合は、調整期での実績タイムを数秒単位でアップし、強度を上方修正しても良いでしょう。もちろん、焦って追い込み過ぎないように注意することは、必要不可欠ですが・・・。

つづく。

再びマラソン・2

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今回から「第二次マラソン期(※)」のトレーニングについて考えていきます。※1月から3月までのマラソンシーズンをさします。

はじめに、この期を更に大きく二つにわけます。具体的には、◆1).1月20日頃から2月15日あたりまでに開催されるマラソンを目指すケース(前期)。◆2).2月15日頃から3月末に開催されるマラソンを目指すケース(後期)。・・・以上のようにわけ、それぞれについて考えていきます。

さて、その前に必ず確認しておく事項があります。それは、この第二次マラソン期に入る直前の月、すなわち昨年の12月にどのようなトレーニングを実施したのかの確認です。もう少しわかり易く言うと、12月と年末年始をどのように過ごしたのか?

あらためて説明する必要もないと思いますが、第二次マラソン期の前期でマラソンを走る人にとって、1月は走り込み期ではなく調整期にあたります。つまり、第一次マラソン期の12月頃から走り込みをはじめていないと、1月下旬から2月上旬のマラソンについては、調整不足となる確率が飛躍的に高くなります。

もちろん、走り込みが不足した人に対し、「第二次マラソン期のマラソンを断念しろ」と、言うことではありません。しかし、第一次マラソン期のように、夏から準備をはじめるケースとは大きく異なります。つまり、同じスタンスで第二次マラソン期を目指すには準備期間が極端に短いことを、まずはしっかりと認識しておく必要があります。

そこで、第一次マラソン期の12月から年末年始にかけてのトレーニング実績を参考に、次のようなグループにわけます。

◆グループ1).11月から12月のマラソンを走ったあと、7日から10日前後の休養(軽めのジョギング等)をはさみ、ほぼ予定どおりの走り込みが継続できている。◆グループ2).11月から12月のマラソンを走ったあと、忘年会や帰省等に時間をとられ、軽めのジョギング程度を実施するのがやっとだった。◆グループ3).11月から12月のマラソンを走ったあと、故障や風邪をひいてしまいほとんど走れなかった。・・・以上のように大きく三つのグループにわけます。※上記グループに当てはまらない人もいるかもしれませんが、それに近いグループでも構いません。

次回は、上記グループ別にわけ、第二次マラソン期(前期)のトレーニングを具体的に考えていきます。

つづく。

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