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世界へ挑む!

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7月31日(土)から8月1日(日)の日程で、身障者陸上競技大会の国内最高峰となる「2010ジャパンパラリンピック陸上競技大会」が、宮城県仙台市で開催されました。しかし、二日間とも30度をこえる猛暑の中での競技会となり、選手にとって記録を狙うには、たいへん厳しいコンディションになりました。

さて、ここであらためて一般の陸上競技大会と障害者陸上競技大会との大きな相違点を幾つかあげておきます。

◆1).同じ種目でも障害の種類と程度によってカテゴリーがわかれている。※視覚障害、手足の切断、脳性麻痺、頸椎&脊髄損傷、他。◆2).同じ種目でも障害の種類や程度によってルールが異なる。◆3).各選手は、IPC(国際パラリンピック委員会)に選手登録し、各障害の種類と程度別に分類しているクラス分け認定を受けなくてはいけない。◆4).IPC公認大会でマークした記録のみが、国際大会に出場するためのIPC公認記録となる。

以上のように一般の陸上競技大会と大きく4つの相違点があります。したがって、障害者の選手が一般の公認競技会で新記録を達成しても、障害者陸上の中では原則として未公認記録扱いとなります。※日本陸連公認記録になってもIPC公認記録にはならない。

そのため、障害者の選手が国際大会を目指す場合、記録を狙える国内の大会が極端に制限されます。具体的には、国内で開催されるIPC公認の陸上競技大会は年間6大会程度となります。更に、各選手の障害や程度によって種目が細かく分類されるため、ほとんどの種目は1名から5名程度のエントリーと、極端に少ないのが一般的です。

つまり、障害者の選手にとって、公式記録を狙う機会が極端に少なく、自己記録を狙うために競い合うライバルも、ほとんど存在しないことにもなります。それは、少ないチャンスに最高の調子を合わせる能力、即ちピーキングがより重要となります。

そして、今回の大会は今年12月に中国広州で開催されるアジアパラリンピック大会に向けた国内最後の選考大会でもありました。そんな中、出場した選手たちは厳しいコンディションの下、自己の記録へ果敢に挑戦し、多くの好記録が誕生しました。

特に、弱視の堀越選手は、初日に800mと5000m、二日目に1500mと、三種目に出場しましたが、今回のような暑さは中長距離種目のパフォーマンスに最も悪影響を与えます。そして更に、追い打ちをかけるように出場した全ての種目が、スタートからゴールまで全く競り合うことのないオール独走と、厳しいレースになりました・・・。

しかし、堀越選手は最後まで集中力を切らすことなく、狙い通りに800mと1500mで見事な日本新記録をマークし、世界へ挑む準備が整いつつあることを見せてくれました。

引き続き皆様方の絶大なるご支援ご協力をよろしくお願い申し上げます。

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