- 2011-08-17 (水) 21:40
- トレーニング計画 | マラソントレーニング | マラソン練習会 | 夏を走る
今回も「基礎体力養成期(8月~9月上旬)」についてです。
既に大まかな流れについては話していますが、この期は「ゆっくり長く」がキーワードになります。具体的には、距離より時間です。即ち、「何キロ走る」から「何時間(分)走る」へのシフトです。その大きな理由は、気温や湿度が高い中で走り込みを実施する場合、距離を目標に一定のペースを保ちながら走ることが難しいからです。
例として、私がコーチする市民ランナーの中にはサブスリー達成者が多数います。そのランナーたちが30k以上のペース走を実施する場合、設定ペースは1kあたり4分30秒からが標準的な設定ペースと位置付けています。
ところが、この暑い8月にその設定ペースでペース走を実施すると、至極当然のことながら中盤あたりからペースを保つことが難しくなってきます。原因は言うまでもなく、気温と湿度が高いからです。そこで、更に設定ペースを落として走ればと考えます。実際に1kあたり30秒落とし、5分00秒ペースで走ると何とか走り切ることができます。
しかし、ここで新たな問題が出てきます。それは、設定ペースを落とし過ぎることで、11月のマラソンで目標記録にしているペースと大きくかい離することです。具体的には、次の「スピード持久力養成期」に移行した際、狙った設定ペースで30k以上のペース走が難しくなるランナーが・・・。もちろん私の経験上の話しが主なので全てのランナーに当てはまりませんが、設定ペースを落とし過ぎてペース走を実施する場合、自分自身が持っているペース感覚が遅い方へぶれるランナーが意外と多くなるのです。
・・・と、長々と説明してきましたが、暑い中でキッチリと設定ペースを守り、計画どおりの距離を走り込んでいくことはとても難しいのです。そして何より、苦しんだ割には身体に疲労を蓄積させるだけになり、精神的なストレスをためこむ結果にもなります。
このように、8月の暑い中での無理なペース走は個人差もありますが、マイナス面の方が多いのです。
そこでこの基礎体力養成期では、自らを設定ペースや距離のストレスから解放させ、「ゆっくり長く」をモットーに走り込んでいきます。更に、ゆっくり長く走ることは、長距離ランナーに必要不可欠な毛細血管網の発達を促進させます。実は、長距離ランナーの速さや強さを決める要素のひとつが、肺から取り込んだ酸素を身体の隅々まで運ぶ毛細血管網にあります。※専門的な話しは割愛します。
それは、この基礎体力養成期でゆっくり長く走ることが、11月のマラソンに必要不可欠な長距離ランナーとしての身体つくりにつながるのです。
つづく。
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