- 2012-12-19 (水) 20:59
- マラソン | マラソントレーニング | 冬を走る
【期分け・56】少し間が空きましたが、久々に期分けシリーズです。前回からの続きで週末トレーニングの組合せパターンについて検証していきます。今回はパターン3の「土曜日:スタミナ系トレーニング+日曜日:スタミナ系トレーニング」についてです。
結論から言いますと、このパターンについての判定は「〇」です。
特に、マラソンを目標に走り込みを継続している初心者から上級者ランナー全てのレベルにおいて効果的なトレーニングパターンと言えます。もちろん、ランナー毎に走力の差があるので全く同じ内容のトレーニングを実施することはできません。しかし、ある数値を用いることで推奨できるトレーニングパターンや内容が見えてきます。
その数値として、「AT(無酸素性作業閾値」や「LT(乳酸性作業閾値)」がよく登場します。実は、私も専門的なことを細かく説明することはできませんが、ポイントを説明すると次のようになります。
はじめに「AT」についてですが、ランナーなら誰でも経験していることです。すなわち、ゆっくりと走りはじめ、少しずつスピードを上げていくと、あるスピードから突然苦しさが増していきます。つまり、楽なスピードでは、疲労物質である乳酸が蓄積されることはありません。しかし、あるスピードからはその乳酸が蓄積はじめるため、それ以上のスピードで走ると苦しさが増していき、走り続けることができなくなります。その境界を「AT」と言っています。
次に「LT」ですが、血液中の乳酸濃度についてです。具体的には、VO2max(最大酸素摂取量)の50%~70%程度の強度であれば、血中乳酸濃度は2~3mmol程度でそれ以上増加することはありません。しかし、運動強度を急激に上げていくとこの血中乳酸濃度は急激に増加していきます。そして、3~4mmol程度を境にこのカーブが急激に上昇し、この限界点を「LT」と呼んでいます。同時に、マラソンのようなスタミナ系の運動は、VO2maxより「LT」の方が持久力を判断する上ではふさわしいと言われています。
また、「AT」も「LT」も境目はポイントではなく閾値と言うだけであって「ゾーン」と考えられており、個人差やその日の体調等によってかなり違いがあります。
以上のように言葉で表現すると、簡単に説明したつもりでもかなり専門的で難解になります。かくいう私もこれ以上専門的な話しをすることはできません。しかし、「乳酸」と言う言葉がひとつのキーワードになることは何となく理解できます。同時に、この乳酸がある一定以上蓄積されないペースなら理論上はずっと走り続けることが可能と言えます。
つまり、乳酸が急激に増加してくる閾値のレベルを改善することができれば持久力アップにもつながり、マラソンの記録も向上するはずです。
つづく。
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