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絆・14

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【絆・14】12月15日(日)、第44回防府読売マラソンが山口県防府市において開催されました。既にご存知のとおり、公務員ランナーの川内優希選手が、先日の福岡国際マラソンから連続となる「1ヶ月間で2度のサブテン(2時間10分切)」を見事に達成しました。川内優希選手は2位でしたが、優勝したモンゴルのセルオド・バトオチル選手に最後まで食い下がり、持ち前の粘り強さを発揮する素晴らしい内容でした。

レースは、川内優希選手とセルオド・バトチオル選手の一騎打ちとなりましたが、向かい風の強くなった32k過ぎに強烈なスパートで川内優希選手を引き離しました。結果的には、そのままセルオド・バトチオル選手が優勝しましたが、スパート時についた10数秒前後のタイム差をゴールまで持ち込む見ごたえのあるレースでした。

逃げるセルオド・バトチオル選手は何度も後ろを振り返り、追いかける川内優希選手は何度も離れては詰めよる粘りを繰り返し、まるで駅伝のアンカー勝負を見ているようでした。優勝したセルオド・バトチオル選手は自己記録を2分以上も短縮する「2時間9分0秒」。2位で粘り抜いた川内優希選手は「2時間9分15秒」と、2人とも見事なタイムでした。しかし、セルオド・バトチオル選手が惜しくも2時間8分台に突入できなかったのは、すぐ後ろで粘り抜いた川内優希選手が阻止したかのようにも感じました…。

さて、今大会には日本盲人マラソン協会の強化指定選手たちが、はじめて公式出場しました。それも11月後半に同大会出場を緊急決定する強行日程でしたが、大会関係各位のご理解ご尽力により、無事に出場することができました。あらためて御礼申し上げます。

今回の防府読売マラソンには、女子強化指定選手全員がエントリーし、男子強化指定選手はベテラン勢が意欲的にエントリーしました。結果は、女子の道下選手(T12/弱視)が、「3時間6分32秒」の日本新記録をマーク。男子選手はベテラン勢が奮起し、福原選手(T11/全盲)が、「2時間53分8秒」。加治佐選手(T11/全盲)が、「2時間57分42秒」。そして、57歳の新野選手(T11/全盲)が、「2時間59分2秒」と、ベテラン3選手が揃ってサブスリーでゴールしました。実は、このベテラン3選手が揃ってサブスリーでゴールするのは、2007年の京都福知山マラソン以来となります。

これらの好記録の理由として最も大きなことは、今年度から女子の強化指定選手が加わり、強化合宿の雰囲気がより明るく意欲的な空気に変わったことです。その結果、少しマンネリ化になりつつあった男子選手たちも刺激を受け、特に若手選手が意欲的になりました。そして、肩身の狭くなっていたベテラン3選手たちが、強化合宿においても久々に積極的な走り込みを積み重ねるようになりました。

そんな意欲的な取組姿勢が実を結び、今回の結果につながったことは言うまでもありません。そして同時に、今回出場しなかった他の強化指定選手たちへの熱いメッセージとなったに違いありません。来年1月に再び強化合宿を実施し、今回出場しなかった強化指定選手の多くは、2月の別大マラソン、3月のびわ湖毎日マラソンと、ビッグレースへの本格参戦も待っています。

引き続き、皆様方の絶大なるご支援ご協力をよろしくお願い申し上げます。

つづく。

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